2月14 日、バレンタインデーです。 
この時期、各地では「愛のこもった運転を」と交通安全イベントが行なわれます。
今日はその1つ、東京都大田区 池上警察署の取り組みを紹介しました。





池上警察署は昨日午後に交通安全イベントを行いました。
イベント名は「チョコチョコ安全確認」!
呼びかけた対象は、二輪車と自転車に乗る人たち。
交通課 課長 木村敏行さんに電話でお話を伺いました。

池上署のバレンタインデー交通安全イベントは6年目。
交通安全の気運を高めるため、地元女子高生にも協力を仰ぎ、行なっています。
今年はオートバイや自転車に乗る人たちに向けて交通安全を呼びかけました。

昨年、池上署管内では年初から自転車の交通事故が増え、秋まで減りませんでした。
また、この時期はオートバイ利用者も厚着などでとっさの動きがしにくくなります。
そこで、自転車利用者には出会い頭の事故を防ぐために交差点での一時停止を
オートバイ利用者にはスピードの出し過ぎ注意を呼びかけました。





今年はどんなことをしたのかというと。
交通量が多い環状8号線の矢口渡交差点近くで
日本体育大学荏原高校チアリーディング部とダンス部の生徒と一緒に
交通安全の思いを込めたチョコレートを配ったそうです。





参加した日本体育大学荏原高校の生徒にも話を聞いたところ
渡そうとしたチョコレートは多くの人が忙しい中
「ありがとう」と言って受け取ってもらえたとのこと。

「同じ高校生や中学生に交通安全について伝えたいことは?」という質問には、
『交通事故は被害者も加害者も辛い思いをします。
私たちからゆずり合う優しい心を広めて一緒に交通事故を減らしましょう』と
頼もしい言葉を伝えてくれました。

そして、池上警察署 交通課 課長 木村敏行さんは、
「全国で多くの人が出勤中の車の中で聴いている時間です。
ドライバーの皆さんに交通安全のメッセージをお願いします」と促したところ
「スマートフォンをいじったり、イヤホンをしながらの運転は大変危険です。
交通ルールを守り、大人もヘルメットを被りましょう。
交通事故全体では歩行者が交通事故死者数の大きな割合を占めています。
ドライバーが横断歩道での一時停止を心がけて頂くことは勿論、
歩行者の方も横断ルールを守りましょう」と注意を促して下さいました。

バレンタインデー。
交通社会にも思いやりや愛情が溢れていれば、
もっと事故は減らせるはずです。

こうした機会に誰かを思いやる気持ちを集めて
1つでも事故が少くなくなる交通社会を築いていきたいものです。





警察庁が2019年の交通事故死者数に関する統計資料を発表しました。
多くのドライバーの方は意外と根拠なく
「自分は交通事故と関係ない」と思っているかもしれません。

でも、それは大きな間違い。
現実の情報をインプットして、車に乗る時の意識を高め
事故に遭う状況を近づけないようにしましょう。

まだ、速報的なもので細かいデータではありませんが、
今週は発表された統計資料の内容を紹介しました。





2019年に交通事故で亡くなった人は全国で3,215人。
2018年は3,532人。317人の減少となりました。
これは1948年に統計を取り始めてから最も少ない犠牲者数。
最も多かった1970年、1万6,765人の2割強にまで減っています。

交通事故発生件数も1969年の約72万件をピークに減少傾向に入り
2019年は当時の半分ほどの38万件にまでなりました。

これについて国家公安委員会は
「政府をはじめ、関係機関・団体や国民一人一人が交通事故の防止に向け
積極的に取り組んできた結果だと考えている」というコメントを発表しています。





交通事故死者数が過去最低というのは喜ばしいこと。
でも、1日あたり8.8人の人が亡くなっている事実を見過ごしてはいけません。
自分や家族や親戚や友人や知人だった可能性もあるのです。
都道府県別の交通事故死者数が多かったところを紹介しておきましょう。

<?位>  埼 玉 129人
<?位>  大 阪 130人
<?位>  神奈川 132人
<?位>  東 京 133人
<?位>  兵 庫 138人
<?位>  北海道 152人
<?位>  愛 知 156人
<?位>  千 葉 172人

