8月31日は「高校生と自転車の事故」がテーマでした。
「クルマ 対 自転車」の事故被害者で多いのは高校生。
新学期を前に注意を促したかったからです。

そして 実は「高校生と自転車」には もう1つの側面があります。
歩行者に対する自転車事故の加害者も高校生が圧倒的に多いのです。

今回は公益財団法人 交通事故総合分析センター
研究部 主任研究員の山口朗さんにお話を伺い
自転車が加害者となる交通事故を追跡しました。

自転車の関わる事故数は2016年で約9万人の負傷者。
過去を遡ると2001年〜2004年ぐらいまでは18万人。
10年ぐらいで半分に減りました。

そのうち自転車対歩行者の事故。
多くは歩行者側が被害側で自転車側が加害者側ですが
2006年〜2015年の歩行者の死傷者数は毎年2500人前後。
自転車対歩行者の交通事故は減少傾向にありません。

2500人の加害者になった自転車運転手を見てみると
11〜20歳までが全体の3割を占め最も多い年齢層。
そこを学齢別に見ると高校生が突出しているのです。
ピークは高校1年生。2年生、3年生となるにつれ減ってはいます。
でも 他の学齢と比較すると 高校3年間が飛び抜けているのです。

衝突地点の8割が交差点以外。
内訳は多い順に「歩道」「非分離道路」「車道など」。
自転車に対して対面で歩いてきた歩行者に
あるいは同方向に歩いている歩行者に
自転車がぶつかったというのが半数を占めています。

被害者になっている層で最も多いのが高齢者。
半数は60歳以上。この年齢の方たちは怪我をしやすいもの。
大きな怪我は命の危険に繋がりかねません。

自転車通学の高校生・中学生の皆さん 
くれぐれも気をつけて自転車の運転をするようにしましょう。
友だちとふざけながら スマホで音楽に没頭しながらの運転は危険です。
 
子どもが自転車通学しているお父さん・お母さん
しっかりと注意を促がすようにしましょう。

もちろん他の世代も自転車事故を起こしています。
歩行者に対して自転車は交通弱者ではありません。
そのことを心にとめて自転車に乗りましょう。




30日 土曜日までは平成29年 秋の全国交通安全運動の実施期間。
今週と来週は「平成29年 秋の全国交通安全運動」を追跡します。

コメントは警察庁 交通局 交通企画課の斉藤久晃さんでした。
後半の今日 紹介したのは2つのポイント。

▶︎ 全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底

▶︎ 飲酒運転の根絶 



<全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底>

一般道路における運転席と助手席のシートベルト着用率は9割以上。
ところが後部座席の着用率は4割にも満たない状況です。
後部座席でシートベルトを着用していないと事故に遭遇した時に
車外へ放り出されるなど重大な事故に発展する可能性が高くなります。
シートベルト非着用の致死率は着けている時の約14倍というデータもあります。

チャイルドシートは6歳未満の子供には着用が義務化されています。
ところが使用率は約6割。
使っていても車両への取付けが不十分だったり使用方法が不適切な場合には 
交通事故時にチャイルドシートがシートベルトから分離する 
子供がチャイルドシートから飛び出してしまうなど
本来の機能が発揮できないことがあります。

チャイルドシートは国の安全基準への適合が確認された表示あるものを使い
子供の体格にあったものを選んで下さい。     
また 助手席の使用では膨張するエアバックにより被害が及ぶ場合があります。
できるだけ後部座席に乗せてあげるようにして下さい。
やむを得ず助手席で使用する場合は座席をできるだけ後ろまで下げて
必ず前向きに固定しましよう。


<飲酒運転>

厳罰化や行政処分の強化などにより
飲酒運転による交通事故は年々減少傾向になっています。
それでも未だに飲酒運転による死亡事故が年間約200件。
去年のデータでは飲酒せずに起こした事故と比べて
死亡事故になる確率が約8倍と非常に高くなっています。

飲酒をしたら運転しないことはもちろんですが、
周りの人もお酒を飲んだ人に運転させたり
車を運転する人にお酒を飲ませるようなことは絶対にしないでください。
       
気をつけたいのは飲酒したあと相応の時間が経たないと
体内にアルコールは残っていて飲酒運転になってしまうこと。
アルコールの分解能力には個人差がありますが
一般的に500mlのビールを飲むと分解に約4時間かかるといわれてます。
車を運転する時は それを考慮した飲酒時間飲酒量を心がけましょう。

飲酒運転はドライバーがやらなければゼロにできること。
本当に飲酒運転ゼロ社会を実現したいものです。

斎藤さんからの最後のメッセージは
この交通安全運動をきっかけとして家庭や地域・社会において
交通ルールやマナーを共有し実践していくことで
より交通事故の少ない社会を実現しましょうというものでした。

この機会にドライバーの方は日頃の自分の運転を見直しましょう。
そして 家族と一緒に交通安全について話してみてはいかがでしょうか。


今日21日 から 30日 土曜日までは
平成29年 秋の全国交通安全運動の実施期間です。
今週と来週は「平成29年 秋の全国交通安全運動」を追跡します。

コメントは警察庁 交通局 交通企画課の斉藤久晃さんです。
前半の今日 紹介したのは2つのポイント。

▶︎ 夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止

▶︎ 子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止


<夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止>

これから日没時間が日毎に早くなります。
ドライバーは早めにライトを点灯しましょう。
自分の車の存在を周囲に知らせて事故を未然に防ぐ意味があります。
視界が悪くなってからライトを点灯つける人もいますが
歩行者や他の車両が車を認識するのが遅れます。

歩行者や自転車の運転手も交通事故に巻き込まれないよう
自分で安全を確保することを心がける必要があります。
ライトを反射して光る反射材を身につけるようにしましょう。
運転手からは着用しない歩行者と比べて2倍以上も手前で見つけられます。

ドライバーから目視できる距離に関連しては夜間はハイビームが基本。
対向車や先行車がいない場合 上向き点灯のハイビームを活用してください。
ハイビームは通常100メートル先まで照らすことができるので
歩行者や自転車を遠くから発見することができます。



<子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止>

特に小学1年生・2年生は歩行中の事故が多いという傾向があります。
時期としては10月から11月。
時間帯は登下校中の7時台、15時台〜17時台。
横断中の事故と飛出しが多くなっています。
小学校3年生以上になると自転車の事故が多くなり
中学1年生でそれが増加 高校1年生で更に増加する状況となっています。

高齢の歩行者が関係する事故は 
走行する車の直前・直後の横断等
法令違反に起因する死亡事故が多いことや
夜間に道路を横断している時 左方向からの進行車両と
衝突する死亡事故が多い特徴があります。
     
一方で高齢運転者による交通死亡事故の運転手側の要因をみると
75歳以上はハンドル等の操作誤りによる事故が最も多く
次いで漫然運転などの前方不注意 
きちんと安全を確認していない安全不確認の順です。
操作誤りによる事故ではブレーキとアクセルの踏み間違いが
75歳以上では高い割合となっています。
75歳未満の運転者になると 前方不注意・安全不確認が多いです。

ドライバーが注意すべきことは安全運転を日頃から心がけ
特に通学路や横断歩道付近では速度を落とし
まわりの安全をしっかり確認すること。
信号機のない横断歩道を渡ろうとしている人がいたら歩行者が優先。
常に歩行者保護の気持ちを持って運転をしましょう。

来週の後編でも平成29年 秋の交通運動のポイントをさらに2つ
警察庁 交通局 交通企画課の斉藤久晃さんにお話していただきます。




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