去年暮れに「2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤー」が発表されました。
選考委員60名の投票によって決まる自動車業界の祭典。
今週は選ばれたクルマとその安全性について追跡しました。
お話をお聞きしたのは選考委員の1人で自動車評論家の菰田潔さん。

今回の受賞はMazda ロードスター。
その名の通り、2シーター、オープンスポーツカーのロードスターはいま4代目。
性能は上がり車も大きくなりました。
しかし、菰田さんによると4代目になってMazdaは考え方を一新したそうです。

本当に車の性能を出すためにはどうしたらいいのか?
走りを楽しくする為にはどうしたらいいのか?
Mazdaのスカイアクティブの考え方に基づいて作ったところ、
車両重量が約1000kg、前の車に比べれば数百キロ軽くなりました。
また、エンジンもこれまでの2ℓが1.5ℓになとなりましたが、
車が軽いために以前よりも良く走る車を完成させたのです。
めちゃくちゃ速い訳ではないけれど気持ち良く走る、
非常に「良い走り」を楽しめる車になったそうです。

『スカイアクティブ・テクノロジー』とは、
Mazdaが開発・製造する自動車技術の総称。
Mazdaはエンジン、ミッション、ボディなど
クルマ造りの技術を従来のレベルからブレイクスルーさせて、
より高い環境性能や走行性能を実現させようとしてきました。
     
その成果と言えるでしょう。
日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車は、ここ4年のうち3年がマツダの製品。
受賞しなかった2012年も席を譲ったのはフォルクスワーゲンの「ゴルフ」。
国産車ではありませんでした。

Mazda ロードスターの安全性を菰田さんに伺ったところ、
法律で決められた装備はもちろん全部あるけれど、
ぶつからない様に運転しやすくなっている点が1番の安全装備だろうとのこと。
ぶつかってからの「ボディの衝撃吸収」、
タイヤが横滑りした時に立ち直る「横滑り防止装置」、
急ブレーキを踏んだ時の「APS」を取り入れていたとしても、
確かに、そもそも衝突事故を避けられれば、それが一番。
ハンドルを切ったら意志通りに曲がる、思い通りに停まる、
加速する、ドライバーが操りやすいことが大切。
それは楽しい走りにも繋がるはずです。

そして「2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤー」スマートモビリティ部門、
受賞車はSUZUKI「アルト/アルトターボRS/アルトラパン」でした。
菰田さんによるとSUZUKIアルトは、軽自動車で価格が安く、
機能的に乗れることに加えて驚くほど燃費が良いクルマ。
37km/1ℓをガソリンエンジンで実現しましたが、
軽自動車でも達成は難しかっただろうとのこと。
SUZUKIは35年ほど前、アルトを47万円で発売。
リーズナブルで一般の人が買いやすい車を提示しました。
今でもその考えを守り、良い車づくりに取り組んでいるのです。

「2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤー」1位はマツダ ロードスター。
2位はホンダ S660(エスろくろくまる)とやはりスポーツカー。
このところスポーツカーが高い評価を受けています。

菰田さんによると、このところ安全性がずいぶん上がってきた。
すると次に求められるのは走りの楽しさ。
環境問題がクローズアップされれば課題は環境になり、
交通事故が問題になれば課題は安全性になる。
その部分がある程度解決されると「走る楽しさ」が求められるのではないかと。
それが日本カー・オブ・ザ・イヤ―に表れているのではないかとのことでした。

日進月歩で進化するクルマ
これからも安全運転で「走る」楽しみを味わいたいものです。
今年の暮れには、どんなクルマが日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するのでしょうか。

年内最後の今朝は東京 国立にある「交通安全発祥の地」を追跡しました。
天神さまこと菅原道真を祀る谷保天満宮。
湯島天神・亀戸天神と並び関東三天神の1つに称されている
903年に創建された関東で最も古い天満宮です。





菅原道真公は学問の神様。
本来なら学業成就をお祈りするところです。
でも、この谷保天満宮には多くの人が交通安全祈願にも訪れます。
そのルーツは明治時代・・・

明治41年に「車の宮様」と呼ばれるほど、
車が大好きだった有栖川宮威仁殿下が、
「こんな便利な物は無い。世の中に車を広めよう」と「自動車遠乗り会」を行ないました。

