秋の行楽シーズンはもうすぐ。
休日にドライブでちょっと遠出という計画を立てている方も多いでしょう。

でも その中に家族の 友人の あるいは自分の 車酔いが心配な人もいるのでは?
同乗者の誰かが気持ち悪くなり 予定が遅れて先を急げば 交通事故の危険も高まります。
そして せっかくの旅行が車酔いでつらいのはもったいない!

今回は乗り物酔いのエキスパート
NASAによる「宇宙酔い」の研究を行ったことに始まり
地上の乗り物の「酔い」についても調査・研究をしている
CHO(ジェイコー)東京新宿メディカルセンター
耳鼻咽喉科 診療部長の石井正則先生にお話を伺いました。

無意識のうちに刺激や情報に反応して
我々の体をコントロールしている『自律神経』。
意識せずに呼吸したり 体温調節が出来ているのは自律神経のおかげですが
「乗り物酔い」は自律神経のバランスが崩れて起こります。

自律神経の働きの1つが「身体のバランスを保つ」機能。
耳の奥には平衡感覚を司る三半規管があり、
自律神経は三半規管で得た身体の揺れや傾きの情報をもとに
目から得た視覚情報を生かして 筋肉を反応させバランスを保ちます。
      
ところが・・・
     
乗り物、今回の場合は「車」の振動や揺れは、
平衡感覚と視覚の間にズレを生じさせ     
それを「不快」に感じてしまう人は「酔ってしまう」のです。

不快感が気持ち悪さに繋がる。
そこで車酔いする人は事前に快適でいることが大切です。

【事前のコンディションづくり】

◯ 睡眠をきちんととる
◯ 適度に食事をする(食べない・食べ過ぎはダメ)
◯ 体を締め付ける衣服ではなくリラックスできる衣服を身につける
◯ 出発前には酔い止めの薬を服用する



そして 車に乗っている時にどうしているのかも大切。


【車に乗っている時にやるといいこと】

◯ なるべく遠くの景色を見る
◯ 新鮮な空気、冷気を車内に入れる
◯ おしゃべりをする 歌を歌うなど 楽しいことをする
◯ ちょっと怪しいなと思ったら 目をつぶってシートを倒す
◯ お腹の緊張を緩めて 鼻から息を吸い ゆっくり呼吸をする
◯ ショウガや唐辛子を食べる



今は車内でDVDが見られる車もあると思いますがダメです
車の揺れと 視覚のズレが生じて 酔いに繋がってしまいます。

石井先生のところにきた患者で お父さんの運転では酔わないのに
お母さんの運転だと酔ってしまう子供がいたそうです。
理由はお母さんの運転は急ブレーキ・急発進が多かったから。

1)事前のコンディションづくりをしっかりする
      
2)乗車中は楽しく、気持ち良い状況をつくる
       
3)ドライバーは同乗者に優しい運転を心がける

この3点に注意して車酔いがない秋の行楽ドライブを楽しんで下さい。


高田賢三・コシノヒロコ、ジュンコ姉妹・山本耀司・・・
ファッション業界を牽引する人材をたくさん輩出してきた文化服装学院では
この春から1年生が交通安全を考えた子どもの洋服づくりをしています。
今回はその取り組みを追跡しました。





お話を伺ったのは2人の先生。
テキスタイル関連研究室 講師 吉村とも子さん。
ファッション工科 副グループ長 専任教授 早渕千加子さん。





きっかけは2年前の平成27年。
子ども服の安全規格がJISで制定されたこと。
背景には東京都が行ったアンケート調査がありました。

親に子どもの着ている服と安全について尋ねたところ
紐やフードや広がった裾などが原因でもう少しで事故に遭ったかもしれない
いわゆる「ヒヤリハット」の経験を答えた割合が7割もあったのです。

吉村さんは生徒に衣服の素材の品質について教える立場。
また小さな子どもがいる母親。
規格 JIS L 4129(よいふく) 制定を受けて
授業で生徒に子ども服の安全性の大切さを伝えました。

吉村さんは11月の文化祭で安全な子供服の展示も行ないました。
この時に協力してもらったのが一般財団法人 ニッセンケン品質評価センターです。
ニッセンケンは繊維製品の素材について安全性や機能性を評価する第三者機関。
JIS L 4129 に基づく良い服づくりをサポートしています。

この文化祭の段階で翌12月には日本交通安全教育普及協会が
車から子どもを認識しやすい「高視認性安全服」の規格を発表すると決まっていました。
そこで吉村さんは蛍光色と反射材のついた児童用安全ベストなどを借りて展示します。









