東京モーターショー 2015の一環で自動車安全シンポジウムが行われました。
テーマは『交通安全のための予防安全技術』。
今回は、先週の続き「国と自動車メーカーによる交通安全対策」の後編でした。
先週「国は3つの方策で交通安全対策を進めている」とお伝えしました。
1)製品の安全基準をつくる
2)新しい安全技術を開発促進する
3)製品の安全性能を評価して消費者に知らせる
後編は2つめ「新しい安全技術の開発促進」、まさに「予防安全技術」の部分。
これは「ASV(先進安全自動車)」技術とも呼ばれ、
実用化が始まったことで注目を浴び、各自動車メーカーもPRに力が入っています。
一般社団法人 日本自動車工業会
安全・環境技術委員会 安全部会 部会長 高橋 信彦さんによると
ここ1、2年で予防安全技術は急激に伸びいます。
去年のデータを見ると普及率は「自動ブレーキ」 41.1%、「はみ出し防止装置」 8.6%。
前年と比較すれば10%が40%になり、3%が8%を越えているのだそうです。
予防安全技術に取り組むべきだとの認識が広まったのは2006年、2007年ごろ。
交通事故統計を見ると、それまで精力的にやっていた
エアバッグや衝突安全対策による事故削減効果が鈍ってきたのです。
対策が行き届くと飽和状態になっていくもの。
何か次の施策をやらないと、これ以上、事故を減らすことはできないだろうと。
そこで予防安全技術への関心は高まってきたのです。
現在、その代表的なものは「衝突被害軽減ブレーキ」、 いわゆる「自動ブレーキ」と
「車線逸脱警報装置」、いわゆる「はみ出し防止装置」。
「ASV(先進安全自動車)」技術には、
人間の器官でいうところの情報をキャッチする「目」、
状況を認識してどんな行動をとるべきか判断する「頭」、
実際に行動する「足」となる機能が必要です。
「自動ブレーキ」は・・・
「足」は横滑り防止装置が少し前に法制化されて、全車搭載になりました。
車のブレーキをコントロールする能力を持ったというわけです。
電気信号でブレーキの掛け方をコントロールするので、
電気信号の効かせ方によってフルブレーキが出来るます。
つまり、自動でブレーキをかける事が出来る訳です。
これで、まず「足」を持ったと。
では「目」は何かというとレーダー、レーザーやカメラ。
カメラは距離を測る事が難しいのですが2つ使えば可能です。
するとコンピューターを使い「こういう形をしていれば人」とか、
「こういう形をしていれば車」というように認識することが出来ます。
そして、最後は「頭」。
「それが車である」という事をどうやって判断しているかというと、
簡単に言えば、コンピューターの中で、今、見ているものと車を比較する、
それを昔のパソコン、マイコンでやると膨大な長い時間がかかりました。
ところが、今のマイクロプロセッサーの処理能力の高さなら一瞬で可能。
以上のような条件が全部整ってきたので、
予防安全技術が普及出来るようになったのです。
そして、「車線逸脱警報装置」はカメラで白線の位置を認識。
その位置づけに異常を感じると警報が鳴ります。
そして、かつて自動車のパワーステアリングは油圧でしたが、今は電気信号。
はみ出しそうになるとステアリングでアシストする。
また「横滑り防止装置」によって4つのブレーキをコントロールできるようになったので
四輪を違うようにコントロールすれば向きを変えることもできます。
こうした機能の組み合わせて車線を越えてしまわないようにすることが可能なのです。
「ASV(先進安全自動車)」技術は、
他にも設定した一定速度で走り、前のクルマとの距離を一定に保つ
「ACC(Adaptive Cruise Control)」などが実用化されています。
ことところ予防安全技術が一般に浸透してきて
ドライバーの替わりに運転してくれるイメージを持つ人もいるかもしれません。
でも、それは大きな間違いです。
責任を持って運転するのはドライバー。
「もしも」の時に安全のための運転を支援してくれるかもしれないのが安全予防技術。
そのことを念頭におき、あくまで安全な運転を心がけて下さい。
11月8日 日曜日まで、東京ビッグサイトで、
東京モーターショー 2015が開催されています。
その一環として昨日、自動車安全シンポジウムが行われました。
テーマは『交通安全のための予防安全技術』。
今週と来週は「国と自動車メーカーによる交通安全対策」を追跡します。
今週のコメントは基調講演を行った1人、
国土交通省 自動車局 技術政策課長 久保田秀暢さんでした。
交通事故による死亡者が最も多かった昭和40年代、
その数は年間1万6千人にのぼりました。
そこから減少傾向になっているものの、
いまだ1年に交通事故で命を落とす人は4,000人以上。
政府は2020年(平成32年)までに死者数を2500人以下に減らす目標を掲げ
「人」「道」「クルマ」という観点から安全対策に取り組んでいます。
そのうちの「クルマ」に関しての方策は3つ。
1) 「安全基準」 ⇨ 製品の安全性能を確保する基準をつくる
2) 「ASV(先進安全自動車)」 ⇨ 新しい安全技術の開発を促進させる
3) 「アセスメント」 ⇨ 製品の安全性能を点数で評価して消費者に知らしめる
自動ブレーキに代表される2つめの「新しい安全技術の開発促進」は、次週、詳しくふれます。
今週は「安全基準」と「アセスメント」について。
まず「安全基準」は、すでにあるもの。
国が定めたこの基準に適合しないクルマは市場に出せません。
ライトはどれ位明るくないといけないのか、
ぶつかった時に中の人を保護する性能がどれ位無いといけないのか?
