交通事故の半数以上が、交差点で発生しています。
交差点はそれぞれ目的地に向かって走るクルマが行き交う場所。
そして、同時に歩行者・自転車に乗る人もいます。
ドライバー自らが危険を呼び込まないよう
交差点でのクルマの優先ルールをきちんと抑えておきましょう。





2017年の交通事故に関する警察庁の発表をもとに
公益財団法人 交通事故総合分析センターがまとめたデータによると
人身事故の54%が交差点で起きています。

<内訳>

信号機がある交差点 16%

信号機がない交差点 24.3%

交差点付近     13.8%



そこにはドライバーの「自分が優先」という思い違いや
無理な運転がありそうですね。

交差点でのクルマの優先順位。
これはクルマを運転する方は分かっていると思いますが、直進・左折・右折の順。
そして、信号がある交差点で危険を生み出しやすいのは、
想像つきやすいと思いますが、右折車と直進車の関係でしょう。





モータリングライターの藤田竜太さんによると
右折事故の 71.8%が信号機のある交差点で発生しています。
一番多い原因は対向直進車の発見の遅れ。

人間の中心視野は約40度。
対向直進車線と右折先まで視野に入れようとすると
視野としては 90 度から120 度ぐらい見渡す必要があります。
だから、右折先の道路状況や歩行者を注視していると
対向直進車の発見が遅れることがあります。

もう1つ、右折車のドライバーが「直進車より先に通過できる」と
判断してしまったというケースも目立っているといいます。

また、最近では矢印の右折信号が出てから右折している車に対して
赤信号が変わった側の直進車が無理に交差点に進入し
右折車とぶつかるケースも増えているという報告もあるそうです。

右折時は気をつけなければいけない事が多いですが、
急がず、慌てず、無茶をせず、安全に曲がりましょう。
また、直進車の立場の時は、右折しようとしているクルマに注意しましょう。





クルマの優先順位で「間違い」や「思い違い」が生じやすのが信号のない交差点。
どのように優先車は決まるのか?

まず、優先道路がわかる看板や標識が設置されている道路ではこれに従います。
標識がない道路ではセンターラインがある方が優先道路、
センターラインがなければ道路の幅が広い方が優先道路。
標識やセンターラインがなく、道路が広いか判りにくい場合は
車両には左方優先のルールがあり、自分の左から出てきたクルマが優先となります。
覚えておいて下さい。





信号がない交差点での走行には気をつけて下さい。
藤田竜太さんに安全運転のポイントをお聞きしました。

前走車がいる場合は、その車が交差点で減速したり、
一時停止する可能性があると考えてついていくということが大切。

左右の見通しが悪い交差点ではカーブミラーをよく見るというのが基本。
カーブミラーがなければ、しっかり徐行、一時停止して左右の安全を確認する。

右または左から車が近づいてきた時は自分の方が優先道路だとしても
近づいてくる車が減速しているかどうかをしっかりチェック。
減速する気配がなければ、自分が止まってやり過ごした方が安全。

また、消極的ですが、ドライブレコーダーを設置することで
より慎重に運転しようという意識づけになると解説して下さいました。

クルマの優先順位のルールをしっかりと認識して
日々の運転をするようにしましょう。



去年12 月、富山県氷見警察署が交通安全キャラクターを発表しました。
夏で集まった約400点から選ばれたのは地元高校生のデザインによる
氷見名産の寒鰤をモチーフにしたブリアン」!
今週はその「ブリアン」に込められた交通安全への思いをご紹介しました。





富山県氷見警察署 地域交通課長 山本慎悟さんによると
「ブリアン」は”鰤”と交通安全の「安」からネーミング。
警察官の制服を着て、地元の氷見市を連想させるように
制帽や階級章には氷見市の形をしたマークが入っています。





写真を見ると青というよりも水色に近いブリが、
やはり水色の警察の制服を着て、警察帽をかぶり、
黒字で「交通安全」と書かれた黄色のタスキをしています。
表情は凛々しく、少し笑いも湛えていて、 頼もしい感じがします。





山本さんによると氷見市民に少しでも交通安全に関心を持ってもらい
さらに効果的な交通安全啓発活動を行おうと思いから
警察署独自のキャラクターを作ろうということで
今回のキャラクター創作企画となったそうです。

