夏休みシーズン。
ふだん運転しない方もハンドルを握ることがあるでしょう。
気をつけるべきことは多いですが、
今回は自動車ジャーナリストの吉川賢一さんにお話を伺い
「パーキングブレーキ」についてお伝えしました。

使い方を間違えたり、使い忘れたりすると、危険が生じることがあります。
情報を確認して下さい。





ひとことで「パーキングブレーキ」といってもタイプは数種類あります。
この時期にレンタカーを利用することもあるかもしれません。
「どこだ?」と悩まないように主なタイプを伝えておきましょう。


<レバー式サイドブレーキ> 

かつての主流だった「サイドブレーキ」もパーキングブレーキの一種。
運転席の横にレバーがあってレバを引くとブレーキがかかり、
レバーの先にあるボタンを押しながら戻すと解除されます。





<足踏式パーキングブレーキ>

ブレーキペダル左にパーキングブレーキがあって踏み込むとブレーキが作動。
解除するには基本的にペダルをもう一度、踏みます。
もしくはセンターコンソールのレバーを引くタイプもあります。





<電動パーキングブレーキ> 

最近の主流。ボタンを押すだけで、ブレーキが作動します。
解除はもう1度ボタンを押すタイプや
アクセルを踏むと自動解除するタイプがあります。




クルマの走行中に使うブレーキ「フットブレーキ」は、
動いているクルマを減速・停止させるため4輪すべてにかかります。
一方で「パーキングブレーキ」は後輪にかかるブレーキです。

そして、オートマ車には走行モードの中に「Pレンジ」と呼ばれる
「P」のマークがついたものもありますが
これはトランスミッション内部の歯車に爪がかかり、
シャフトがロックされ、駆動輪が動かなくなる装置。

アクセルを踏んだ時に「前輪」が回る
「フロントエンジン・フロントドライブ」
いわゆる「FF車」は後輪がフリーとなり
アクセルを踏んだ時に「後輪」が回る
「フロントエンジン・リアドライブ」
いわゆる「FR車」は前輪がフリーとなっています。
覚えておいて下さい。





吉川さんによるとパーキングブレーキの一番の注意点は
かけたつもりでいるのに実はかけていなかったということ。

例えばふだんはPレンジにすれば
パーキングブレーキもかかるクルマに乗っていると
そのタイプではないクルマに乗った時に
パーキングブレーキをかけずに降りてしまうことがあります。

そうすると停車した場所が坂道だったりすると
自然発射という自然と動き出してしまう現象が起こり
事故に繋がってしまうこともあります。





新型モデルで標準となりつつあるPレンジに入れると
自動的にパーキングブレーキがかかる電動パーキングブレーキ」ではないクルマは
「パーキングブレーキ」「Pレンジ」、ともに忘れないようにしましょう。

その順番はパーキングブレーキをかけてからPレンジにする。
パーキングブレーキをかける前にブレーキペダルから足を離すと
クルマが動いてしまうことがあるからです。
発進する時は、順番は逆になります。
Pレンジからドライブモードに入れてパーキングブレーキを解除します。





そして、吉川んも経験したことがあるそうですが、
パーキングブレーキは解除のし忘れにも注意!

停車した時のサイドブレーキの引き方が甘く、解除をし忘れて走り出したら、
ブレーキを引きずりながら走れてしまったそうです。
しかも重たい車、だったので初めはそのことに気が付かず
少しして車の中に嫌な匂いがし始めたことで気づきたとか。
パネルと見るとパーキングブレーキのランプが点灯していて
あやうくブレーキが焼き付きかけたということです。
もっと気づかなければ、発熱してリアブレーキが効かなくなる
といったことにも繋がりかねないので注意しましょう。

パーキングブレーキの知識、覚えていただけたでしょうか。
正しく利用して危険を生まないようにしましょう。












運転免許証を持っている方はもちろん
クルマを運転中に緊急車両が近づいたら道を譲ることはご存知でしょう。
でも、急にその状況がきても、どう対処すればいいか戸惑うかもしれません。

今回はモータリングライター  藤田竜太さんにお話を伺い
緊急車両と道の譲り方についてお伝えしました。





緊急自動車とは道路交通法で消防用自動車・救急用自動車・
その他の政令の定める自動車で、当該緊急用務のため運転中のものと定義されています。

これらの車両がサイレンを鳴らし、赤色の警告灯を点灯させて走行した場合、
優先走行権が与えられ、赤信号の交差点に侵入できたり、
追い越し禁止や一時停止、 通行禁止区分なども特例として除外・免除されます。
また、最高速度も規制標識に関係なく法定速度での走行が認められます。





多くの方がパトカー・消防車・救急車が緊急車両となることは
認識していると思いますが、実は他にも結構あります。


<公共の緊急自動車>

皇宮警察車両、自衛隊の警務車両や化学防護車両、   
高速道路の道路パトロール車両、自治体の救援車活動車両、
災害対策本部車両、爆発物処理筒車両など


<民間の緊急自動車>

電力会社、ガス会社、水道会社の緊急作業車両、
JAFなどのレッカー車両、赤十字血液センターや製薬会社の輸血や臓器の搬送車両、
病院のドクターカーなど


ただ、これらも常に「緊急車両」ではありません。
前述のように「赤い警告灯をつけ、サイレンを鳴らして運転中」であることが要件。
となると「あれ? 他の色の警告灯は?」と思った方もいるでしょう。
道路維持作業用の黄色など、赤以外の色は緊急車両には該当しません。





