- 2022.03.27
仙台のご当地グルメ「セリ鍋」の仕掛け人、名取のセリ農家・三浦隆弘さん_2
先週に引き続き仙台のご当地グルメ「セリ鍋」の仕掛け人、
宮城県名取市・三浦隆弘さんのセリ作り、リポートします。
実はセリって、春だけでなく、秋と冬にも旬があるということなんですが、
きょうはそんな「季節」「自然のサイクル」をめぐるお話です。
セリ作りのトップランナー・三浦さん、
その根っこにある自然観が、ちょっと目からウロコでした。
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<< 現地レポートの様子 >>

三浦: 夏以外はせりはあります。
食べ方は、冬は寒さに耐えて根っこの付け根部分にストレスが
溜まって甘みが溜まるので根っこがおいしいです。
春になると根っこに溜め込んだ旨味が花咲かせて味をつけようと
新芽の先、山菜みたいに茎や新芽に旨味が溜まるんです。
食感もバリバリになってきて。
それはおひたしにしたりホヤに会います。牡蠣にもあいます。
春の貝の甘みですね。あさりだし。
酒蒸しみたいなものに合います。
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高橋:春、秋、冬、それぞれセリの美味しい部分が違う。
そして季節ごとに海から上がってくる魚も違うし、
鹿肉・カモ肉などジビエの季節もある。
海のもの山のもの里のもの、季節ごとの食材とセリを合わせつつ、
左手で地元のお酒を迎えこむ、これが仙台に来ないと楽しめない贅沢。
三浦さん、そんなお話をしてくれました。
さて、先週は三浦さんの、「この土地で400年続いてきたセリ作りを、
次の400年へ繋ぐことが仕事のモチベーション」という言葉をお伝えしましたが、
400年先へつなぐために、三浦さんはどんなことをしているのか。
実は、セリだけでなく土地の生態系全体にまで考えを巡らせているんです。
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<< 現地レポートの様子 >>
三浦:生態系をまず観察することを決めました。
春夏秋冬ずっといる生き物と、その時にしかやってこない生き物と、
ねぐらと餌場として田んぼや畑を使う生き物がいるので、
それは何がいるのかを調べて、その生き物が野菜や農作物に
どういう関わりをするのか、害なのか益なのかを確認して、
ちょっとずつケミカルなものを減らしていくことによって
折り合いをつけていく
。5年、10年、15年かかりましたけどそういう形で。
急に変えると何でもそうですけど、リサージェンスが起きるので、
じわじわといろんなものの受け皿、ねぐら、
餌場になるようなものを考えました。だからこそ、コリドー、
回廊と言うんですが、鳥がやって来やすい木を植えるとか。
鳥も重要ですね。あとはここだとノスリが猛禽類の頂点にいまして、
そこに収まりが良いような植物は何が良いかなとか、
常緑樹を植えるか落葉樹を植えるか、食べられる庭づくり、
仙台は「いぐね」と呼ばれる基本植生なんですけど、
仙台は冬の間は山から海にずっと風が吹き続ける。
そこから田んぼや畑や家を守るために、
仙台平野のお家って東と北側に森を作るんです。屋敷林。
そこに用材、材料としてのものだったり果樹だったり、
薪だったり、アグロフォレストリーを作るのが仙台のたしなみというか
生き残り方だったんですね。
柿を植えていたのも三陸沿岸のお家にたくさん柿が植えてあるのも
干し柿を食べるためではなくてプラスチックになる前の漁網を
柿渋でなるべく長持ちさせるもの。
ということは柿を食べる鳥もそこにいるわけですよね。
何かしらそこに植えてあるものには意味があって、
それを学ぶところから有機農法的なオーガニック的なものに
意識を変えていて、今もヤギがいたり犬猫がいたり鶏がいたりするのは、
農家は食品工場ではなくて生態系やなりわいや手仕事、
暮らしの中を楽しむものも価値観としてあっても
良いんじゃないかなと思って。観察好きなんでしょうね。
見慣れない鳥が来るなとか、
鴨が来るけど鷺やシギ類来るのはなぜだろうとか。
夜にだけ来るのはなんだろうとか。楽しいですよね。
高橋:生態系を見ることがなぜ無農薬になるんですか?

