2016年になって1ヶ月。
日々、安全運転を心がけていますか?
新年すぐは「今年も交通安全!」と強く思いながら、
忙しい毎日が戻り、つい何気なく運転してしまっている人はいませんか。
そんなあなたに! 今週は平成28年の「交通安全年間スローガン」を追跡しました。
昭和40年に始まった「交通安全年間スローガン」。
平成28年作品の募集に全国から寄せられたのは約6万点にのぼりました。
その中から選ばれた平成28年の「交通安全年間スローガン」は計19点。
最優秀作の内閣総理大臣賞の3点をご紹介すると
【一般部門A(運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの)】
こんばんは 早めのライトで ごあいさつ
山本 佐織(山口県山口市 会社員)
【一般部門B(歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの)】
シニアこそ ジュニアのお手本 交通安全
浦川 泰治(北海道札幌市 会社員)
【こども部門(こども(中学生以下)へ交通安全を呼びかけるもの)】
しんごうが あおでもよくみる みぎひだり
野口 瑠梨愛(静岡県静岡市立城北小1年)
そして、今回番組では優秀作、
内閣府特命担当大臣賞を受賞した3人に
どんな思いでスローガンをつくったのか聞きました。
【一般部門A(運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの)】
その酒で 失う信頼 家族の未来
右田 善智(鹿児島県鹿児島市 小学校教諭)
飲酒運転を起こしてしまうともちろん処分される訳ですが、
それだけでは済まないぞと伝えたかったのです。
私達、教員は子供や保護者に信頼されて成り立つ職業。
それを失ってしまうということ。
それだけではなく、被害者の方の家族であるとか、
自分の家族の未来も失ってしまうのだという事を伝えたかたのです。
この作品を作るときに、最初「失う信用」と作っていました。
それを「信頼」に変えたのです。
あとで知ったのが「信用」を積み重ねて人間は「信頼」されるという言葉。
やはり、その信頼を裏切る飲酒運転は絶対にしてはいけないと伝えたいです。
【一般部門B(歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの)】
スマホ見ず しっかり前見て 踏むペダル
横尾 伸子(大阪府高槻市 無職)
ながらスマフォの危険性が社会問題になっていること。
自転車のルールが厳しくなったこと。
2つを絡めたモノを何か作りたいなと思ったのです。
あまりにも自転車をしながらスマホをしている人が多く、
実際に転んでいる人も見た事もあります。
交通ルールを一部の人だけが守っても絶対に事故は無くなりません。
必ず、みんなが守るというのが第一だと思うのです。
自転車を運転する時は運転に集中してもらってスマフォは電源をOFF。
そういう風に思ってもらえたらなと思います。
【こども部門(こども(中学生以下)へ交通安全を呼びかけるもの)】
気を付けよう 知らない道より 慣れた道
佐々木 慶人(静岡県掛川市立横須賀小6年)
僕は2年生の夏休みに交通事故を起こしてしまいました。
塾に行く、慣れた道だったので、大丈夫かと思い、交差点で飛び出してしまいました。
この失敗を二度としたくないので、慣れた道こそ気を付けなければいけないという思いで、
このスローガンを作りました。このスローガンを書いてからは、
しっかりと交差点は止まって、右左右と必ず確認するようになりました。
こうした交通安全スローガンを聴いたり、
つくった人の気持ちを聞くとハンドルを持つ身が引き締まるもの。
全作品は全日本交通安全協会のWEBサイトに掲載されています。
ぜひ一度、ご覧になってください。
一般財団法人 全日本交通安全協会WEBサイト内
平成28年「交通安全年間スローガン」の紹介ページ。
http://www.jtsa.or.jp/topics/T-262.html
「ゾーン30」という交通安全の施策を知っていますか。
警察庁が 平成23年、今から5年前に全国の警察に導入を通達しました。
ただ、残念ながら、まだ認知度はそれほどではありません。
「ゾーン30」は欧米で普及する交通事故対策を日本に導入したもの。
交通事故対策は道路(線)や交差点(点)にポイントを置いて、
問題解消を図るのが一般的ですが「ゾーン30」は区域でそれを目指します。
「ゾーン30」として整備される区域は
幹線道路や河川に囲まれた住宅街や商店街など。
歩行者の通行を最優先に考えるべき地域です。
生活道路における歩行者や自転車に乗る人の安全確保を目的として
車両の走行は最高時速30kmに制限されます。
また、速度オーバーや抜け道として通行することを抑制するため
他の施策と組み合わせることもあります。
生活道路とは幅5.5m未満の地域住民の日常生活に利用される道路。
なぜ「ゾーン30」の対象になるかというと
狭い道路は歩行者と自転車に乗る人が死傷する交通事故が増えるから。
警察庁のあるデータでは、
交通事故死傷者の構成率は幅5.5m以上道路だと・・・
自転車12.5% + 歩行者6.9% = 19.4%
ところが幅5.5m未満の道路だと・・・
自転車25.3% + 歩行者9.6% = 34.9%
15.5%増加します。
そして、なぜ車両は「時速30キロ制限」なのか?
