- 2022.07.31
心の拠り所「お林」_神奈川県真鶴半島_③

相模湾に突き出た半島の町・神奈川県 真鶴町。
その半島の先端に広がっているのが、地元の方に「お林」と呼ばれる大きな森です。

このあたりは、もともと火山の溶岩でできた土地なんですが、
そこに人々が木を植え、そして自然の力で森が更新を重ねることで
数十メートルの巨木が生い茂る、東京ドーム30個分の森になったのだと言います。

そして、この森は、真鶴で暮らす人たちにとって、
昔からずっと、心の拠り所でした。
それはなぜなのか?
ガイドの山﨑陽軒さんは森に鎮座する、小さな神社に案内してくれました。

山﨑:山の神社。いつからあるのか定かではない。
ただこの山、森全体を守ってくれているところでもあり、
海を守る神様でもある。真鶴町はもともと漁師町。
漁業関係者が山の神社にお参りする。
山を登ってきて、海に出る漁に出るときは航海の安全を祈ってから
行くという習慣があった。
高橋:海の近くの神社ではなく山の神様に?
山﨑:なんでかというと真鶴では海と山の森は一体。
魚つき保安林になっていて、
山があるおかげで森があるおかげで魚がやってくる、漁業で身を立てられる。
木陰を作る。松は海の方海の方に崖に生える。
日が下にプランクトンが寄ってくる。お林は雨がたくさん降る。
この森だけ降ることアアル。降水量がかなりある。
屋久島みたいな雰囲気。降水量もある。川はないので地面に雨が染み込む。
真鶴半島全体が溶岩の安山岩で細かい切れ目があり、そこに染み込む。
それが海の底から湧いて出る。
ミネラルをいっぱい含んだ淡水がでることでプランクトンが集まり、
魚が黒潮に乗ってやってくる。

高橋:山と海がつながっているという意識が強いんですね
山﨑:昔の人が分かっていたかはさだかじゃないが、
そういう生活の知恵が合った。
山の自然を守ることで海の方策が期待できるという。
いまも漁業関係者あ山を手入れしたり、松を植えたりしてます。
森自体が神様。お参りしましょう
高橋:森の養分が、海へ流れ、豊かな漁場を作る・・・というのは
この番組で何度もお伝えしてきたお話ですが、
真鶴の人たちも昔からそれに気づいて、森を守ってきたということなんですね。
さあ、こんな感じで真鶴の「お林」散策を終えた我々一行。
すっかり喉も渇きました。
ということで、真鶴の港にほど近い、地元の方が「集う場所」へ向かいました。
高橋:山崎さんありがとうございました、
乾杯しましょう。お疲れさまでした。連れてきていただいたこちらは?
山﨑:草柳商店という酒屋。真鶴の安らぎの場として集う。
しげさんです。
高橋:真鶴のお林、ここちがよくて木々も立派で魅了されたが、地元の方にとってどういう存在なんでしょうか?
しげさん:お林は漁業にとって重要なものと考えられている。
「お」がつくということで神様がいらっしゃるところでもあり、
いのちの森というか、東京の近くにこんな森があるということで、
それが素晴らしいと真鶴町に移住した方も大勢いる。
人を引きつける魅力があるのかな。
お林がなければ心臓がないようなもの。我々の生命の源のような場所。
子供の頃は今以上に真っ暗で、
木が生い茂っていて昼に行っても鬱蒼としていた。
どこか怖い感じがした。夜はそれこそ真っ暗。
異次元の世界に迷い込んじゃったような怖さがあるので遊ぶことはなかった。
が、海岸に行けないので、暗くなる前に逃げるように帰ってきた。
海岸はお林を通らないと。
だから子どもたちは帰りは暗くなっちゃうと怖い場所という印象。
夜は怖すぎる。夕方も暗がりが怖い。
お林に入る入口に山の神様のお社がある。
あそこに挨拶してから入るような、
子供心に文化的なことを親や祖父から教わった気がする。

お林があることで森への畏敬の念が自然と身についているのかも知れない。
真鶴育ちの人はみんなそうかも知れない。
以前は森の駐車場でイベントをやった。
お参りもしてお祓いも出演者スタッフでやったが、
そのあと音楽イベントだったので
大きな音を出してしまって野鳥がいなくなってしまった。
鳥の守る会から苦情を頂いて反省して、大きな音を出してはいけないと。
若気の至り。先生みたいですね。そんな木が。
なにしろ3デイズでお祭り騒ぎ。
一年鳥がいなくなった。
いまは鳥も戻ってきて野鳥の会の皆さんも報告しているようです。
お話をしてくださったのは、しげちゃんこと、
真鶴の観光協会副会長、草柳さん。
町の仕掛け人としていろんな企画を展開している方で
真鶴の「お林」についても、地元の方として色々教えてくれました。
【今週の番組内でのオンエア曲】
・I Ain't Worried/ OneRepublic
・風をあつめて / はっぴぃえんど