三浦:頂点ではなく曼荼羅なんです。
生態系って。それぞれ関係しあっている。
勝つ負けるだけではない。ノスリが居心地が良い木が必要。
ノスリが何を食べているか。
食べる存在の小さな生き物の餌場とねぐらも必要。
それはうちの野菜にそれはどういう影響があるか、
むしろどういう野菜を作れば影響下の中バランスの中で
折り合いが取れるかと考えるのが楽しい。
今の時期はムクドリが増えてくるんですけれども、
ブロッコリーを植えておくとブロッコリーの葉っぱを
ムクドリが食べにたくさんやってくる。
せりには直接影響はないが、タシギですかね。
くちばしの長いフレンチで肉団子にして食べる鳥があるんですが
それも集団で夜にやってきて虫を食べてくれるんですよね。
タシギは可愛いし益鳥でもあるので。
アブラムシがせりにアブラムシがつくとアブラムシを食べる
てんとう虫類がたくさんやってきてくれる。
ということはてんとう虫が越冬できる場所が必要。
単一的な田んぼだけではなくて、
屋敷林とか緩衝地帯みたいなものが必要。
陸地と田んぼと。わかりやすいのはシュレーゲルアオガエル。
普段生きているの竹やぶとか灌木林にいるんですが産卵は水田の畔の、
道と田んぼの隙間のところに卵を産む。
オタマジャクシの時に田んぼが必要なので、
やぶと田んぼを移動する存在なんですね。
カエルは肉食、雑食なのでせりに悪さをする
芋虫類をたくさん食べてくれる。
ニホンアカガエルとアマガエルとシュレーゲルアオガエルと、
それぞれいろんなカエルがいるとそれはそれで楽しい。
クモも上のほうに糸を張るクモと水面を走るクモがいるので、
それもいろんな種類が入るのが調べるのが楽しいです。
せりの作業をしていて変な生き物がいるなと思ったら
興味があるじゃないですか。これなんだろうと。

>>>>>>>>>>>>>>
高橋: 「屋敷林」、東北などで見かけたことのある人も
いるのではないでしょうか。
三浦さんは、いろんな木を植えることで、新たな生き物がやってくるという。
例えば三浦さんは生食用のイチジクを植えてみたところ、
オオヨシキリという小さな鳥が巣作りするようになったのだそう。
夏の入り口にやってくる鳥ということで、季節の移り変わりが可視化できた、
なんて話も。
ただ、あんまりよろしくない生き物が来ることはないのか。
例えば外来生物とか。気になったので聞いてみたところ、
それとは別の問題が起きていることを教えてくれました。
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<< 現地レポートの様子 >>
三浦:あんまり外来種で困っているのはないですね。
ただ気候変動で積雪がなくなっているので
害虫の越冬がどんどん増えているのは体感であります。
あとは高温障害で耐えきれずに枯れてしまう、
品種特性として野菜が高温障害に耐えきれなくなっている
というのがここ数年思うところ。
爺さん婆さん世代から言われている
「二百十日になったら遅霜にならないからタネを撒け」
「金木製の花が咲いたらタネを撒く時期」といった格言があるんですが、
そういうのは一切関係なくなりました、もはや。
だからこそ日々の観察が必要で、
積算温度とかどういう状態かとかを観察が必要かなと思っています。
適応していくしかない。怖いからって逃げられないので。
先日も漁師さんと、亘理で今、とらふぐが上がっていて
大船渡で伊勢エビが上がっていて石巻でクエが上がっている。
タチウオが宮城県沖でたくさん上がっている
というふうに海に上がる魚が、さんまも鮭も取れずにいる。
それも海に合わせなきゃいけない。
ここの村の生き残り方として、
どんな天気になっても生き残れるやり方を考え方があって、
晴れが多くて天気が多い日はお米と枝豆と茄子と
かなりものがよく取れる。
雨が多くてじめじめしてお米がうまく取れない時期は
せりとミョウガよく取れるんです。
うどもよく取れる。と言うふうにリスク分散して
どんな天気の時でもなんとなく死なない程度の
収穫がある仕組み作りはこの村では出来上がってはいるんですね。