それは歩行者と車両の交通事故では
車の時速が30キロを超えると致死率が上がるから。
これも警察庁のデータによると・・・
時速25キロ - 歩行者の致死率0.9%
それが・・・
時速35キロ - 2.7%
時速45キロ - 7.8%
時速55キロ - 17.4%
と上昇します。
「ゾーン30」の導入は交通量や交通事故の発生状況などをもとに主に警察主導で決まります。
警察で条件を満たす生活道路を選定して町会や自治会に打診して
了承を得て、整備を進めていくという流れ。
地域住民の要望が高い地域を優先的に整備するケースが多いそうです。
「ゾーン30」はドライバーに周知させる必要があるので
どんな表示、標識で、そのことをわかりやすく伝えるかが重要。
今回お話を伺った日本大学 理工学部 交通システム工学科 助教
稲垣具志さんによると、稲垣さんが「ゾーン30」導入に関わる
東京 世田谷区 二子玉川の例は住民からの発意で導入された珍しいケース。
例えば商店街の沿道に立つフラッグが地域の小学生が描いた「ゾーン30」の絵だったり、
地域のマスコットキャラクターが「ゾーン30」の標識の下に描かれていたり、
街の組織がそれらを決めて実現しているそう。
ただ「ゾーン30」を認識させる方法について
東京都内を管轄する警視庁の交通部 交通規制課 管理官
西村博之さんによると警視庁は違う立場をとっているようです。
場所によって異なるデザインが、あまり認知度が上がらない1つの要因。
警視庁で統一的な看板を設置することにしているとのこと。
東京だけではなく都道府県警察・住民・ドライバー・研究者、
全体の共通理解のため、今後のすり合わせが必要なのかもしれません。
もっと「ゾーン30」の告知活動も。
警察庁が目標としているのは平成28年度で全国3,000箇所に導入すること。
2014年3月時点で1,827です。
今日、番組を聴いた皆さんは、
交通安全のため「ゾーン30」を忘れないようにして下さい。
今朝、追跡したのは最近たびたびニュースになる大事故に繋がりかねない「高速道路での逆走」。
「逆走」が、どのくらい起きているか?
全国の高速道路管理会社によると「クルマの確保」と「事故」を含む【逆走事案】は毎年200件前後。
注目すべきは、逆走事故による致死率の高さです。
⚫ 全交通事故における死亡事故 → 2.0%
⚫ 逆走事故における死亡事故 → 11.8%
逆走=高齢者というイメージがあります。
しかし、平成23年〜26年に起こった【逆走事案】の年齢構成は
65才以上が69%と割合は高いものの30才〜65才未満で24%、30才未満も7%います。
さらに《運転手の状態》は「認知症の疑い」「精神障害」「飲酒」「調査不能」、
これらを合計しても13%。「その他」が83%。
つまり、高速道路では逆走車に注意すべきなのはもちろん、
自分も逆走しないように気をつけなければいけません。
逆走の開始地点として多い順は
? インターチェンジ、ジャンクション
? 本線
? サービスエリア、パーキングエリア
そして、逆走が起こる行動の要因としては
1つに行き先の間違いに気付き、高速道路の本線上やランプで方向転換すること。
料金所から本線に入るまでを流入ランプと呼びますが、
そこでUターンをしてしまう、本線に入る加速車線上で間違いに気付き本線を逆走する。
2つめとしては間違って出口のランプ側に入ってしまうといった誤進入。
3つめとしては出たい料金所の出口ランプを行き過ぎてしまい、
本線上をさらに進んだところで出たかったランプの入り口があってUターンで入ってしまう。
といったことが主なものです。
心理的な要因から「逆走」を見ると、
「痴呆など、なんらかの疾患」を除いて多いものは
? うっかり、ぼんやり、考えごとのため
? 案内標識を不確認のため
? 高速道路の利用方法がわからなかったため
? 居眠り・寝ぼけのため
→ 悩み事があったり、寝不足の時は運転しない
→ ドライブ中、話に夢中になりすぎない
→ 高速道路に不慣れであれば事前に勉強する
という心がけも必要です。
今回、お話を伺ったNEXCO東日本 関東支社 交通管理課
大高昭久さんによると、逆走しない為には、まずは案内標識。
しっかりと確認すること。路面表示などで進行方向を充分に確認して走行すること。
行き先を間違えたり、行き過ぎても、
次のインターチェンジで降りて、高速道路を乗り直すこと。
本線上や料金所付近では、絶対にUターンやバックはしないこと。
うっかり自分が本線を逆走していることに気づいたら、
路肩などの安全な場所に停止して非常電話や道路緊急ダイヤルから通報すること。
ランプの入口で逆走に気づいた場合は、
そのまま進んでしまわず、その場に停車出来るのであれば停車する。
ガードレールの外などの安全な場所に避難して通報すること。
慌ててUターンやバックをしないよう気をつけてください。
高速道路はランプ上でも速度が出ているので、
速度を上げて入って来た車とぶつかる可能性があります。
そして、万が一、遭遇するかもしれない「逆走車」に気をつける意識を持ちましょう。
NEXCO東日本の大高さんによると、逆走車が現れるイメージは、
一般の道路、中央線があって行き違っている感覚だといいます。
高速道路で2車線、3車線で走っている巡行の車の列の向こう側から、
反対方向に走ってので、一瞬、目を疑う。
自分が反対に走っている?と思う可能性もあります。
逆走車が走ってくる傾向が多いのがいちばん右側の車線。
逆走車のドライバーは左側の車線を走っているつもりだから。
こちら側から見ると追い越し車線を反対方向に走ってくることになります。
ですから、追い越し車線はあくまで追い越しをするための車線ですから、
追い越しが完了したら、左側の車線に寄っているのが、逆走車予防策の1つ。
逆走車に遭遇した場合は、まずは速度を落として左側の車線に寄って下さい。
もしくは、路肩に停車して頂いて、通り過ぎるのを待つ。
さらに逆走車を見かけたという情報を通報しましょう。
「逆走」の事故に巻き込まれないよう、
そして、自分で「逆走」の事故を起こさないよう、十分、気をつけましょう。