以前はバス・タクシー・トラック など
運送業の車輌がつけるものだったドライブレコーダー。
今、個人の需要が伸びています。

ドライブレコーダーの一般販売がスタートしたのはおよそ10年前。
今回、取材をしたオートバックスによると
本格的に広がりを感じ始めたのは3年ほど前のことだといいます。

タイミング的には2012年4月に京都 祇園で起こった事故のあと。
自分が事故にあってしまった時に、その状況を明らかにする事で、
責任の所在が明らかになる証拠として
画像を撮っておくという心理がはたらいたからでしょう。

実際、オートバックスでは2015年のドライブレコーダーの売上げは前年比2倍に迫る勢い。
取り扱いメーカーは3年前の3・4社から10社以上に増えているといいます。
結構なお値段ではないかと思う方も多いかもしれませんが、実は意外とリーズナブル。

1万円以下の低価格帯のモデル、1〜2万円のスタンダードモデル、
2万以上の高機能モデル、3つ価格帯に分かれています。

値段が上がると画質が高画質になり、
GPSや衝撃を感知した時間の画像を消さない機能などがつきます。
また撮影する視野角も広がります。
最近では当て逃げ対策で駐車時に録画が出来る機種を探す人も増えているそうです。

ドライブレコーダーには以下のような設置タイプがあります。

○ 最もスタンダードなフロントガラスに吊り下げる「ワンボディ型」
      
○ カメラをミラー裏に本体をコンソールBOXなどに入れる「セパレート型」

○ 純正ミラーにつける「ミラー一体型」

○ 2カメラの「ワンボディ型」と「セパレート型」

モニターの画面サイズが1.5〜2インチ前後。
折り畳み携帯の画面とほぼ同じ位の大きさが主流です。
2カメラというのは前方カメラに加えて、
もう1つ後方や室内を同時に録画できるカメラがついている機種です。

基本的に、エンジンをかけ、電源が入ると、録画スタート。
メディアはSDカード。容量がフルになると上書きします。
Gセンサー機能がついていれば衝撃を受けた時間は消されずに保存されています。

そして、当初は「もしも」の時の状況記録が目的だったドライブレコーダーが、
今、別の効果で、注目されています。それはドライバーの安全意識が高まる事。
自分が危険な運転をすれば、それも記録に残ってしまうわけですから、当然と言えば当然。
本来、こうしたモノに頼るべきではないですが「効果」を無視しないほうが良いでしょう。

また、インターネット社会の今、旅行先の風景を録画して、
あとから家族で楽しんだり、動画投稿サイトにアップするといった
新しい使い方をする人も増えているようです。

「もしも」の時、自分の安全運転を証明できるように、
また、ドライブの記録用として、ドライブレコーダーはさらに注目され、
販売が拡大していく兆しがあります。



今週は7月23日の放送に続き、九州大学大学院 システム情報科学研究院 
志堂寺和則教授の監修で「交通安全心理テスト その2」をお送りしました。
7.23 OAの5問とともに計10問の心理テストでYESがいくつあるかやってみて下さい。
そして、ご自身の性質・性格がクルマやバイク、自転車の運転について
「安心な」タイプなのか?「危ない」タイプなのか?把握して交通安全に役立てて下さい。


<第6問>

【イヤな事や悩み事が頭から離れず眠れないことがある】


<第7問>

【人の反応が気になって 自分の意見をハッキリ言えない】


この2問は「神経的」な部分についての設問。
アメリカの研究では離婚の前後は事故が増えるという報告があるそうです。
どうしても離婚のような大きな出来事があるとそちらに頭がいってしまうからです。
神経質な人も事故を起こしやすいと言われています。
気になる事があると眠れない人は気になる事があると運転に集中できない可能性大。
自分にその傾向があると認識して運転に集中しましょう。
大きな悩み事や心配事がある時はハンドルは握らないという姿勢も大切です。

そして「他人が気になって自分の意見を言えない人」。
この気持ちの弱さは、とっさの時に固まって必要なアクションをとれないことに繋がります。
ゆったりと落ち着いた気分で運転することを心がけて下さい。


<第8問>

【正直に言って異性にモテようと思って振舞っている】

これは虚栄心、自己顕示欲をチェックする質問。
YESの方、充分に気をつけて下さい。
交通心理学分野ではカッコつけたがる人も事故が多いと言われています。
自分の運転能力を過信している事が多いからです。
運転能力以上のスピードでカーブを曲がろうとしたり、追い抜こうとする。
正しい自分の運転能力をきちんと認識することが大切です。


<第9問>

【カッとして大声で怒鳴ることがよくある】


<第10問>

【自分がやりたいことは 人が迷惑しようがやめない】


第9問がYESというのは「攻撃性」が強い人。
第10問がYESというのは「自己中心的」な人。
もちろんともに運転には向かない性質です。

すぐ大声で怒鳴る、つまり攻撃性の強い人は、運転も攻撃的。
『気に入らなければクラクション』『抜かれたら抜き返す』
『遅いクルマの背後にピッタリついて嫌がらせ』
それでは、いつか事故に繋がります。