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宮城県名取市のセリ農家・三浦隆弘さんのお仕事の現場からの
リポートでした。
【今週の番組内でのオンエア曲】
・春風 / DWニコルズ
・太陽 / Maia Hirasawa Feat. おおはた雄一
宮城県名取市・三浦隆弘さんのセリ作り、リポートします。
実はセリって、春だけでなく、秋と冬にも旬があるということなんですが、
きょうはそんな「季節」「自然のサイクル」をめぐるお話です。
セリ作りのトップランナー・三浦さん、
その根っこにある自然観が、ちょっと目からウロコでした。
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<< 現地レポートの様子 >>

三浦: 夏以外はせりはあります。
食べ方は、冬は寒さに耐えて根っこの付け根部分にストレスが
溜まって甘みが溜まるので根っこがおいしいです。
春になると根っこに溜め込んだ旨味が花咲かせて味をつけようと
新芽の先、山菜みたいに茎や新芽に旨味が溜まるんです。
食感もバリバリになってきて。
それはおひたしにしたりホヤに会います。牡蠣にもあいます。
春の貝の甘みですね。あさりだし。
酒蒸しみたいなものに合います。
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高橋:春、秋、冬、それぞれセリの美味しい部分が違う。
そして季節ごとに海から上がってくる魚も違うし、
鹿肉・カモ肉などジビエの季節もある。
海のもの山のもの里のもの、季節ごとの食材とセリを合わせつつ、
左手で地元のお酒を迎えこむ、これが仙台に来ないと楽しめない贅沢。
三浦さん、そんなお話をしてくれました。
さて、先週は三浦さんの、「この土地で400年続いてきたセリ作りを、
次の400年へ繋ぐことが仕事のモチベーション」という言葉をお伝えしましたが、
400年先へつなぐために、三浦さんはどんなことをしているのか。
実は、セリだけでなく土地の生態系全体にまで考えを巡らせているんです。
>>>>>>>>>>>>>>
<< 現地レポートの様子 >>
三浦:生態系をまず観察することを決めました。
春夏秋冬ずっといる生き物と、その時にしかやってこない生き物と、
ねぐらと餌場として田んぼや畑を使う生き物がいるので、
それは何がいるのかを調べて、その生き物が野菜や農作物に
どういう関わりをするのか、害なのか益なのかを確認して、
ちょっとずつケミカルなものを減らしていくことによって
折り合いをつけていく
。5年、10年、15年かかりましたけどそういう形で。
急に変えると何でもそうですけど、リサージェンスが起きるので、
じわじわといろんなものの受け皿、ねぐら、
餌場になるようなものを考えました。だからこそ、コリドー、
回廊と言うんですが、鳥がやって来やすい木を植えるとか。
鳥も重要ですね。あとはここだとノスリが猛禽類の頂点にいまして、
そこに収まりが良いような植物は何が良いかなとか、
常緑樹を植えるか落葉樹を植えるか、食べられる庭づくり、
仙台は「いぐね」と呼ばれる基本植生なんですけど、
仙台は冬の間は山から海にずっと風が吹き続ける。
そこから田んぼや畑や家を守るために、
仙台平野のお家って東と北側に森を作るんです。屋敷林。
そこに用材、材料としてのものだったり果樹だったり、
薪だったり、アグロフォレストリーを作るのが仙台のたしなみというか
生き残り方だったんですね。
柿を植えていたのも三陸沿岸のお家にたくさん柿が植えてあるのも
干し柿を食べるためではなくてプラスチックになる前の漁網を
柿渋でなるべく長持ちさせるもの。
ということは柿を食べる鳥もそこにいるわけですよね。
何かしらそこに植えてあるものには意味があって、
それを学ぶところから有機農法的なオーガニック的なものに
意識を変えていて、今もヤギがいたり犬猫がいたり鶏がいたりするのは、
農家は食品工場ではなくて生態系やなりわいや手仕事、
暮らしの中を楽しむものも価値観としてあっても
良いんじゃないかなと思って。観察好きなんでしょうね。
見慣れない鳥が来るなとか、
鴨が来るけど鷺やシギ類来るのはなぜだろうとか。
夜にだけ来るのはなんだろうとか。楽しいですよね。
高橋:生態系を見ることがなぜ無農薬になるんですか?

