「日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023 - 2024」が発表されました。
今、どんなクルマが評価されているのか? 
安全性能はどのくらい進化してきているのか?
今回はお伝えしました。





「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、前年11月からその年の10月までの1年間に
日本国内で発表・発売された市販乗用車が先行対象。今回は34台ありました。

選考は二段階ああります。
第1次選考は、モータージャーナリストを中心とする
60人が上限の選考委員の投票で「10ベストカー」に選ばれます。
  
今回の「10ベストカー」は「トヨタ プリウス」「BMW X1」
「ホンダZR-V」「トヨタ アルファード/ヴェルファイア」
「日産 セレナ」「三菱 デリカミニ」「SUBARU クロストレック」
「アバルト 500e」「フォルクスワーゲン ID.4」「マセラティ グレカーレ」です。

日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本カー・オブ・ザ・イヤー 選考委員 菰田潔さんによると
元祖ハイブリッドカーのプリウス5代目あり、日産セレナのようなミニバンあり、
「アバルトの502e」というフィアット500の電気自動車版ああり、
「三菱デリカミニ」軽自動車あり、高級SUV「マセラティ グレカーレ」あり、
電気自動車の「フォルクスワーゲン ID.4」ありということで
過去にないような多くのタイプがエントリーされました。

「10ベストカー」は試乗会が行なわれ、その後の投票の結果、
「カー・オブ・ザ・イヤー 2023 - 2024」に選ばれたのは、
2位に110点差をもつけて360点を獲得した「トヨタプリウス」。

菰田さんによると最近のプリウスはハイブリッド車が当たり前になった中で
今までの燃費がいいという部分だけではなく
本当にデザインも凝っていて目立つ車になったとのこと。
「かっこいいから選ぶ」とされるようになったと感じているそうです。





プリウス360点に続く2位は250点を獲得した「BMW X1」。
「BMW X1」は「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いています。

菰田さんによるとBMWのSUVの中で一番小さいモデルのX1には
上級クラスに備えていた機能が標準でついてるところが豪華だとのこと。
例えば「ドライビング・アシスト・プラス」。

「高速道路」「60キロ以下」「先行車がいる」の3つの条件が揃うと
アクセルとブレーキを離していても走る「アダプティブ・クルーズ・コントロール」と
さらにハンズフリー機能もあります。

さらに狭い道に入り込んでしまって「バックしないと出られない」という時に
50mは軌跡を覚えていてバックで戻る際にハンドルは車がやってくれる
ユニバーサルアシストという機能もついています。





クルマの安全装置、安全機能は著しく進化しています。
それはユーザーとして喜ばしいこと。
しかし、日本には交通事故死亡者の割合が歩行者に多いという特徴があります

横断歩道を渡ろうとしている人がいても
そのまま通過してしまう車が、今もまだたくさんあります。
この原点のところをドライバーが直していかなければ
いくら車が安全になっても死亡事故ゼロにすることはできないと菰田さん。
歩行者保護をきちんと守っていくっていうのが第一歩だとおっしゃっていました。

年々、進化するクルマ。
それに合わせドライバーの安全意識もバージョンアップさせて、
楽しいカーライフを送りましょう。
ドライバーはクルマの安全性能に甘え過ぎてはいけません。
人は誰でも目の前のことが上の空になり
ボーッとしてしまうことがあるもの。
特に考え事や悩みがある時は、そうかもしれません。
また、ボーッとしやすい人もいるかもしれません。

ただ、それがクルマを走らせている時だとキケン。
大きな事故に繋がりかねません。
クルマの走行時に危険を見落としてしまう状態を「漫然運転」といいます。
師走でどんなに忙しくてもハンドルを握ったら運転に集中!

今回は(株)日本交通事故鑑識研究所 代表 大慈彌 雅弘さんに話を伺い
「危険な漫然運転」についてお伝えしました。





漫然運転とは車の運転以外のことに頭を使って運転してること。
「心の脇見」とも言われ、運転手は前を見ていても
一番肝心な周囲の交通環境の認知ができていないので
制御されていない無人自動車が走るのと同じようなもの。
非常に重大な事故が起きてしまいます。

実際、漫然運転は交通事故の人的要因の中で、大きな割合を占めています。
75歳未満の運転者が起こした事故のうち
最も多いのが「安全不確認」30.1%で故意や過失で安全確認しなかったというもの。
次が「内在的前方不注意」24.2%で、これが漫然運転等に相当し、全体の4分の1。
ちなみに3番目が「外在的前方不注意」。これは脇見運転等で19.2%。
脇見運転は見るべきものではなく、他のものを見ることで「漫然運転」とは違います。





では、実際に漫然運転からどんな事故が起きているのか。
信号を見落とす。対向車線側にはみ出る。
そして、見通しのいい道路の端を歩く小学生の列に突っ込んでしまうという
どう考えても考えられない重大で悲惨な事故が起きてしまうこともあります。

