以前は交通事故で重傷を負った人を状態別に見ると
多かったのは自動車乗車中と二輪車乗車中。
ところが、最近これらがかなり減り、
相対的に全事故に占める割合が増えたのが「歩行者」です。





交通死亡事故を状態別に見ると、
「歩行者」の割合が、以前と変わらずトップ。





歩行者はクルマや二輪車の動きに気をつけ、
また、ルールの遵守を疎かにしてはいけません。





今回は一般財団法人 日本 交通安全教育 普及協会
普及事業部の小池知幸さんにお話を伺いました。

まず、歩行者は横断歩道を渡る時、
青信号だからと何の疑いもなく進んでしまうのは危険。
道路を安全に横断する際は「止まる、見る、待つ、もしかして」をしっかり行ないます。

横断歩道を渡る前に一度しっかり止まり
右・左・右を、こちらに向かってくるクルマや二輪がないか見て
もし、近づいて来ていたら通り過ぎるまで待ちましょう。

高齢の方は、疲労や加齢などで道路を歩く速度や判断が
かつてより時間がかかるようになっているかもしれません。
次の青信号を待つ余裕を持った行動を意識して下さい。





横断歩道を渡る時は、ドライバーが自分に気づいているか意識すると同時に
こちらからも自分の存在をアピールするようにしましょう。
自分からクルマが見えているようにクルマからも見えているだろうと思うのは間違い。
手を上げたり、アイコンタクトでドライバーとコミュニケーションを図ることが重要です。
道路横断中は停車中のクルマの陰から何か出てこないか注意して下さい。





歩行者が気をつけたいのが「事故に遭う人の多くに交通違反があること」。
令和2年から6年の自動車対歩行者事故では、歩行者の道路横断時に事故の約7割が起きていて
その約6割以上が横断歩道以外を横断した時で、7割以上に法令違反がありました。

横断歩道外の横断は、ドライバーの想定外であることや
駐車車両、走行車両の直前直後の横断はドライバーの発見が遅れる可能性があります。
また、斜め横断は自動車が走行している車道に長くいるので危険であるとともに
後方からやってきたクルマからは気づきにくい傾向があります。
安全のためには、遠回りでも信号機や横断歩道のある場所を選び
横断時は斜めではなく直角に渡りましょう。





歩道を歩いている時も、歩道だから安全と慢心していてはいけません。
歩道の中では、もちろん歩行者はどこでも通行できますが
自転車や特例特定小型原動機付自転車も歩道を通る場合があり、
それらは基本的に車道寄りを徐行、いつでも止まれる速度で通ることになっています。
そのため、歩行者は建物側を通ることで、自転車等との接触する機会を減らせます。
また、歩道を歩いている時でも、車道からクルマが建物に入るために歩道を通過したり
駐車場から出て行くこともあるので、そうした場所を通る時は気をつけましょう。





また、気をつけたいのがながらスマホ。
視線や意識がスマホにいき、周囲へ注意が向かなくなってしまいます。
その結果、危険を発見、気づけないことが交通事故につながります。

また、交通死亡事故は17時から19時のいわゆる薄暮時間帯に
自動車と歩行者の間に多く発生しています。
ドライバーに早めに気づいてもらうため、白や黄色などの明るい服装を着用して
反射材やライトを身につけることを心がけましょう。

歩行者は交通弱者であるが故、
しっかり交通事故から自分を守りましょう。
一方で、クルマのハンドルを握っている時は、
危険な歩行者もいることを意識すること。

年齢的に最も気をつけるべきは高齢者と未来ある子ども。
家族に高齢者や子どもがいる方は、ことあるごとに、今日の話を伝えて下さい。

現在は毎年、春・秋の全国交通安全運動期間中の
4月10日と9月30日が「交通事故死ゼロを目指す日」ですが
以前は2月20日もそうでした。

減少傾向にあるもののゼロにはまだ遠い交通事故で命を落とす人の数。
1つでもそうした事故が減るように社会で一丸となって取り組む必要があります。
今回は、一般財団法人 全日本交通安全協会 総務部長の布施賢而さんにお話を聞きました。





昨年の令和7年は全国の交通事故死者数が2,547人。
これは記録が残っている中では最も少ない数。
しかし、いまだに2,500人以上が亡くなっています。





国は交通政策の方向性を中長期的に示す
「交通基本計画」を発表しているのをご存知しょうか。

そこでは交通事故死亡者数の目標値も設定していて
令和3年度から7年度までが対象の第11次交通基本計画では、
令和7年まで交通死者数を2,000人以下にする目標がありました。
しかし、残念ながらこの数は未達成です。

交通事故で亡くなった方を状態別に見ると最も多いのが歩行中。
時間帯で特に気をつけなくてはならないのは夜。
夜間に外出する時、夜間も外出したままの時は、
今ではさまざまある反射材を靴・カバン・衣服などに装着しましょう。

