高速道路での交通事故は減少傾向にありますが
その中にあって減っていないのが「二次事故」と呼ばれるケース。
高速道路を走行するクルマは時速100km近くで大惨事になりかねません。
今回は高速道路での二次被害に遭わないための術をお伝えします。
高速道路における二次事故とは、
事故や故障で路肩や本線上などに車が止まった後に
後続車に追突された事故や、事故や故障などの事情で
車外に出た人が後続車にはねられる事故のことです。
モータリングライター 藤田竜太さんによると
高速道路での死亡事故のうち4件に1件は故障や事故で駐停車中の車や人に
後続車が衝突するというケースです。
例えば、今年5月に首都高速道路湾岸線で24歳の男女が乗ったワゴン車のタイヤが
パンクして追い越し車線上に止まってしまい、その故障者を助けようとした別のドライバーが
後続のトラックに追突されて亡くなる痛ましい事故がありました。
また、一昨年の10月の3連休に東名高速「横浜青葉IC」付近で単独事故を起こし、
車外に出たところ後続車にはねられて女性が死亡。
男性が重傷を負う事故がありました。
高速道路の死亡事故のうち4分の1が、
故障や事故で停まっているクルマや人に衝突した事故!
しかも、助けようとした人まで命を落としているというのは、
“もしも”の時の行動には、充分過ぎるほど気をつけなければいけません。
衝突事故や故障という事態に見舞われて
自分のクルマを速やかに停車する必要に迫られた場合
まずは高速道路上で停車しないこと。
ハザードランプをつけて路肩を徐行してでも、車が動く限りは、
サービスエリアやパーキングエリアなど安全な場所まで移動しましょう。
もしくは約200m間隔で設置されている非常駐車帯まで逃げ込んで下さい。
それ以外の場所では、たとえ路肩であっても車を止めるのは非常に危険です。
一部重複しますが、次のような対応をとるようにしましょう。
1)ハザードランプを点滅させて、できるだけ路肩に寄せて停車
停まる際はくれぐれも急ブレーキを踏まないようにする
2)発煙筒停止表示機材を後方に設置。
乗っていた人は全員すぐにガードレールの外など安全な場所に避難します。
ガードレールの外側など安全な場所に避難したら、車に戻ったりしない
3)発生した故障・事故状況を通報する。
110番道路緊急ダイヤル「#9910」に電話して状況を伝えて指示に従います。
携帯電話が使えなければ1kmごとに設置してある非常電話を使いましょう。
でも、状況によってはクルマが道路上で動かなくなってしまうこともあり得ます。
そうした時の対応は高速道路における緊急時の3原則に従います。
① 路上に立たない
② 車内に残らない
③ 安全な場所に避難する
このときできれば、ハザードランプを点滅させて、発煙筒を焚いて
後続車に停車している車両があることを知らせること。
いずれも後続車に十分注意して行動することが肝心です。
二次事故に遭わないためには、そもそも最初の事故を起こさないこと。
高速道路で本線に降り立っていたり、停車車両の車内にとどまっていたところを
後続車に衝突されて亡くなった事故のうち、その25.4%は車の故障が原因でした。
高速道路で起きる故障で一番多いのは、タイヤのパンクとバースト。
次が発電不良など電気系のトラブル。そしてオーバーヒート、燃料切れです。
また、エンジンオイルの不足、ライトの球切れなども要注意。
このうち大半は高速道路に乗る前に5分ほど点検すれば防げるトラブルです。
あとは時間に余裕を持って行動すること。車間距離を十分取って運転すること。
寝不足などがないように体調を整えて運転すること。日没の30分前や雨になったら
ヘッドライトをつけること。だらしない姿勢ではなく、正しいドライビングポジションで
目線を遠くにするようにして運転することも大事です。
また、100km/hならそれで一定の速度で走り続けるのも安全で疲れない運転のコツ。
クルーズドコントロール、特にアダプティブクルーズドコントロール機能を積極的に
活用するとスムーズで安全、疲労感が少なく、目的地にも早く着けるのでおすすめです。
高速道路での故障や衝突事故、
衝突事故と遭遇の際にはくれぐれも慎重に行動して下さい。