クルマやオートバイを運転するみなさん
道路上で「この場所、危ないな」と思った経験はありませんか?
街は安全な交通社会を目指して整備されていますが、
それでも、危険度の高い交通環境はあるもの。
この番組でたびたび交通安全について解説をお願いしている
一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)では、
市井のドライバーから改善してほしい交通環境の情報を募集。
実地検証して改善が必要だと考えたものを警察や行政に提出しています。
今週は東京を例にJAFの”交通安全実行委員会”を探りました。
JAF交通安全実行員会の誕生は1970年(昭和45年)9月。
その頃はまだドライバーの視点で交通環境を改善する活動がありませんでした。
初めに発足した東京支部がモデルとなって
今では47都道府県に交通安全実行委員会があります。
東京支部の場合、現在の構成メンバーは21名。
一般市民がボランティアで参加する組織なので学識経験者はいません。
JAFのホームページを見て参加を申し込まれた人がいたり、
道路交通環境問題をJAFに相談したことをきっかけに
交通安全実行員会に参加するようになった方もいるそうです。
ちなみに東京支部 交通安全実行委員会の浮田委員長は、
20年前に機関紙の『JAF Mate』で募集を見て
日頃のクルマの運転で「ここはこうなったほうがいい」と
思うことも多かったので「面白い」と参加を決めたといいます。
浮田委員長の提案で交通環境が改善されたこともあります。
高速下のUターン可能箇所では意外とセンターラインや一時停止標識が無い。
日頃通っている人は分かっても、たまたま通った人にはわかりにくい。
そこで杉並区高井戸の首都高下の改善を提案。
センターラインと停止線を作り、通行区分がハッキリしたということです。
2019年は東京支部によって17の改善がされました。
その1つ、町田市内の交差点には右折できる街路が2つあります。
ところが路面の表示は1つの右折矢印だけ。
(この1つの矢印が2つの道路への右折を意味していました)
そのことを知らない2つ目の右折を曲がりたいドライバーは、
先にあらためて右折レーンがあると思って右折せずに直進します。
そこでJAFは右折矢印を2つ表示するよう警視庁に変更を要望。
提案は受け入れられて改善されました。
実行委員会メンバーは、実際に現場を訪問。
写真や動画を撮影して委員会に持ち帰り、議論します。
改善が必要だと判断した場合は管轄する機関に意見を提出。
認められた場合は、上記のように改善がなされるという流れです。
ふだん「危険だ」と思っている情報を寄せることで
交通事故の対策になる素晴らしいシステム。
思い当たる道路環境がある方は、
最寄りのJAFに情報を伝えてみてはいかがでしょうか。
そして、関心を持った方は、
実行委員会の活動に携わってみてはいかがでしょう。