夜間や交通量の少ない交差点で
赤や黄色の点滅する信号に出くわすことがあるかもしれません。
この場所では、各地で出会い頭の衝突事故も起きています。
今週は「点滅信号の意味とルール」についてお伝えしました。





まず、点滅する信号には2つのタイプがあります。
1つは一灯点滅式信号機。
一灯点滅式信号機は、道が狭く、信号機が設置できない交差点などに、
設置されているもの。四方に1個ずつライトがあって、
主道路は黄色の点滅、従道路は赤の点滅。








もう1つは三灯点滅式信号機。
通常の信号機が、時間帯などで点滅信号に変わるもの。





今回のコメンテーター モータージャーナリスト 藤田竜太さんによると
夜間交通量が少ない箇所では、夜の10時頃から早朝5時頃まで
黄色や赤色の点滅信号に切り替えているところがあります。
こうした点滅信号の導入については実は明確な基準がありません。

警察庁の信号機設置指針を見ると、その条件の1つが
「主道路の1時間の最大自動車等往復交通量が原則として300台以上」。
これは「信号を守る意思がある人でも12秒以上クルマが来ないと
信号を無視して横断を開始する割合が増える」傾向があるから。
そこから推測すると1時間に300台を平均した「12秒」以上クルマが来ない
昼間は青・黄・赤を繰り返す信号機も夜間は点滅式に移行する可能性ありとのことでした。





点滅式信号機は一灯点滅式信号機、三灯点滅式信号機、
いずれのタイプにしても黄色の点滅信号と赤の点滅信号があります。

黄色の点滅信号は「歩行者および車両などは、
他の交通に注意して進行することができる」
の意味。
赤の点滅信号は「車両等は、停止位置において一時停止しなければならない」と
道路交通法施行令で定められています。

自転車や歩行者の場合ですが、自転車は車両ですから車と同じ。
赤の点滅信号では一時停止する必要があります。
しかし、歩行者は赤の点滅信号でも他の交通に注意して進行することができます。
周囲の状況に気をつけて通りを渡りましょう。





点滅信号の交差点でよくある事故は、
黄色点滅信号側の車が減速が不十分で交差点に進入して対向車両と衝突事故になるケース。
また、自転車が赤の点滅信号でも一時停止をしないで交差点に進入し、
車と出会い頭に衝突した事故などもあります。
いずれにせよ、点滅信号のある交差点では、出会い頭の事故が多い傾向が見られます。


出会い頭の事故を避けるためには、
交差点に入る前に、十分な注意を払うこと。
「赤の点滅信号での一時停止」と「黄色点滅信号で徐行すること」が大前提。
その上で、黄色点滅信号でも「自分に優先権がある」と過信せず
安全が確認できるスピードまで速度を落として
左右の見通しが悪ければ一時停止をするぐらい慎重に交差点を通過しましょう。

特に歩行者や自転車は、赤の点滅信号でも一時停止をしないで
そのまま交差点に入ってくることがあるので要注意です。

点滅信号があるのは、交通量が少ない場所。
スピードを落とさずに交差点に入るクルマがあるかもしれません。
十分に気をつけて下さい。


最後に一灯式の点滅信号機は、見えにくいということや
なじみがなくてかえって事故に繋がりやすいということで
全国で撤去が進み、道路標識・道路表示に置き換えられていることを伝えておきます。
今週は、毎年この時期の恒例になっている
「JA共済 全国小・中学生 交通安全ポスターコンクール」。
全国から8万260点の応募があった令和6年の受賞結果について
JA共済連 農業・地域活動支援部 根本めぐみさんにお聞きしました。





小・中学生の図画工作・美術教育の高揚を図り
交通安全への想いを広く社会に訴えることが目的の「交通安全ポスターコンクール」。

その時々の子供たちの交通安全についての関心ごとが表れるという意味で
興味深いとともに大切なコンクールですが、令和6年で最も多かったのは
「スマートフォンの使用マナー」を訴求する作品でした。

特に中学生の作品では、若者の「歩きスマホ」に対して注意を呼びかけるものが多く
同年代の仲間たちや自分自身への戒めの意味も込められているように感じたといいます。

それでは受賞作をいくつかご紹介しましょう。
まずは内閣府 特命担当大臣賞を受賞した
小学6年生 白川歩美さんの作品。





これは交通ルールをテーマにしたポスター。
「止まれ」の標識で一時停止をせず、爽快に自転車をこぐ女の子と
曲がり角から飛び出してきた自転車に驚く車の運転手の表情が対照的に描かれていて
交通ルールを守らないことがいかに危険かが伝わってくる作品です。
交通ルールを守って安全に行動してほしいという願いが込められているのでしょう。

