交通事故に繋がりかねない 「蒸発現象」 を知っていますか?
人間はまぶしい光を見ると、目がくらんで、視界をうばわれます。
今朝は、この「蒸発現象」を追跡しました。
もう少し細かく言うと、蒸発現象は 夜間、対向車と交差する時、
対向車と自分の車のヘッドライトの光が交錯して前方にいる歩行者や
自転車に乗っている人がが見えなくなってしまう現象のことです。
別名で「グレア現象」とも言われます。
光源の前を人や自転車が通過しても認識できません。
その時々の状況によって、見えなくなる部分や、見えなさ具合は変わります。
例えば、光源の強さや、車高の高さ、ドライバーの目の機能、
さまざまな要因によって見えないところが変化する。
それが蒸発現象の厄介なとことです。
また蒸発現象が特に起こりやすい状況としては、
雨が降って道路が濡れていると光りが路面に反射して起きやすくなります。
この蒸発現象には根本的な対策法はありません。
それは人間の目の機能は変えようがないから。
その事を知って対応していくことが求められます。
すなわち「無理な運転をしない」「ゆっくり走行する」、
そして、対処法という部分でいえば、
赤信号の時に先頭で停止していたらライトを消すというような、
配慮をすれば交通安全に繋がるかもしれません。
また、フロントガラスが汚れていると視界はもちろん悪くなります。
蒸発現象の影響を避けるためにフロントガラスを綺麗にしておく。
そのためにワイパーのゴム部分の掃除をする。
これが、かなり効果的。
そして、蒸発現象ではありませんが、
人間の目が環境に順応するまでの間はよく見えないという意味において、
◯ 明るいところから → 暗いところへ
◯ 暗いところから → 明るいところへ
一瞬で周囲の状況が変わる時、やはり運転は危険です。
その典型的な例がトンネルの出入りなので気をつけましょう。
トンネルの出入口は光りの加減が大きく変わり、
目が明るさや暗さに慣れようとしている間は見えにくくなります。
カメラを例に出すと、トンネルに入る時は明るい所から暗い所に行くので、
絞っていた瞳孔を開いていきますが、その際にタイムラグが生じます。
また、トンネルから出る時は暗い所から明るい所に行くので、
今度は絞りを利かすので前方の視野がボーっとしたようなことが起こり得ます。
急に明るい環境から暗い環境に置かれた時に目が順応することを
「暗い」「順応」と書いて 「暗順応(あんじゅんのう)」 と言います。
反対に暗い環境から明るい環境に目が順応することを
「明るい」「順応」で 「明順応(めいじゅんのう)」 と言います。
順応の仕方や時間は、環境とその人の性質によって違いますが一般に・・
⚫ 「明順応」に要する時間 → 15秒〜1分 以外とすぐ
⚫ 「暗順応」に要する時間 → 20分〜30分 長い!
トンネルや暗い駐車場などに入った時は気をつけてください。
また、これは「日没前」/「日没後」も同じです。
日没後は要注意! 早めのヘッドライト点灯を心がけましょう。
ドライブが気持ちいい季節。
旅行先や、ちょっとした遠出に、レンタカーを使う機会があるかもしれません。
借りるクルマはレンタカー会社がきちんとメンテナンスしてくれるもの。
でも、いつも運転しているクルマではありません。
運転を「ふだんはあまりしていない」人も少なくないはず。
今回はレンタカーをはじめ、慣れないクルマを利用する時の注意点。
アドバイスをしてくださったのはトヨタレンタリース東京
葛西エリア エリアマネージャー 加藤さん。
まず、慣れないクルマを運転する時には、
車体の長さ・幅・高さを外からチェックするようにしましょう。
どのくらいの大きさかは乗った時と見た時の感覚で違います。
クルマのまわりを1周して感覚的に大きさを把握。
車体に対する感覚に実際とのズレがあると
クルマを擦ったり、ぶつけたりしてしまうかもしれません。
また、外から車体を確認する際には、
出発に備えてクルマのまわりに縁石や障害物がないかチェックします。
実は運転席から見えない「死角」はかなりあります。
車体の感覚をつかみ、クルマの周囲の安全を確認したら、運転席に乗り込みます。
運転席に座ったら、正しいポジションをとりましょう。
座高が高すぎたり低すぎたりしないか。
座席の位置が前すぎたり後ろすぎたりしないか。
注意してください。
その上でサイドミラーとバックミラーを見やすい位置にセット。
出発前にミラーをあわせるのを忘れ、
運転中に「あれ!? 見えない!!」と慌てないように。
事故の引き金にならないとも限りません。
次にクルマのさまざまな機能の操作方法も確認しておきます。
■ カーナビの操作(赤信号で止まるたびに設定すると危険!)
