クルマが野生動物と衝突することによって発生する「ロードキル」。
特に多いのが、動物の活動が活発になる6月から10月。
ともすると人間の側も、ケガをしたり、死亡事故に繋がります。
今回は対策と、もしもの時の対応をお伝えします。





カーライフ・ジャーナリスト まるも亜希子さんによると、ロードキルは増加傾向にあります。
高速道路各社の発表では、2002年の約3万6000件が2021年に約5万1000件と急激に増加。
国道では年間少なくとも7万件、高速道路でも5万1000件が発生し
シカ、クマ、イノシシなどの大型動物からタヌキ、イヌ、ネコなどの中型動物まで増えているとか。
種別では犬や猫が約29%、タヌキが28%、鳥28%という状況です。





ロードキルでクルマに乗る私たち人間が危険なのは大きく2パターンが考えられます。
1つは大型の野生動物と衝突する事故そのもの。
もう1つは小型・中型の動物に気づき避けようとして事故に繋がるケース。

衝突して危険な大型動物が飛び出してくる危険性が高いのは
西日本や東日本の北、緑豊かな地域を通る高速道路。
中型動物もそうしたところに多いですが、
最近では首都高速道路にも出没しています。
都市部だから安心ではありません。

油断してると動物が突然出た時にパニックになってしまう可能性大。
ブレーキをかけずにハンドルを切って避けようとしてしまい
対向車線にはみ出して対向車とぶつかってしまったり、
動物に気を取られすぎて一般道だと歩行者や自転車に気が付かず
そちらにぶつかってしまう例もあります。
まずはブレーキでスピードを落として様子を見るという
心持ちがあることが大切です。





今回、お話を伺ったまるも亜希子さんも
運転中に野生動物に遭遇することが時々あるそう。

遭遇が多いのは夜間。
キラッと光る目や影に気づいた時はすぐスピードを落とす。
刺激をしなければ、そのまま止まっていることも多いので、
ゆっくり横を様子を見ながら走り去りましょう。

飛び出してそうだなと思ったら、状況が許すなら停止して待ってみるなど
常にその動物の動きを予測した運転をするようにしましょう。
いつも以上に走行速度と周りに注意をしながら運転することが大事です。

走行しているのが高速道路の場合は
すぐにミラーで後続車や周囲の状況を確認して
危険がないならブレーキを踏んで緩やかに減速して下さい。





頻繁に動物が出るところには動物注意標識があります。
そうした箇所では「動物が飛び出してくるかもしれない」と想定をしてハンドルを握りましょう。

これからの時期の運転はロードキルにも十分に注意して下さい。
ぶつかって命を落としてしまう動物も可哀想です!
車内を居心地の良い空間にするべく装飾する、
運転を快適にするべくスマホホルダーを装着する…
オリジナルな空間を作るのは、クルマの楽しみでもありますが、
それが、ルール違反になっていませんか?
間違った装飾は、事故にも繋がりかねません。
車内の環境を、いちど見直してみましょう。





モータリングライター 藤田竜太さんによると
道路交通法第55条に車両の運転者は運転者の視野
もしくはハンドルその他の装置の操作を妨げて
バックミラーの効用を失わせ、車両の安定を害し
または外部から該当車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、
尾灯もしくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、
また積載をして車両を運転してはならない」と記されています。
これに反して、ドライバーのシェアを妨げるものを取り付けていると
乗車または積載方法違反となり、違反点数1点、
普通車で反則金6000円が科せられる可能性があります。





乗っているクルマを可愛く演出したい、カッコよくしたいということで、
何かの装飾を施している人は結構いますが、国土交通省は2005年に、
道路運送車両法の保安基準を改正して
フロントガラスへの装飾板の取付けを全面禁止にしました。

その2年前、神奈川県川崎市で、
大型トラックが道路横断中のベビーカーと母親を跳ね
幼児が亡くなり、母親が重傷を負う事故が発生しました。

現場は見通しが良い直線道路。
しかし、トラックのフロントガラス下部に、
高さ20cmの「装飾板」がつけられていたため、
ドライバーは道路を横断する親子に気づかず、
ベビーカーを引きずったまま6mほど走って、ようやく停止。
警察は、装飾板が至近距離の視界を悪化させたと判断しています。

当時は、特にトラックに装飾板をつけた車体も多かったため、
国土交通省は実態調査を行った結果、すべての車体は
前面ガラス及び側面ガラス(運転者席より後方の部分を除く)に
装飾板等を装着した状態は、基準不適合とする
(可視光線透過率が70%以上となるものは除く)と保安基準を改正したのです。





いまフロントガラスへの装着が認められているものは
車検の有効期限を示した検査標章のシール、バックミラー、
公共の電波を受信するために前面ガラスに貼り付けられるアンテナが主なもの。
また、吸盤式のドライブレコーダーも例外的に認められておりますが
これらの電子機器もフロントガラスの上部から20%以内の場所か
もしくはルームミラーの裏側に限って合法となっています。

