車を運転していると時に狭い道を通り抜けする状況に出くわします。
多少ゆとりがあっても対向車とのすれ違いにヒヤヒヤの方は多いでしょう。

そんな状況で不安にならず、安全にすれ違うためにはどうすればいいか?
今回は身につけておきたい知識やテクニックを
日本自動車ジャーナリスト協会 会長で日本自動車連盟 交通安全委員会
委員 菰田 潔さんにお聞きしました。

「狭い道」と聴いてイメージする広さは違うと思いますが
今回は制限速度が時速3Oキロ以下、
スピードを落とさないと対向車とすれ違えない、
そんな道を想像して下さい。

その狭い道では対向車とすれ違う時に
左に寄りすぎて電柱や縁石にクルマを擦ってしまう
反対に左に寄りすぎるのが怖くて対向車と
ドアミラーがぶつかってしまうケースが考えられます。
こうしたことにならないようクルマの車幅感覚を掴んでおきましょう。

狭い道か広い道に関わらず、車の前輪の左右のタイヤが
どこを通るのか正確に把握しながら運転すると
車全体の車両感覚がつかめるようになります。

ボンネットが見える車であれば、運転席から見てボンネットの先端の左右の
中央付近の前の道のあたりが大体タイヤが通る場所です。
日頃から、その車両感覚を正確に把握するように運転しましょう。





車幅感覚を掴んだ上で、狭い道での対向車とのすれ違いのポイントは
車体をまっすぐにする、道路と平行にすること。
頭だけ左側に向けるとクルマの後部が道路の中央に残っていて
すれ違いできる余地がないかもしれません。
道路と平行に徐々に道路の端に寄って車体を並行にしましょう。
さらに車体を並行にしてもタイヤが曲がっていて
車体より出た状態になってしまいすれ違えないことがあります。
これもポイントの1つです。





そして、狭い道ではさほどスピードは出せないので、
車同士の接触や単独で電柱や縁石にぶつかっても
さほど大事に至ることはないかもしれません。
しかし、衝突する相手が人間であれば、その限りではありません。
最も気をつけたいところです。

狭い道での交差点では飛び出しによる人と車の事故もあります。
クルマを運転していて広い道だと横から来る人や自転車も見えやすいですが
狭い道の場合には見えにくいので子どもの飛び出しに気づくのが遅れます。
狭い道はスピードを落とすというのが大事なポイントです。

子どもやお年寄りは極めて危ないですし、
頑健な大人でも打ちどころが悪ければ大事に至ります。
さらに自転車との衝突も早く走っている分、衝撃が強くなって危険です。





その狭い道を曲がるのが苦手な人も多いはず。
そんなドライバーに菰田潔さんが提唱するのが「アリさんブレーキ」。
今はほとんどの方がオートマ車だと思いますが、
ブレーキペダルを離すとクリープでゆっくり車は走るので
それをブレーキを使いながらゆっくりゆっくり走る
その状態からハンドル一気に切ると小回りが効くので
それで狭い道の交差点を曲がるという手法です。

今日の情報を念頭において、
狭い道の運転も焦らず、スピードを出さず、ご安全に!


昨日9月21日から来週土曜日9月30日までは
「令和5年 秋の全国交通安全運動」期間。

今週は警察庁 交通局 交通企画課 安全係 保谷祐輔さんをお迎えして
その大切なポイントをお伝えする後編をお伝えしました。





あらためて今回の重点ポイントは3つ。

① こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保

② 夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び飲酒運転等の根絶

③ 自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底



1つ目は、先週お聞きしたので、
今週は2つ目と3つ目のポイントについて。

2つ目の「夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び飲酒運転等の根絶」。
日没が急激に早まる秋口以降は日没前後1時間の薄暮時間帯に交通死亡事故が増加します。
特に日没後1時間の死者が多く、昼間と比較して、特に歩行者が道路を横断中に死亡する事故が
多い傾向にあります。

それを防ぐには、やはり早めのライト点灯。
自動車の前照灯(ヘッドライト)を早めに点灯して、
対向車や前に車がいない場合はハイビームを活用して視界を確保して下さい。





飲酒運転については、今年上半期の死亡事故件数は59件。
前年同期比で4件増えました。
「飲酒運転を絶対にしない、させない」強い意志を持ち、飲酒運転を根絶しましょう。

自動車で知人や家族と飲食店などへ行く場合は、
お酒を飲まない「ハンドルキーパー」の人を決め、
その人が運転をして仲間などを自宅まで送り届ける
「ハンドルキーパー運動」を実践しましょう。





重点ポイントの3つ目。
「自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底」。

今年4月から 全ての自転車利用者にヘルメットの着用が努力義務となりました。
今年上半期の自転車に乗っていて死傷された方のヘルメット着用率はわずかに12.2%。
前年同期比で2.1ポイント上昇しましたが、それでも全体のおよそ1割に過ぎません。

