今週は去年の暮れに入賞作品が発表された
「第47回 交通安全ポスターコンクール」を追跡しました。
スタジオにお迎えしたのは
全国小・中学生交通安全ポスターコンクールを担当する
JA共済連 地域活動支援部の小松加歩さん。
このコンクールは 子供たちがその時々に
交通安全のどの部分に関心を持っているか現れます。
今回の応募作品総数は
小学生124,465点 中学生37,797点 計162,262点。
今回は『スマートフォンの使用マナー』を
テーマにした作品が6年連続トップとなりました。
ただ、小松さんによると性質は変わってきています。
ドライバーに「ながらスマホ」の注意を促す作品が多かったのが昨年。
今年度は歩きスマホの危険性を指摘する作品が最多だったそうです。
小学生のスマートフォン所有率が
平成24年度の2.1%から29年度は29.4%へと飛躍的に増加。
スマートフォンの使用マナーを訴える対象が
大人だけではなく子供自身を含めた
社会全体へと変化したためというのが小松さんの見解です。
また、今年度は「あおり運転禁止」を訴える作品も登場。
これは悪質なあおり運転が原因で発生した痛ましい事故に
子どもたちが敏感に反応した結果だと考えられますと小松さん。
子どもは自分たちの目できちんと社会を見ているのです。
主な受賞作を
以下に紹介しましょう。
【内閣府特命担当大臣賞】島根県 小学3年生の作品
横断歩道を渡ろうとして
手をあげて車が停まるのを待っている
子供たちの様子が描かれています。
「見えてる?手をあげてまっているよ」という言葉からは、
ふだん横断歩道を渡ろうとする時に止まってくれない車に対する
子どもたちの疑問が表現されています。
ドライバーのみなさん 信号がない横断歩道で
歩行者が渡れるタイミングを待っている時 停車していますか?
そのケースでは歩行者優先。車は停まる義務があります。
【農林水産大臣賞】小学6年生の作品
「あおり運転」をテーマにした作品。
黄色のトラックと赤い車がケンカをしている様子が
動きのあるように描かれています。
【警察庁長官賞】小学4年生の作品
夜間の交通安全をテーマにした作品。
反射材を身につけた少年の後方から車が走ってくる様子が描かれています。
歩行者に対してはドライバーに気づかれにくい夜間の歩行時に、
反射材を身に着けることの大切さを伝え
ドライバーに対しては暗い道は歩行者がいるかもしれないので、
夜間の運転は特に注意して欲しいという想いが込められています。
【文部科学大臣賞】三重県 中学3年生の作品
「運転時の早めのライト点灯」を面白い切り口で表現したポスター。
夕暮れ時はカーブミラーには車の車体は写らなくなり
ヘッドライトだけが光ってみえる様子が上手く描かれています。
「早めのライトで『見せる』安全」というコピーもシンプルで分かりやすく
真っ暗ではない夕暮れ時も、周りの車が見えにくい環境になるので
早めにライトをつけなければと気づかされる作品です。
JA共済「交通安全ポスターコンクール」は
次代を担う子供たちに『思いやり』の精神を伝え
美術教育への貢献を通じて創造性を養い
交通安全の意識を高めてもらうことが目的。
また、子供たちの訴えを真摯に受け止め、
交通事故のない社会の実現に貢献したいという思いがありますと小松さん。
JA共済は交通安全ポスターコンクールをはじめとする
交通安全啓発活動を通して 歩行者やドライバーの交通安全の意識を高め
交通事故のない社会の実現を呼びかけたいと話してくださいました。