■ ハザードランプの位置 (急停止の時に位置がわからず点けられないと危険!)
■ エアコンのセットの仕方(走行中に悩みながらいじれば危険!)
■ ウィンカーとワイパーの位置 (逆を押して驚かないないように!)
そのほか「サイドブレーキ」「ヘッドライト」も。
慌てて運転に支障をきたすことがないよう出発前に把握しましょう。
ところで最近、増えているハイブリッド車。
音が静かなため、賑やかな場所では歩行者や自転車に乗る人が気づきにくいので要注意。
友だちからクルマを借りる時に、
格好つけて知らないクルマなのに判っている素振りをしてしまう。
レンタカーが借りる時に、クルマの説明をしてくれるのを、
面倒臭いと「はいはい」聴き流してしまう。そんな姿勢は危険です。
友だちを大勢でレンタカーで遠出といった時には、
慣れないクルマの中でで大はしゃぎしがちです。
それも、冷静な時に考えてみれば、だいぶ危険。
慣れないクルマは、よく理解して、安全運転に努めましょう。
万が一のことが起こらないように。
今週は「クルマの運転と災害の対処法」後編。
国際モータージャーナリスト 清水和夫さんのコメントでお送りしました。
燃料費節約とCO2排出削減のため、
ふだんガソリンを満タンにしない方もいるかもしれません。
しかし、災害に対する備えでは「満タンに近いほどがいい」のです。
元プロのレーシングドライバー、安全運転インストラクターをつとめる
清水和夫さんも燃料はできるだけたくさんある状態にしておくといいます。
自動車は動かなければ鉄の塊。
自分が乗れないだけでなく、まわりからすれば迷惑なもの。
いつでも動かせる状態であることが望ましいのです。
「クルマが走れるようにしておく」という意味では、
11月には冬用のタイヤに履き替えましょう。
最近の冬は、これまでは降雪がほとんどなかった地域に、
たくさん雪が降ることもあります。「備えあれば憂いなし」です。
そして、災害に対しては装備こそ重要。
SUVの四輪駆動に乗っている清水さんは、
他のクルマを引き上げるための牽引ロープ・懐中電灯、
怪我の応急処置をするための包帯・止血剤・ゴム手袋を積んでいるといいます。
それから水害に際して役に立つシートベルトカッターとフロントガラスを簡単に割るハンマー。
クルマに乗っていて水に飲まれてしまうと水圧でドアが開かなくなります。
右ハンドル車で左腕を骨折してしまうと、シートベルトを外せなくなります。
そんな時でも、フロントガラスハンマーでガラスを割り、
シートベルトカッターでシートベルトを切って脱出するためです。
さらに2年前に山梨で大雪が降り、
中央高速で車の中に2、3日留まらなければいけない人たちが出た、あの時以来、
毛布と暖をとれるものを積んで置くようにしているそうです。
車のタイプとしてはプラグインハイブリッド車は電源の供給元となることができます。
しかし、普及しつつある電気自動車は、充電できなければ動かすことができません。
クルマは災害時に危険から逃げる手段。
でも、それだけではありません。
生き延びるための道具を積んでおける倉庫替わりになり、
動けない時や、動かないほうがいい時に、避難所になります。
そうしてイメージを持って、必要なものを備えておきましょう。
災害が起こった時をシミュレーションして、
どうしておくべきか? いちど、よく考えてみて下さい。
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