昨年の自転車が関連した死亡事故を見ると、
ヘルメット着用時と比べて着用していない時は致死率が2.6倍。
命を守るためにヘルメットは必ずかぶりましょう。





そして、最近目立っているのが自転車に乗る人の交通ルール違反。
自転車はあくまで「車両」なので原則は車道の左側を通行すること。
      
歩道を通行できる場合も歩行者優先。
車道寄りの部分を徐行しなければいけません。
夜間のライト点灯や飲酒運転の禁止など交通ルールを守り、
安全運転を心掛けましょう。

自転車そのものではありませんが、7月から16歳以上であれば、
運転免許が無くても乗れるようになった電動キックボードも
交通ルールを知っていないと危険です。

電動キックボードには細かい制限があります。
それらが満たされて、初めて法律上の「特定小型原動機付自転車」と認められ、
街を自転車とほぼ同等に走行できることになります。

電動キックボードを利用している方やこれから利用しようとしている方は
インターネットなどで、いちどルールをチェックしてみて下さい。

歩行者、自動車運転者、自転車等の利用者、
それぞれが交通ルールを守り、相手の立場を思いやる、交通社会にしましょう。

特にハンドルを握るドライバーの方は、これからの季節、
歩行者の安全に配慮した運転を心がけて下さい。






来週の木曜日9月21日から30日土曜日までは
「令和5年 秋の全国交通安全運動」期間。

今週は、警察庁 交通局 交通企画課 安全係
保谷祐輔さんをお迎えして大切なポイントをお伝えする前編でした。





今年上半期の交通事故死者数は1,182人。
前年同期比で24人も増えていて大変憂慮すべき状況でした。

このうち歩行中に亡くなられた方は417人。自動車乗車中は402人。
二輪車乗車中は212人。自転車乗用中は143人などとなっています。

+8.7%と増加率が最も大きいのが二輪車乗車中の事故。
一方で自転車乗用中は7.1%減少しました。
ただし、自転車が関係する死亡事故のうち8割程度に
自転車側に法令違反が認められます。

65歳以上で歩行中に亡くなられた方のおよそ5割が
「横断歩道以外を横断中」の事故でした。
また、小学生の死者・重傷者が315人で前年同期比で14人増加しています。
未来を担う子どもの命を奪う悲惨な交通事故を
1件でも減らさなければいけません。





令和5年 秋の全国交通安全運動の重点ポイントは3つ。

① こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保
② 夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び飲酒運転等の根絶
③ 自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底



今週はこの中から、先ほどの話にも出ました、
「こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保」について伺いました。

まずはドライバーではなく、歩行者の立場にある時の注意喚起。
今年上半期は歩行者が横断中の事故のおよそ6割に歩行者側に法令違反がありました。
例えば、信号無視や、車両等の直前直後の横断等、
歩行中に交通事故に遭って亡くなった方の多くに法令違反が見られます。

法令違反がなければ、命を落とさずに済んだかもしれません。
道路を横断するときは必ず横断歩道を渡る、信号に従うなどの
基本的な交通ルールを守りましょう。

また、自分の安全を守るため、道路を横断する時は、
手を上げるなど運転者に対して横断する意思を明確に伝えること、
安全を確認してから横断を始めること、
横断中も周囲の安全を確認することも併せて伝えて下さい。
子どもに対しては、日常生活や教育現場で、
正しい横断方法を繰り返し指導することが重要です。

このブログをご覧になった方で
ご家族に子どもや高齢者がいる場合は、
そのことを伝えて理解してもらって下さい。

高齢者の方には、体力が落ちたり、反射神経が遅くなったり、
若い頃と同じようなイメージで行動しないことを促して下さい。





これから日が短くなります。
日没から夜にかけてはドライバーから歩行者などが見えにくくなり
交通事故が起きやすい傾向にあります。
反射材用品、LEDライトを使用するようにしましょう。



今週月曜日時点のレギュラーガソリン全国平均額は、
1ℓあたり183.3円と16週連続の値上がりになっています。
高騰するガソリン代にどなたも大変な思いをしていることでしょう。
ここは燃費を向上させる「エコドライブ」で少しでもガソリン代を節約したいところ。
エコドライブは安全運転にも繋がるので、今から実践しましょう!





「エコドライブ」とは、ゆとりを持って、急がず、安全に運転すること。
その結果、クルマの燃費が向上し、環境への負荷を減らします。
また、乱暴な運転から遠ざかるので、交通事故現象に繋がります。

国内での「エコドライブ」の普及促進の歴史は古く、
26年前の1997年、運輸におけるC02削減のためにスタート。
交通関係団体により「エコドライブ普及推進協議会」が設立されました。





「エコドライブ」のポイントは10あります。
その中から走行前の部分について
今回のコメンテーター JAF東京支部のJAFセーフティアドバイザー
杉本 実さんのおっしゃるポイントは走行前に4つ。