三浦:頂点ではなく曼荼羅なんです。
生態系って。それぞれ関係しあっている。
勝つ負けるだけではない。ノスリが居心地が良い木が必要。
ノスリが何を食べているか。
食べる存在の小さな生き物の餌場とねぐらも必要。
それはうちの野菜にそれはどういう影響があるか、
むしろどういう野菜を作れば影響下の中バランスの中で
折り合いが取れるかと考えるのが楽しい。
今の時期はムクドリが増えてくるんですけれども、
ブロッコリーを植えておくとブロッコリーの葉っぱを
ムクドリが食べにたくさんやってくる。
せりには直接影響はないが、タシギですかね。
くちばしの長いフレンチで肉団子にして食べる鳥があるんですが
それも集団で夜にやってきて虫を食べてくれるんですよね。
タシギは可愛いし益鳥でもあるので。
アブラムシがせりにアブラムシがつくとアブラムシを食べる
てんとう虫類がたくさんやってきてくれる。
ということはてんとう虫が越冬できる場所が必要。
単一的な田んぼだけではなくて、
屋敷林とか緩衝地帯みたいなものが必要。
陸地と田んぼと。わかりやすいのはシュレーゲルアオガエル。
普段生きているの竹やぶとか灌木林にいるんですが産卵は水田の畔の、
道と田んぼの隙間のところに卵を産む。
オタマジャクシの時に田んぼが必要なので、
やぶと田んぼを移動する存在なんですね。
カエルは肉食、雑食なのでせりに悪さをする
芋虫類をたくさん食べてくれる。
ニホンアカガエルとアマガエルとシュレーゲルアオガエルと、
それぞれいろんなカエルがいるとそれはそれで楽しい。
クモも上のほうに糸を張るクモと水面を走るクモがいるので、
それもいろんな種類が入るのが調べるのが楽しいです。
せりの作業をしていて変な生き物がいるなと思ったら
興味があるじゃないですか。これなんだろうと。

>>>>>>>>>>>>>>
高橋: 「屋敷林」、東北などで見かけたことのある人も
いるのではないでしょうか。
三浦さんは、いろんな木を植えることで、新たな生き物がやってくるという。
例えば三浦さんは生食用のイチジクを植えてみたところ、
オオヨシキリという小さな鳥が巣作りするようになったのだそう。
夏の入り口にやってくる鳥ということで、季節の移り変わりが可視化できた、
なんて話も。
ただ、あんまりよろしくない生き物が来ることはないのか。
例えば外来生物とか。気になったので聞いてみたところ、
それとは別の問題が起きていることを教えてくれました。
>>>>>>>>>>>>>>
<< 現地レポートの様子 >>
三浦:あんまり外来種で困っているのはないですね。
ただ気候変動で積雪がなくなっているので
害虫の越冬がどんどん増えているのは体感であります。
あとは高温障害で耐えきれずに枯れてしまう、
品種特性として野菜が高温障害に耐えきれなくなっている
というのがここ数年思うところ。
爺さん婆さん世代から言われている
「二百十日になったら遅霜にならないからタネを撒け」
「金木製の花が咲いたらタネを撒く時期」といった格言があるんですが、
そういうのは一切関係なくなりました、もはや。
だからこそ日々の観察が必要で、
積算温度とかどういう状態かとかを観察が必要かなと思っています。
適応していくしかない。怖いからって逃げられないので。
先日も漁師さんと、亘理で今、とらふぐが上がっていて
大船渡で伊勢エビが上がっていて石巻でクエが上がっている。
タチウオが宮城県沖でたくさん上がっている
というふうに海に上がる魚が、さんまも鮭も取れずにいる。
それも海に合わせなきゃいけない。
ここの村の生き残り方として、
どんな天気になっても生き残れるやり方を考え方があって、
晴れが多くて天気が多い日はお米と枝豆と茄子と
かなりものがよく取れる。
雨が多くてじめじめしてお米がうまく取れない時期は
せりとミョウガよく取れるんです。
うどもよく取れる。と言うふうにリスク分散して
どんな天気の時でもなんとなく死なない程度の
収穫がある仕組み作りはこの村では出来上がってはいるんですね。

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宮城県名取市のセリ農家・三浦隆弘さんのお仕事の現場からの
リポートでした。
【今週の番組内でのオンエア曲】
・春風 / DWニコルズ
・太陽 / Maia Hirasawa Feat. おおはた雄一