車に子どもを乗せるときに使用するチャイルドシート。
JAFは、その推奨基準を「身長150cm未満」に引き上げることを今月13日に発表しました。
今週はそれを踏まえて「チャイルドシート」についてお伝えしました。





先月、福岡市で路線バスと軽乗用車が衝突。
軽乗用車に乗っていた7歳と5歳の姉妹が亡くなる事故がありました。
2人はチャイルドシートや児童用のジュニアシートではなく、
シートベルトを着用していて原因は衝突時の腹部の圧迫とされています。

道路交通法でチャイルドシートの使用は、
「6歳未満の子ども」に義務づけられています。
身体の大きさではなく、年齢で区切られているわけですが、
子どもを見ていれば同じ年齢でも体格の違いがあるもの。

そこでJAFはチャイルドシートについて、
これまで140cm未満の子どもは年齢を問わず使用することを推奨していました。
その数値を今月13日に「150cm未満」に引き上げと発表しました。





文部科学省が発表した最新の調査結果によると
11歳(小学6年生)の男子の平均身長は146.1cm。
11歳(小学6年生)の女子の平均身長は147.9cm。
小学6年生でともに150cm未満です。
法律上の「6歳未満」の子どもとずいぶんギャップがあります。

JAF認定セーフティアドバイザー 杉本実さんによると
6歳を超えても身長150cm未満の子どもは、
チャイルドシートや学童用チャイルドシートを使用しないと
シートベルトが首やお腹などの体の柔らかい部分に力がかかってしまい
十分な効果を発揮できない場合があるので使用するようにしてくださいとのことでした。

幼い頃は大丈夫だと思いますが、小学校に就学する年齢あたりからは、
子どもがチャイルドシートを恥ずかしく思って、嫌がるかもしれません。
また、身長が100cmを超える頃になるとチャイルドシートのハーネスがきつくなったり、
シェルから頭がはみ出すようになったりします。
そうなってきた時に使用するのが「学童用チャイルドシート」。
対象は体重15~36kgくらいまでで対象年齢は4~12歳ぐらいです。





「学童用チャイルドシート」の中でJAFが薦めているのが「背もたれつきタイプ」。
肩ベルトの高さ調節ができるので子どもの首にシートベルトがかかることがありません。





背もたれがなく、車の座席に置くだけで使える「ブースタータイプ」。
このタイプについてJAFは「体格によっては、肩ベルトが首にかかる
可能性もありあるので、首にかからないようにしてあげましょう」と注意を促しています。

いま番組を聞いて下さっていて、小さなお子さんがいる方は、
チャイルドシートや学童用チャイルドシートを着用しているでしょうか。
最近のチャイルドシート利用率は、ほぼ毎年増加していて
2024年の調査結果では6歳未満全体だと使用率78.2%。
しかし、5歳児に限っては57.9%でした。





5歳児に限っては使用率が57.9%というのは、
「子どもが大きくなってきた。チャイルドシートは嫌がるし、
法律的にも6歳になればやらなくて済むし、もういいか」
というところで6歳未満全体の78.2%から落ちているのかもしれません。
      
法律上はそうでも、チャイルドシートは法律を守るためにあるものではありません。
子どもの命を守るためにあるのです。子どもがチャイルドシートを嫌がるようになったら、
あるいは身体に合わなくなったら「学童用チャイルドシート」に移行し、
お子さんに着用する理由を話して、理解してもらいましょう。





さらにチャイルドシートを使っていても取り付け状態のミスユースがおよそ3割。
座らせ方のミスユースがおよそ4割。これは危険以外の何ものでもありません。
JAFのWEBサイトをはじめ、インターネットで検索をすれば正しい装着の仕方の動画はたくさんあります。
お子さんの安全のため、いちど確認してみて下さい。

150cmに満たない場合はチャイルドシートを使い、
正しく着用すること、子どもの安全を守るためにできることを、
きちんとやるようにしましょう。

明日9月21日(土)から30日(月)までは「令和6年 秋の全国交通安全運動」期間。
今週は警察庁 交通局 交通企画課 安全係 久米川 智昭さんをお迎えして
大切なポイントをお伝えする後編をお伝えしました。





今週、伺ったのは重点ポイント3つのうち残りの2点。
まずは「夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転等の根絶」。

交通事故に関しては、夕暮れ時が危険な時間帯。
日没時間がどんどん早くなるこれからはドライバーも歩行者も要注意です。
薄暮時間帯等における交通死亡事故は増加。
特に日没後1時間 歩行者が横断中に死亡する事故が多く発生しています。

回避するために奨励されているのがクルマの早めのライト点灯。
そして、ライトの基本であるハイビームの活用。
ヘッドライトはドライバーが視界を確保するという目的とともに
歩行者や自転車の利用者がクルマを認識する意味合いがあります。
対向車や先行車がいない場合にはハイビームを使い
上向きと下向きのこまめな切替えをして視界を確保して下さい。





飲酒運転については、 今年の上半期の飲酒運転による死亡事故件数は49件。
前年同期比で13件減ったものの、飲酒運転による重傷事故は近年ほぼ横ばいで推移しています。
「飲酒運転を絶対にしない、させない」社会を作りましょう。

企業は安全運転管理者制度における
安全運転管理者等によるアルコール検知器を用いた酒気帯び確認等の義務を
確実に履行していただきたいと久米川さんはおっしゃっていました。





今年の秋の全国交通安全運動の重点ポイント3つ目は
「自転車・特定小型原動機付自転車 利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底」。