☆ タイヤの空気圧のチェック

☆ 不要な荷物をおろす

☆ 自分のクルマの燃費を把握する

☆ 出発前に渋滞や行程をチェックしてムダ走りをなくす





そして、走行中のポイントについても4つ。

☆ ふんわりとアクセルを踏んで優しい発信

☆ 車間距離を空けてムダな加速・減速を減らす

☆ 停車を予測したら早めにアクセルから足を外して減速する

☆ ムダなアイドリングはやめる





「エコドライブ」の10あるポイントのうち残る2つ。

☆ エアコンを適切に使う

☆ 交 差点付近など、迷惑になる駐車をやめる。
      




「エコドライブ」10のポイント。
これを覚えて燃費向上のため、地球環境のため、
そして、交通安全のため「エコドライブ」を心がけましょう。

      


今年の9月1日、つまり今日は関東大震災が起こってから100年。
当時と違い自動車が交通手段として普及した現代、
大地震発生時にハンドルを握っていることも考えられます。

避難にあたって「クルマで!」と考える場合もあるでしょう。
今回のテーマは「大地震が起こったら」でした。
お話を伺ったのはモータリングライター  藤田竜太さんです。





まずはクルマを運転中に大きな地震が起こった、
または緊急地震速報を受信した時にはどうするべきか?
大切なのは慌てずに道路の左側に車を停止させること。
特に大きな揺れを感じた場合はハンドルをしっかり握って
ハザードランプを点滅させながら急ハンドル、急ブレーキを避けて
道路の左側に停止させてください。

その上で揺れが収まるまで車内で待機しましょう。
車を停止させたらスマホやラジオで情報収集。
慌てて社会に出ると他の車にはねられたり
落下物などの被害に遭うこともあるので
落ち着いてから行動することが肝心です。





停車後、情報収集した結果、クルマを置いて避難しようと判断した時は
できるだけ駐車場や空き地など、道路以外の場所に移動しておくことが基本。
ただし、地震直後は信号機の作動停止、道路の損壊、
落下物の飛散などが考えられるので注意が必要です。

やむを得ず道路上に置いて避難する際は、道路の左側に寄せて駐車し、窓を閉め、
サイドブレーキをかけ、エンジンを止めます。
そしてエンジンキーはつけたままにするか、運転席など車内のわかりやすい場所に置き、
ドアはロックしないでください。
パトカー、救急車、消防車などの緊急車両や、
避難する人の通行を妨げない場所を選んで止めることが非常に重要です。
余裕があれば車内には連絡先のメモを残し、車検証は持ち出しておくと安心です。





以前は「大地震が起こった時は、避難時にはクルマを使わない」
というのがセオリーとして啓蒙されていました。
しかし、2011年の東日本大震災の時に
自動車で逃げた人の多くがが津波で命を落とすことになります。
あの経験から自動車での避難について注釈的な変更が加えられました。

共同通信の調べによると津波被害が想定されている
国が防災対策の特別強化地域に指定した7道県の108市町村のうち
少なくとも60市町村が「自動車での避難を認める」と地域防災計画などに明記。
警察庁も「津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のときは車を使用しないこと」
「津波から避難するため、やむを得ず車を使用するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、
道路上の障害物などに十分注意しながら運転すること」と呼びかけています。

この「津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のために車を使用しないこと」
という1文は、実は東日本大震災の1年後に改正されたルールで、多くが原則徒歩などの条件をつけ、
車は「足が不自由な人の避難などやむを得ない場合に限っている」となっていますが
まだまだ課題は多いようです。





クルマでの避難は道路の損傷や落下物に気が付かず、
乗り上げてスリップしてしまう、交差点に突っ込んで交通事故を起こす
といった二次被害が発生しかねません。

また、大地震が起こった後には交通規制が引かれ、
信号機の故障もあるかもしれず、
地方でも、かなり高い割合で渋滞が発生します。
基本的には、クルマは置いて、避難しましょう。

「やむを得ない場合」として想定されているのは、
高齢者やケガや障害で歩けない人が逃げる時や、
小さな子どもを連れている場合などです。





日頃からの大地震に向けての備蓄品についてはスマホとスマホの充電器、
防寒用のブランケットと雨具、携帯トイレなども複数用意しておくといいでしょう。
新聞紙やタオル、ウエス(汚れを拭う布切れや古布)なども重宝します。
ロープやスコップ、軍手、助けを呼ぶ為のホイッスルなども常備したいグッズ。
あとは非常用の飲料水や非常食、これらは賞味期限の管理が重要です。
小さな子供や高齢者がいる家庭は、紙オムツなども必要かもしれません。

大地震のあとは車中泊避難となることもあるかもしれません。
その際の注意点としては

❤️ エコノミー症候群にならないよう適度に体を動かす!

❤️ 夏は熱中症にならないよう水分と塩分を摂る!

❤️ 冬は低体温症と排ガスによる一酸化炭素中毒に注意!


関東大震災から100年目の「防災の日」。
クルマを運転している時に大地震が起こった時のことを
シミュレーションしてみましょう。