京都府南丹市の警察署と地元の中高生が、
タッグを組んで交通安全ソングを作成しました。

交通安全ソング制作のきっかけはライダーの事故。
南丹警察署によると平成27年に6件の交通死亡事故が発生。
そのうち3件がツーリング中のバイクが関係していました。

管内の南丹市、京丹波町を訪れたツーリングバイクのライダーに
道の駅などで心地良い音楽を聴いてもらって安全運転に繋げようと考えたのです。





南丹警察署は府立園部高等学校と付属中学校に楽曲制作を依頼。
両校では音楽の授業で生徒が歌作りに取り組み50曲が完成したそうです。

その中から審査の結果、交通安全ソングに選ばれたのは、
園部高校3年 十倉希望さんとがつくった作品「きみをまもる歌」。

十倉さんにお話を聞いたところ
2人はどんなイメージの曲にするか? 
まず考えて、誰にも親しみやすいよう
明るめでゆったりした曲にしようと決めます。

そのコンセプトでメロディと歌詞を同時に作成。
4番まである歌詞はお年寄りや若者と対象を変えました。
それぞれの立場の方が「交通安全は自分も関係がある問題だ」と
意識してほしいと思ったからです。

選ばれたらいいなとは思っていましたが、
選ばれるとは思ってなかったそうです(笑)

南丹警察署は「きみをまもる歌」をバイクの交通事故防止だけでなく、
自転車の安全利用や高齢者の交通事故防止や歩きスマホの禁止など
多岐にわたる交通安全内容を盛り込んだことを評価。

これを視覚にも訴えることができれば、
交通安全意識がより効果的に高まるのではないかと考えて、
プロモーションビデオを制作しました。

そのDVDを学校や道の駅で配布し、ケーブルテレビで放映してもらい、
地域ぐるみで交通安全を願う気持ちを育もうとしています。

地域警察の前向きな取り組み。
交通安全ソングをつくった中高生もそれまでより
交通安全は他人事じゃないと実感したことでしょう。


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もうすぐ夏休み。
皆さんが家庭・学校・地域で交通安全について考え、話し合ったこと、
実行していることを作文にして応募する
「交通安全ファミリー作文コンクール」の募集が始まっています。

応募区分は、小学生の部、中学生の部、高校生・一般の部の3部門。
それぞれの部門で最優秀作の内閣総理大臣賞、
そして、各大臣賞の表彰があります。

さらに副賞として、小・中学生の部では図書カード、
高校生・一般の部では商品券が贈られます。

応募期間は9月10日 月曜日まで。
当日消印有効となります。

この機会に、交通安全について考え、話し合い、実行していることを
作文にして応募してみませんか。





「交通安全ファミリー作文コンクール」 WEBサイトページ
http://www.npa.go.jp/bureau/traffic/sakubun/ 


都道府県警察は事故撲滅を目指して
さまざまな取り組みを行っています。

奈良県では今年、奈良市と大和郡山市
2つの交差点に新信号機が導入しました。
「歩行者早出し方式」と言われるタイプのものです。

一般的な信号機では、歩行者用信号機の「青」と
車用信号機の「青」が同じタイミングで表示されます。







奈良県警察が導入した信号機は、
先に歩行者用信号機 の「青」を表示。
歩行者が横断歩道の半分ぐらいまでくるタイミングで
車用信号機が「青」に変わるという方式です。
時間にして5、6秒の時間差を設けました。







奈良県では昨年、歩行者の死亡事故が多発。
そこで事故の状況を分析しました。

すると浮かび上がったのが1つのパターンです。
青信号で横断を始めた歩行者が、
やはり青信号で右折する車に、
横断歩道上ではねられるという状況です。

こうした事故を防止する対策例として
歩行者と車の信号を別に表示する
「歩車分離式信号機」があります。

しかし、2つの交差点は渋滞が発生しやすい地点。
「歩車分離式信号機」は円滑な交通を阻害しかねません。

そこで奈良県警察は頭をひねって妙案を考えました。
すると出てきたのが青表示に時差を設けるというアイデアです。

検討した結果、車が横断歩道に差し掛かる頃には、
歩行者は横断を終えているか、
横断中でもドライバーに発見されやすい位置にいる。

また、全ての方向の車を停止させている時間が短くて済むので
交通渋滞も悪化しないのではないかという結論に至りました。

そこで、こうした信号機の運用事例が無いか
近隣警察に確認したところ、
和歌山県で昨年から導入しているとわかりました。

そこで、担当者が和歌山県に赴き、
現場の横断歩道を渡って見て、その有効性を確認。
さっそく奈良県でも導入しよう!ということになりました。

2つの信号機は3月に設置あれ、
当該交差点では現状、人身事故はゼロ。

有効な対策として効果が発揮されているので、
今後も交通事故の分析を進めて、
必要性のある交差点に導入を考えているとのこと。

全国の都道府県警察の交通安全のための施策が、
これからもどんどん効果を発揮することを期待します。



雨が降る環境下は晴天時より運転しにくいもの。
今は梅雨時。充分に気をつけましょう。

雨の日と晴れの日を比べると
首都高速道路では交通事故数は約4倍。





JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝さんによると
平成27年は1年で1mm以上の雨が降った日は6%。
ところが、その6%の日に交通事故の20%以上が起きています。

雨で気をつけたいのは、まずスリップ事故。
特に要注意なのは雨の降り始め。
路面に沈んでいた油や埃が浮き上がり、
タイヤについて滑りやすくなります。

そして「見る」「聞く」。
運転時に大切な感覚が雨天時には落ちます。

サイドミラーに雨粒がついて見えにくくなる。
暗さは視界を狭くする。
雨の音で他の音が聞こえにくくなる。

ライトを点けることによって視界が広がり
他者に自車の存在を知らせることができます。
昼間でも積極的にヘッドライトを活用しましょう。





雨の時、ドライバーは自分の視覚や聴覚だけを考えてはダメ。
雨は歩行者や自転車運転者の視界や聴感の感度も落とす。
このことを考慮して車を走らせるようにしましょう。

傘は視界を狭まる。
雨合羽はフードで耳が隠れ音を聞こえにくくする。
歩行者や自転車運転者は車が接近に気づかないかもしれません。

雨天時に晴天時のような運転をするのは非常に危険。
ブレーキを踏んでから車が停まるまで走る距離は長くなります。
十分速度を落として運転する習慣を身につけましょう。
目安は晴天時より10%スピード減とされています。





ドライバーも歩行者も自転車運転者も危険を察知しにくい「雨の日」。
ドライバーは晴れた日よりもスピードを落として走る。
歩行者、自転車運転者は気づかれにくいことを認識する。
それが交通事故防止につながります。


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