今日は令和3年最後の日。
明日から始まる新しい1年も安全運転を心がけましょう。
年内最後の「なるほど!交通安全」は、
令和4年の交通安全スローガンをお伝えしました





令和4年で56回を数える「交通安全スローガン」は、
全日本交通安全協会と毎日新聞社の主催です。
3つの部門で公募を行ない、受賞作品の発表は11月の終わり。
内閣総理大臣賞を受賞したスローガンはポスターなどとして使われます。

今回は入賞作品のうち各部門の内閣総理大臣賞を紹介しつつ
出品者のスローガンに込めた思いをインタビュー素材でお伝えしました。





運転者や同乗者に呼びかける「一般部門A」。
内閣総理大臣賞を獲得したのは宮崎県 延岡市の会社員 椎屋 祐一さん。

手を上げる 子どもはあなたを 信じてる 

椎屋 祐一さんの職場の近くには小学校があり
通勤途中で信号のない横断歩道を渡ろうとしている小学生がいても
止まろうとしないドライバーも結構いるの見かけるそうです。
子どもたちに横断歩道を渡ってもらっても大きく遅れるわけでは無いので
常に運転する際は余裕を持って出発して心にゆとりある運転を心がけほしい。
そんな思いを込めてスローガンをつくったそうです。

到着時間に大差ないこともありますが
信号がない横断歩道に歩行者がいるのに一時停止しないことは道路交通法違反。
現在では運転マナーの問題ではなくなっていることを知っておいて下さい。

ちなみにこの問題についてはJAFが2016年に調査をスタート。
最初の年は一時停止をしたクルマの割合は全国平均で7.6 %!という衝撃的なものでした。
そこから認知度が広がり、一時停止率は上がっています。
とはいっても、10月に発表された最新版でも30.6%といまだ10台中7台。
日本人は諸外国の人々と比べてマナーが良いと自認している感がありますが
それは本当なのか?疑問に思ってしまうような数字です。
 




続いて、歩行者・自転車利用者に呼びかける「一般部門B」。
内閣総理大臣賞の受賞者は大阪府高槻市 横尾 伸子さん。

スマホじゃない 見るのは前でしょ 周りでしょ 

交番清掃のボランティアを6年やっているという横尾 伸子さん。
交番の前は車の通りが多い道路なのだそうですが
ドライバーも歩行者も「ながらスマホ」の率がとても多いとか。
子供どもにぶつかりそうな自転車のながらスマホも見かけたことがあり、
何とかして無くしたいと思って、このスローガンを作成しました。
また、お巡りさんから「ながらスマホ」が原因の事故が多いとも聞いていて
「ながらスマホ」がなくなることを願っています。





最後は子どもたちに交通安全を呼びかける「こども部門」。
この部門の応募資格は中学生以下です。
内閣総理大臣賞の受賞は、神奈川県横浜市の小学校2年生 杉山心咲さん。

とうげこう よそみ おしゃべり きけんがいっぱい 


杉山心咲さんが利用する通学路は道路が狭いのに多くの車が早いスピードで通るそう。
そのため、よそ見をしたり、おしゃべりをしながら歩くと危ないと思い
同じような通学路を使っている子どもたちへ注意を呼びかけようと作ったのがこのスローガン。
道を歩く時には車に注意して、安全を確認しながら歩いて欲しいですが、
目で確認するだけではなく、車の音にも注意してくださいと話してくれました。





子どもたちが交通安全スローガンを考えると
それ自体が自分のふだんの行動を見つめ直すきっかけになります。
子どもがいる家庭では家族の交通安全スローガンを考えてみてはいかがでしょう。

さあ、明日からの令和4年も安全運転でいきましょう。
このコーナーでは引き続き、みなさんに役立つ、交通安全の話題を発信していきます。
今週は「リュウピー・リュウミー交通保安官」についてお伝えしました。
これは飲酒運転撲滅運動に取り組む福井県の子供たち!

リュウピー君とリュウミーちゃんは福井県警察のマスコットキャラクター。
福井県は世界にも知られる恐竜化石の産出地。
そこで「恐竜」と「人(people)」のP、「警察(police)のPを取り入れ得て
男の子がリュウピー・女の子がリュウミーと名付けられました。

福井県警察本部 交通企画課 高齢者安全対策係 野田 眞之祐さんによると
警察主催のイベントや県内の広報啓発活動などで活躍しているそうです。








そして、このリュウピーとリュウミーの名前がついた保安官は
福井県警察本部と福井県交通安全協会が平成22年から実施している活動。
福井県内の小学生を対象に募集を行い、交通保安官に任命した子どもとともに
飲酒運転撲滅を図る取り組みです。

