今週は先週に続く「車の冬の装備 後編」。
先週「冬の安全運転にクルマの性能や運転技術は関係ない」ということをお伝えしました。
それは冬は雪や氷によって他の季節と大きく運転環境が変わるから。
冬の運転には多くのお思いがけないことが待ち受けています。
中西さんも、スリップで怖い経験をしたことがあるとか。
そして、安全運転に欠かせない視界が天気や環境に左右されることもあります。
まずは「ブラックホール」「ホワイトアウト現象」があります。
雪に照らされて明るく眩しいところから暗いトンネルに入ると、
目が慣れず真っ暗に感じるのがブラックホール現象。
反対に暗い所から明るい所に出て眩しさで目がくらむというのがホワイトアウト現象。
こちらはサングラスなどで状況変化に備えるようにして下さい。
それから大型車などと並行に走っている時、
車輪で雪を跳ねられて、一瞬、目の前が見えなくなる事があります。
慌てて急ブレーキや急ハンドルなどの操作を行わないようにしましょう。
また、山で多いのですが、地吹雪で前は見えなくなることがあります。
地吹雪は地上2m位まで吹き上がるもの。
トラックなど大型車は平気ですが乗用車は前後左右の視界が失われる事があるので、
地吹雪時は前方の車、左右の道幅などに充分に注意して走行するようにしましょう。
そして、冬は雪や氷で道路が滑りやすくなります。
踏み固められた圧雪状態の路面は傾いていたり凹凸があったり、轍が出来ていたりします。
こうしたところではハンドルを取られ、思いがけない方を車が向いてしまう事があります。
それから雪の降り始めや雪の雪解け時に出来るシャーベット状態の時には
タイヤの溝が雪に詰まり、突然スリップして、滑り出したりすることもあります。
十分に注意しましょう。
冬の環境が自動車の性能を制限することもあり得ます。
フロントガラスに湿った雪が溜まって、
ワイパーを浮き上がらせ、動いていても全く効かない事があります。
出発前にアイススクレーパーなどでフロントガラスの雪や氷を取り除いてください。
ヘッドライトやテールランプに雪が付着することもあります。
そういった時には前が見えにくく後ろの車からも確認しづらいので危険。
サービスエリアやパーキングエリアでこまめに取り除いてください。
走行中に跳ね上げた雪がタイヤハウスに付着して氷の塊になりやすいもの。
ハンドル操作の妨げにもなりますので大きくなる前に取り除きましょう。
年末年始。
帰省に旅行に寒いところを走行する方も多いでしょう。
きちんと天候と道路状況を入手することが大切です。
その方法としては一般道から高速に入る前に
インターチェンジ入口付近に設置してある情報板で現時点の高速道路の状況を確認し、
料金所入口でも再度、道路交通情報を確認。
そして、走行中、本線のインターチェンジ手前に設置してある本線情報板をチェックしましょう。
その他、本線上にある広域情報板で変化する気象と道路の正確な情報を掴んでください。
高速道路の事故、渋滞、工事、気象など伝える
ハイウェイラジオ(AM1620kHz)を活用するといいでしょう。
12月に入り、各地で雪が降っています。
あなたのクルマは冬支度をしましたか。
今週と来週は2回にわたって「冬の車の装備」をお届けします。
コメントは冬装備と安全運転を喚起している
東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)関東支社 平栗一哉さん。
まず、冬の交通安全の心得!
「雪道の運転には初心者もエキスパートもありません」とのこと。
滑りやすく、視界も悪かったりするので、運転技術や車の性能を過信せず、
先を読み、無理をせず、特に坂道で焦ってスピードを出しすぎないことを心がけて下さい。
まず、冬の交通安全に欠かせないのが出発前の点検。
冬季の運転環境は他の季節とは違います。
雪道は普段よりも燃料の消費が早いもの。
燃料を満タンにするようにしましょう。
また、バッテリーは気温が低くなるほど性能が下がりやすくなります。
お出かけ前にガソリンスタンドでチェックをするようにして下さい。
そして、ワイパーブレードは傷や割れ目が無いか確かめましょう。
できるなら凍結に強いウェインターブレードに交換してたいところ。
そして、ラジエーターとウォッシャー液は不凍性のモノを使うようにします。
特にウォッシャー液は大量に消費するので充分な量を補給して下さい。
ディーゼル車の場合、軽油は零下10度以下で凍結する恐れがあるので、
寒冷地に入ったら凍らない「不凍性」のモノを補給して下さい。
他の季節と冬で大きく変わるのが道路の状態。
『乾燥した道路』を「1」とすると滑りやすさは・・・
『雪が圧雪した状態の道路』 3.2 倍
『凍った道路』 5.4 倍
『つるつるに凍った道路』 8.0 倍
寒いところを走る時には、必ず「冬用タイヤ」を装着しましょう。
「冬用タイヤ」は大きく3つ。
『スタッドレスタイヤ』
スタッド(金属鋲)が無いタイヤ。
低温でもしなやかさを失わない特殊性配合ゴムを採用。
溝の形、切り込みを改良して制動性能が大幅に向上しています。
『スノータイヤ』
素材は夏タイヤと同じですが雪や凍結路面での制動を良くするため、
普通のタイヤより表面に深くて広い溝を付けることで、
雪をつかみやすく、制動距離を短くしています。
『タイヤチェーン』
ご存知、タイヤに巻きつけるもの。
素材は一般的にはゴム製ですがスタッドレスやスノータイヤなどの冬用タイヤに比べ、
最大の制動効果を上げる事が出来ます。冬用タイヤをいえども万能ではありません。
雪の状況によって、全車両チェーンの装着規制が実施される場合もあります。
必ず、タイヤチェーンを用意してください。
平栗さんによると・・・
前輪駆動車も後輪駆動車も雪道では同じ。
前輪駆動車の方がカーブ時の安定性が良いとされていますが、それは乾燥した道路の時。
雪道の場合は前輪駆動車も後輪駆動車も違わないという事を頭に入れておいてください。
四輪駆動者も車の高機能化が進んでいます。
しかし、あくまでも「走る」「曲がる」「止まる」
車の基本的な働きを助ける付加機能に過ぎないとのこと。
雪の道、凍った道ではクルマの性能や運転テクニックは関係ないのです。
もうすぐ年末・年始のホリデーシーズン。
目的地のスキー場や温泉地に雪が降っている事も考えられます。
事前に気象情報、交通情報を確認して、寒い地域に出かけるなら充分ご注意を!
