ドライバーは注意深くハンドルを握るもの。
しかし、クルマ自体が故障している、あるいは調子が悪いとすれば、
それが原因で大きな事故を起こしてしまうかもしれません。
冬に厳しい環境に晒されたクルマは、どこかが疲弊している可能性あり。
今回はモータリング ライター 藤田竜太さんにお話を伺い
車の異変に早く気づくチェックポイントをお伝えしました。
クルマの異変に気づくポイントは、まず音。
藤田さんのアドバイスは車のエンジンをかけて走り始めたら
最初の5分ぐらいはオーディオ類をオフにして、
車から異音が聞こえないかチェックすること。
例えばブレーキはパッドが減ってくると
それを知らせるためにウェアインジケーターから
「キキーッ」「ゴゴーッ」といった金属音が出るようになっています。
他にも異音はエンジン系、駆動系、排気系などいろいろな発生源があるので、
異音を感じたら、大体でも構わないので発生場所と異音の種類を覚えておいて
ディーラーなどの整備士に伝えるようにしましょう。
スマホの音声メモなどを使って録音しておくのもおすすめの方法です。
異音以外に車の状態で気をつけたいのは振動・異臭・運転の感触。
例えばハンドルからいつもと違う振動を感じたらタイヤの状態をチェックしましょう。
空気圧不足やパンク等のタイヤの異常、ホイールナットの緩み等が考えられます。
ハンドルが取られる、ハンドルのセンターがずれる、フラフラするというのも
タイヤやホイール・アライメントの狂いが疑われます。
異臭に関してはオイルのリークやクーラント漏れの可能性があります。
何となく甘い匂いがすれば冷却水漏れ。
焦げ臭いにおいであればオイル類。
山道などで有機物が焼けるような臭いがしたら
ブレーキがフェードしている兆候だと思ってください。
ガソリンの臭いがしたら怪しいのはインジェクター付近。
ボンネットを開けて臭いの発生源を確認してください。
もう1つ重要なのはブレーキペダルのフィーリング。
フカフカして踏みごたえが悪いと感じたらフェードやペーパーロックの兆しかもしれません。
ブレーキの効きが悪くなる前に停車して点検した方がいいでしょう。
次に警告灯によって異変に気づくケース。
メーターパネルの警告灯や表示灯の色は国際規格で決まっていて赤・黄・緑の3色があります。
緑は「正常」。黄は「注意」で直ちに停車する必要はありませんが、できるだけ早く点検して下さい。
赤は「危険」を表していて重大な故障や重大な故障を引き起こす原因があることを示しています。
赤色の警告灯が点灯したら、速やかに安全な場所に停車して、すぐに点検修理の手配をしましょう。
パネルのインジケーターはたくさんありますが、
中でも「エンジン警告灯」や「ブレーキ警告灯」「バッテリーランプ」
「エンジンオイルランプ」などが赤く表示されている時は走行を続けたら危険。
特に初心者ドライバーやクルマに乗る頻度が高くない人は見落としがち。
充分気をつけて下さい。
車の異変を感じたら、走り続けずに車を停めてチェックする姿勢を持ちましょう。
ディーラーやガソリンスタンドに相談する、JAFに電話する、など対処して下さい。
ガス欠も場所によっては危険に繋がるので甘く見ないことが大事です。
また、「走り始めに症状や警告が出て、走ってる最中はあまり気にならない」
「最初は順調だけど途中から異変が出てくる」という症状が出てくることもあるので
どんなタイミングで、どんな風に感じたかというのを覚えておくようにしましょう。
「走り続けてたら消えちゃった。じゃあ、いいや。」にしないことが大切。
基本的に車には自然治癒力がなく、人間の病気と同じで
手当てが遅れると重症化に繋がり、肝心なときに動かなくなったり、
ブレーキが効かなくなったり、フラフラまっすぐ走らなくなったり、
故障箇所が広がって修理代が高くなったりすることも少なくありません。
ちょっとでも「変だな」「いつもと何か違うな」と感じた時は
整備工場に持ち込んで、プロの目でチェックしてもらう手間を惜しまないようにして下さい。