来週水曜日の10月9日は「トラックの日」ですが、
普通自動車より大きく重量があるトラックとの交通事故はとても危険です。

交通コメンテーター  西村直人さんにお話を伺いつつ
今回は交通社会においてトラックに対する注意点についてお伝えしました。





歩行者や自転車利用者の立場にある時
トラックと関わる大きな割合は交差点です。

あなたが歩きか自転車で横断歩道を渡ろうとしていて信号は青。
左折しようとしているトラックに気付いても、
「交通弱者が優先。相手はプロのドライバー」という意識で、
躊躇せずに横断し始めることはとても危険なことです。

トラックは普通自動車と比べて死角が広くなります。
歩行者や、中には自転車で横断歩道を渡っている人もいますが
十分注意していても特に大型トラックについては
その死角に入っている可能性があることを留意して下さい。
これはお子さんに伝えるようにして下さい。

さらに子どもについては「横断歩道は青になったら渡るんだよ」と伝えていませんか? 
横断歩道は青であることは大前提ですが、左折しようとしているクルマがある時は、
その運転手が自分に気づいているかどうかを確認してから渡るように伝えて下さい。
死角の広いトラックなら尚更です。





次はクルマやバイクに乗っている時の話。
まずは交差点でトラックとの衝突・接触を避けるためのポイント。

トラックは積荷を積んでいるので、急ハンドルをすると
荷崩れを起こしてしまう恐れがあるので急なハンドル操作はできません。

一方で交差点で、例えば直進するトラックと右折する車両、
もしくは逆に右折するトラックと直進してくる例えば二輪車といった状況では、
トラックは重量があるのでスタートしてから交差点を渡り切るまで相応の時間がかかります。

それに対して二輪車は小さいので、右折する、右折待ちをする大型トラックからは
非常に遠くにいるように見えます。ですから、二輪のライダーは大型トラックが
右折を始めたと認識した時点で速度を緩めるだけではなく
ブレーキをかけて先に通過させてしまうという判断をして下さい。

また、交差点でトラックは左折しようとしていて、
二輪のあなたは直進という場合は、先ほどの歩行者・自転車の利用者同様
内輪差に巻き込まれてしまう可能性があります。
トラックが左折をしていると気づいたら、
止まって、内輪差の中に入らないようにしましょう。





続いてはトラックの直進時の追突事故について。
高速道路の渋滞の末尾に乗用車のドライバーが遭遇した場合には
早い時点からハザードランプを点灯させて注意を促しながら
前の車との距離を車2台分ぐらい空けて停止しましょう。
そのあとで後ろの大型トラックがきちんと止まったら通常の車間距離に戻します。

車2台分を空けるのは、万が一後ろの大型トラックが気づくのが遅れて
自分のクルマに追突する可能性が感じた場合は左右なりに避けることができるから。
ルームミラーを確認して安全な運転環境を保ちましょう。





最後にトラックと出会い頭の事故を起こさないためには
例えばコンビニの駐車場から本線道路に出るような時には
距離を空け、しっかりと安全確認をしてから道路に出ること。
「後ろからトラックが来ているけど、本線に入って急加速すれば大丈夫だろう」
そんな考え方は危険。急ブレーキを踏むことになりかねません。

さらに信号機のない交差点では一時停止の停止線の前で1度しっかり停まる。
その後でゆっくり自分のクルマの全体の部分が交差する道路から来るかもしれない
クルマのドライバーに確認してもらえるように進みましょう。

停止線の位置からは交差する道路の状況がわからないこともあるので
見えやすいところまで進んでしまうクルマも少なくありませんが、それは危険。
停止線の手前で止まり、その後もう1回本線に出る前に止まるという
二段階停止を心がけるようにして下さい。



車に子どもを乗せるときに使用するチャイルドシート。
JAFは、その推奨基準を「身長150cm未満」に引き上げることを今月13日に発表しました。
今週はそれを踏まえて「チャイルドシート」についてお伝えしました。





先月、福岡市で路線バスと軽乗用車が衝突。
軽乗用車に乗っていた7歳と5歳の姉妹が亡くなる事故がありました。
2人はチャイルドシートや児童用のジュニアシートではなく、
シートベルトを着用していて原因は衝突時の腹部の圧迫とされています。

道路交通法でチャイルドシートの使用は、
「6歳未満の子ども」に義務づけられています。
身体の大きさではなく、年齢で区切られているわけですが、
子どもを見ていれば同じ年齢でも体格の違いがあるもの。

そこでJAFはチャイルドシートについて、
これまで140cm未満の子どもは年齢を問わず使用することを推奨していました。
その数値を今月13日に「150cm未満」に引き上げと発表しました。





文部科学省が発表した最新の調査結果によると
11歳(小学6年生)の男子の平均身長は146.1cm。
11歳(小学6年生)の女子の平均身長は147.9cm。
小学6年生でともに150cm未満です。
法律上の「6歳未満」の子どもとずいぶんギャップがあります。

JAF認定セーフティアドバイザー 杉本実さんによると
6歳を超えても身長150cm未満の子どもは、
チャイルドシートや学童用チャイルドシートを使用しないと
シートベルトが首やお腹などの体の柔らかい部分に力がかかってしまい
十分な効果を発揮できない場合があるので使用するようにしてくださいとのことでした。