去年夏から公募をスタートして募集対象は市内の小中高の生徒。
地元の児童・生徒に制作してもらい、それを活用することで、
市民に長く愛され、親しまれるだろうと考えてのことでした。

そして、集まった作品の中から”氷見の特産をモチーフにしている”
”ブリのデザインが丸くて可愛く親しみやすい”という理由で選ばれたのが
富山県立 氷見高等学校 2年 美術部 部長 竹嶌美結さんの作品。
市内在住のイラストレーター 飯田佳奈子さんが最終的なイラストに仕上げました。





締め切りの2日前に美術部顧問の先生から
「書いてみないか?」と言われたという竹嶌さん。
「もう少し早く言ってほしかったな」と思いつつ(笑)
キャラクターデザインは初めてなので出来るか不安な気持ちもあったそう。
「時間がないのでちょっと授業の合間に考えちゃったりして
氷見の有名ブランド寒ブリをモチーフに、警察の制服に合うように寒色系の色を取り入れて
子供も大人も親しめるような丸っこいかわいらしいデザインをイメージしました。
魚なので 後ろにはちゃんと尾びれが付いてます。
あと、もしグッズ化されても皆さんに買ってもら えるような愛らしい容姿にしました」。
とコメントしてくれ、一生懸命考えたことが伝わってきました。

そして「ブリアンには飛び出し歩きスマホ、飲酒運転などの事故原因の予防だけでなく、
子供から高齢者まで幅広い世代の交通事故に対する日頃からの意識向上に役立ってもらいたいと思っています。
可愛らしい姿で幅広い世代に交通安全の呼びかけをして
皆さんに意識してもらえるように頑張ってきなさいと思いを込めました」と話してくれました。

富山県氷見警察署で誕生した交通安全キャラクター。
竹嶌さんや氷見警察署の願いどおり市民に広く浸透して
1つでも交通事故を減らすことに役立つといいですね。




日本における交通死亡事故の特徴は、諸外国と比べて歩行者が多いこと。
日本の場合、自動車対歩行者の事故は圧倒的に自動車の過失が大きくなります。
しかし、実は事故に遭った歩行者にも法令違反にある「乱横断」が多いことが
いま問題視されています。今回は歩行者や自転車の「乱横断」を注意喚起しました。





今回お話を伺ったモータージャーナリストの近藤 暁史さんによると
歩行者の道路横断のルールは、まず横断歩道は信号がある時は信号に則って
信号がない場合は左右を確認して渡ります

また、横断歩道がなくとも道幅が狭い道路なども
左右の安全を確認して渡れば問題ありません。

しかし、法令違反になるのは歩行者横断禁止の表示がある道路の横断。
特に道路が広い幹線道路が多いですが、渡ってはいけません。
そのことを認識しておきましょう。





ちなみにちなみに「歩行者横断禁止」の標識は
かつては上のようなハットをかぶった道路を横断する男性のシルエットに
漢字で「横断禁止」の文字が記されたものでした。

しかし、3年前に子どもでも読むことができるよう
ひらがなで「わたるな」と表記すると
警察庁は道路標識に関する命令を改正しています。
今後、下のような標識が増えていきます。





さて、「乱横断」というのは上記のような交通ルールに則っていない
危険な法令違反の道路横断をまとめていう言葉です。

近藤さんによると最近問題になっているのは
横断歩道を渡るように見えて斜めに渡る斜め横断、
ひどい場合はスマホを見ながらの歩行、飛び出し、
また、歩行者だけでなくふらっと道路を横断する自転車も。
このあたりが問題になっている気がするということです。





ドライバーの立場で想像すると「乱横断」する歩行者
そして、自転車も本当に怖いと思います。
いくらドライバーが注意していたとしても限界はあります。
歩行者や二輪車に乗る人は、自分は大丈夫だと過信してはいけません。
それから、クルマがよけるべきという驕った考えを持たないようにしましょう。

近年のデータから、横断歩道以外を横断中に交通事故で亡くなった人の
約7割に法令違反があったことが報告されています。
年齢層を見ると、危険なのは高齢者。
家族に高齢者がいる方は安全な道路の横断をするよう伝えて下さい。




«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 26 | 27 | 28 |...| 161 | 162 | 163 || Next»