そろそろ12月も半ばを迎えて本格的な冬。
夜間から明け方にかけては冷え込んで路面が凍結することがあります。
クルマを運転する時には、気をつけましょう。

今回はJAF 東京支部 事業課 交通環境係 栗原 悠羽さんにお話を伺い
『3つのアイスバーン』について伝えました。





街中を走っている分にはアイスバーンは無関係と思いがちですが、それは間違い。
冬の路面状況は時間や気温によって刻々と変わります。
特に気温が冷えこむと道路が凍結しますが、
それは寒い地域や高度が高いところばかりとも限りません。
街中や平野部でも起こります。
最近は以前なら多くの積雪がなかった地域に大雪が降ることもあります。
日本全国、どこにいても注意してハンドルを握るようにして下さい。





栗原さんによるとアイスバーンを分類分けすると大きく3タイプあります。


【ミラーバーン】

雪が踏み固められたりタイヤで磨かれてツルツルになった路面。
発進、停止を繰り返す場所、例えば多くの車が行き交う交差点付近などで多く発生。
車を発進する時はゆっくりアクセルを踏んでスタートすることが大切。
信号待ちで止まる時にはアクセルを早めに離して
早めにブレーキをかけ、ゆっくり止まることが対策として重要。


【凍結アイスバーン】    

雪や氷が溶けて、再び凍った路面。
アイスバーンの中でも特別滑りやすく慎重な運転が求められる。
日当たりがよく、夜になると寒くなるところに特に発生しやすい。
日中には氷の上に水の膜が張った状態になることもあり
その時は氷の路面よりもさらに滑りやすいのでより慎重な運転が必要。


【ブラックアイスバーン】 
   
一見すると路面が濡れているように黒く見える。
その実、凍っているのでスピードを出していると危険。
濡れている路面と凍っている路面ではブレーキをかけてから
止まるまでの制動距離が50m以上の差がある。
思わぬ事故につながる恐れもあるので非常に危険。





アイスバーンへの対処の1つがスタッドレスタイヤにすること。
また、チェーンを準備しておくこと。

その上で、滑ることを前提とした予測運転をしましょう。
乾いている路面であればブレーキやハンドルで回避できる危険も
アイスバーンの走行ではスリップして間に合わない、
コントロールが効かないという恐れがあります。
急ハンドルや急ブレーキを使用しない運転を心がけましょう。

特に気をつけたい時間帯は気温が下がって道路が凍結しやすい夜。
暗くて凍結に気づかない可能性もあります。
そして、グッと気温が下がる明け方も凍結しやすい時間。
日中は凍っていた路面が溶けているところがあります。

アイスバーンによるスリップで事故を避けるには、
スピードを出さず、道路状況に感覚を研ぎ澄まして運転することです。




クルマの運転時に起こる「蒸発現象」をご存知ですか?
これはヘッドライトの光線が目に入り
自分のクルマと相手のクルマの間の対象物が見えなくなってしまうこと。
英語ではグレアと言いますが、当然かなり危険な現象。
どんなものかを知り、覚えておいてください。
今回はこの蒸発現象についてモータージャーナリスト 菰田 潔さんにお話を聞きました。



  群馬県警察 WEBサイトより


今では「ナイトビジョン」という機能がついているクルマがあります。
これは遠赤外線画像で対象物を見るシステム。
歩行者や自転車に乗る人は体温が感知されディスプレイに白く写し出されます。

乗っているクルマにナイトビジョンがついている方は、
有効な利用方法を把握しておきましょう。
しかし、付いていない場合には、本当に自分に注意して走るしかない。
なかなか深刻です。

そこで覚えておきたいのが、蒸発現象は雨の日に多いこと。
対向車のヘッドライトや自分のクルマのヘッドライトが路面の水が乱反射。
自転車や歩行者がいても気づきにく状態になり非常に危険です。

ですから、信号機がない横断歩道に近づいた時は特に気をつけなければいけません。
歩行者がいないと思うのではなく、いるのに見えなくなっている可能も考えて、
スピードを落としてブレーキを踏んだらすぐ止まれる感覚でクルマを走らせましょう。

そして、日頃のクルマのケア。
フロントガラスが汚れていては、より前方が見えにくくなります。
油膜をとってワイパーブレードを綺麗にしておくことがドライバーにできる事前の対策。
その上で、夜間はスピードを落とし、周囲に注意力を働かせるようにしてください。




コロナ禍で自転車の売り上げが好調のようです。
信用調査会社大手の帝国データバンクによると、
昨年度の自転車販売市場は過去最高を更新しました。

運動不足解消のため自転車に乗る人が増えた。
公共交通機関の密を避けるため自転車で通学・通勤するようになった
といったことが、あるのでしょう。

今、自転車に関して指摘されているのがヘルメットの重要性。
今週は自転車ジャーナリストの遠藤まさ子さんにお話を伺い
「自転車利用時のヘルメット着用について」お伝えしました。





警察庁交通局もWEBサイトで注意を喚起しています。
自転車乗用中の交通事故で亡くなった人の約6割が頭部に致命傷を負っている。
また、自転車乗用中の交通事故においてヘルメットを着用していなかった人の致死率は、
着用していた人に比べて、令和2年中だと約3.0倍高くなっている。

間違いなく自転車に乗る時は、
ヘルメットをかぶったほうがいいということがわかります。





愛知県は先月から自転車に乗る時のヘルメットの着用が条例で“努力義務”としました。
今年9月までの5年半に自転車事故で165人が死亡。
そのうち160人がヘルメットをかぶっていませんでした。
そこで、今回の着用義務化となったわけです。
同時に県内でヘルメット購入補助を始めた市町村もあります。

全国的にも自転車の安全利用についての条例は浸透し始めているそうです。
最も多いのが保険加入についてで、次がヘルメットの着用義務。
このヘルメットの着用義務化は学生を対象にする自治体が多いのですが
愛知県は全年齢層を対象にしたこと、また愛知県のように人口が多い行政で
条例が施行したことは大きな出来事だと遠藤さんはおっしゃっていました。





自転車用のヘルメットを購入する時に気を付けるべきことは
何よりも安全基準マークがあって安全品質を担保しているものを選ぶこと。
安全基準には以下のようなものがあります。参考にしてください。


【国内基準】

S G - 一般社団法人製品安全協会による製品安全認定基準

JCF - 日本自転車競技連盟の安全基準


【国際基準】

C E - 製品をEU加盟国へ輸出する際の安全基準

G S - ドイツ製品安全法に基づく基準

CPSC - アメリカ合衆国消費者製品安全委員会が定める安全基準





安全基準認定の次にチェックするべきはサイズ。
自分にフィットするものを選ぶことが大事。購入時に試着しましょう。
欧米人と日本人の頭の形状は違うそうで海外製品は西洋人の頭向き。
海外製を購入しようと思った時は特に注意しましょう。

ヘルメット使用はかぶり方が間違ってしまえば意味がありません。
多い間違いは顎紐が緩んでいることと斜めに被ってしまっていていること。
ともに衝撃が与えられた時にズレてしまい頭の保護に役立たない恐れがあります。





以上、自転車に乗る時には、いかにヘルメットが大切か? 
わかっていただけたと思います。
番組を聴いているリスナーの皆さん自身も着用するべきですし、
子どもがいる方は、持っていないならば、
お子さんのヘルメットも買いに行きましょう!
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