「スケアード・ストレート」という教育方法を聞いたことはありますか?
もともとはアメリカで犯罪防止教育の1つを意味する言葉。
でも、日本ではあるタイプの交通安全教育を指す言葉となっています。
今週の『なるほど! 交通安全』は、日本版スケアード・ストレートを追跡しました。
コメントは有限会社 スーパードライバーズ
代表取締役 雨宮正信さんです。
スーパードライバーズの本業はカーアクションやスタント。
映画のテレビドラマのカーアクション)をやっています。
「仁義なき戦い」から始まって「太陽にほえろ」。
最近では三池崇史監督や堤幸彦監督作品などでカーアクションを担当。
そのスーパードライバーズが平成元年頃から始めたのが交通安全パフォーマンス。
スーパードライバーズは免許取得時に見る交通安全ビデオでもスタントを担当。
ある教習所から あれを生でやってもらえないかと依頼されたことがきっかけです。
当初は年間20件ほどやっていたそうです。
9年前 そのパフォーマンスに目をつけたのが警察関係者。
警察庁・警視庁が見に来て「これはいい!」とお墨付きをもらいます。
アメリカで刑務所を見せて防犯教育を図る「スケアード・ストレート」の名称を引用。
日本では交通事故の怖さを体感させ交通安全意識の向上に役立てようと
「スケアード・ストレート」と名付けて普及を図ったのです。
スーパードライバーズのWEBサイトやYouTubeに
スケアード・ストレートの動画が掲載されているのでぜひ見て欲しいのですが
速度は30km/h 〜 40km/hで車が自転車に乗ったスタントマンに当たる様子は衝撃です。
30km/h、40km/hというと車の運転する立場ではそれほどの速度ではありません。
にも関わらず 自転車や乗っている人は遠くに飛んでしまいます。
その怖さを知ってもらうため
まずは自転車に乗った人形が車にぶつかり吹き飛びます。
でも それは人形。その時は笑い声やワイワイした声が聞こえるそうです。
次に生身の人間が自転車に乗って車が突っ込んでくると・・・
人形が受けた衝撃を目の当たりにしているので
「ワーッ」「きゃーッ!」とリアルな声が発せられるといいます。
そして 雨宮さんが学校から聞いた話では
ぶつかった時の音が自分の中に残っていて
生活の中で飛び出そうとした時に
その音が蘇って止まったという子供の感想もあったそうです。
今では行政・警察・学校・教習所などの依頼で
スーパードライバーズは年間300もの公演を行っています。
交通事故の本当の怖さはニュースや口頭だけの注意では伝わりません。
子供から大人まで多少のショックは受けるかもしれませんが、
確実に命を守る気持ちは強まるでしょう。