2017年の第1週は昨年と同じように「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を追跡しました。
1980年にスタートした日本・カー・オブ・ザ・イヤー。今年で37回目を数えます。

日本カー・オブ・ザ・イヤーの対象となるのは、
前年11月1日から10月31日までに日本で発表された乗用車。
予め10台が選考対象に絞られて60名を上限とした選考委員の投票で決まります。
 
各選考委員には持ち点は25点。
それを10台のうち5つのクルマに配点しますが、
最も高く評価する1台には10点をつけることになっています。

ちょっとユニークなのは、選考委員はそれぞれ、自分の考えで投票すること。
クルマに乗った感じで選ぶ人あり、デザインで決める人あり、新技術を評価する人あり、
いろんな評価の仕方が総合ポイントとなって表れます。

そんな日本・カー・オブ・ザ・イヤーの第37回        

第37回の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのは、
420点を獲得したスバル インプレッサスポーツ/G4。
自動車評論家で選考委員の1人、こもだきよしさんによると・・・

インプレッサスポーツ/G4には、ほとんどの人が高い点数を入れたとのこと。
色んな新技術がたくさん入り、衝突安全もかなり評価されています。
例えばいま指摘されているのが交通事故で亡くなる人の中に歩行者が多いこと。
インプレッサスポーツ/G4は国産車で初めて、
交通事故時に歩行者がボンネットに頭をぶつけるのを防ぐため、
ボンネットのフロントウィンド近くに歩行者用エアバックをつけました。
この機能を比較的安い車に付けたことが評価され、スバル独特の走る楽しさも備わっている。
そして、スバルは今年創業100周年。
富士重工業株式会社からSUBARUに社名を変える年。
記念すべき授賞となりました。

そして「2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を
インプレッサスポーツ/G4と競ったのがトヨタ プリウス。

こもださんによるとトヨタも新しいプラットフォーム、
トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーを開発しました。
その第一弾としてつくったのが4代目となったプリウス。
ハイブリッド車の普及に大きな貢献を果たしたプリウスは、
トヨタが力を入れて燃費を良くし、CO2排出削減を目指したクルマ。
それが進化を重ね、新しいプラットフォームに新たなシステムを乗せ、
凄い車として熟成された車に仕上がってるといいます。
トヨタが作り慣れてきたということもあり、かなりの完成度。
最後まで、プリウスがカーオブサイヤーが1位になるか、
インプレッサスポーツ/G4が1位になるか、分からなかったとのこと。
最終的には49点差でインプレッサスポーツ/G4が授賞しましたが、
横綱同士の良い勝負だったと感じたというお話でした。

こもださんのような専門家の話を聞いていると、
ここへきて車の性能は格段に向上して、
環境や安全といった社会のニーズに応えるようになっていることを感じます。
これからのクルマの進化も楽しみ。

今年の暮れには、どんなクルマが、
日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するでしょうか。


昨日、警察庁が2016年の交通事故死者数は、
67年ぶりに4千人を下回る見通しだと発表しました。
おととい12月27日までの死者数は昨年より285人(6.9%)少ない3,832人。
減少率・減少数が減ったのは喜ばしいことですが、
それでもまだ3,832人の命が失われているのは悲しいこと。
限りなくゼロに近い、交通社会をつくりたいものです。

さて、今週は『気をつけて! 実はそれって交通違反 エピソード3』。
東京 麹町「みらい総合法律事務所」吉田太郎 弁護士のコメントと監修で
このシリーズのとりあえずの最終話をお届けしました。

「危ない!」と危険を感じた状況で、
クラクションを鳴らして注意喚起することはあると思います。
一方で、他のクルマの運転に腹を立てて
ビービーと周囲が迷惑なほどクラクションを鳴らすクルマ、
時折、見かけますよね?


1)クラクションを無闇に鳴らす行為は交通違反です!

