電動アシスト自転車を利用する人が増えています。
ただ、ふつうの自転車に増して注意が必要。

今週は自転車安全利用コンサルタント 北方真起さんにお話を聞き
「安全な電動アシスト自転車の利用」についてお送りしました。





北方さんによると、国内の自転車数は約157万台。
そのうち電動アシスト自転車は約67万台。
4割以上を占めていると言われています。

過去10年間の自転車の販売台数は減少していますが
電動アシスト自転車は年々増加していて2倍以上になっています。

また、販売台数増加に比例して事故も増えています。
2018年の自転車関連事故85,600件は10年前から半減していますが
電動アシスト自転車関連の2243件は2倍。
死亡事故の割合も高いというデータが出ています。





「自転車の交通事故」と聞くと、
多くの方は自転車と車との間で起こった、
自転車が被害者となる交通事故を想像するかもしれません。
でも、注意を促したいのは歩行者相手に起こしてしまう事故です。

電動自転車のメリットはたくさんあります。
坂道、漕ぎ出し、特に子供を乗せていると重くなるので
そこをサポートしてくれるメリットがあります。
そのためにお母さん、お父さんの利用が増えています。

保育園の送迎や買い物、用事があって急いでいることも多く、
加速しやすいのでスピードを出し過ぎて事故に繋がっています。
スピートが出てしまうものですが、出し過ぎないように気をつけて。

そして、子供を乗せていたとしても自転車の通行は車道が原則です。
歩道を通るのであれば、車道寄りを徐行する。
歩道は歩行者のための場所であることを意識して
すぐ止まれるスピードで運転することを心がけて下さい。





電動自転車はふつうの自転車より重量があります。
車体自体で30?以上。2人の子供を前に乗せたとしたら親子3人で100?。
この重さに加えてスピードが出ていれば、北方さん曰く「戦車のようなもの」。
人にぶつかってしまった場合の衝撃はとてつもなく大きいのです。
利用者はその点を理解して利用する必要があります。

北方さんは自転車を楽しく安全に利用するために
3つの大切なことを教えて下さいました。


1.安全確認をしっかり行う

  左右だけではなく、前後の状況もしっかり確認して下さい



2.スピードを出しすぎない

  繰り返しになりますが電動アシスト自転車は
  ペダルを踏んだだけでスピードが簡単に出ます。



3.ヘルメットをかぶる
  
 「もしも」の時に自分のこと、子どものことを守るため
  ヘルメットをかぶる習慣を身につけましょう。





普及する電動アシスト自転車、
利用している方や、利用しようと思っている方は、
以上、お伝えしたことを心に留めて、運転して下さい。


クルマの運転にはドライバーがいくら気をつけても
目で実際に確認できない、ミラーにも映らない「死角」があります。
そのことを認識しておかなければ交通事故の危険性は高まります。
今週は『クルマに潜む死角の危険』についてお伝えしました。


1.運転席から見れば前後ウィンドウより下は全て死角

前方のフロントガラス。後方のリアウィンドウ。
車体から下の部分は運転席からすると死角です。

フロントガラスの死角に特に気をつけたいのは、
駐車や停車した状態からの発進時。
小さな子どもがクルマの前にいても見えません。
発車する前に車から降りた状態で確認するようにしましょう。
リアウィンドウの死角に特に気を付けたいのは駐車や車庫入れの時。
不安がある場合は、いちど車を降りて安全を確認して下さい。






2.車の真横の死角

前後ウィンドウと同じように、
左右についても車体近くの低い位置は死角。
その死角は運転席側よりも助手席側のほうが大きくなります。

車を発進させる時は運転席側の状況は把握しているもの。
助手席側の死角の状況を確認するようにしましょう。

走行中はサイドミラーとバックミラーで
左右の状況をチェックすることはできますが真横が死角になります。
車線変更をしようと思った時に真横にクルマがあって、
「ヒヤリ」とした経験がある人は少なくないでしょう。
首を振って目視で確認するようにして下さい。

左折する時は左側の後方で死角になる部分があります。
左折する時は、なるべくクルマを左側に寄せて、
二輪車が入ることができる空間を作らないようにします。
その上で左の後方を目で確認しながら曲がるようにしましょう。





3.ピラーによる死角

ピラーは英語で「柱」のこと。
クルマではボディとルーフ(屋根)をつなぐ柱を指のことです。
車種によって、ピラーの数とある場所は異なりますが
基本的に前方の左右、後方の左右にあるので気をつけましょう。
それほど太くありませんがピラーの中に
づくべき対象が隠れてしまうことが少なくありません。
多くの場合は「自転車」「歩行者」「オートバイ」などです。
「ピラーは危険」だということを念頭において下さい。





4.障害物による死角

自分のクルマの構造上ではなく、
他のクルマの存在によっても死角は生まれます。
        
例えば走行する車道の先に停車しているクルマがある。
そのクルマをよけつつ進もうとした時に、
クルマの陰から道路を横断しよう人が出てくる。
 
あるいは右折待ちをしていたら、
対向車が停止して「右折を先にどうぞ」と譲ってくれた。
お礼の意思を示しつつ、なるべく急ごうと右折をしたら、
停まってくれたクルマの陰からオートバイが直進してくる。


運転中はこれらの死角を常に意識するようにして下さい。
そして、大きさ、車高、構造などによって死角は変わってきます。
自分が乗るクルマの特徴を把握しておきましょう。



以前は交通事故死亡者を「状態別」に見ると「自動車乗車中」が最多でした。
しかし、最近では最も多いのは「歩行中」。
中でも65歳以上の高齢者の「歩行中」が目立ちます。
今週は「交通事故と歩行者」について伝えました。





JAF東京支部 事業課 交通環境係 高木 孝さんによると
昨年の交通事故死亡者3215名のうちの36.6%が歩行中で1176名。
そのうち高齢者が7割弱を占め、803名が65歳以上となっています。

高齢者が身近にいる方は、注意を促すようにしましょう。
車・オートバイ・自転車に乗る方は上記を念頭に運転すべきです。
そして、高齢者の方は、まずはご自身が身を守る意識を持って下さい。
それは歩行中に交通事故で亡くなった多くの高齢者に法令違反があるからです。

昨年、歩行中に亡くなった方のうち6割以上に法令違反がありました。
横断歩道ではないところで道路を渡ってしまう「横断違反」。
さらに「信号無視」といったところが主なものです。
ドライバーからすると予想外のところから人が出てくれば
急ブレーキをかけても間に合わないということも生じます。





交通事故に遭った歩行者のデータを見ると
年齢層を問わず、法令違反があったか、なかったかで、
事故の大きさが異なってくることがわかります。

去年、歩行中に亡くなった65歳以上のうち
「違反あり」が6割以上だったと先に記しましたが
死亡者に負傷者も加えると「違反あり」は23%に留まっています。
一方で高齢者以外でも、歩行中死者のうち「違反あり」は85%という数字。
こちらも負傷者も加えれば「違反あり」は24%。
つまり、法律に反する歩行者には命の危険が伴なうのです。





歩行中の方が交通事故に遭わない基本は、
まず、自分自身が法令違反をしないところから。
このことはお子さんや身近な高齢者にも伝えてください。


 
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