次は農林水産大臣賞を受賞した
小学5年生 岡本 咲耶さんの作品。





反射材をテーマに、方言を活用した覚えやすい標語を
読みやすい文字や並べ方で描いた印象に残る作品です。

反射材のようにハッキリと見えるように色の組み合わせなどが工夫されていて
ポスターを見た人がみんな反射材をつけて、交通事故が少しでも減ってほしいという
願いが込められているようです。

続いては次は長官賞を受賞した
小学3年生 吉屋 璃音さんの作品。





これは「ながら運転」をテーマにしたポスター。
すぐそこに迫っている「危険」にまだ気付いていない二人の楽しそうな表情が
ながら運転の恐ろしさを強調していて、見る人にながら運転の危険性を考えさせる作品です。

最後は文部科学大臣賞を受賞した
中学1年生 近藤 穂さんの作品。





壊れて変形した自転車とそばに落ちているスマートフォン。
遠くに救急車が描かれ、どんな原因で何が起きたのかを想像させる作品です。
他人事ではなく自分のこととして想像して
ながらスマホの抑止に繋がって欲しいという気持ちが伝わってきます。

子どもは大人が思っている以上に
普段から交通安全に強い関心を持っていると同時に
大人や周囲のことをよく見ています。

子どもの描いたポスターを見て、交通安全に対する姿勢を見直したり
家族と一緒に交通安全について話し合うきっかけにして下さい。


JA共済 全国小・中学生 書道・交通安全ポスターコンクール 公式サイト

http://social.ja-kyosai.or.jp/contest/
     
運転中にドライバーの注意が、目の前の状況から逸れている状態を指す「前方不注意」。
警察庁による令和5年の交通事故統計では、第一当事者が自動車による死亡事故2,177件のうち、
873件が前方不注意によって引き起こされたものでした。全体のおよそ4割にのぼります。
      
この統計からも分かる通り、運転中の前方不注意は重大な事故を引き起こす危険な行為。
どんな状況から前方不注意が生じやすいのかを知り、今いちどご自身の運転を見直しましょう。





前方注意は大きく分けて、外在的・内在的の2種類があります。
1つ目は「外在的前方不注意」。脇見運転のこと。
スマートフォンやカーナビの操作、周囲の景色に気を取られるなどの理由によって
前方の状況を確認できていない状態を指します。
近年、交通事故の大きな要因となっている「ながら運転」も脇見の一種。

もう1つが内在的前方不注意。漫然運転のこと。
視線は前方に向いているものの注意散漫な運転をしている状態です。
具体的には「ぼーっとしている」「考え事をしている」などが当てはまり
“意識のわき見”といった呼び方をすることもあります。





前方不注意によって起こる事故は、他のクルマとの追突、自転車や歩行者との接触事故、
信号無視、それから車線を逸脱し歩道への乗り上げやガードレールへ接触する危険もあります。

対向車線へ逸脱した場合には、対向車との正面衝突も考えられますし、
自転車や歩行者との接触事故は、自転車に乗っている人や歩いている人に大怪我を負わせる、
もしくは命を奪ってしまうことになりかねません。想像すると、怖いですね・・・。





外在的前方不注意=脇見運転は、
脇見運転をしないよう気をつけるに尽きます。
スマートフォンの操作や通話、カーナビやオーディオ、空調の操作、
車内で飲食などの行為は、駐車可能な場所に移動してから行ないましょう。
信号待ちなどの状況でも安全とは言えません。
同乗者がいる場合は前方不注意とならないよう協力を求めることも大切です。





一方で内在的前方不注意=漫然運転の原因としては、体調不良や疲労が多く挙げられます。
長時間の運転を伴う際は、2時間に1回を目安に休憩を取りましょう。
車内では人間の呼吸によりCO2の濃度が高くなり、それが疲労感の増加や注意力の低下を招き、
眠気や頭痛を訴える人が増加します。運転中は外気導入モードに設定するか、
適宜、窓を少し開けて外の空気を取り込むことで、集中力を維持するのに効果的。

寝不足や過度な疲労を感じている場合は運転を控えるという決断も必要です。
強いストレスを感じている際も運転に集中できず、漫然運転になりやすくなります。
安全に運転できるメンタルと体調かどうかを客観的に判断してからハンドルを握りましょう。
運転前に健康チェックを行う事で、寝不足や疲労による交通事故を未然に防いで下さい。

前方不注意に陥らないようにすることは、
交通事故を未然に防ぐ大きなポイント。
そのことを意識して運転と向き合いましょう。
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