例年にない早さで梅雨入りしている日本列島。
ふだんからクルマを運転する方は認識していると思いますが、
晴れている時と比べて雨の日は危険。
しばらく続く雨の季節の始まりに再確認しましょう。





雨の日は路面が滑ります。
それは濡れたタイヤは道路との接地面が少なくなるから。
ブレーキを踏んでから停車するまでの「制動距離」はある実験によると・・・


<時速60km/h>

乾燥している路面 20m
濡れている路面 28m


<時速80km/h> 

乾燥している路面 36m
濡れている路面 50m


当然、スピードが出ているほど滑ります。
雨天時には速度を控えて走るよう心がけて下さい。

また、タイヤの摩耗も滑る原因になります。
新品のタイヤは溝の深さが8.5ミリから8ミリ。
乗っているうちにタイヤはすり減って溝が浅くなります。
1.6mmあれば車検は通りますが
専門家は4mmぐらいでの交換を推奨しています。

以前、JAFは新品タイヤと2分山タイヤのクルマ
2台を時速100km/hで走らせて
ブレーキをかけてから停まるまでの距離を測りました。
新品タイヤが47.6 m。二分山タイヤが70.5m。
タイヤの溝をチェックしておきましょう。





また、雨天時はあたりの薄暗さと
クルマのウィンドウに付着する水滴で視界が悪くなります。

首都高速道路 株式会社の調査では、
交通事故数を天候の時間を鑑みて比較すると
雨天時は晴天時のおよそ5倍。
AFによると雨天時の深夜は、
晴天時のおよそ7倍も交通事故が発生しています。

雨の日の交通事故の起こりやすさは路面が滑ることに加えて
「視界が悪くなる」という要素もあるからでしょう。
双方向で気をつけなければいけません。

まずは、自分の視界が悪くならないよう努めましょう。
フロントガラスの油膜を除去する
ワイパーのゴムが劣化していたら交換する
サイドミラーに撥水剤を塗るなど
視界が確保できるよう対処をします。

もう一方で、他のクルマや自転車、歩行者に早く気づいてもらえるよう
昼間でも暗い道路環境であればライトを点灯してください。





ここ数年、梅雨前線が長い間、同じところに停滞。
大雨となるケースも少なくありません。
より一層の警戒心を持つように心がけたいものです。

これまで土砂崩れが発生したことがない場所でも
土砂災害が発生する危険があります。
大雨の予報が出ていたり、土砂災害警戒情報が出ている時は、
可能な限り山間部での運転は控えて下さい。

しばらくは雨が多い日々が続きます。
あらかじめ雨の対策をきちんとしつつ、
運転時はスピードを出さず、周囲に配慮して、
事故を招くことを避けましょう。




安全安心で快適な自転車生活が送れるよう
購入時の選び方や交通ルールなどの情報を発信する「自転車の安全利用促進委員会」が、
公益財団法人 交通事故総合分析センター ITARDA提供のデータを調査・分析して
『2019年 都道府県別 自転車通学時事故件数ランキング』を発表しました。

今回は自転車ジャーナリスト 遠藤まさ子んにお話を伺い、
その調査結果について考えました。





このランキングは中学生と高校生に分けて分析。
「件数」ではなく「人口1万人あたりの事故件数」で
リアルな「危険度」をあぶり出そうとしています。
2019年版のワースト3は・・・

【中学生】  3位 佐賀県  2位 香川県  1位 群馬県

【高校生】  3位 宮崎県  2位 静岡県  1位 群馬県


ワースト1位の群馬県は小数点以下四捨五入で、
高校生 人口1万人あたり109件。中学生 人口1万人あたり34件。
高校生のほうが多く、気をつけるべきですが、前年比ではマイナス7%。
中学生は前年比でプラス15%。ワースト2の香川県も、前年比プラス16%。
中学生も注意が必要です。





自転車通学時の中学生・高校生についてt
どんなことが交通事故に繋がっているのかというと
並走、イヤホンをしながらの運転。

その他、傾向から考ると、スピードを出しすぎている、一時停止を守らない、
そして車道の右側を逆走してくるケースなどがよく見受けられます。

中高生に多い傾向としては、基本的な交通ルールを認識してないがために、
左方優先や矢印式信号を読み込めない。
赤信号と青信号の違いが分からない状況で事故を起こしているケースもあります。





自転車通学時の事故”と聴くと『自転車が被害者になるケース』だけを
イメージしていた方もいるかもしれませんが
『自転車が加害者になるケース』もあり、高校生ではその件数が増えています。

気をつけたいのは信号が無い交差点。
交差点という意識が無くなり一時停止を守らず
歩行者とぶつかってしまうケースがよく報告されているといいます。





自転車はスピードや重量で特に子どもやお年寄りに対しては、
凶器となり得るということを認識する必要があります。
事故の被害者になることはもちろん、加害者になることも避けたいもの。

