夏休み。
子供たちの行動パターンは学校がある時と異なります。
いつもと違う生活環境で交通事故に遭わないよう注意が必要だということ。
今週は公益財団法人 交通事故総合分析センター
研究部 主任研究員の山口朗さんにお話を伺い
特に小学校の児童向けの「夏休みの交通安全」を追跡しました。
学校がある期間と学校が休みの期間。
子供を交通事故から守るため 2つの大きな違いを認識しましょう。
1)登下校がない
2)日中いつでも街を歩き 自転車に乗れる
この2つは表と裏のような関係です。
ここ数年の小学1年生と小学2年生の月別死傷者数のグラフを見ると
いずれの年も12ヶ月のうち8月の人数が最小。
これは「登下校時」がないからだと推測されます。
反対に浮かび上がるのが ふだんなら学校にいる時間に街中にいる可能性。
そこに気をつけなければいけません。
例えば 登下校時ではない子供は
「交差点」ではない道路の直線区間「単路」に気をつけるべき。
歩行中の交通事故を全年齢で見てみると
半分が交差点で起こっていて交差点以外の「単路」では約1/3。
ところが 登下校中以外の小学1年生の歩行中の交通事故を見ると
半数が単路で起こっています。これは小学生全体にある程度 当てはまるでしょう。
では 単路で子供が遭遇する交通事故には どんな事故類型が高いのか。
横断歩道ではなく 横断歩道がない場所を横断をしている時の事故が多いのです。
単路の事故の60%が横断歩道が無い場所を横断中に発生しています。
お父さん お母さんは 子供に対して
横断歩道を渡るよう言い聞かせるようにしましょう。
交通事故に遭った歩行者にも 法令違反があったケースも少なくありません。
子供の場合は 法令違反別死傷者数のデータから1つの危険が浮かび上がります。
「飛び出し」です。
歩行者側の法令違反の割合を見ると 成人では7割位が法令違反が無い。
ところが小学生になると5割以上が 何らかの法令違反があります。
信号無視や斜め横断など 横断に関する違反は 小学生の成人も割合は同じようなもの。
違いが1番出ているのが「飛出し」。
大人の場合は 飛出しは1割 〜 2割ですが小学生の場合は3割。
低学年になるほど その割合は高くなります。
2015年度のデータでは 男の子の35%が飛出しが原因の事故。
男の子と女の子で比較をすると 男の子の方が割合が高いことが認められます。
女の子は27%。これは学年に寄らず1〜6年生まで同じ傾向があります。
これらのことから考えられるのは
子供は色んなところに注意を同時に向ける事が出来ないということ
さらに飛び出してきやすい性質を持っているということ。
ハンドルを握るなら 前方に小さな子供が歩いていたら
横断報道の有無に関わらず 横断してくる可能性を考えましょう。
いつでもアクセルペダルからブレーキペダルに足を移せるようにしておく。
止まれる準備をしておいたほうが良いと山口さんはおっしゃっていました。
お父さん お母さんは。
夏休み前に子供に交通安全についての話をしましょう。
ドライバーの皆さんは運転にはより一層、気を引き締めましょう。
2017年の夏休みの交通事故を1つでも減るように!