信号機がない横断歩道もたくさんありますが
それらの横断歩道では歩行者が優先。
ドライバーは、歩行者がいる場合は必ず一時停止。
歩行者の安全を守って下さい。





去年2025年に交通事故で亡くなった2,547人のうち
65歳以上が1,423人で55.9%に相当します。
身近に高齢者がいる場合は、歩行中、特に夜間の事故に注意を促しましょう。





そして、ドライバーに関する交通死亡事故。
今、問題となっている高齢ドライバーの死亡事故を見ると75歳以上の事故は75歳未満の約2倍。
特に多い原因は運転操作の誤り。
中でもブレーキとアクセルの踏み間違いが12.6%。
これに関しては75歳以上は75歳未満の約10倍です。
年齢を重ねるとどうしても身体機能は低下します。
そういったことを自覚しながら慎重に運転に向き合いましょう。

次に50代、60代は体力、気力が大変充実している年齢です。
運転にも慣れて、仕事も忙しい。
そのために安全確認がおろそかになっている傾向があります。
特に交差点やいつも利用している道で安全確認がおろそかになり
交通事故を起こしている傾向があります。
そのあたりを十分に気をつけて下さい。

そして、若年層の交通事故を見ると車両相互の事故、
追突や出合い頭の交通事故が非常に多くなっています。
その要因は信号無視、スピード超過、一時不停止など。
若い人は自分の運転を過信する傾向にあります。
特に速度には十分に注意しましょう。





2026年が始まって、もうすぐ2ヶ月が終わろうとしています。
それぞれの立場で交通事故死者が1人でも減るよう努めましょう。

冬は外の空気の冷たさ、春は花粉、梅雨時には雨、夏は暑さ・・・ 
考えてみると、1年を通して、クルマの窓は閉めがち。
ただ、それはともすると事故の危険を招くかもしれません。
それはCO2、二酸化炭素の濃度が高まるからです。





今回のコメントは、二酸化炭素濃度が上がると
運転が下手になるという研究結果を発表している
心理学者で近畿大学準教授の島崎敢さんでした。

大気中の量をppmで表現される二酸化炭素。
ppmとはparts per million、100万分の1を意味する濃度・割合の単位です。
つまり10,000 ppm で1%。

大気中の二酸化炭素濃度は、400ppmぐらいで約0.04%ですが、
これが高くなると人間に影響のあることが、さまざまな分野で言われています。
1,000ppmぐらいになるとオフィスで働いている人の判断が鈍る。
2,000ppmぐらいになると眠気を覚える。
3,000ppmぐらいで飛行機のパイロットの操縦が下手になる。
6000ppm 〜 7000ppmぐらいになると宇宙飛行士のパフォーマンスが下がる。
そうした研究がたくさんあるそうです。





島崎さんはタクシー会社に協力してもらい
二酸化炭素の空気中の濃度と運転の安全性に関係について実験を行い、
その結果を論文にして発表しています。

実験は、タクシーの車内は普通に5,000ppmぐらいになることがわかっていたので
5,000ppmの環境下、現役タクシードライバーにシミュレーターで運転してもらいました。
すると脱輪や接触、車線から逸脱する、車線追従が下手になる、ふらつく、
ウインカーを出し忘れるなどの結果が出てきました。

さらに車内の 二酸化炭素濃度と実際の道路での運転の関係を
ドライブレコーダー映像でチェックしてみると、
やはり、二酸化炭素濃度が高い時は低い時よりも
ウインカーを出し忘れるケースが多いことがわかりました。





脱輪、接触などは、直接的に危険です。
また、車線の追従が下手になる、クルマがふらつく、
ウインカーを出し忘れるといったことも交通事故の要因になります。

実験は二酸化炭素が5,000ppmという環境でしたが、
2,000ppmぐらいで眠くなるということなので、
そのレベルから気をつけなければいけません。

島崎さんによると、一般的なセダンで窓を閉め切っている場合、
2,000ppmに到達する時間は1人乗車で20分、2人だと10分、4人で5分。
そして、4人で乗っている時に5,000pppmになる時間は14分ほどだということです。





車内の二酸化炭素濃度が、高くならないための対処法は、
窓を開1cm開けて1分走れば、しっかり換気できます。
ただ、真冬や花粉の季節や真夏などは窓を開けたくないもの。
その時はエアコンの外気導入を使いましょう。
外気導入だとフィルターを通して入ってくるので花粉症もほぼカットできます。
矢印がくるっと回っているマークが内気循環のボタンスイッチで
外から矢印が入ってきているマークが外気導入のボタンスイッチです。





運転中には、適宜な換気を心がけましょう。
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