自転車通学する中高生の子どもには
自転車は”車両である”と注意を促してください。

中高生の自転車通学。交通事故の被害者にも、加害者にもならないよう、
中高生自身は認識を高め、保護者の立場にある方は注意を喚起しましょう。






今回は4月に愛知県豊橋市にお目見えした
「パトBUS」についてお伝えしました。





コメントは愛知県 豊橋警察署 交通課長の
本多 幸治さんでした。

豊橋市では2012年から豊橋鉄道 市内線で「パト電」が走っていました。
豊橋鉄道の協力で市内を走る路面電車の1つを黒と白に塗装。
車体に交通安全と犯罪抑止の標語が掲げられ注意を呼びかけていたのです。

しかし、経年劣化でラッピングが古くなったため、
パト電にかわって先月から登場したのが2台の「パトBUS」です。
これもボディに白と黒を使、天井の一部を赤色に塗装して
パトカーの雰囲気を出して交通安全と防犯のメッセージを伝えています。





実は愛知県は全国47都道府県中、
2018年まで16年連続で交通事故死者数が最多でした。
交通業界の企業である豊橋鉄道も状況を改善させたかったのでしょう。

昨年、豊橋市内では交通事故で4名の大切な命が奪われました。
また、今年も3名の方が亡くなっていて、そのうちの1人は高校生。
横断歩道を横断中に遭遇した事故でした。

パトBUSはこうした事故が二度と起きない
安全で安心な街にしたいという熱い気持ちがこめられています。





豊橋市内では非常に出会い頭の事故が多く、昨年1年間で571人が怪我をしたそうです。
交差点では信号を守ることは当然として、特に街中の左右の見通しの悪い道路は
一度止まって、さらに止まって、左右安全確認して進むようにして下さい。
もちろん、豊橋市以外にお住まいの方も出会い頭の事故に注意しましょう。

そして、本多さんからのメッセージ。

「横断歩道は歩行者優先です。
警察としても横断歩行者妨害に対する広報や取り締まり活動で、
横断歩道手前で止まる車も増えてきました。
ですが、まだまだ全ての車が止まるわけではありません。
ドライバーの方は横断歩道の手前で横断しようとする人がいたら
歩行者が安全に渡れるよう、必ず一時停止をお願いします。
横断される方は、今一度左右の安全確認をして渡るようにお願いいたします」。



信号がない横断歩道を渡りたい歩行者がいる時は歩行者優先。
クルマは停車することを義務付けされていることをお忘れなく。

今回は豊橋市にお目見えした「パトBUS」の話題をお伝えしましたが、
全国的にみると、他にもこの様な取り組みをされている地域があるようです。
こうした施策をきっかけに交通事故がさらに減るといいですね。





無免許運転をしたことはありますか?
全ての方が「いやいや、あるわけないよ」と言うことでしょう。
そうであると考えたいところですが、1年に全国で何件ぐらい、
無免許運転が摘発されているか? 考えてみて下さい。

答えは数字が出ている直近の令和元年で
なんと1万8千607件と報告されています。
想像した数より多かったのではないでしょうか。





しかも、この数字には続きがあります。
今回、お話を伺った東京 麹町 みらい総合法律事務所 吉田太郎弁護士によると
令和元年に報告されている危険運転致死傷罪 666件のうち43件が無免許でした。
無免許運転だけではなく、スピード違反、飲酒運転といった危険も犯していたのです。

当たり前ですが、無免許運転のほうが、
免許を保持している運転よりもデータ上では危険だと出ています。
大阪府で平成25年から3年間に起こった交通事故数と
そこに占める死亡事故の割合を見ると無免許が3倍です。

免許保持者    0.3%

無免許運転者   0.9%

意識・知識・技術の違いが数字に表れているのでしょう。





ただ、ひとくちに「無免許運転」と言っても理由はさまざま。
吉田弁護士によると6つのパターンがあります。

① 免許を持っていない

② 有効期限切れ

③ 免許の取り消し期間中

④ 免許の停止処分中

⑤ 持っている免許以外の種別の車両を運転した

⑥ 日本国内では運転できない外国の免許を持っている


無免許運転は道路交通法違反で3年以下の懲役 
または50万円以下の罰金が科せられます。

また、運転免許証を持っていないことを知りながら
運転をするよう頼み、同乗した人にも罰則があります。

冒頭で「無免許運転? やるはずないよ」と思った方も、
将来、無免許運転をやることがないように注意して下さい。

また、運転免許証を持っていない家族・友人・知人に、
運転することを促さないで下さい。
   

      


6つの無免許運転パターンのうち免許の失効については
「つい、うっかり」ということがあり得ます。

自分の免許がいつまでなのか期間を確認してみて下さい。
そして、更新を知らせるハガキが届いたら早めにいついくのか予定を立てましょう。
この新型コロナ禍で免許の更新がしにくいこともあるかもしれませんが、
期間延長の制度があり、万が一失効しても失効手続きを取れることがあります。

無免許運転は絶対やってはいけません。
事故を起こした場合には自動車保険がきかず、
金銭的な損失も莫大です。
十分、注意しましょう。