全ての自転車利用者に対してヘルメットの着用の努力義務が課されたのは
頭部保護や被害軽減効果があるから。自転車に乗る時は必ずヘルメットを着用しましょう。
また、自転車利用の場合もクルマや歩行者に自分の存在を知らせるため
早めのライト点灯を心がけることは大切。さらに自転車には反射材をつけること。

最近、自転車利用者の交通ルールがさまざまなところで問題になっています。
自転車は「車両」なので車道通行が原則であることを忘れないで下さい。
11月1日からは道路交通法の一部改正で自転車利用者による
「ながらスマホ」や「酒気帯び運転」に対する新たな罰則も始まります。
違反行為を行わないよう交通ルールを遵守しましょう。

また、最近ブームのペダル付き電動バイク、いわゆるモペットは自転車ではありません。
モーターを用いずペダルだけで走行する場合でも運転免許証が必要です。
そして、ヘルメットを着用しなければならず、歩道通行は禁止されています。
覚えておいて下さい。


年末に向かって1件でも交通事故が少なく令和6年が終わるよう
歩行者、自転車利用者、自動車運転者の一人一人が交通事故を自分の問題と捉え
交通ルールを守り、相手の立場を考えて行動したいものです。




9月21日(土)から30日(月)までは令和6年 秋の全国交通安全運動期間。
今週と来週はその大切なポイントをお伝えします。
お話を伺ったのは警察庁 交通局 交通企画課 安全係 久米川智昭さんです。





今年上半期の交通事故死者数は1,182人で
昨年同期とほぼ同数、前年同期比1人増となっています。

状態別に見ると歩行中が445人。
自動車乗車中399人。二輪車乗車中204人。自転車乗用中132人。
前年同期比では、自動車・二輪車・自転車乗車中は、
それぞれ数人減少していますが、歩行者が29人増えてしまっています。

歩行中死者数は3年連続の増加でした。
特に夜間、飲酒した65歳未満の歩行者による横断歩道以外を横断中や
路上横臥、つまり道路に横たわっていたことによる死者数の増加が目立っています。
夜にお酒を飲む時には気をつけましょう。





他に目立った点は、自転車乗用中死者数は減少傾向ですが、
自転車側に法令違反がある事故は8割程度で高止まりしていること。

自転車の利用者が携帯電話等を使用していたことによる
死亡・重傷事故が近年は増加傾向にあることも気をつけたいところです。

75歳以上の高齢運転者による死亡事故件数は10件減りましたが、
「ブレーキとアクセルの踏み違い」による事故は 前年同期比で約2.9倍です。





今回の重点ポイントは3つ。

① 反射材用品等の着用推進や安全な横断方法の実践等による歩行者の交通事故防止

② 夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転等の根絶

③ 自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底



今回は①について、詳しく説明していただきました。
日没が早まってくる今の時期、反射材用品やLEDライトは、
歩行者にとって、自分の身を守るための必需品。
夕方〜夜間に屋外を歩く場合は、年齢層に関わらず、
反射材、LEDライトを身につけるほか、明るい目立つ服を着用するのが効果的です。

道路を横断する時には横断歩道を渡り、
信号に従うといった基本的な交通ルールを守って下さい。
歩きながらスマートフォンを見たり、操作することはやめましょう。

高齢歩行者は加齢に伴って身体機能が変化することを意識して下さい。
道路の横断歩道ではないところを横断できると思って渡っても
道路を渡り切る前に左側から走ってきたクルマが自分に到達してしまうこともあります。
お酒を飲んでいる時は、判断や行動が鈍くなるので、より危険です。
        
まずは、横断歩道を渡る。自分の動きを過信しない。
ご家族の方も機会がある時に注意を促して下さい。





子どもの交通安全については、お父さん、お母さんなど保護者の方は、
毎日の生活や教育の場で子どもが道路を正しく横断できるよう、
また自らの安全を守るための交通行動をとれるよう繰り返し話して聞かせて下さい。

そして、一緒に街を歩いている時には実践して見せて下さい。
減少傾向にありますが、子どもが命を落とす事故はゼロではありません。
安全意識を子どもが自発的に持つことが危険回避に繋がります。
停車と駐車の違い。
どこまでが停車でどこからが駐車か把握していますか?
誤解していると、道路交通法違反となってしまうこともあり
その誤解によって事故の危険が生じないとも限りません。
今回は法律上の停車と駐車の違い、正しい駐停車の方法、
駐停車をしてはいけない場所など、その基本をお伝えしました。





今回、お話を伺ったアトム法律事務所  松井 浩一郎 弁護士 によると
まず「駐車」は5分を超える継続的な停車。
さらに運転者が車両を離れて、すぐに運転できないこと。
そして、「停車」は車両が停止することで駐車以外のものです。

駐車・停車に関しては、運転免許証を持っている方は、
認識していると思いますが道路標識があります。
1つは下の「駐車禁止」の標識。





もう1つは下の「駐停車禁止」の標識です。





道路に駐停車をする時は上記のルールに則りつつ
「交通の危険を生じさせないように停める」のが目指すことなので
道路の広さや、クルマの通行量や道路の利用の仕方、
あるいは他の車が走行するのに支障をきたさないように停める
といったことを考慮して対応するようにして下さい。
停車の時はハザードもつけ「停車しています」というメッセージを発信しましょう。
それが、事故防止につながります。

そして、クルマから降りる時は、
クルマが近づいてきていないか? 
しっかり安全を確認してから行動に移って下さい。

ちょっと降りて、急いで用事を済ませようという時は特に注意!
子どもが同乗している時は、彼らの行動にも気を配りましょう。