この連休中、ふだんはあまりハンドルを握らない方が、
クルマを運転する機会があるかもしれません。
中には長距離を走る方も全国にはいるでしょう。
今週はモータージャーナリストの菰田潔さんにお聞きしました。





まずは、高速道路での車間距離。
運転に不慣れだと前のクルマに近づきすぎるかもしれません。
それは、いろんな意味で危険。

一般的に日本で推奨されるのが100km/hで100mの車間距離。
これだと前に他の車が入ることもあり走りにくいかもしれませんと菰田さん。

そこで、お薦めして下さったのが海外で一般的な車間距離「2秒」。
これは距離にすると80km/hで走っている時はおよそ44m。
100km/hで走っているとおよそ56m。

2秒よりも短く、例えば1秒だと、前の車が煽られていると思い、
トラブルになってしまう可能性もあるので注意です。






次にヘッドライト。
早めの点灯を心がけましょう。

ベテランドライバーの中には、なかなかヘッドライトを点けない人もいます。
これは昔のバッテリーの性能が今ほどよくなかったから。
現在のバッテリーはかなり強くなり、ライトの電力の消費量も少ない。
夕方になったら暗くなる前に積極的に点けるようにしましょう。

ヘッドライトの意味は自分の視界を良くすることのほかに
自分の存在を周囲に知らせる意味もあります。
デイタイムランニングライトがついていない車の場合は
早めの点灯を忘れないようにして下さい。





長距離の運転をする人もいるかもしれません。
その場合は運転計画をきちんと立てましょう。

そして、2時間運転をしたら10分から15分は休憩します。
寝不足でないのに眠くなることもあり、酸素不足かもしれません。
内気循環にしておくと乗車している人の呼吸で酸素が薄くなって眠くなります。
エアコンを外気導入にして、新鮮な空気を取り込みましょう。

コロナ対策のためにも外気を車内に入れるのはいいこと。
菰田さんによれば、前の座席の左側と後部座席の右側というように、
対角線の窓を少しずつ開けると空気の流れがスムーズです。





かなり眠くなってしまった場合には仮眠をとる必要があります。
仮眠をとる前にカフェインが入ったものを飲みましょう。

その上で15〜20分ほどの仮眠をとる。
起きて少しするとカフェインが効いてくるので、
体を少し動かしてリフレッシュして運転に戻ります。
この正しい仮眠の取り方も覚えておいて下さい。


クルマを運転している時、歩いて横断歩道を渡っている時、
バス停に停まっているバスの車体横断歩道にかかっていて、
「あれ?」と思った経験は、ありませんか?
実はそんなバス停が全国にかなりあることが分かりました。





横浜市で3年前、
横断歩道をふさいでいるバスを避けながら
道路を渡った子どもが、車にはねられ亡くなりました。

これをきっかけに注目されているのが、バス停の設置位置。
その後、国土交通省が全国40万カ所のバス停を調査したところ
横断歩道や交差点近くにある危険なバス停はおよそ1万もあったのです。

国土交通省はそれらのバス停を安全対策を施す優先度を示すため
A・B・Cの3段階に分類しました。





1番優先すべきAランクのバス停は
過去3年間に停車したバスが要因となる人身事故が発生している、
バスが停留所に停車した時に横断歩道に車体がかかるところ。

Bランクは、Aランク以外でバスが停車している時に
横断歩道の前後5メートルの範囲に車体がかかる停留所、
または交差点に車体がかかる停留所。

Cランクは、A、Bランク以外で
交差点前後5メートルに車体がかかる停留所、
地域住民の意見、各都道府県の実情に応じて抽出したバス停。

最も危険性の高い【A】は 1,615カ所、
【B】は5,660カ所、【C】は2,920カ所となっています。





バスのような大きな車体の車は、
通常の車以上にいわゆる死角ができやすくなります。

進行している車、バスと同じ方向に走っている車、
あるいは対向車側から見ても、バスの前後から渡ってきた歩行者がいた場合、
目の前に出てくるまで気づくことが難しい危険性があります。

歩行者側も横断歩道を渡る際に反対側にお店などがあった時に、
よく左右を見ないで出てきた場合、車に気づかずに接触してしまう。
あるいは道の幅によっては、バスを追い越してきた対抗車両と
接触してしまう危険性も考えられます。





危険なバス停に停車するバス。
その危険に巻き込まれないためには
走行しているクルマも付近の横断歩道を渡る歩行者も
おのおの気をつけなければいけません。
      
ドライバーにとっての注意点は、
自分が走っている先や対向車線側にバスが停まっている場合、
その前後から歩行者が出てくるかもしれないと考えることが大切。

横断歩道については、信号機のない横断歩道を通行する場合、
歩行者がいる場合は必ず一時停止をして、
歩行者を優先させることが道路交通法でも定められています。

信号機のない横断歩道の手前では菱形のマークが表示されていて
歩行者が横断してくるかもしれないということが分かります。
そのマークが見えた場合は必ず減速して、
歩行者がいないことが明らかでなければ、
すぐに止まれるように走行することが大切です。





歩行者としてはバス周囲は大きな車体が死角となって運転手から認識されにくいもの。
横断歩道がある場合でも必ず左右をしっかり確認して渡ることが重要です。
また横断歩道がない、あるいは少し離れていて、遠回りになってしまうような場所でも、
そういったところでバスの前後を横断すると直前まで
ドライバーの方に気づかれずにぶつかってしまう危険性があるので、
必ず横断歩道がある場所を渡ることが重要です。



全国的にすっかり季節は春。
冬を越したクルマはどこかが疲弊しているかもしれません。
特に愛車購入後、あまり年数が経っていない方、きちんと点検しましょう。
今週は、この時期だからこそ忘れてはいけない、
メンテナンスのポイントをお伝えしました。
コメントは国際モータージャーナリスト 清水和夫さんでした。





