【横断歩道は歩行者が優先】。
ほとんどのドライバーが知っていると思いますが、
このルールに従って車を走らせているでしょうか?

今週は横断歩道付近でクルマがやらなければいけないこと、
反対にクルマがやってはいけないことをお伝えしました。





過去5年間で自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故は5,052件。
そのうちのおよそ7割、3,588件は歩行者が横断中の事故です。
横断場所を見てみると、横断歩道33% 横断歩道付近13% 。
横断歩道とその付近で半数弱を占めます。





クルマを運転している時の横断歩道付近には要注意だと分かります。
まず、クルマで走行している時にやらなければいけないことは
信号がない横断歩道で歩行者が渡ろうとしていたら
必ず一時停止して、歩行者が横断歩道を渡るまで待つこと。

これは道路交通法で定められています。
違反した場合は3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金。
反則金は普通車 9000円、二輪車 7000円、原付 6000円、
基礎点数は2点です。





「JAFの調査」では一時停止するクルマの割合は増えています。
初調査の2016年は一時停止するクルマの全国平均わずか7.6%でした(!)
続く2年もほぼ同じ、2017年、2018年はともに8.5%。

しかし、この問題は愛知県在住のイギリス人が、
東京オリンピックで来日する多くの外国人の安全を危惧して
新聞に投稿したことで広く知られることになります。
警察や行政もキャンペーンをスタート。

2019年に17.1%と倍増し、2020年 21.3%、
最新版2021年の調査では 30.6%と右肩上がりではありますが
まだ3割、割のクルマが停まっていない現実は何とかしたいものです。





横断歩道を認識しにくいと思っているドライバーも多いかもしれません。
これは路面に記された菱形の標識でわかります。
菱形のマークがあったらその先に横断歩道または自転車横断帯があるということ。
1つ目は横断歩道の「50m手前」、2つ目は「30m手前」に標示されています。





横断歩道付近でクルマがやらなければいけないことの2つ目。
横断歩道や自転車横断帯の手前で車が止まってる時は
その横を通って前に出る前に一時停止をしなければいけません。

これは例えばどういうケースかというと
クルマを運転していると、前方に横断歩道が見えてきた。
その手前にハザードランプをつけたタクシーが停車している。
お客さんが降りるのか? 乗ったのか?
あなたはタクシーの動きに気をつけると思いますが、
気をつけながらそのまま追い越す・・・ というのは法令違反。
いちど停車しなければいけません。
意外と知らない人が多いかもしれないこのルールを覚えておいて下さい。





次に横断歩道付近でクルマがやってはいけないこと
箇条書きで記すと

★ 横断歩道や自転車横断帯とその手前から30m以内の場所では
  他の車を追い越したり、追い抜いたりしてはいけない

★ 横断歩道、自転車横断帯とその端から前後に5m以内の場所では
  駐車も停車もしてはいけない

★ 横断歩道のない交差点やその近くを歩行者が横断している時は
  その通行を妨げてはいけない。





最後に運転者の立場ではなく、歩行者の立場の時も気をつけましょう。
横断歩道や信号機つきの交差点が近くにあれば、
その横断歩道や交差点で横断しなければいけません。
また、クルマの直前・直後の道路横断は禁止されています。
交通事故に遭った歩行者にも法令違反が多いことを覚えておいて下さい。

今週、関東甲信地方は梅雨入りしました。これからしばらくは雨が多い季節。
交通事故の危険は高まるということで、今回は「視界不良」についてお伝えしました。
お話をお聞きしたのは、JAF東京支部 事業課 交通環境係 杉本 実さんでした。





ドライバーの皆さんは経験上、理解していると思いますが
雨が降っている時は視界が悪く、周囲の音が聞こえにくい、
従って事故の危険は、高まります。

まず車の運転であれば速度を落とすことが大切。
そして、ヘッドライトを点灯しましょう。
対向車、横を走る車、後続車とお互いに存在を認識しあうためです。

また、歩行者や自転車利用者は反射材を身につける
明るい色の服装を着るなど、クルマに自分の存在をアピールしましょう。





さらに、雨が降っている夜に気をつけなければいけないのが「グレア現象」。
夜間、自分の車と対向車のヘッドライトの光が交錯した時に、
お互いの光が反射しあって間にあるものが見えなくなることです。
雨が降っている夜は、路面が濡れて、ライトの光が乱反射しるので特に注意が必要。