交通保安官の家族もファミリー隊員に任命。
子供に飲酒運転をしないよう呼びかけられたファミリー隊員も
その思いを受け取り、地域や職場でお酒を飲んだら車を運転しない、
運転するときはお酒を飲まない、運転する人にはお酒を飲ませない、
飲酒運転追放3大運動を呼びかけてもらうというものです。

また、交通保安官の子どもたちは警察や協力団体と一緒に
飲酒運転撲滅の啓発活動参加したり、飲酒運転防止動画に参加。
広報活動も行なっています。





子どもに注意されたら家族はそれを聞き入れず飲酒運転することはないはず。
イベントで子どもが飲酒運転防止を訴える姿を見れば大人は気が引き締まるはず。
また、友人や同僚にお酒を飲んだらハンドルは握らないという話をされれば、
飲酒運転の抑止力にもなるはず。とてもいい施策だと思います。

「リュウピー・リュウミー交通保安官」の募集は、
小学校やスポーツ少年団を通して行っていて
今年は42校、599名の小学生児童が任命されました。
任命された折りには福井県警察のtwitterや地元紙などで発信されます。

「リュウピー・リュウミー交通保安官」の認知が広がって
身近に交通保安官やファミリー隊員がいたり、その経験者が増えれば、
地域社会全体で飲酒運転を無くす気持ちが強くなっていくことでしょう。




「リュウピー・リュウミー交通保安官」のひとり、
福井市立明新小学校3年生 岩崎愛莉さんは番組を聴いている
全国のみなさんにメッセージを発信してくれました。

飲酒運転はとても危ないことなので、お父さんお母さんが種運転をしないように
お酒を飲んでいたら、飲酒運転しないでねって言います。
家族だけでなく他の運転手さんにも飲酒運転をしないように
おまわりさんと一緒に呼びかけたいです。
飲酒運転は絶対にダメです。
交通ルールを守って、安全運転よろしくお願いします


こんな子供たちのメッセージを聴いて飲酒運転をやりますか。
飲酒運転をやって事故の悲劇をつくっているのは大人たち。
自分が気を付けるのはもちろん、もしも身近に飲酒運転をする人がいたら
必ずやめるよう呼びかけて制止するようにしましょう。



12月10日(金)に2021-2022 日本カー・オブ・ザ・イヤーが発表されました。
今、どんなクルマが評価されているのか。安全性能はどのくらいまで進化したのか。
今週は日本自動車ジャーナリスト協会 会長で日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員でもある
菰田潔さんのコメントを通してお伝えしました。





「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、
その年の10月31日までの1年間に日本国内で発表・発売された
市販乗用車の中から最も優秀だと評価された車種に与えられる賞。

選考は二段階。
第1次選考でノミネート車から10車種が選ばれ、
その中からカー・オブ・ザ・イヤーが決まります。
推薦・投票は60人が上限の選考委員。
ほぼ全員がモータージャーナリスト。

菰田さんによると、例年は自分の投票とは別に選ばるクルマがわかるとか。
しかし、今年はどの車が選ばれてもおかしくなく、結果が見えなかったそう。。
いろんな種類の車が出始めた、揃ってきた、その質も非常に高いのが今年の特徴だと思います。

2021-2022 日本カー・オブ・ザ・イヤー。
ベスト3は以下の通り。


③位 ホンダ ヴェゼル





②位 トヨタGR86 / スバルBRZ (トヨタとスバルの共同開発)




①位 日産 ノート 





菰田さんの解説によると日産ノートの特徴は走る原動力が電気モーターですが
充電したバッテリーで走るのが基本ではなく、通常のエンジンを発電機としていること。
しかし、バッテリーも積んでいるので、余裕がある時は充電されたバッテリーを使って走り、
エンジンを動かして発電してその力で走ることもできるというもの。
アクセルペダルをたくさん踏んだ時にはエンジンで発電した電気と
バッテリーに貯めた電気をともに使って力強く走ります。

EVは走る時にCO2を出さず走ります.
でも、充電する電気は火力発電所で作っているかもしれない。
トータルでCO2排出が少ないかどうかには疑問がつきまといます。
その疑問を解消する本当にクリーンなエネルギーで走るクルマと言えるでしょう。
その意味で非常に高い点を取り、新しいプラットフォームを使った非常に良い走り、
乗り心地、最新の安全性を全部取り込んだころが評価されたのではないかと
菰田さんはおっしゃっていました。

これら最新モデルの安全性はというと
カメラとレーダーを搭載した先進運転支援システム「ADAS(エイダス)」が普及。
前の車に近づいてブレーキを踏んでも間に合わなくなる前にブレーキを作動してくれる。
車線からはみ出さないようハンドル操作も補助してくれる。
新しい車の安全性はかなり進んでいるとのことでした。





ちなみに、日本カー・オブ・ザ・イヤー以外に5つの部門賞もあります。
輸入車部門「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」での受賞は
【フォルクスワーゲン ゴルフ / ゴルフヴァリアント】。



