今週は『気をつけて! 実はそれって交通違反』の2回目
監修とコメントは東京 麹町「みらい総合法律事務所」吉田太郎 弁護士でした。
1)ながら運転は交通違反
【吉田弁護士の解説】
ながら運転というのは非常に大きな問題です。
道路交通法71条5号という法律には、自動車を運転する場合、
停止している時を除いて携帯電話やスマートフォンを通話の為に使用したり、
画面に表示された画像を注視してはいけませんという定めがあります。
これに違反すると5万円以下の罰金、
具体的に危険を及ぼした場合には3ヶ月以上の懲役が定められています。
最悪のケースで人を死なせてしまう場合には過失運転死傷に問われ、
禁固1年2か月の実刑に処されたという例もあります。
刑に服する、服さないなどに関わらず、刑罰が重い、軽いいう事に関わらず、
ながら運転で注意が散漫になる事は明らかですのでやめるようにして下さい。
自分は大丈夫という過信は禁物です。
ながら運転というと、今ならすぐ思いつくのがスマートフォンや携帯電話の使用。
これは反則点数 1、反則金は普通車で6千円。
また、運転中にカーナビ・カーテレビを見ると反則点数は0、反則金が普通車で6千円。
その他にも反則点数・反則金はともにないものの禁止されている運転行為があります
X 読書・雑誌を読む
X たばこを吸う
X ご飯を食べる
X お茶やジュースを飲む
X 化粧をする
2)サンダルやハイヒールを履いての運転は交通違反
【吉田弁護士の解説】
サンダルでの運転、ハイヒールの運転は、
道路交通法では直接やっていけないという定めはありません。
しかしながら71条の6号で各都道府県の公安員会が道路における危険を防止し、
交通の安全を図るために必要な事を規制して良いと定めています。
それに則り、各都道府県が危険な運転行為を規制する中で、
例えば、東京都では木製サンダルや下駄など、
運転操作に支障を及ぼす恐れのある履物を履いて、
車両などを運転しない事というふうに定めています。
大阪府でも下駄、または運転を誤る恐れのあるスリッパなどを履いて
車両を運転しない事と定めています。
ですので、サンダルでなければOKだとかスリッパでなければOKだとか、
そういう事ではなく、運転操作に支障を及ぼす恐れがあるかどうか、
運転を誤る恐れがあるかどうか、そういう観点から履物に気をつけてください。
これに違反した場合には5万円以下の罰金が定められています。
こうした「意外と知らない交通ルール」は、
万が一、見つかったら点数が引かれるから、反則金をとられるから、
気をつけようと思う人もいるかもしれませんが、それは間違い!
サンダルを履いて、ハイヒールを履いての運転で、
足元の操作に失敗して事故を起こさないために避けるべきです。
車の運転には多くの法律・法令に従う義務があります。
ルールを破れば罰則が待っているので、みなさん気をつけているでしょう。
でも、意外と知らない、落と穴のような交通ルールも多いもの。
今週からの3回にわたって
『気をつけて! 実はそれって交通違反』をお送りします。
監修とコメントは東京 麹町「みらい総合法律事務所」吉田太郎 弁護士です。
もうすぐ年末、道路が混雑する時期。
先を急ぎたくて、高速道路でも一般道でも追越車線を走り続ける車ありますよね。
でも、追越車線を走り続けることは交通違反。
1)追越車線を走り続けは交通違反
【吉田弁護士の解説】
道路交通法20条で道路の左端から数えて1番左側の車線を走ることが規定されています。
3車線以上ある場合には1番右の車道以外の車道を通行することが規定されています。
ですから、追い越し車線をずっと走ることは違反するという事になってしまいます。
もちろん1番右側の追い越し車線を使ってはいけないということではありません。
追い越しする時、右折する時、緊急自動車に道を譲る時、必要な場合には使えます。
ただし、ずっと追い越し車線を走り続けるということは認められていません。
この規則の違反には5万円以下の罰金が定められています。
次の「それって交通違反」。
冬の行楽シーズン。
仲間と温泉やウィンタースポーツに車で出かける時、
欠かせないアイテムの1つが 音楽 かもしれません。
でも、あまりに大きな音量でかけてはいけません。
1)爆音カーオーディオは交通違反
【吉田弁護士の解説】
道路交通法に直接の定めは無いのですが、道路交通法71条の6号には、
各都道府県の公安委員会が道路における危険を防止し、
交通の安全を図るために必要と認めたものについては、
規則で規制出来ることが定められています。
これに則り、例えば東京都なら東京都道路交通規則で、
高音でカーラジオなどを聴き、またはイヤフォンなどを使用して、
安全な運転に必要な交通に関する音、または声が聞こえないような状態で、
車両を運転してはいけないと定められています。
これはカーラジオという表現ですが、広くカーステレをを指すと解されて、
大阪府では「カーオーディオ、ヘッドフォンステレオなどを使用して」と定められていて、
カーオーディオという事が例示されています。
ここで重要なのは、マナー上の問題として周りの人に迷惑をかけないという事もあるのですが、
法律で特に注意を促しているのは、大音量を上げる事によって、
例えば、緊急自動車のサイレンであるとか、周りの音が聞こえない事によって、
安全な運転が出来なくなってしまうかもしれない、
そういう危険を防ぐために音量は適切な所まで下げましょうという定めになっているのです。
運転時に情報を得るのは視覚と聴覚。
その耳を閉ざしてはいけないと注意を促しているのです。
1)追越車線の走り続けはNG
2)爆音カーオーディオはNG
覚えておいてください。
事故が起こる数秒前のふだんの生活と
事故が起こった数秒後の現場のギャップが大きすぎて
とても受け入れることができなかったと語る風見しんごさん。
9年という年月は事故のことを思い出した瞬間に、
感情に流されないよう気持ちを抑える術や
生活していく心を身につけることを可能にしました。
でも、その長い歳月をもってしても、
事故の光景や悲しさを忘れることはありません。
そんなことがないように
小さな子供がいるお父さん、お母さんには、
通学路を一緒に歩いてみてほしいといいます。
何度か一緒に歩けば、危険なポイントがわかるもの。
それを子供に伝えれば、子供はできるだけ気をつけるのです。
ただ、最近の交通事故は、どんなに気をつけたとしても、
被害者が生まれてしまうといったタイプが多発。
いくら子供たちに歩道の内側をみんなで列になって歩くように注意しても
そこに車が突っ込んでくれば、子供の安全は一瞬にして吹き飛びます。
車のハンドルを握る大人が子供たちの安全を守るしかないのです。
今年の春、風見しんごさんは、
娘の「えみる」さんが亡くなってから1年後の
「えみるの赤いランドセル」に続く2冊目の本を出版しました。
タイトルは「さくらのとんねる 二十歳のえみる」。
なぜ、9年後というタイミングで、エッセイを綴ったのか。
前回の本は「えみる」さんが生きた証を残したいと執筆したもの。
今回は、前作からの時間をどんな気持ちで生きてきたか知りたいという依頼があり、
その後の人生を家族がいかに過ごしてきたか
「えみる」さんに手紙を書く気持ちで綴ったといいます。
今年、2016年は「えみる」さんが生きていれば二十歳、成人になっていた年。
このような悲劇を1つでも減らすことを社会全体が考えるべきです。
風見しんごさんの交通安全啓蒙活動は、その目的に大きく貢献しています。