吉村さんの文化祭での展示をきっかけに
交通安全を配慮した子ども服づくりを授業でやろうと考えたのが早渕さん。

ファッション工科 基礎科の授業では子ども服を作るという授業があり
子ども服といえば「可愛さ」がつくる・選ぶ基準になるもの。
でも 早渕さんはそういう一般的なものづくりに何か付加価値を添えた
学生たちの将来にプラスになるようなことはないか探していました。
そんな時に子どもの安全な服をテーマにした展示を目にして
取り入れることにしたのです。

早渕さんはニッセンケン品質評価センターとコラボレーション。
素材の提供を受けて授業で子どもの交通安全のための服づくりを始めました。
学生は5人ほどでグループをつくり制作に取り組んでいます。
市場調査をして プレゼンテーションをして デザインを決め 
サンプル縫製をして 今は実物の制作中。










早渕さんによると 
子どもの衣服の危険な部分を知った生徒たちは
どんな時間に どのくら起きているのか?
自分たちから率先して交通事故について調べました。
また 子どもの服への認識が高まって 
無意識で交通安全を守る衣服を作る意識が芽生えたといいます。

学生たちは将来 アパレル業界で商品を生み出していく存在。
こういう勉強をしたことを忘れずに
商品の企画に携わっていってほしいと早渕さんは言います。

生徒たちによる子どもの交通安全服は11月の文化祭で発表・展示されます。
来場者の投票などで優秀作品の表彰があるそうです。

衣食住の1つ「衣」。
身につけるものの安全性の意識は世界で高まっています。
将来のアパレス業界を担う人材が子ども服と安全性の相関関係を知る。
素晴らしい授業ですね。



そろそろ始まる新学期。
自転車で通学する中学生 高校生は多いでしょう。
中学生も勿論ですが 特に高校生のみなさん
自転車に乗っている時の交通事故には気をつけましょう。

今週は公益財団法人 交通事故総合分析センター
研究部 主任研究員の山口朗 さんにお話を伺い
「高校生と自転車」を追跡しました。


去年2016年に交通事故で死傷した人は およそ 62万人 。
そのうち自転車に乗っていたのは およそ 9万人。
だいたい 7分の1 。

2016年の「乗用車 対 自転車の事故」による死傷者を年齢別に見てみると
被害者となった自転車の運転手には顕著な特徴があります。
15〜18歳が他の年齢に対して突出して多いのです。

16歳 ー 約3,500人
17歳 ー 約3,000人
15歳 ー 約2,500人

この年代は高校生にあたる年齢。
学齢別に見てみると、やはり高校1年〜3年生が
他の学齢に対して多くなっています。
さらに学齢別に分けた死傷者数を「登下校中」と「登下校中以外」で見ると
中学生と比較して増えた分は ほぼ「登下校中の事故」にあたります。

では 自転車がどこで乗用車との事故に遭遇しているのか? というと
これは自転車に乗った高校生に中学生も含めた2016年 データですが
76%が交差点で発生をしています。約3/4です。

交差点の規模で見てみると 比較的小さな交差点で多くの事故が発生していて
大きな交差点ほど 事故発生の割合は低くなっています。
さらに交差点の規模よって 発生する事故の形態にも大きな特徴があって
小さな交差点では自転車と乗用車の出合い頭の事故が多くを占めています。
交差点の規模が大きくなるにつれて出合い頭の事故が減り
乗用車が右左折中の事故の割合が増えています。
自転車と乗用車の交差点での事故の90%以上は
出合い頭か乗用車が右左折中です。

交差点以外の4分の1の場について。
歩道が3分の1 第一通行帯が3分の1 残りが3分の1。
歩道の場合はコンビニから乗用車が出てきて
歩道を走っていた自転車とぶつかる出合い頭の事故
車道から道路沿いの駐車場に入るため右左折をした時に歩道を走る自転車とぶつかる事故
などが歩道では発生をしています。

第一通行帯は複数車線なら一番左側の車線 往復2車線なら走行車線 
自動車と自転車が同じ方向に走っている自転車を乗用車が追い越しや追い抜き 
もしくはすれ違いの時に接触をするという事故。

非分離道路はセンターラインの無い道路。
乗用車と自転車が同じ方向に走るだけでなく対面走行するケースもあるので
出合い頭や右左折中・追い越し・追い抜き・正面衝突
ありとあらゆる事故が混在しています。

つまり 高校生の自転車通学は危険。
2年生・3年生も、もちろんですが
通学路の自転車運転に慣れない高校1年生
まだ、自転車で危険な目にあっていないので
スピードを出しすぎたり 友だちとふざけたりするのかもしれません。
充分 気をつけて下さい。

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