降雪地域は雪道をチェーン装着で走る車もあり
路面が荒れて砂利や石が道路に飛散されている状態が考えられます。
パンクする恐れもあるのでタイヤ周りの点検はしっかりやりましょう。

冬に凍結防止剤を散布しているところもあります。
高圧の水洗車で下周りを良く洗いましょう。
それに合わせてエンジンオイルなど通常の点検を実施します。





また、コロナ禍の今、エアコンも含めて換気状態をチェックしましょう。
湿気が多いとカビが生えて公衆衛生上よくありません。
車の中の状態をクリーンに保つことが今のニューノーマルです。





そして、もうすぐ暑い季節がやってきます。
電気使用量も増える中で、気をつけたいのがバッテリー。

EVやプラグインハイブリッド車の盲点が、
依然として12Vの鉛バッテリーを持っていること。
それがなければリチウムイオンにある電源を使えません。

従来の鉛バッテリーをきちんとメンテナンス。
硫酸鉛がバッテリーに付着する「サルフェーション」が起こっていないか
ガソリンスタンド、カーショップ、カーディーラーでチェックして下さい。





これからの季節に向けて車内に準備しておくべきものもあります。
最近、夏に心配なのが水害時による車の水没。
フロントガラスを簡単に割ることができるハンマーがある安心です。
ハンマーの反対にはシートベルトカッターも付いています。
また、懐中電灯と乾電池も車に備えておくようにしましょう。

春になったこのタイミングで
いちど愛車のメンテナンスと装備点検をして下さい。






今年も「春の全国交通安全運動」がスタートしています。
期間は週明け4月15日(木)までの10日間。

今回は警察庁 交通局交通企画課 大竹和美さんに
重点ポイント3つののうち「自転車の安全利用の促進」について伺いました。

コロナ禍の中、通勤、通学で自転車を使う方が増えています。
また、宅配で自転車を使う姿も見かけます。

自転車は便利な乗り物。
でも、自動車と衝突すれば自分が怪我をしたり、
歩行者と衝突した場合は相手に怪我をさせてしまうこともあります。

自転車乗用中の死者・重傷者の大半は自動車との事故ですが、
その半分以上を占める出会い頭の衝突事故で約8割の自転車に交通違反があります。
信号無視や一時停止、安全不確認など。
自転車の交通ルール・マナーの徹底に努めましょう

自転車は車道通行が原則ですが、
例外として歩道を通行する場合には歩行者の通行を妨げずに徐行する。
また夜間にはライトをつけましょう。

さらに、自転車乗用中に亡くなった方は、頭部に致命傷を負った割合が高く、
死傷者のうち死者の占める割合、いわゆる「致死率」をみると、
ヘルメットを着用していなかった場合の致死率は、
着用していた場合と比べて3倍高くなっています。
自転車を利用する全ての方が自身の安全を確保するため、
ヘルメットを着用するようにしましょう。
また、万が一の場合に備えて、自転車保険等の加入も大切です。

そして、重点ポイント3つ目の「歩行者等の保護を始めとする安全運転意識の向上」。
交通事故による死者で一番多いのは歩行者。
その多くは歩行者の道路横断中に発生していて、
ドライバー一人一人が歩行者保護の意識を持つことが必要です。

横断しようとする歩行者がいないことが明らかな場合を除き
横断歩道の手前ではすぐに停止できる速度で運転しましょう。

横断歩道に横断しようとしている歩行者がいる時は
必ず停止して、歩行者の横断を優先させなければいけません。

この「安全運転意識の向上」重点ポイントには、 
いわゆる「あおり運転」を防止する呼びかけも含まれています。
「おおり運転」は自動車、二輪車だけでなく自転車も違反の対象。

運転をする際は心に余裕を持って
「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持ちましょう。


今週と来週は警察庁 交通局交通企画課 大竹和美さんに
大切なポイントを伺います。
今回の春の交通安全運動の全国重点は3つあります。
  

(1)子供と高齢者を始めとする歩行者の安全の確保
         
(2)自転車の安全利用の促進
         
(3)歩行者等の保護を始めとする安全運転意識の向上

      
   
今回は「子供と高齢者を始めとする歩行者の安全の確保」について聞きました。
去年、令和2年に交通事故により亡くなる・重傷を負ったのは637名。
小学生が、どんな時に事故にあいやすいかというと、最も多いのは下校中。
学年では1、2年生。新学期を迎えたあとの5月、6月に事故が増加する傾向にあります。
歩行中、その中でも飛び出しによる事故が多いのも特徴です。

お父さん、お母さんは子どもを守るため、
安全な横断の仕方をしっかり教えてください。

まずは、横断歩道を渡ること。
次に、横断する前には、必ず、立ち止まり、
右や左から車が来ないかよく確認してから渡ること。
青信号でも車が止まっていることを必ず確認しましょう。
そして、横断歩道では、手を挙げたり、
運転手に顔を向けるなどして横断する意思を明確に伝えること。
最後に、横断中も周りに気をつけること。
                 
高齢者の歩行中の事故は横断中の事故が約8割と最多。
その内容を見ると、他の世代に比べて、
横断歩道ではない場所での横断や走行車両の直前直後の横断など
交通違反があった割合が高くなっています。

身のまわりに高齢者の方がいらっしゃるのであれば、
折を見て注意を促すようにして下さい。

交通事故全体でも亡くなる人の半数以上が高齢者。
歩行中に限らず、運転中でも自分では気付かない体の機能の変化もあります。
ご家族も一緒に交通ルールや安全運転について話し合ってみてください。