幼い頃は大丈夫だと思いますが、小学校に就学する年齢あたりからは、
子どもがチャイルドシートを恥ずかしく思って、嫌がるかもしれません。
また、身長が100cmを超える頃になるとチャイルドシートのハーネスがきつくなったり、
シェルから頭がはみ出すようになったりします。
そうなってきた時に使用するのが「学童用チャイルドシート」。
対象は体重15〜36kgくらいまでで対象年齢は4〜12歳ぐらいです。





「学童用チャイルドシート」の中でJAFが薦めているのが「背もたれつきタイプ」。
肩ベルトの高さ調節ができるので子どもの首にシートベルトがかかることがありません。





背もたれがなく、車の座席に置くだけで使える「ブースタータイプ」。
このタイプについてJAFは「体格によっては、肩ベルトが首にかかる
可能性もありあるので、首にかからないようにしてあげましょう」と注意を促しています。

いま番組を聞いて下さっていて、小さなお子さんがいる方は、
チャイルドシートや学童用チャイルドシートを着用しているでしょうか。
最近のチャイルドシート利用率は、ほぼ毎年増加していて
2024年の調査結果では6歳未満全体だと使用率78.2%。
しかし、5歳児に限っては57.9%でした。





5歳児に限っては使用率が57.9%というのは、
「子どもが大きくなってきた。チャイルドシートは嫌がるし、
法律的にも6歳になればやらなくて済むし、もういいか」
というところで6歳未満全体の78.2%から落ちているのかもしれません。
      
法律上はそうでも、チャイルドシートは法律を守るためにあるものではありません。
子どもの命を守るためにあるのです。子どもがチャイルドシートを嫌がるようになったら、
あるいは身体に合わなくなったら「学童用チャイルドシート」に移行し、
お子さんに着用する理由を話して、理解してもらいましょう。





さらにチャイルドシートを使っていても取り付け状態のミスユースがおよそ3割。
座らせ方のミスユースがおよそ4割。これは危険以外の何ものでもありません。
JAFのWEBサイトをはじめ、インターネットで検索をすれば正しい装着の仕方の動画はたくさんあります。
お子さんの安全のため、いちど確認してみて下さい。

150cmに満たない場合はチャイルドシートを使い、
正しく着用すること、子どもの安全を守るためにできることを、
きちんとやるようにしましょう。

明日9月21日(土)から30日(月)までは「令和6年 秋の全国交通安全運動」期間。
今週は警察庁 交通局 交通企画課 安全係 久米川 智昭さんをお迎えして
大切なポイントをお伝えする後編をお伝えしました。





今週、伺ったのは重点ポイント3つのうち残りの2点。
まずは「夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転等の根絶」。

交通事故に関しては、夕暮れ時が危険な時間帯。
日没時間がどんどん早くなるこれからはドライバーも歩行者も要注意です。
薄暮時間帯等における交通死亡事故は増加。
特に日没後1時間 歩行者が横断中に死亡する事故が多く発生しています。

回避するために奨励されているのがクルマの早めのライト点灯。
そして、ライトの基本であるハイビームの活用。
ヘッドライトはドライバーが視界を確保するという目的とともに
歩行者や自転車の利用者がクルマを認識する意味合いがあります。
対向車や先行車がいない場合にはハイビームを使い
上向きと下向きのこまめな切替えをして視界を確保して下さい。





飲酒運転については、 今年の上半期の飲酒運転による死亡事故件数は49件。
前年同期比で13件減ったものの、飲酒運転による重傷事故は近年ほぼ横ばいで推移しています。
「飲酒運転を絶対にしない、させない」社会を作りましょう。

企業は安全運転管理者制度における
安全運転管理者等によるアルコール検知器を用いた酒気帯び確認等の義務を
確実に履行していただきたいと久米川さんはおっしゃっていました。





今年の秋の全国交通安全運動の重点ポイント3つ目は
「自転車・特定小型原動機付自転車 利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底」。

全ての自転車利用者に対してヘルメットの着用の努力義務が課されたのは
頭部保護や被害軽減効果があるから。自転車に乗る時は必ずヘルメットを着用しましょう。
また、自転車利用の場合もクルマや歩行者に自分の存在を知らせるため
早めのライト点灯を心がけることは大切。さらに自転車には反射材をつけること。

最近、自転車利用者の交通ルールがさまざまなところで問題になっています。
自転車は「車両」なので車道通行が原則であることを忘れないで下さい。
11月1日からは道路交通法の一部改正で自転車利用者による
「ながらスマホ」や「酒気帯び運転」に対する新たな罰則も始まります。
違反行為を行わないよう交通ルールを遵守しましょう。

また、最近ブームのペダル付き電動バイク、いわゆるモペットは自転車ではありません。
モーターを用いずペダルだけで走行する場合でも運転免許証が必要です。
そして、ヘルメットを着用しなければならず、歩道通行は禁止されています。
覚えておいて下さい。


年末に向かって1件でも交通事故が少なく令和6年が終わるよう
歩行者、自転車利用者、自動車運転者の一人一人が交通事故を自分の問題と捉え
交通ルールを守り、相手の立場を考えて行動したいものです。




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