【吉田弁護士の解説】

クラクションは見通しのきかない交差点や山間部の道では
鳴らさなければいけないのですが、それ以外のところでは、
鳴らすことが原則的に禁止されています。

道路交通法上の54条の2号
「車両等の運転者は法令の規定により
警音器を鳴らさなければならない事とされている場合を除き鳴らしてはならない」
と定められています。

例外的に鳴らしても良い場合は危険を防止するためにやむを得ない時、
例えば、歩行者が自分の車の接近に気付かないで横断しようとする場合、
注意喚起のために鳴らすということは良いのですが、
それ以外にむやみやたらに鳴らす事は禁止されています。
前の車が進めるのに進まず、イライラして鳴らす事があるかもしれません。
しかし、それは2万円以下の罰金を取られる場合があります。



クラクションを頻繁に鳴らす、長々鳴らすといった運転の癖がある人は、
「自分は感情が激しやすい性格」だと認識するべきでしょう。
クルマのハンドルは常に冷静な気持ちで握るもの。
その性質は必ず交通事故を引き起こす原因となります。
クラクションの使い方が交通違反だと知ることはもちろんですが、
まずは滅多なことではクラクションを使わない運転を心がけて下さい。


次の「それって交通違反」、
これは・・・ 案外、知らない人も多いかもしれません。


2)ロックをしないで車を離れることは交通違反です!

【吉田弁護士の解説】

鍵をかけないで車を離れることは、少しぐらいなら良いだろうとか
近場のコンビニで飲み物を買ったりするぐらいだったらいいだろうと考えて、
鍵をかけないで車を離れる人がいるかもしれません。

ただ、これは道路交通法の71条5号の2で
自動車を離れる時は、その車両の装置に応じて、
他人に無断で運転される事が無いようにする必要があるとされているのです。
従って、鍵をかけなければ他人に無断で運転される恐れがあり、
道路交通法に違反する可能性が出てきます。

道路交通法の問題も勿論ありますが、
鍵をつけたままにして他の人が運転してしまうと非常に危険。
車を降りる時にはきちんと鍵をかけることを心がけてください。


3回にわたってお届けした『気をつけて! 実はそれって交通違反』
いかがだったでしょうか。
ふだんやってしまいがちな運転行為の中にも思わぬ交通違反があるもの。
今回のシリーズで知ったことを覚えておいてください。


今週は『気をつけて! 実はそれって交通違反』の2回目
監修とコメントは東京 麹町「みらい総合法律事務所」吉田太郎 弁護士でした。


1)ながら運転は交通違反 

【吉田弁護士の解説】

ながら運転というのは非常に大きな問題です。
道路交通法71条5号という法律には、自動車を運転する場合、
停止している時を除いて携帯電話やスマートフォンを通話の為に使用したり、
画面に表示された画像を注視してはいけませんという定めがあります。
これに違反すると5万円以下の罰金、
具体的に危険を及ぼした場合には3ヶ月以上の懲役が定められています。

最悪のケースで人を死なせてしまう場合には過失運転死傷に問われ、
禁固1年2か月の実刑に処されたという例もあります。
刑に服する、服さないなどに関わらず、刑罰が重い、軽いいう事に関わらず、
ながら運転で注意が散漫になる事は明らかですのでやめるようにして下さい。
自分は大丈夫という過信は禁物です。


ながら運転というと、今ならすぐ思いつくのがスマートフォンや携帯電話の使用。
これは反則点数 1、反則金は普通車で6千円。
また、運転中にカーナビ・カーテレビを見ると反則点数は0、反則金が普通車で6千円。
その他にも反則点数・反則金はともにないものの禁止されている運転行為があります

X 読書・雑誌を読む   
X たばこを吸う
X ご飯を食べる    
X お茶やジュースを飲む
X 化粧をする



2)サンダルやハイヒールを履いての運転は交通違反

【吉田弁護士の解説】

サンダルでの運転、ハイヒールの運転は、
道路交通法では直接やっていけないという定めはありません。
しかしながら71条の6号で各都道府県の公安員会が道路における危険を防止し、
交通の安全を図るために必要な事を規制して良いと定めています。

それに則り、各都道府県が危険な運転行為を規制する中で、
例えば、東京都では木製サンダルや下駄など、
運転操作に支障を及ぼす恐れのある履物を履いて、
車両などを運転しない事というふうに定めています。
大阪府でも下駄、または運転を誤る恐れのあるスリッパなどを履いて
車両を運転しない事と定めています。

ですので、サンダルでなければOKだとかスリッパでなければOKだとか、
そういう事ではなく、運転操作に支障を及ぼす恐れがあるかどうか、
運転を誤る恐れがあるかどうか、そういう観点から履物に気をつけてください。
これに違反した場合には5万円以下の罰金が定められています。



こうした「意外と知らない交通ルール」は、
万が一、見つかったら点数が引かれるから、反則金をとられるから、
気をつけようと思う人もいるかもしれませんが、それは間違い!

サンダルを履いて、ハイヒールを履いての運転で、
足元の操作に失敗して事故を起こさないために避けるべきです。

«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 131 | 132 | 133 |...| 161 | 162 | 163 || Next»