新年度に入りました。
より安全な運転のために、このタイミングで、運転の基本を見直しましょう。
今回は「ドライビングポジション」についてお伝えしました。





座り位置が正しくないと、
適切な状態で視覚情報をキャッチできず、
運転動作も安定しないことが想像できると思います。

今回、お話を伺ったモータージャーナリストで
日本自動車ジャーナリスト協会 副会長の竹岡 圭さんによると
やはり、きちんとした運転姿勢が取れていないと目線の高さや位置がブレて
思ったようにクルマを操ることは出来ません。
「正しい位置でペダル操作ができる」「ハンドル操作ができる」という
適切な姿勢をとる必要があります。





正しいドライビングポジション。
まずはシートの高さ。

街中や駐車場のようなところで運転する時は
なるべく高いほうが車の近くが見えるので操作しやすい。
逆に高速道路の運転では、あまり高い位置だと
体がフラフラしがちになり不安を感じるので街中よりは低めにする。

そして、前後調整はブレーキを踏んだ時に膝に余裕がある程度の位置に合わせる。
脚が伸びきっていると、万が一の衝突の時に衝撃が股関節までダイレクトにきてしまいます。
大怪我に繋がりやすいからです。左足はフットレストの踏ん張れるところ。
その両足の位置で前後のスライドを決めましょう。





背もたれは、ハンドルのいちばん遠い上の部分を握って
背もたれから背中を離さない、肩甲骨をきちんとつけた状態で
肘に少し余裕があって少し肘が曲がる程度の位置に合わせます。

ヘッドレストは「おやすみ枕」だと思って合わせない人が多いかもしれません。
でも、実は”むちうち”を予防する装置なので調整しましょう。
頭がヘッドレストから出ない位置、鼻の先と目尻、耳の上を結んだ高さが
ヘッドレストの真ん中に来るぐらいに合わせるのが適切。





ハンドルの高さは太ももの間に握りこぶしが一つ入る程度にします。
男性なら縦に一つ、女性でそれだと高すぎると感じたなら横に一つ。
なるべく体とハンドルの間は25センチぐらい離れるのが望ましいとされています。
万が一の事故で体が衝撃で前にいった時にハンドルに近いと
エアバッグが開いた時に危険です。

最後にシートベルトの位置は鎖骨と胸の前を通して締める。
首にかからない方がよく、高さが調整できるシートベルトであれば調整しましょう。
カチッとはめた後は腰ベルトを腰骨にかけてキュッと引っ張ってきちんと体に沿わせます。
このとき内臓にかからないように気をつけましょう。

新年度も安全運転を続けるために
ドライビングポジション、いちど見直してみて下さい。

明日からは新年度。
もうすぐ小学校に入学する新入生は全国でおよそ100万人います。
子どもたちの未来を守るため、ドライバーの皆さんはこのタイミングで
あらためてクルマで走行している地域のスクールゾーンをチェックしましょう。



日本の交通事故死者数がピークに達したのは1970年(昭和45年)。
警察庁の発表によると、去年2022年に交通事故で亡くなった方は、
統計スタート以来最少の2,610人でしたが1970年当時は1万6765人に上っていました。

当然、被害に遭ってしまう子どもも多い。
子どもを守ろうという機運が高まったのでしょう。
1972(昭和47)年の「春の全国交通安全運動」から
スクールゾーンの運用が開始されたとされています。





今回、お話を伺った自動車コラムニストの山本 晋也さんによると
スクールゾーン設置は、学校や教育委員会・自治体などが行う子どもの安全を確保するための施策。
基本的に法的な権限はなく、全国統一の規則もありません。

つまり、スクールゾーンの規制内容は、地域によってさまざま。
ただ、自治体によっては条例でスクールゾーンについて何某かを定めているところもあり
当該地域で運転するドライバーは、そのルールに従う必要があります。

スクールゾーンの対象は、基本的に小学校から半径500mぐらいの通学路。
しかし、幼稚園・保育園の通園道路も対象としている地域、自治体もあります。
その点、注意して下さい。