視界の悪い雨の季節の運転に備えて
クルマのパーツをしっかりメンテナンスしましょう。

フロントウィンドウ/リアウィンドウは
雨で濡れた時に視界が悪くならいよう綺麗にして油膜を取り除きます。
曇った時にはデフロスターを利用して曇りをなくします。

そして、ワイパーもチェック。
ワイパーについては吹きムラ、吹き残し、ビビリ音が出たらゴムの交換時期かもしれません。
多くの製品は年に一度の交換を推奨しています。

ウォッシャー液は真水ではなく、市販製品の利用がおすすめです。
使いたい時に残量が無いということがないように定期的に点検して下さい。

サイドミラーも視界確保のために重要。
これも汚れを落とした上でコーティング剤を使うことがおすすめしますが
雨を弾く揮発性のものではなく、雨を貼り付ける親水性タイプがいいとされています。
水滴がつかず、クリアに見ることができるからです。





まずは視界を確保するためにクルマをメンテナンス。
運転する時にはスピードを出さない。
雨が降ったら存在に気づいてもらうためにライトを点灯する。
また、クルマを運転している時に人間は視覚と聴覚で周囲の交通環境を認識するので
特に雨の中を走行している時には大きな音で音楽やカーラジオをかけない。
これらのことを実行して、雨の季節の事故を近づけないようにしましょう。

沖縄地方・奄美地方はすでに梅雨入りしていますが、
これからしばらくは雨の降る日が多い季節を迎え、交通事故の危険が高まります。
今週と来週は「雨の季節に備えよう」。
JAF東京支部 事業課 交通環境係 杉本 実さんにお話を伺い
注意ポイントとクルマのチェックについてお伝えします。





首都高速道路株式会社の調査によると
雨天時の事故件数は晴天時の約5倍。
雨の日の深夜となると約7倍にもなります。
考えられる理由としてはでスリップと視界不良ということで
前編ではまず「スリップ」にフォーカスしました。





雨の日にスリップしやすくなるのは路面が濡れて
ブレーキが効き始めてから停止するまでにクルマが進む距離「制動距離」が伸びるから。
雨の時は晴れの時と比べて1.5 倍になると言われています。

JAFがかつて行った実験、乾いた路面と濡れた路面で
タイヤの溝の少なさによる制動距離の違いを測ったところ
濡れた路面を100km/h で走ったとき
2 分山のノーマルタイヤで約 1.7 倍、5 分山のスタッドレスタイヤで約 1.5 倍
乾燥した路面よりも制動距離が長くなったといいます。

つまり、雨で路面が濡れている時はスピードを出しすぎない!
いつも以上に周囲に気を配り、早めの危険察知を心がける!
この2点が必要です。





そして、梅雨が目前にせまったこの時期、
タイヤをチェック! 必要であれば交換しましょう。

法令的には残り溝が1.6 ミリ以下になったタイヤは使用してはいけません。
では、そこまで減ってなければ大丈夫かというとそうとも言えません。
それは上記のテスト走行の結果が示しています。

また、タイヤはゴム製なので使用していなくても経年劣化していきます。
溝がたっぷり残っているからといって安心するのではなく、
製造から5年以上経ったタイヤは販売店等で確認をしてもらいましょう。
製造年月日に関してはタイヤの側面にゴムの中に 4 桁 の数字があり下2桁が製造年。
例えば 2412 という数字があれば2012 年製です。





そして、“スリップ”から話はそれますが、
路面に水が溜まっている時には「ハイドロプレーニング現象」の危険があります。

タイヤと路面の間に水が入り込みタイヤが路面に接触 しなくなることで
車が水の上を滑り、ブレーキやハンドル操作が効かなくなるのがハイドロプレーニング現象です。
特に起こりやすいのが高速道路。
タイヤの溝がしっかり残っていても関係ありません。

万が一ハイドロプレ ーニング現象に見舞われた時は何 もしないのが基本。
ハンドルを切ったり、ブレーキ踏み込むと、タイヤが路面に接地した時に、
危険な動きをすることになるので、落ち着いて制動が効くようになるのを待ちましょう。

来週は「雨の日の運転に注意(後編)」。
視界不良について、お伝えします。





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