先週に引き続き仙台のご当地グルメ「セリ鍋」の仕掛け人、
宮城県名取市・三浦隆弘さんのセリ作り、リポートします。
実はセリって、春だけでなく、秋と冬にも旬があるということなんですが、
きょうはそんな「季節」「自然のサイクル」をめぐるお話です。
セリ作りのトップランナー・三浦さん、
その根っこにある自然観が、ちょっと目からウロコでした。


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<< 現地レポートの様子 >>



三浦: 夏以外はせりはあります。
食べ方は、冬は寒さに耐えて根っこの付け根部分にストレスが
溜まって甘みが溜まるので根っこがおいしいです。
春になると根っこに溜め込んだ旨味が花咲かせて味をつけようと
新芽の先、山菜みたいに茎や新芽に旨味が溜まるんです。
食感もバリバリになってきて。
それはおひたしにしたりホヤに会います。牡蠣にもあいます。
春の貝の甘みですね。あさりだし。
酒蒸しみたいなものに合います。


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高橋:春、秋、冬、それぞれセリの美味しい部分が違う。
そして季節ごとに海から上がってくる魚も違うし、
鹿肉・カモ肉などジビエの季節もある。
海のもの山のもの里のもの、季節ごとの食材とセリを合わせつつ、
左手で地元のお酒を迎えこむ、これが仙台に来ないと楽しめない贅沢。
三浦さん、そんなお話をしてくれました。

さて、先週は三浦さんの、「この土地で400年続いてきたセリ作りを、
次の400年へ繋ぐことが仕事のモチベーション」という言葉をお伝えしましたが、
400年先へつなぐために、三浦さんはどんなことをしているのか。
実は、セリだけでなく土地の生態系全体にまで考えを巡らせているんです。


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三浦:生態系をまず観察することを決めました。
春夏秋冬ずっといる生き物と、その時にしかやってこない生き物と、
ねぐらと餌場として田んぼや畑を使う生き物がいるので、
それは何がいるのかを調べて、その生き物が野菜や農作物に
どういう関わりをするのか、害なのか益なのかを確認して、
ちょっとずつケミカルなものを減らしていくことによって
折り合いをつけていく
。5年、10年、15年かかりましたけどそういう形で。
急に変えると何でもそうですけど、リサージェンスが起きるので、
じわじわといろんなものの受け皿、ねぐら、
餌場になるようなものを考えました。だからこそ、コリドー、
回廊と言うんですが、鳥がやって来やすい木を植えるとか。
鳥も重要ですね。あとはここだとノスリが猛禽類の頂点にいまして、
そこに収まりが良いような植物は何が良いかなとか、
常緑樹を植えるか落葉樹を植えるか、食べられる庭づくり、
仙台は「いぐね」と呼ばれる基本植生なんですけど、
仙台は冬の間は山から海にずっと風が吹き続ける。
そこから田んぼや畑や家を守るために、
仙台平野のお家って東と北側に森を作るんです。屋敷林。
そこに用材、材料としてのものだったり果樹だったり、
薪だったり、アグロフォレストリーを作るのが仙台のたしなみというか
生き残り方だったんですね。
柿を植えていたのも三陸沿岸のお家にたくさん柿が植えてあるのも
干し柿を食べるためではなくてプラスチックになる前の漁網を
柿渋でなるべく長持ちさせるもの。
ということは柿を食べる鳥もそこにいるわけですよね。
何かしらそこに植えてあるものには意味があって、
それを学ぶところから有機農法的なオーガニック的なものに
意識を変えていて、今もヤギがいたり犬猫がいたり鶏がいたりするのは、
農家は食品工場ではなくて生態系やなりわいや手仕事、
暮らしの中を楽しむものも価値観としてあっても
良いんじゃないかなと思って。観察好きなんでしょうね。
見慣れない鳥が来るなとか、
鴨が来るけど鷺やシギ類来るのはなぜだろうとか。
夜にだけ来るのはなんだろうとか。楽しいですよね。


高橋:生態系を見ることがなぜ無農薬になるんですか?