  
    
軽自動車部門…「K CAR・オブ・ザ・イヤー」は
【ホンダ N-ONE(エヌワン)】が受賞しました。





受賞したクルマ、受賞理由など
日本カー・オブ・ザ・イヤーの公式サイトに掲載されています。
いちどご覧になってみて下さい。URLは https://www.jcoty.org/ です。

そろそろ12月も半ばを迎えて本格的な冬。
夜間から明け方にかけては冷え込んで路面が凍結することがあります。
クルマを運転する時には、気をつけましょう。

今回はJAF 東京支部 事業課 交通環境係 栗原 悠羽さんにお話を伺い
『3つのアイスバーン』について伝えました。





街中を走っている分にはアイスバーンは無関係と思いがちですが、それは間違い。
冬の路面状況は時間や気温によって刻々と変わります。
特に気温が冷えこむと道路が凍結しますが、
それは寒い地域や高度が高いところばかりとも限りません。
街中や平野部でも起こります。
最近は以前なら多くの積雪がなかった地域に大雪が降ることもあります。
日本全国、どこにいても注意してハンドルを握るようにして下さい。





栗原さんによるとアイスバーンを分類分けすると大きく3タイプあります。


【ミラーバーン】

雪が踏み固められたりタイヤで磨かれてツルツルになった路面。
発進、停止を繰り返す場所、例えば多くの車が行き交う交差点付近などで多く発生。
車を発進する時はゆっくりアクセルを踏んでスタートすることが大切。
信号待ちで止まる時にはアクセルを早めに離して
早めにブレーキをかけ、ゆっくり止まることが対策として重要。


【凍結アイスバーン】    

雪や氷が溶けて、再び凍った路面。
アイスバーンの中でも特別滑りやすく慎重な運転が求められる。
日当たりがよく、夜になると寒くなるところに特に発生しやすい。
日中には氷の上に水の膜が張った状態になることもあり
その時は氷の路面よりもさらに滑りやすいのでより慎重な運転が必要。


【ブラックアイスバーン】 
   
一見すると路面が濡れているように黒く見える。
その実、凍っているのでスピードを出していると危険。
濡れている路面と凍っている路面ではブレーキをかけてから
止まるまでの制動距離が50m以上の差がある。
思わぬ事故につながる恐れもあるので非常に危険。





アイスバーンへの対処の1つがスタッドレスタイヤにすること。
また、チェーンを準備しておくこと。

その上で、滑ることを前提とした予測運転をしましょう。
乾いている路面であればブレーキやハンドルで回避できる危険も
アイスバーンの走行ではスリップして間に合わない、
コントロールが効かないという恐れがあります。
急ハンドルや急ブレーキを使用しない運転を心がけましょう。

特に気をつけたい時間帯は気温が下がって道路が凍結しやすい夜。
暗くて凍結に気づかない可能性もあります。
そして、グッと気温が下がる明け方も凍結しやすい時間。
日中は凍っていた路面が溶けているところがあります。

アイスバーンによるスリップで事故を避けるには、
スピードを出さず、道路状況に感覚を研ぎ澄まして運転することです。




クルマの運転時に起こる「蒸発現象」をご存知ですか?
これはヘッドライトの光線が目に入り
自分のクルマと相手のクルマの間の対象物が見えなくなってしまうこと。
英語ではグレアと言いますが、当然かなり危険な現象。
どんなものかを知り、覚えておいてください。
今回はこの蒸発現象についてモータージャーナリスト 菰田 潔さんにお話を聞きました。



  群馬県警察 WEBサイトより


今では「ナイトビジョン」という機能がついているクルマがあります。
これは遠赤外線画像で対象物を見るシステム。
歩行者や自転車に乗る人は体温が感知されディスプレイに白く写し出されます。

乗っているクルマにナイトビジョンがついている方は、
有効な利用方法を把握しておきましょう。
しかし、付いていない場合には、本当に自分に注意して走るしかない。
なかなか深刻です。

そこで覚えておきたいのが、蒸発現象は雨の日に多いこと。
対向車のヘッドライトや自分のクルマのヘッドライトが路面の水が乱反射。
自転車や歩行者がいても気づきにく状態になり非常に危険です。

ですから、信号機がない横断歩道に近づいた時は特に気をつけなければいけません。
歩行者がいないと思うのではなく、いるのに見えなくなっている可能も考えて、
スピードを落としてブレーキを踏んだらすぐ止まれる感覚でクルマを走らせましょう。

そして、日頃のクルマのケア。
フロントガラスが汚れていては、より前方が見えにくくなります。
油膜をとってワイパーブレードを綺麗にしておくことがドライバーにできる事前の対策。
その上で、夜間はスピードを落とし、周囲に注意力を働かせるようにしてください。