バックする時にライトがつくかなど100以上の項目があります。
さらに新しいの技術に対しては新しい基準として追加するようになっています。
「安全基準」に対して「アセスメント」は、
すでに売られている製品について安全性能を確認して採点し周知するもの。
これは、その車がどれくらい乗っている人を保護できるのか?
ぶつけてしまった人をどのくらい傷つけない性能を持っているか?など
事故を起こした際の安全性能の評価するものとして20年前にスタートしました。
それに加えて去年から事故予防のための安全性能評価がスタート。
今のところ対象にしているのは「自動ブレーキ」と
クルマが車線をはみ出した時に警報が鳴る「車線逸脱警報装置」の2つ。
基本的に市場で売れている上位10台ほどを評価対象としています。
ただ、メーカーから特定製品を評価する希望があれば、これも評価対象とします。
見せていただいた国土交通省と自動車事故対策機構で作っているパンフレットには、
全37車種の安全性能評価が掲載されていました。
「自動ブレーキ」と「車線逸脱警報装置」で合計40点満点。
満点を獲得していたのは4車種。
さらなる安全技術については段階的に導入していくということです。
事故時に乗車していた人の被害を軽減する技術はかなり進みました。
車にいる状態での死亡者は大幅に減っています。
ところが、歩行者や自転車に乗っていた人の被害はなかなか減りません。
車対人ではどうしても身体を守ることができないからです。
久保田さんの指摘では、これからは予防安全技術を使い、
事故が起きないという事を進めていかないと、
さらなる安全対策は難しいのではないかとのことでした。
その「予防安全技術の開発」については来週の後編でおとどけします。
女性の利用率が低い首都高速道路。
「もっと女性に好きになってもらえる、興味を持ってもらえる首都高を目指して」
「首都高女子50人会プロジェクト」 が9月に発足しました。
これからの交通安全にも一役買うかもしれません。
企画した首都高速道路株式会社によると
首都高の女性ドライバー利用率が全体のわずか8.5%。
この数字からすると女性にはあまり優しくない。
そこで少しでも良くするために声を聴いてみたいと考えたということです。
女性ドライバーの視点もさる事ながら、
ドライブの時、女性はナビゲーションの役割もするし、
主婦であればレジャーの財布を握る人も少なくない。
そうした視点からのさまざまな話を聴きたいと考えたのです。
そして、8月から9月にかけて応募を呼びかけたところ
名称通り50人の採用を予定していたのに応募は・・・130人!
あまりの関心の高さに全員をメンバーとしてプロジェクトはスタートしました。
メンバーになった女性20代から60代。
9月24日には130人のうちの78人が参加した第1回のワークショップが開催されました。
テーマは・・・
1)首都高のイメージ
2)おすすめスポット
3)改善点と新しい提案
首都高についてポジティブな面の意見交換もあったそうです。
ただ、この「なるほど!交通安全」は 「より安全なクルマ社会を目指す」という趣旨。
まずは問題改善への提起となるようなワークショップで出た意見を紹介しました。
「私は運転しない方ですが50人会プロジェクトの中では、
道路が狭く車線が色々と複雑になっているので、
もっと看板があると道を間違えずに済むのかなというところはあるのでは?
複雑なイメージがあり、行きたい方向の車線にいなくて、
違う方向へ行ってしまいそうになるという話が結構あったと思います」
「私が運転した感じですが、カーブが多いのにスピードを出している人が多くて、
慣れた人でないと運転しにくいというのと、
私は地方出身なので道を譲ってくれることがあまり無いというのと
乱暴な運転をしている人が多いかなというイメージがありました」
「首都高のHPに運転する前に見ると勉強になるVTRがあるようで、
事前に見ておくと、頭の中でシミュレーションが出来るから、
乗る前に見ているというドライバーの方がいました。
そういった情報は知らなかったので友達にすすめたいと思いました」
女性視点だと首都高の「狭さ」「複雑さ」「標識の少なさ」は、
確かにかなり慣れた人ではないと怖いものでしょう。
でも「道路を拡張する」「複雑さを解消する」「標識を設置する」ことは簡単にできません。
そして、ドライバーには「他人に優しい運転」を心がけてほしいもの。
最後の方のように「首都高女子50人会プロジェクト」のメンバーが、
ワークショップで首都高に詳しくなり、情報を発信しはじめると、
今より首都高のことが広まり、首都高のことをより知って、
走りやすさを感じるようになるドライバーが増えるでしょう。
首都高で起こる毎年およそ1万件の事故ももっと減るかもしれません。
すでにあるのに知られていないサービスの発信。
合流場所、急カーブ、危ないポイント、あまり知られていない情報を、
眺めの良さやパーキングエリア、楽しい情報とともに、
わかりやすくお知らせするMAPや冊子の作成など、
より安全な首都高になるため「首都高女子50人会プロジェクト」が
うまく機能すれば良いと思います。
もちろん!
ワークショップでは首都高のポジティブな情報交換もされています。
「ワークショップに参加して代々木PAのアイスクリームは美味しいよという話を聴きました」
「首都高にもサービスエリアがあって魅力的なところもあると聞いて驚きました」
「首都高を走っていると都会のど真ん中を走っているんだなぁと。
夜になると夜景がキレイだったり、桜の季節だと桜がよく見えるスポットがあったり、
東京を感じられる道だなと感じます」など。
首都高に親しみを感じつつ!
もっと安全な走行環境がつくられるといいですね。
女性に優しい首都高になれば、
誰もが安心して運転できる道路になるはずです。
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