8月1日、11台の自動車が日比谷公園に集結。
参加者には三越百貨店創業者 日々翁助、
大倉財閥二代目総帥 大倉喜七郎などもいました。
彼らは威仁殿下が運転するイギリス製自動車ダラック号の先導で甲州街道を立川までドライブ。
1里ほど戻った谷保天満宮の梅林で昼食会を開いたのです。

その席上、色々な事が語り合われました。
「自動車倶楽部を作りましょう」ということや
人力車や馬車はもはや非人文明的。
車のような文明的なモノに変えなければならない。
でも、あまりにも高くて普及しないから、
いかに安く作る事が出来るかやっていきましょう。」
つまり「自動車工業を起こしましょう」という発言もされたといいます。

そんな時に雷が鳴ってきて一同は天満宮の拝殿に避難。
明治の人で、お宮にあがって、お参りをしないで帰る人はいません。
「また無事に戻れますように」と真剣に拝んだと言われています。
そのためこの神社が交通安全祈願発祥の地とされているのです。

谷保天満宮では交通安全祈願を行っています。
所要時間は20分ほど。
申込者は拝殿に上がって祝詞をあげます。
運転が誤らないように、乗っている人はもちろん、
道路を行き来する人達を傷付けないようにというもの。
その後で所定の場所に停めた車をお祓いするという流れ。
さまざまな交通安全のお守りも販売しています。

今回、お話を伺った谷保天満宮の権禰宜 菊地茂さん曰く
お参りに来ていただいている方達というのは、
自分の運転に対して注意をされている方々だと思います。
そういう意識が無い方が自分は大丈夫だという気持ちでいると、
何か事は起こったりすると思いますが、
安全祈願をしていただこうという気持ちで来ている方というのは、
安全に対する意識が強いと思います。
ですから当然、事故率が少ないと思います」とのこと。

2016年も、いつも交通安全を心がけて、素晴らしい1年をお過ごし下さい!












年末年始、交通渋滞が起こる時期になりました。
ハンドルを握る方は、十分、気をつけて下さい。
事故の引き金にもなる渋滞ですが、
東京都では慢性的な交通渋滞の緩和を目指して、
2008年から渋滞対策「ハイパースムーズ作戦」に取り組んでいます。

「ハイパースムーズ作戦」実施のきっかけは・・・
渋滞を解消するためには道路を作ることですが道路は簡単には作れない。
そこで、いまある道路空間を活かし、渋滞が多く発生している箇所に対して即効性のある対策を行い、
交通渋滞の緩和を目指すことを目的として開始されました。

具体的な取り組みとしては、
まず高度な信号機「需要予測信号の導入」
需要予測信号は、交差点に到着する車をセンサーで感知し、交通量を予測することによって、
リアルタイムで信号制御を行い、急激な交通渋滞の発生を未然に防ぐことができます。

それから「交通情報版の設置」。
交通情報板は、交通管制センターからの遠隔操作で渋滞情報をルート別に表示し、交通量を分散します。

そして、「交差点の改良」。
交差点の改良は、右折や左折の専用レーンが短いために起こる渋滞に目をつけ、
右左折車線の設置や延伸、車線数の見直しを行っています。

これまでのところ、東京都の「ハイパースムーズ作戦」は、
都内の渋滞が多い30路線で渋滞ピーク時の旅行時間が12.3% 短くなりました。

これから年末・年始の渋滞が発生する時期。
東京都がドライバーに協力をお願いしているのが「渋滞解消の5つのポイント」。

1)違法駐車をせずに車は駐車場に停める
2)あらかじめ、お出かけ先の駐車場を調べる
3)季節や時間帯のピーク時を予測して運転する
4)通勤やお買い物は電車やバスを利用する
5)荷さばきをする際は、荷さばき可能駐車場を利用する

ドライバーや市民の行動も交通渋滞の緩和につながります。
自分のことだけではなく、全体のことを考えて運転、行動するようにしましょう。
それが交通安全にもつながります。
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