スクールゾーンのエリアでは標識や路面標示があり、
ドライバーに対して注意喚起をしています。

路面表示は上の2枚の写真にあるように
道路上に「スクールゾーン」と記されたもの。
歩道部分の安全性を強調する緑が塗装されていることも多いです。





標識は上の写真のように黄色いひし型プレートに2人の子どものシルエットが描かれたもの。
下の写真のように「通学路」と書かれた補助標識もセットのケースもあります。





誕生から半世紀が経ち、スクールゾーンを知らないドライバーはいないでしょう。
とはいっても、やはり自宅近く、職場の近く、よく利用する生活道路、
いちど歩きながらどこにスクールゾーンがあるのか確認しつつ、
そこではどんな規制があるか認識するということをやっておきたいものです。

なぜなら小学校低学年の子供は唐突な行動をとります。
交通の世界では7歳児は交通事故に遭う確率が高いというエビデンスがあるほど。
そのことを踏まえて通学路やその近辺ではハンドルを握りましょう。

また、特に小学校低学年の子どもがいるお父さん、お母さんは
お子さんに機会あるごとにクルマや二輪、自転車への注意を促して下さい。

子どもたちの、この春からスタートする新生活が、
楽しく、充実したものになるように
ドライバー、保護者ともども気をつけましょう。
全国的に春を迎えて、
これからは家族で、あるいは友人やパートナーと
クルマで出かける機会が増えることでしょう。

そんな時に安全運転を考えるのがドライバーだけではダメ。
同乗者も安全運転への配慮が必要です。
今回はカーライフジャーナリスト まるも亜希子 さんにお話を伺い
同乗者が注意すべき事をお伝えしました。





まずは助手席。
運転の邪魔になる。ドライバーの集中を妨げる。
ドライバーの立場になって考えれば、それがいかに危険か判ると思います。
こうした振る舞いは避けなければいけません。

運転する上で大事なことの一つが視界。
ドライバーは前方はもちろん、斜め、後ろを見て安全確認しています。
話が盛り上がって助手席の人の身振り手振りが大きくなりサイドミラーが隠れてしまう
膝に抱えた大きな荷物が邪魔でミラーが確認できないといったことは避けましょう。
また、スマートフォンをいじって目的地情報などを「ほら、見て!」と
やってしまいたくなるかもしれませんが、運転中にスマホ画面を見ることは禁止。
そのあたりを注意して助手席に座るようにして下さい。





カーナビの普及以前は助手席に座る人が地図を見てナビゲートすることが
ある種のお決まりのようになっていました。

カーナビが広まり、スマホもカーナビ替わりに使えるようになりましたが、
搭載されている機種によっては道路情報が最新のものでない時もあります。
ドライバーは情報の間違いに気づきにくいので助手席の人がフォローしましょう。
カーナビがフリーズしてしまったら自分のスマートフォンでサポートすると助かります。





安全運転に配慮したいのは助手席に座る人だけではありません。
後部座席に座る人も同じ。
運転に集中しているドライバーに気を使わず、
当然、大騒ぎすることはやめるべきです。

例えばクルマに持ち込んだペットボトル飲料。
下に落ちて前に転がってブレーキの下に入り込み
ブレーキを踏めないなんていうことがないようにしましょう。
事故に繋がりかねません。





そして、やはり滅多に起きないことですが、
今の時期に気をつけなければいけないのが花粉症のアレルギー反応。
ドライバーがくしゃみをした影響で交通事故が起きたケースが報告されています。
同乗者は車に乗る前に髪の毛や洋服についた花粉を1回払ってから乗り込む。
そうすることによって車内の空気が綺麗に保たれます。

最後に、訪れた花見シーズン!
お酒を飲んだらハンドルを握ってはいけません。
飲酒運転が重い罪になることはご存知だと思いますが、
罪に問われるのはドライバーだけではなく同乗者も同罪です。
ドライバーが事前にお酒飲んでることを知っていたら必ず止めましょう。

同乗者の立場にある時もドライバーの安全運転に配慮して、
春のドライブを楽しんで下さい!





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