長らくワースト1位が続いていた愛知県が
17年ぶりに全国ワーストを脱却しました。
替わってワースト1位になってしまったのは千葉県。





ここまでの数字は絶対数。
危険頻度の目安になる人口10万人あたりの交通事故死者数は以下です。

<?位> 栃木 4.21人
<?位> 高知 4.67人
<?位> 香川 4.89人
<?位> 鳥取 5.54人
<?位> 徳島 5.57人

気をつけるべきは絶対数の多い都道府県だけではありません。
上に挙がった都道府県に暮らす人も特に注意は必要です。





そして、気をつけてほしいのが高齢者の方々。
どうしても認知・判断・行動の能力が若い頃と比べて落ちます。
しかし、頭の中のイメージは、変わらない。

その結果、クルマを運転していても
あるいは街を歩いている時や自転車に乗っている時も
事故に遭遇してしまう危険は高まります。

交通事故死亡者数に65歳以上の方が占める割合は、
2010年に50%を越えました。2019年は、55.4%。

さらに、人口10万人あたりの交通事故死者数は
全年齢だと2.54人ですが65歳以上は5.01人。
65歳を超えると明らかに交通事故で命を落とす危険が増えます。
交通事故に遭遇する危険が増えるとも言えるでしょう。
    
65歳以上の方はもちろん気をつけていただきつつ、
身近に65歳以上の方がいる方は機会があるごとに注意を促して下さい。






交通安全学習には難しい点があります。
話を聴いただけでは頭で分かったつもりでいても、
実生活で生かせない可能性があるからです。

しかし最近、ヴァーチャル・リアリティを使って
「危険予測」を学習するシステムが登場しています。

今週は日本交通安全教育普及協会がレンタルを行なう
『交通安全 危険予測シミュレータ』を紹介しました。
紹介してくださったのは井澤夕里さんです。





このシミュレータを作るきっかけは、
ソフトウェア開発会社からのアプローチ。
神奈川県 相模原市にある株式会社ラッキーソフトが、
地元で多い歩行者事故を減らそうとシミュレータを企画。
一緒にやらないかという声がけがありました。

時代に合う交通安全教育を考えていた日本交通安全教育普及協会も
最新のことができるということで共同開発という形になったのです。





最初に完成したのが2015年の「歩行者編」。
その後、「自転車編」「自動車編」も完成。
「歩行者」「自転車利用者」「車の運転手」、
3つの立場でVRの世界で街を通行し、
危険が潜むポイントを学べます。

このシミュレーターについては正面に大きなモニターが3つ。
これらは繋がった景色が映るようになっています。

「歩行者編」は、足踏みをすると風景が流れる。
足踏みをやめれば止まる。





「自転車編」は、自転車がモニター前に設置してあり、
こぐと風景が動く。ブレーキをかければ止まる。





「自動車編」はゲームセンターのようなシートがあって、
前にハンドル、その脇にはウィンカー、ライトとワイパーのスイッチ。
足元のアクセルを踏めば前進し、ブレーキを踏めば停止します。





例えば「歩行者編」であれば、道路の横断を疑似体験できます。
渡っている最中には様々な危険が起きるようになっています。
単路の横断歩道という課題では、まず歩行者の人が手を挙げると、
センサーがそれを感知して車の人たちが止まってくれる仕掛けがあります。

通常であれば、渡りたくなるところですが、
止まった車をすり抜けて突っ走ってくるバイクや
渡り終わる最後には左側を通っていく自転車がいたりします。
右左をよく見ながらそれらの危険を予測して
的確な位置で止まれば危険に会わずに横断ができるという仕組みです。

3つのタイプともに複数の交通場面があり、
それぞれに複数の危険が潜んでいて頻度も変えられます。
また、時間帯・天気・背景の選択もできます。
同じことの繰り返しにはならないので、その点でも優れもの。





映像のクオリティの高さもあり
話で聴くよりも断然に”頭”と”身体”にインプットされるでしょう。

子どもたちができるのは「歩行者編」「自転車編」ですが、
ちょっとしたゲーム感覚に夢中になるそうです。

交通安全教室では体験した結果が出るようにしておきます。
その上で自転車シミュレーターを子供達がやると
あちこちで事故に遭って評価が悪くなる。
すると悔しい、A評価を取ろうと自分からまた挑戦する。
指導者が何も言わなくても後方の確認、信号では止まる、
見通しの悪いところでは、右左を一生懸命見るということを修得。
Aが取れて喜んで帰っていくという子どもの心を捉えた一面もあります。

日本交通安全教育普及協会がレンタルを行なっている
「交通安全 危険予測シミュレーター」は、
子供向けの交通安全教室や交通安全イベントで活躍しています。

交通安全に関係する催しに関わっていて、
興味を持った方は問い合わせてみて下さい。


一般財団法人 日本交通安全教育普及協会 Webサイト
https://www.jatras.or.jp/


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