交通事故死者数の構成比率を見ると「歩行者」「四輪車」に続くのが「二輪車」。
この10年、毎年17%前後を占めています。
二輪車については、ヘルメットの着用が、ずいぶん徹底されました。
でも、それだけでは十分ではありません。
今回は、いま警察がライダーに強く使用を呼びかける「二輪車用プロテクター」を追跡しました。
コメントは警視庁から「プロテクター普及推進隊」を任じられている
オートバイ用品専門店 ナップス 世田谷店のプロテクター担当 高添晃一さん。
警視庁による平成22〜26年の統計では
交通事故で死亡した場合の主な損傷箇所は頭部が圧倒的に多く47.4%。
それに続くのが胸部28.4%。
胸部に関しては、追突事故を起こした場合、車のルーフや、建物り、ハンドル、
胸からぶつけて心臓、肺、場合によっては、腹部も強く打ってしまい、
内臓を損傷してしまって・・・という事もあります。
ちなみにこの腹部は主な死亡損傷箇所原因では7.1%です。
つまり、二輪車乗車中の死亡事故で「頭部」に次ぐ主な損傷箇所の2位と4位、
「胸部」と「腹部」を足すと35.5 %になります。ところが、去年の神奈川県の例ですが、
二輪車の交通事故で亡くなった62人のうちプロテクターをつけていたのはわずか3人。
警視庁の去年の調査でもプロテクターの着用は7.2%という結果。
「普及」には、とても遠い状況です。
いま増えているのが、若い時に二輪に乗っていた人が、
40代・50代になって再びオートバイライフを始める、いわゆる「リターンライダー」。
そのせいもあってか中高年の二輪車での事故が増えています。
四輪のドライバーは、事故の時、車体やエアバッグで守られるもの。
しかし、二輪のライダーは、身体が直接ダメージを受けてしまいます。
特に胸部プロテクターの着用を習慣づけて下さい。
高添晃一さんによると胸部のプロテクターは、まず自分自身に身に付けるタイプがあります。
ベストタイプのような形でライディングウェアの中に着るようなプロテクターです。
それは、いわゆるハードプロテクター。
服の上からでもつけているのがが分かってしまうのでスタイリッシュではないというなら、
もう1つのタイプ、ソフトプロテクターもあります。
これはジャケットに装着するもの。
そして、二輪車に乗っている時の死亡事故で
損傷した部位の3番目に多いのが頸部、首の部分。
その頸部も含め、全身を守ってくれるプロテクターがあります。
hit-airというブランドが出している二輪用の装着するエアバッグ。
これはいちばん上に装着するもの。
ベストタイプ、普通のジャケットタイプ、色々と種類があります。
エアーボンベがジャケットの中に装着されていて、
これはサイズによって中に入っているエアーの量も変わってくるのですが、
まず、オートバイにワイヤーを固定します。
そのワイヤーがジャケットの方の「キーボックス」、
エアーボンベが入っている装置に繋げます。
もしも、事故が起こった場合、バイクから投げ出された瞬間に、
キーボックスに付いている「キーボール」というのが、
ポンッと抜けて、その瞬間、コンマ2秒でエアーバッグが作動します。
ボンベは、ジャケットの中の毛質の中に送り込んで、
胸部、首回り、背中、脇腹、尾てい骨のあたりまで広がります。
ただ、二輪用エアバッグはバイクと身体が離れないと作動しません。
バイクと一緒に転倒したり、追突事故でハンドルに身体を強打したり、ということもあります。
「胸部プロテクターはつけたほうがいい」と高添さんはおっしゃっていました。
また、胸部プロテクター以外にも肘や肩、膝や脛、脊椎といった部分的なプロテクターもあります。
二輪に乗る方は、自分のバイクライフにあったプロテクターを探すようにしましょう。
スクーターやオートバイに乗っている方は、
これをきっかけにプロテクターについて、いちど真剣に考えてみて下さい。
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