円滑な交通を乱さない速度で走っているのに
後ろの車が車間を開けずピッタリとついてくる。
スピードを上げても追いかけてくる。
パッシングする クラクションを鳴らす 幅寄せする いわゆる「煽り運転」。
多くのドライバーが、遭遇したことがあるのではないでしょうか。
それに対して頭に血が上り こちらが事故を起こしてしまう、
あるいは巻き込まれてしまったらたまったものではありません。

煽り運転。
大きな事故も少なからず起こっています。


【平成22年 8月 静岡県 三島市】
 
後方の車が前のバイクを煽り
煽られたバイクはトラックに衝突
載っていた少年2人が死傷しました


【平成24年 9月 栃木県 矢板市】

後続車が前の車を煽り
前の車は交差点に出てしまい他の車と衝突
運転手が意識不明の重体になりました


「煽り運転」は法律違反。
東京麹町のみらい総合法律事務所の吉田太郎弁護士によると
煽り運転は「煽り運転をしてはいけない」という直接表現した規定はありません。

しかし 道路交通法の26条で車間距離を保持しなさいと定められています。
車両等は同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行する時は
その直前の車両等が急に停止した時においても
これに追突するのを避けることが出来るよう
必要な距離を保たなければいけません。

煽り運転は前の車と後ろの車の距離が詰まる事。
これは適切な距離とは言えません。
道路交通法26条の禁止事項に当てはまります。

8年前の2009年。
「煽り運転」の取り締まりを強化するため
車間距離を保持しないことに対する罰則は強化されました。
高速道路の死亡事故のうち衝突事故の割合が非常に多かったためです。


【2007年】 
高速道路での死亡事故245件
そのうち車間距離の不保持・衝突事故による死亡事故 56件
およそ23%

【2008年】 
高速道路での死亡事故196件
そのうち車間距離の不保持・衝突事故による死亡事故 45件
およそ23%


車間距離の不保持・衝突事故による死亡事故がすべて
ピッタリと車の鼻先をつけて煽ったり
スピードを上げて追い回したりということではないでしょうが
単純に必要な車間距離を保たなければ危険が増すとわかります。

吉田太郎弁護士によると 
罰則が強化されて法律上 車間距離不保持はどうなったかというと

一般道路で車間距離を適切に保持しない場合は5万円以下の罰金。
高速道路では5万円以下の罰金。あるいは3か月以上の懲役です。
死亡事件や傷害事件などに至らなくても懲役という事もありうるという事になりました。

また 煽り運転が危険運転致死傷罪における危険運転とに判断された場合には
人をケガさせた場合は15年以下の懲役になる可能性があります。
仮に人を死亡させた場合には1年以上20年以下の有期懲役に処せられます。

罰則が強化されたといっても
かまわずに煽り運転をしてくるドライバーはいるでしょう。
そうされた場合 どう対応するのかも大切なことです。

意地を張って邪魔をしようという気持ちを持つのはやめましょう。
環境が許すなら道を譲って先に行かせること。
ただ狭い山道など なかなか後ろの車をやり過ごせない場合は
後ろの車は気にせず自分の運転に集中するようにしましょう。

走っている中で先に行かせるスペースが見つけられたら
停止したり スペースに車を寄せたりして 先に進ませます。
自分が事故の当事者にならないという事を心がける事が大切です。

煽り運転に遭遇した時は
事故を起こしたり、巻き込まれてしまわないよう冷静に対処しましょう。
そして 当たり前ですが決して「煽り運転」をしないことを肝に銘じて下さい。


この夏休み。
みなさん帰省や旅行で日本の各地に出かけていることでしょう。

交通事故が1つでも減ることは全国に共通する思い。
地域それぞれに工夫を凝らして交通安全への取り組みを行っています。
中には功を奏して交通事故減少に繋がるばかりか地域活性化に一役買っている例もあります。

それは沖縄県の本島から南西におよそ290キロの宮古島。
取り組みは警察官型の人形「宮古島まもる君」の設置。



どうですか? 
なかなかシュールでしょう(笑)

宮古島地区交通安全協会 砂川米子さんによると
まもる君の設置が始まった平成3年当時
宮古島では交通事故が多発していて死亡事故は2ケタ台。

これまで設置してきたありきたりの立て看板ではない
もっと交通安全の意識の啓発が期待出来るものは何かないか?
みんなで頭を凝らして考えて行き当たったのが警察官人形。
「宮古島まもる君」が誕生したのです。

現在、宮古島まもる君の人形は19体
女子の宮古島まるこちゃん1体が設置されています。



2人は仲良し ♡
なかなかいい雰囲気ですよね?