そんな光景は誰もが想像したくもないことのはず。
全国の運転免許証を持つドライバーは一丸になって
気を抜かずハンドルを握ろうと一致団結すべきです。

そのためにも、どんな状況で漫然運転が起きやすいか、知っておきましょう。
クルマに慣れている、環境的に見ると道路が単調、
非常に多忙で運転以外のことに考えがいってしまうなど。
こうした状況で運転操作が疎かになります。





対策は運転中に別なことに意識が飛ばないように何か負荷をかけること。
例えばオートクルーズ機能を外す。運転しながら自分で実況をする。
歌を歌う。何かのきっかけを決めて手を叩くなど。
今は運転をしてるということを認識し続ける努力をして下さい。

ちなみに漫然運転は道路交通法第70条に規定されている
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を
確実に操作し、かつ道路や交通及び当該車両等の状況に応じ、
他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない
という安全運転義務に違反しているため交通違反点数 2点で
普通車9,000円、大型車12,000円自動二輪車7,000円
小型特殊車・原付6,000円の反則金が課せられます。





漫然運転の誘因には”疲れ”もあるはず。
忘年会の時期。仕事も忙しく、飲み会も連日あってという状況で
疲れが溜まり、運転しながらついボーッとしないように気をつけましょう。

さらに悩み事も危険。
深く考え込んでいる状況では目では見ていても
状況をきちんと理解していないことも考えられます。
大きな悩みがある時はハンドルを握らないほうがいいかもしれません。

全国のドライバーの皆さん。
漫然運転にはくれぐれも注意して下さい。



今日から12月。地域によっては雪が積もり始める時期になりました。
冬場は雪道や凍った道路結の走行に気をつけなければいけません。
今週はモータリングライター 藤田 竜太さんにお話を伺い
その注意点についてお伝えしました。





一言で雪道といっても「新雪」「圧雪」「シャーベット」と路面上が異なる状態と
凍結路の『アイスバーン』があって、さらにはそのアイスバーンにも
積雪がタイヤで押しつぶされた「圧雪アイスバーン」
交差点付近で停車した車の熱で雪が解け、タイヤの摩擦で路面が磨かれ再凍結した「ミラーバーン」
路面が濡れたような状態で表面が薄く凍ってる「ブラックアイスバーン」の3種類があります。
一様に同じではなく、路面の状態も様々。タイヤの滑り方も状況で違うと覚えておきましょう。





「圧雪路」や「凍結路」がどのくらい滑りやすくなるのか?
路面の摩擦係数で比較すると乾燥したアスファルトの摩擦係数は0.7〜0.9
圧雪路では0.2から0.4なので約3.2倍滑りやすくなります。
さらに凍結路では5.4倍も滑りやすくなり、
ミラーバーンやブラックアイスバーンのようにツルツルの凍結路になると
8倍以上も滑りやすくなっているのでかなり危険です。

そして、路面状況で変わってくるのが、
ブレーキが作動してから車が停まるまでに走る「制動距離」。
スタッドレスタイヤを履いて時速40キロメートルで走っていた場合、
乾燥いた路面だと7.9mの制動距離が圧雪路では21m、
凍結路に至っては79mにもなってしまいます。

従って、路面の状態にいつも気を配って
できるだけ凍結路面にタイヤを乗せないように走るのが基本。
雪道に強いとされるスタッドレスタイヤでも、
凍結路面ではそれほどグリップしてくれないので過信しないこと。
特にブレーキが効きづらくなるので、凍結路面を見かけたら速度を落とし、
車間距離を広げて、急ハンドル、急ブレーキ、急発進は避けて下さい。





道路が凍結しやすい場所としては・・・

⚫︎ 陽が当たらないところ
⚫︎ 交差点付近
⚫︎ 橋の上
⚫︎ トンネルの出入り口

などが挙げられます。
また、坂道やカーブも滑りやすいので細心の注意が必要です。





今年は秋になっても暑いぐらいの日が続いたので、
もしかするとタイヤを冬用に履き替えていない方もいるかもしれません。

しかし、積雪時にノーマルタイヤで走ることはそもそも法令違反。
沖縄県以外で雪の日にノーマルタイヤで走ると普通車で反則金6000円です。

そのことを抜きにしても圧雪路でも凍結路でも
ノーマルタイヤはスタッドレスタイヤより遥かに制動距離が伸びてしまいます。
また、少しの傾斜があるだけで発進できなくなったり、
カーブでも曲がり切れない可能性が出てくるので、
雪道や凍結路をノーマルタイヤで走るのは絶対にやめましょう。

冬に雪が降ることが想像される地域にお住いの方は、
愛車を冬タイヤに履き替えた上で、
これからの時期はスピードを出さず、車間距離を空け、慎重の運転を心がけて下さい。




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