人の迷惑をかえりみない自己中心さクルマの運転においてはカッコ良いものではありません。
誰に何を言われてもやり抜く「俺道」は人に迷惑がかからない範囲でお願いしたいものです。
クルマの運転は、事故を起こせば、他の人に被害が及びます。

さて、番組独自に2回にわたった
「交通安全心理テスト」のバロメータをつくりました。


【0〜2】 基本的に安全なタイプ
      慢心せずに日々の交通安全を心がけて下さい

【3〜5】 警告です 笛を吹きましたがカードは出しません
      運転に向かない部分の自己改善をすみやかに図りましょう
         
【6〜8】 イエローカード
      本気で自身の性格・性質に向き合い、
      交通安全の大切さを考えて下さい

【9〜10】 レッドカード・・・一発退場です
      クルマの運転はやめたほうがいいかもしれません
          


今回はfeaturing 信号機。
道路交通の安全を確保する万国共通のツールを追跡。
コメントは日本大学 理工学部 交通システム科 安井一彦 准教授でした。

日本にクルマが輸入され、国内生産が始まったのは20世紀初頭。
大正中期から昭和初期 のその頃、信号は警察官の「挙手の合図」 。



あるいは文字の信号票板。
手動で「止」「進」を変えていました。



現在の日産自動車の前身「ダットサン商会」、
トヨタ自動車の前身「豊田自動織機製作所 自動車部」の設立は1932年と1933年。
その少し前の1930年(昭和5年)に日本初の自動交通信号機が登場しています。

日本初の自動交通信号機設置は日比谷交差点。
交差点の中央に設置された縦型のもの。
アメリカから輸入された信号機は上から「赤」「黄色」「緑」。
当時の人たちは意味を把握していませんから
信号の上には「トマレ」「チウイ」「ススメ」という片仮名の文字が。



「赤」「黄色」「緑」の色と意味は、この頃から世界共通。
CIE(国際照明委員会)で決められていたからです。

赤・・・「停止」

黄・・・・「原則、止まれ。」

緑・・・「進め」


赤・黄・緑が選ばれたのは、色には波長があり、
信号の3色は、波長が長く、遠くから見えやすいからだとされています。

その中で、なぜ「赤」が「止まれ」なのか?
信号機はクルマよりも先に鉄道用がありました。
「赤」は霧の中でも見えやすい。そして、視神経を刺激する色。
注意喚起に繋がるので「止まれ」になったと言われています。

そして「黄色」は「注意して進め」ではありません! 
クルマは停止位置を超えて進めません。
そのため信号が「緑」から「黄色」に変わった時、
停止位置に近くて安全に止まれない場合には、
例外的に進行していいというものです。

それでは横断歩道にある歩行者用信号が青く点滅している時、
みなさん、どうしていますか?

青点滅はもう横断を開始してはいけないという法的な定義になっています。
青点滅に関しては横断歩道の長さの半分を1m/secで歩いた秒数を
半分まで行っている人は速やかに渡る、
半分まで行ってない方は戻るという意図があります。
しかし、大多数の人は青点滅になると急いで渡る傾向があるので気をつけましょう。

そして、進めの色・・・ ここまで「緑」と表記してきましたが、
「緑なのか? 青なのか?」と疑問を持ったことがある方もいるでしょう。
答えは・・・日本以外の国は全て青ではなくて緑。

日本では「緑」という言葉が「赤い」「黄色い」のように活用できない文法上の性質、
日本語では野菜も「青もの」というように「青」には広い意味があること、
さらに色弱の人に配慮したという説もあり・・・「青」として一般に定着。
昭和22年には法令でも「青信号」とされました。

ただ、信号機で使う色については国際的なガイドラインに合わせて、
CIE規格の緑の範囲でなるべく青い色を採用しています。

第1号の自動交通信号機が設置されてから85年。
日本の信号機は20万基以上ありますが、それは世界に誇れる技術。

まずは信号制御器が凄くハイスペックで故障しない。
信号灯器についても、最近はLEDが出ていますが、
電球式であっても電球の寿命の前に交換するので信号の電球が切れているのを見る事が無い。

主要幹線だと、交通管制センターと接続されているので、
車両感知器交通量を計測し、その交通量に基づいて
交通量が増えると青の時間を長くして、交通量が少なくなると青の時間を短くします。

また東京都内では、モデラートという世界初の制御方式がスタートしています。
1サイクル事に交通量を計算をして信号のサイクル時間を変えるという
とんでもない凄い技術が採用されているのです。

そんな世界に誇る日本の交通システムですが、
各ドライバーの無謀な運転がそれを台無しにしてしまっては元も子もありません。
優秀な信号機がスムーズな交通を実現するように
ドライバーもスマートな運転を心がけるようにしましょう。


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