それ以外の吸盤式の初心者マークや高齢者標識
吸盤式のお守りや吸盤式のスマートフォンホルダーなどは厳密に言うと、
保安基準不適合になりますので気をつけてください。
スマートフォンホルダーを取り付けるのなら、ダッシュボードの上か、
ドリンクホルダーまたはエアコンの吹出口にしっかりと固定するようにしましょう。
そしてダッシュボード上に固定する場合、
前方の視界を妨げないように気をつけるのがポイントです。





ダッシュボードの上にぬいぐるみやフィギュアを並べている人も結構見かけますが
ドライバーの視野を妨げると判断されると、乗車または積載方法違反として
取り締まりの対象になる可能性があります。

仮に法的に問題がなかったとしても、助手席側のダッシュボードには
エアバッグが格納されている車種もあるので、エアバッグが開いた時に
乗っていたぬいぐるみなどが吹き飛んで予期せぬ状況になる懸念もあるので
できるだけダッシュボード上には物を置かない方が安心。

さらに、ダッシュボードに物を置くと乱反射によって視界を悪化したり、
加速や減速、コーナリングなどで生じるGの影響で乗っていたものが落ちて
集中力が削がれたり、足元に落ちたものがペダル操作に悪影響を与えることも
あり得るので、ダッシュボード上は常にスッキリさせておくほうがいいでしょう。





藤田さんによると、運転席から見える範囲に何かを装飾するときの共通項は、
「視界を妨げないこと」と「しっかりとした固定」の2点。

まず、動くものや光るものは視界に入らないようにしておくのが基本です。
ルームミラーにお守りやアクセサリーの類をぶら下げるのは、
ドライバーのシェアを妨げる危険性があるので、安全のことを考えるなら避けた方が賢明。

メーターパネル前に物を置くのも、メーターの視認性を邪魔してしまいます。
ハンドルやウインカーレバー、ワイパーレバーなどへの装飾もやめましょう。

車内の装飾も事故に繋がる危険がないよう十分に注意して
カーライフを楽しんで下さい!
クルマを運転中は、誰しもスピード違反にならないように気をつけているでしょう。
では、時速何キロまで出してという情報はどこから得ていますか? 

ルールに定められた以上のスピードを出せば、交通違反になることはもちろんですが
事故の危険も高まってしまうもの。今回は速度制限についての情報を
特定行政書士で法務・法律ライター 井口豪さんの解説を通してお伝えしました。





クルマが走行している時に「ここまでは出していい」という最高速度
反対に言うと「これ以上は出してはいけない」という速度制限には2種類あります。
それは「法定速度」と「指定速度」。道路交通法には次のように定められています。

車両は道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においては
その最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる
速度で進行してはならない


この定められている最高速度が法定速度です。
普通自動車なら一般道路は時速60km、
高速道路は新東名高速や東北道の一部区間などを除(のぞ)けば時速100キロ。
しかし、法定速度以上に守らなければいけないのが
道路上の標識などで指定されている指定速度です。





指定速度は数字が目立つように標識で出ているのでわかりやすいものです。
ただし、その下にある矢印も確認する必要があります。
左から右を指している矢印は「ここから始まる」という表示。
右から左を差していたら「ここで終わり」という表示。
両方に矢印がついていたら「まだ区間内にある」ことを意味しています。
時間帯や車両によって速度制限が変わることを複数の道路標識で知らせている場合もあるので
数字以外の部分の表示が何を意味しているのかも覚えておくといいでしょう。





それから速度制限については、最高速度だけではなく
最低速度があることも気に留めておいて下さい。

道路標識の数字は、最高速度だけを表しているわけではありません。
数字の下に線があったら、それは「最低速度」。
「それ以上のスピードで走らなければいけないですよ」という意味。
また、高速道路の場合は標識が出ていなくても最低速度が時速50km。
ただ、渋滞時などのゆっくり走らざるを得ない場合は例外。
状況に合わせて判断するようにして下さい。





以上は一般のドライバーの方向けに普通自動車の制限速度をお伝えしてきましたが、
高速道路では車両によって制限速度は変わり、大型車両は普通自動車以下。
ただ、これはプロフェッショナルの方たちなので、その認識に委ねることにしましょう。
また、救急車や消防車や警察車両は、一般のクルマとは違うルールになっています。



      

それから普通自動車の「法定速度」について
1つ付け加えておくと住宅地などにあって、道幅も狭い、いわゆる「生活道路」でも、
最高速度の標識などがなければ、現状では時速60キロでの走行が可能です。
ただし、来年9月から法定速度は、時速30キロに引き下げられます。
 
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