今週も、鎮守の森のプロジェクト・植樹リーダーで
林学博士・西野文貴さんのもう一つの拠点、大分県の「グリーンエルム」からのレポートです。
東北で集めたどんぐりから植樹のための苗木を育てたり、
森の成長に必要な植物について研究をしたりと、
ほんとうに様々なことをやっている会社なんですが、
その他にも、日本では珍しい植物の栽培にも取り組んでいます。

ということで、さっそく西野さんに、現場を案内していただきました。



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高橋:今目の前に広がっているのは?

西野文貴さん:ユーカリ畑でございます!
実はこれ、オーストラリアからユーカリの種を輸入して
育てているんですが、担当がいます。僕の兄貴です。


ユーカリ担当・西野友貴さん:お久しぶりです万里恵さん!
ユーカリは外来ですが、外来だからこそ
自分に任せていただいたというのもあります。


高橋:でもユーカリの畑を初めて日本で見ました!

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
原料として動物園のバックヤードにあったり、
個人的な栽培者、個人で植えている人もいますが、
こうやって収穫用としてこれだけ畑を持っているのは
おそらく日本で初めてだと思いますね。


高橋:ユーカリってかわいいんですね。葉っぱも白っぽいグリーンでファンタジーの世界みたいです

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
今まで見ていただいた日本の緑とは違った緑、
特にこのグロブルスという種類はいわゆる緑白、
銀緑色、銀とか白に近いような緑の色ですよね。
日本の紙の原料となる木で、
オーストラリアやブラジルで植林されているのは
グロブルスという種類です。いまここで600本くらい。


高橋:高さは?

ユーカリ担当・西野友貴さん:高さは最高で
6メートルくらいになっていますね。
ただこれは、いつも見ていただいている植樹祭の30センチ、40センチの
大きさの苗を植えて1年でこうなりました。


高橋:それだと、見ていると伸びてるのがわかるくらいの成長の早さじゃないですか?

ユーカリ担当・西野友貴さん:冬は成長が止まるんですが、
春や夏になると道路沿いを車で通ると、
1日ごとに景色が変わっていきますね。
そういう感じなのでパルプの原料に使われるんですね。
植林をしやすい。あと日本の伸根性、
直根性のアカガシなどは根が深く入るんですけど、
これは杉やヒノキと一緒で根が深くないんですね。
なので、次の台風のときには倒れるだろうという
予想をして育てています。


高橋:こんなに立派に600本生えていても台風は?

ユーカリ担当・西野友貴さん:台風はどの植物にとっても天敵ですが、
特にこれは根っこがないので踏ん張りがきかないんですよね。
根は、20~30センチくらいですかね。
上がすごく急激に伸びるので、下の根が追いつかないんですね。
ユーカリって本当にいろんな種類があるんですけど、
海外ではあるユーカリの種類は
モンスターツリーといわれているくらい。
それぐらい成長がものすごく早くて繁殖力がある。
要は使いようで、それをパルプに使ったり、
うちの場合はちょっと違う使い方をするために育てているんですけど。


高橋:パルプ用じゃないんですよね?

ユーカリ担当・西野友貴さん:王子製紙さんとかは使うのは
幹だけなんですよね。
葉っぱはどうしても余ってしまうので、
王子製紙さんが研究をされて、
消臭剤や抗菌剤の原料になると発見をして、
うちそれを育てて原料として加工して、
メーカーさんに卸すという仕事をここ5年くらい、
新しい仕事としてやらせていただいてます。


高橋:葉っぱの活用は?

ユーカリ担当・西野友貴さん:どちらかというと
パルプにする幹ではなく、葉っぱですね。
ちょうど良いやつがここにあるんですが、
触っていただくとワックス成分ですごくツルツルして。
匂っていただくとユーカリのすっとする匂いが。
この抗菌力、特に柔らかいベビーリーフですね。
オイルが葉っぱに浮き出るくらい。
ワックス成分で抗菌原料に使えるということで、
うちはユーカリ畑に関しては無農薬でやらさせていただいています。


高橋:匂いがあるからあんまり虫も来ない?

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね、
もともと抗菌剤として使うくらいですから
原料として強いので、虫にも病気にも強め。
ご家庭でも基本育てやすい植物ですよね。
ただ1年で6メートル伸びますので、
家庭で使う場合は電線とかに注意をしたほうがいいですね。


高橋:家庭に植える場合、場所めちゃめちゃ重要じゃないですか?

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
元から切っても強いので、
また次の年に同じくらいに伸びるんです。
たくましいですね。
モンスターツリーと言われる由来はわかりますね。


高橋:全然ユーカリのイメージはそういうのはなかったです。いい香りの優しい木と思っていましたが、完全にモンスターですね。

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
ただやっぱり、何にでも表と裏があるように、
それを人間が加工して人間が使いやすいように薬の原料にしたり、
こうやってオイルをとって香りを楽しんだり、
植物を活用して人間社会に応用していくということが、
ユーカリだとできるということだと思いますね。


高橋:葉っぱの活用法としては、オイルだったり?

ユーカリ担当・西野友貴さん:今商品化されているものとしては
ユーカリブルーというオリジナルのブランドで作っているんですけど、
青いきれいな瓶に入っています。
100%国産有機オイルです。
国産のオイルというのはなかなかないんですよね、
ユーカリに関しては特に。
弊社の場合は乾燥させてチップにして、
それを水蒸気に当てて水蒸気蒸留で油分を取り出して落としたあとに
容器に詰めるというシンプルな、
何も添加物を入れていないです。


高橋:実は私このオイルでサウナでロウリュウをやったんですよ。めちゃくちゃいい香りで。鼻にすーっととおって呼吸がすごく気持ち良い香りですよね!

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
やっぱりユーカリの効果として、
鼻や喉に効くというのがありまして、
風邪気味の時とか鼻づまりの時は
よくこのオイルを洗面器に垂らして、
その空気を吸うというんですかね。
呼吸をしやすくするというのは、
昔からオーストラリアでは使われていると聞きます。


高橋:すごいものがありますね西野さん!

西野:そうですね。
たぶん、僕の兄貴も声が聞こえていると思うんですね。


高橋:ユーカリってひとつじゃないんですね!

ユーカリ担当・西野友貴さん:全世界で言うと700、800
あると思うんですね。
やっぱりコンシュ?混種?しやすいので
いろいろ掛け合わせて、人工的にも掛け合わせやすい植物なので。
それでもやっぱりその中で、
王子製紙さんが調べて公権力がナンバーワンだったのが
このグロブルス。
種はなるべくこちらで作りたくないというのはありますよね。
外来種なので。
なので、作るにしてもしっかり管理をして
外に出ないようにしたいなと思っていますね。
そこは植物を作っている会社としての、
意地というかプライドですよね。
なるべく外には出さないというのが。
その前に台風でほとんどやられてしまいます。
だからこれ9月までに持てば良いなと、
自分はドキドキしています。
ユーカリもそう言っていますね。




鎮守の森のプロジェクトで植樹してきたポット苗の「里親」、
大分県にあるグリーンエルムからのレポートを
3週に渡ってお伝えしました。

グリーンエルムの国産有機ユーカリを使用した
エッセンシャルオイルや消臭抗菌スプレーなど、興味ある方、
お問い合わせについては、
【グリーンエルム】のホームページ★をご覧ください!




【今週の番組内でのオンエア曲】
・Don't Answer Me / アラン・パーソンズ・プロジェクト
・Perfect Symphony (with Andrea Bocelli) /  Ed Sheeran

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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