「緊急車両」が何か? 把握したところで、
緊急車両が近づいてきた時の道の譲り方です。


【一般道】

一般道で緊急車両への道を譲る際は、
とりあえず道路の左側によって緊急自動車に進路を譲ります。
この時、原則として停車する必要はありません。
片側2車線以上の道路なら追い越し車線を開けるのがルール。
一方通行の道でも左側によって進路を譲るのが原則ですが
左側に寄ると緊急車両の進行の妨げになるなら右側に寄るのもOKです。
いずれの場合でも急停車するのは危険なのでやめましょう。
道路が渋滞していなければ少しスローダウンして進路を譲れば十分です。


【交差点付近】

交差点付近で緊急自動車が近づいてきた場合は、交差点の手前に停車するか、
左折もしくは直進して交差点を出た後、一時停止する義務があります。
交差点内で道を譲るのは厳禁で赤信号でも自分の車が緊急自動車の進路を塞いでいる
場合は、車を動かし進路を譲ることを優先させなければいけません。
肝心なのは自分が交差点内に止まらないようにすること。
これが安全にもつながります。


【高速道路】

高速道路では、まず緊急車両が本線に合流する時や本線から出る時に、
その進行を妨げないように注意します。
本線では追い越し車線を開けるようにして、
走行車線で安全を確保しながらそのまま走行するのがポイント。
緊急車両が後方から近づいてきたからといって急に減速や停止をすると
後続車の走行に影響を与えて事故のリスクが増えるのでやめましょう。





そして、どんな状況でも緊急車両に道を譲ろうとアクションを起こすことで
事故を起こしてしまわないよう気をつける必要があります。
周囲の状況をよく確認し慌てず落ち着いて行動して下さい。
慌てず、安全に、道を譲りましょう。

いよいよ夏休み。
保護者の皆さんは子どもと行動を共にする時間が増えるでしょう。

そんな時に絶対にあってはならないのが、子どもの車内への置き去り。
残念ながら毎年のように車内置き去りによる、
子どもの熱中症事故が報道されます。

また、ドライブ中でも車内にずっといることで、
子どもが熱中症事故につながる恐れもあります。

今週はNPO法人 Safe Kids Japan理事長
小児科医の山中龍宏さんにお話を伺い
真夏の車内の熱中症事故を防ぐために心がけたいことをお伝えしました。



昨年9月には静岡県牧之原市の保育園で
園バスに3歳の女の子が置き去りにされて亡くなるという痛ましい事故がありました。

実は一般家庭の自動車でもこうしたことは起こっていると山中先生。
その発生にはパターンがあるそうです。

それは普段あまり子供の送り迎えをしないお父さんが子どもを複数乗せ
1つの園に送ったあとで、もう1ヶ所に預けることを忘れ、
帰宅して家の駐車場に止めて自宅で仕事をする。
そして、午後に子供を迎えに行こうと車を運転して保育園に迎えに行ったところ、
「今日は来てません」ってことで自動車をみたら子供が熱中症で死亡していたというもの。

山中先生曰く、死亡例はニュースになるので広く知られますが、それは氷山の一角。
その10倍、20倍は熱中症にかかって入院してる子もいるだろうと話していました。





JAFが真夏の炎天下で車内温度がどのように変化するのか実験しています。
8月の晴天、外気温35℃の状況下、昼12時から16時の車内温度を測定。
窓を閉め切ったクルマはエンジンを停めて30分後には約45℃を記録。
その後も上昇を続けて3時間後には55℃を超えました。

熱中症になりやすいのは子ども・高齢者・ペット。
子どもが熱中症になりやすい一番の理由は体内の水分量が多いから。

人間は暑い時に汗を出して体温を下げますが、
あまりに暑くて湿度が高いと体温が下がりません。
すると体の中に熱がこもり、体内の温度が40度ぐらいになって
心臓とか肝臓とか脳などが機能障害を起こし、場合によっては死亡に至ります。
高齢者は体内の水分量はやや少ないので
脱水が進むと、より早く熱中症になりやすくなります。
一般的に夏の停車したエアコンの効いていない車内では
15分ぐらいで熱中症になり、死亡する危険度は高まるそうです。





この猛暑の中、クルマの中に子どもを一人だけにする、
またお年寄りやペットだけにするのは「ちょっとだけ」でもやめましょう。
そして、前述した勘違いで取り残さないよう工夫しましょう。

人は誰でも間違えるっていうのを原則にする。
欧米では自分が常に持っているスマホや財布、ハンドバックなどを
後部座席のチャイルドシートの隣に置いておけば
車を停めたあとに取るので子供を忘れないと勧めているところもあるそうです。

また、他の一般の方も子供が1人でいる状態を見たら
それを見過ごさず、何らかの対処をとることを心がけてください。





そして、走行していたとしても、クルマの中に居続けることで、
熱中症の危険があることを覚えておいて下さい。
ふだんより水分を摂る機会を増やす。途中で休んで風に当たる。
そうした熱中症の対策を心がけてください。
その上で子どもが元気がなくなった、ぐったりしてきたというのは
熱中症になった可能性があるということを覚えておいてください。

この暑さの中、大切な子ども、そしてご家族のお年寄り、ペット、
間違っても、熱中症で命を落とすことがないように、
充分に気をつけてクルマを利用しましょう。

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