一般に道路上で四輪や二輪が野生動物と衝突する事故「ロードキル」。
日本では野生のシカ、イノシシ、サルが増えて
人間の生活エリアに出没することも多くなり
ドライバーがロードキルを起こしてしまう危険は高まっています。
ペットが轢かれるケースを指してロードキルと呼ぶこともありますが、
今回は「野生動物との衝突事故」と定義して予防と対処をお伝えしました。
日本全国で1年に何件ぐらいのロードキルがあったか?
動物はさまざまいて、報告されないものも多く、明確な数はわかりません。
ただ、ずいぶんたくさん起きているということについて、
参考になるデータをいくつか紹介すると・・・
首都高速道路・阪神高速道路・本州四国高速道路
NEXCO3社が2018年に処理したロードキルは約4万7,400件。
北海道ではエゾジカが関連した交通事故が増え
2017年度には2,430件に上っているとして
国土交通省北海道開発局が注意を呼びかけています。
死亡者が発生してしまった事故もあり、
動物との衝突は自動車やオートバイを運転する人間にとっても危険。
野生動物が命を落とせば、それはもちろん気の毒。
人間が十分に気をつけたいところです。
それではロードキルを起こさないためにはどうすればよいか。
【野生動物注意の標識を見たら速度を落とす】
野生動物の危険が高い道路にはドライバーへの注意喚起のため
動物の絵柄などが書かれた黄色地の警戒標識が設置されています。
「野生動物に注意」の標識を見たら、注意をしつつ、スピードを控える。
ちなみに、ロードキルが多発している地域では、
自治体がサイト上で情報を公開している場合もあります。
【暗い道では上向きのライトを有効活用する】
ライトを上向きにすると遠方でも動物の目が光って発見しやすくなります。
対向車に気をつけつつ、上向きのライトを積極的に使ってください。
夜間から早朝にかけては、夜行動物が活動的になっているので特に注意。
ちなみに最もロードキルの被害に遭っているのはタヌキで
全体の4割を占めると言われていますがタヌキも夜行性です。
それでは、注意していたにも関わらず、
ロードキルを起こしてしまったとしたら・・・ どうしますか?
実は動物に衝突してしまった、轢いてしまった時も、
一般的な交通事故と同様に警察への連絡が必要です。
【一般道の場合】
ガードレールや、その他公共物の破損の有無とともに警察に連絡します。
そして、動物の状態を確認、保護施設や動物病院に連絡して指示をあおぐ。
動物が死亡している場合は、事故が発生した市町村に連絡します。
そして、素手で触れないようにして、あれば衛生面からマスクをして、
交通の妨げにならないよう路肩に移動させます。
【高速道路の場合】
道路内に立ち入って処置をするのは危険です。
自走可能なら近隣のサービスエリアなど安全な場所にクルマを移動。
警察と道路緊急ダイヤル「♯9910」に連絡してください。
動物を放置すると二次事故を招く恐れがあります。
ロードキルが多発している自治体や警察は防ぐための施策を立てています。
それでも野生動物がまったく道路上に出てこないようにするのは難しいはず。
ハンドルを握るドライバーが全国でロードキルが増えていることを認識しつつ、
注意して運転してください。