さらに今年2017年は宮古島地区交通安全協会 創立60周年。
3月に開かれた記念イベントではまもる君の石像がお披露目されました。



石像のまもる君は明るい雰囲気。
人形の時とはずいぶんと雰囲気が違いますね。

宮古島まもる君が設置されて四半世紀で島の状況は変わりました。
最近ではお菓子・ストラップ・ネックレスなど
まもる君お土産品がたくさん売られているのです。
そう まもる君はインターネット時代
観光にやってくる人たちの間で有名になり
島の地域活性化に繋がっているのです。

「交通安全の守り神という位置づけだったまもる君ですけど
今では宮古島の守り神みたいになっています」と
宮古島地区交通安全協会 砂川米子さん

まもるくんとまるこちゃんが設置されている
宮古島警察署の正面玄関にも観光客が訪ねて来るとか。
さすがInstagram時代。
「警察署が観光名所になっているところは他に無いんじゃない?」
砂川さんたちは そんな話をしているそうです。

そして 肝心の交通事故件数。
なんと 宮古島は今年の3月で交通事故死者ゼロ1年を達成。
8.17日現在 まだ継続しているそうです。






もうすぐお盆休み。
車で帰省する方の中には渋滞に巻き込まれてしまう方もいるでしょう。
そんな時にイライラしては事故の元。

今週は一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事
安藤俊介さんにお話を聞き「車の運転でイライラしない方法」を追跡しました。
安藤さんは怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング
「アンガーマネジメント」の日本の第一人者です。

安藤さんによると怒りの感情に左右されない第一歩は
イライラしてしまうような環境に自分でつくらないこと

「自分がどんな事でイライラしやすいのか? 知っておくことが大切です
それを分かっていれば、あらかじめ準備が出来るからです。
イライラしない為の環境を作る。何かを用意しておく。
そういう事前準備が出来ると無駄にイライラしなくて済むようになります」


これを今の時期の車の運転にあてはめると
渋滞する日の帰省やUターンはなるべく避けましょう。
なるべく空いている時間に出かけるようにしてく下さい。
この夏の高速道路の渋滞のピークは下りが明日11日 上りが14日の見通し。
こうした日取りを避ける努力をしてみて下さい。

ただ それは分かっていても諸般の事情で、
車での移動がどうしても渋滞に重なってしまうという方もいるはずです。
そんな時にはどうすればよいのか?

「お盆に渋滞はつきもの。
混んでいることは分かっている訳です。
何らかの対策を用意しておくことが心の準備としてはすごく大切。
言葉だけでできるしりとりのように家族でできるゲームのようなもの。
長い時間 家族がコミュニケーションをとるということは 少ないと思います。
逆手に取って 渋滞は家族がコミュニケーションを取るチャンスと
捉え方を変えてみるのも、 良い事だと思います。


また、運転のイライラ解消には外部からの刺激も役立ちます。

「ガムを噛む事は凄く良い事。好きな飲み物を飲むという事も良い事。
渋滞にハマったら食べる・飲む・話しをする事を決めておく。
そうすると「ハマッちゃったよ」とイライラせずに済むようになります。
渋滞からは離れますが 雨の日に楽しくないとしたら
雨の日に着たくなるレインウェアを買う事です。
そうすると 雨が降るのが 待ち遠しくなります。

それから渋滞はひとりの力では如何ともしがたいもの。
諦めの気持ちを持つことも必要です。
多くの人は自分ひとりが何をしても渋滞が変わらない分かっています。
でも 心の中では早く動かないかという言葉を吐きがち。
そして 考えたり 言葉にしてしまう事で余計にイライラしてしまいます。
ですから 渋滞について何か思っても それを口にするのをなるべくやめる。
そうすればイライラしにくくなることをぜひ覚えておいて下さい。


お盆休み くれぐれも運転にご注意を!




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