1日を時間にわけてみると最も交通事故が多く
危険なのが「薄暮時間帯」と言われる日没前後の1時間。
日没が早くなっている今の時期は特に注意!
今回は運転を科学する株式会社 ディ・クリエイト
代表取締役 上西一美さんにお話を伺い
秋から冬にかけての薄暮時間帯の交通安全を注意喚起しました。
薄暮時間に事故が多いのは、
1つに運転手の目が暗さに目が慣れていないため。
そこに夏至が過ぎて日没時間が早くなり
「薄暮時間帯」と仕事や学校からの帰宅時間と重なると
交通量が増えるため、多くの事故が起こってしまいます。
そして、これは毎年繰り返されていること。
警察庁の平成30年から令和4年までの事故件数を集計した資料
「薄暮時間帯における死亡事故に係る分析」によると
時間帯別死亡事故件数は、多い順に17時台・18時台・19時台とまさに薄暮時間。
そして、月別の死亡事故件数を並べると11月、12月、10月の順。
つまり、これから3ヶ月が最も多い時期です。
そして、事故当事者別の件数を見てみると、
薄暮時間帯を除く昼間は車両単独が31%、自動車と歩行者が20%、自動車と自動車も20%
これが、薄暮時間帯になると自動車と歩行者の事故が20%から48%に上昇して
反対に車両単独と自動車と自動車は減ります。
薄暮時間帯はドライバーも歩行者も気をつけなければいけません。
実は薄暮時間帯に突出している自動車と歩行者の事故は、
特徴が顕著なので対策が立てやすいと上西一美さんは言います。
1つに高齢者が死亡する事故が多いこと。
次の特徴は車からすると右側、 歩行者から左側の車と接触するケースが多いこと。
高齢者には目の前のリスクは考えても、その次の続くリスクに考えが及ばない特性があります。
道路を横断しようという時手前で近づく右からくる車には注意を払いますが
その先の左からくる車にはあまり関心を寄せていないようです。
薄暮時間帯における「自動車対歩行者」事故の85%が歩行者は道路を横断中。
そして、道路を横断中に死亡事故に遭った歩行者の7割が横断歩道以外の道路を横断中で
さらにその横断歩道以外の道路を横断した歩行者の7割に法令違反が認められています。
ドライバーからすると「えっ!? なんでここで人が!!」という
取り返しのつかない事態が起きかねないわけです。
そんな悲劇を呼び込まないためにドライバーがすべきことは、まず早めのライト点灯。
交通量が少ないところはハイビーム走行が基本なのでハイビームで走る。
対向車が来た時にはロービームに変えますが、通り過ぎたらハイビームに戻しましょう。
もう1つは万が一、歩行者と接触事故を起こした時のために速度は極力落とすこと。
一方で歩行者や自転車利用者としては交通ルールをきちんと守り
自分から危険を招かないようにしましょう。
家族や近隣に子どもや高齢者がいる方は、このことを伝えて下さい。
今の時期の薄暮時間帯。
ドライバーも歩行者や自転車利用者も充分に気をつけましょう!