来週の木曜日5月11日から「春の全国交通安全運動」がスタートします。
期間は5月20日 土曜日までの10日間。
今週と来週は警察庁 交通局 交通企画課 安全係
渡邉 恭介さんをゲストにお迎えして大切なポイントをお伝えします。
去年令和4年に交通事故で亡くなった方は2,610人。
6年連続で最少人数を更新して前年から26人減りました。
重傷者数は26,027人で、これは前年から1,177人の減少。
ただ、注目したいのは歩行中の死者数が増えていること。
そして、65歳以上の高齢者の歩行中死者数は減少傾向を維持しているものの
歩行中死者全体の7割以上を占めていること。
また、自転車と歩行者の事故で歩行者が死亡、
もしくは重傷を負った事故も増加しておいて
その約4割が歩道で発生しています。
自転車側の法令違反を見ると前方不注意や安全不確認など
安全運転義務違反が約7割を占めています。
こうした傾向を踏まえた上で
今回の春の全国交通安全運動」の重点ポイントは3つあります。
1)こどもを始めとする歩行者の安全の確保
2)横断歩行者事故等の防止と安全運転意識の向上
3)自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底
1つ目の「こどもを始めとする歩行者の安全の確保」は去年と同じ項目で
歩行中の死者数が増えていることが、その主な理由です。
特に5月から6月にかけて、歩行中の児童の死者・重傷者が増加傾向にあること、
そして、児童の死者・重傷者は登下校中の時間帯が多いということもあり
去年に引き続いて重点ポイントとなっています。
65歳以上の高齢者の状態別死者数では
歩行中が約48%と全年齢層の割合・約37%より高い。
そして、日本は欧米諸国と比べて交通事故死亡者に占める
歩行者の割合が高いという特徴があることを覚えておいて下さい。
横断中に事故に遭って亡くなる方の多くには
横断歩道外の横断や車両の直前直後の横断があります。
近くに横断歩道がある場所では必ず横断歩道を渡りましょう。
そして、歩行者が自らの安全を守るため、手を上げるなどして
運転者に対して横断する意思を明確に伝えることが大切です。
その上で安全を確認してから横断を始め、横断中も周囲の安全を確認します。
こうしたことを子どもに対しては日常生活や教育現場で
保護者や教育関係者が繰り返し指導することも重要です。
そして、重点ポイントの2つ目
「横断歩行者事故等の防止と安全運転意識の向上」について。
横断歩道では、歩行者がいないことが明らかな場合を除き、
クルマは横断歩道の直前で停止できるスピードで走行する義務があります。
また、横断歩道に向かっている歩行者が横断するかはっきりしなくても
横断歩道の前で一時停止して横断意思の有無を確認して進行します。
ドライバーの立場でいる時は常に歩行者優先であるということを
肝に銘じてハンドルを握るようにして下さい。
来週は「令和5年 春の全国交通安全運動 後編」です。