三浦:頂点ではなく曼荼羅なんです。
生態系って。それぞれ関係しあっている。
勝つ負けるだけではない。ノスリが居心地が良い木が必要。
ノスリが何を食べているか。
食べる存在の小さな生き物の餌場とねぐらも必要。
それはうちの野菜にそれはどういう影響があるか、
むしろどういう野菜を作れば影響下の中バランスの中で
折り合いが取れるかと考えるのが楽しい。
今の時期はムクドリが増えてくるんですけれども、
ブロッコリーを植えておくとブロッコリーの葉っぱを
ムクドリが食べにたくさんやってくる。
せりには直接影響はないが、タシギですかね。
くちばしの長いフレンチで肉団子にして食べる鳥があるんですが
それも集団で夜にやってきて虫を食べてくれるんですよね。
タシギは可愛いし益鳥でもあるので。
アブラムシがせりにアブラムシがつくとアブラムシを食べる
てんとう虫類がたくさんやってきてくれる。
ということはてんとう虫が越冬できる場所が必要。
単一的な田んぼだけではなくて、
屋敷林とか緩衝地帯みたいなものが必要。
陸地と田んぼと。わかりやすいのはシュレーゲルアオガエル。
普段生きているの竹やぶとか灌木林にいるんですが産卵は水田の畔の、
道と田んぼの隙間のところに卵を産む。
オタマジャクシの時に田んぼが必要なので、
やぶと田んぼを移動する存在なんですね。
カエルは肉食、雑食なのでせりに悪さをする
芋虫類をたくさん食べてくれる。
ニホンアカガエルとアマガエルとシュレーゲルアオガエルと、
それぞれいろんなカエルがいるとそれはそれで楽しい。
クモも上のほうに糸を張るクモと水面を走るクモがいるので、
それもいろんな種類が入るのが調べるのが楽しいです。
せりの作業をしていて変な生き物がいるなと思ったら
興味があるじゃないですか。これなんだろうと。




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高橋: 「屋敷林」、東北などで見かけたことのある人も
いるのではないでしょうか。
三浦さんは、いろんな木を植えることで、新たな生き物がやってくるという。
例えば三浦さんは生食用のイチジクを植えてみたところ、
オオヨシキリという小さな鳥が巣作りするようになったのだそう。
夏の入り口にやってくる鳥ということで、季節の移り変わりが可視化できた、
なんて話も。

ただ、あんまりよろしくない生き物が来ることはないのか。
例えば外来生物とか。気になったので聞いてみたところ、
それとは別の問題が起きていることを教えてくれました。



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三浦:あんまり外来種で困っているのはないですね。
ただ気候変動で積雪がなくなっているので
害虫の越冬がどんどん増えているのは体感であります。
あとは高温障害で耐えきれずに枯れてしまう、
品種特性として野菜が高温障害に耐えきれなくなっている
というのがここ数年思うところ。
爺さん婆さん世代から言われている
「二百十日になったら遅霜にならないからタネを撒け」
「金木製の花が咲いたらタネを撒く時期」といった格言があるんですが、
そういうのは一切関係なくなりました、もはや。
だからこそ日々の観察が必要で、
積算温度とかどういう状態かとかを観察が必要かなと思っています。
適応していくしかない。怖いからって逃げられないので。
先日も漁師さんと、亘理で今、とらふぐが上がっていて
大船渡で伊勢エビが上がっていて石巻でクエが上がっている。
タチウオが宮城県沖でたくさん上がっている
というふうに海に上がる魚が、さんまも鮭も取れずにいる。
それも海に合わせなきゃいけない。
ここの村の生き残り方として、
どんな天気になっても生き残れるやり方を考え方があって、
晴れが多くて天気が多い日はお米と枝豆と茄子と
かなりものがよく取れる。
雨が多くてじめじめしてお米がうまく取れない時期は
せりとミョウガよく取れるんです。
うどもよく取れる。と言うふうにリスク分散して
どんな天気の時でもなんとなく死なない程度の
収穫がある仕組み作りはこの村では出来上がってはいるんですね。




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宮城県名取市のセリ農家・三浦隆弘さんのお仕事の現場からの
リポートでした。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・春風 / DWニコルズ
・太陽 / Maia Hirasawa Feat. おおはた雄一

高橋:3月16日、夜遅くに福島県沖で発生した最大震度6強の地震・・・
11年前を思い出すような、大きな地震でしたね
皆さん、怪我などされなかったでしょうか。
宮城県の女川町では、町をあげて20日に大きなイベントがあったのですが
しばらく余震の心配と、鉄道や道路にも被害が発生したため「中止」になってしまいました。 
地元の方からも、悔しい・・・という声、届いています。



高橋:今週は、宮城県仙台市のお隣、名取市からのリポートです。
この番組でも何度かお伝えしている、私の大好きな「セリ鍋」。
そのセリの生産量日本一の産地が、名取市なんですが
今日は、そのセリを根っこごと食べる「セリ鍋」を広めた仕掛け人の一人・・・
名取のセリ農家・三浦隆弘さんのインタビューをお届けします。
コンコンと水が湧き出す、セリの水田でお話を伺いました。



(三浦農園・三浦さんと万里恵さん)

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高橋:三浦さんお会いしたかったですよろしくお願いします!これがせりの?

三浦:遠路はるばるありがとうございます。
水の中で野菜を作るのでせりの田んぼという呼び方をします。
春の七草や万葉集に乗っているくらい
日本中の水辺に入れていた草なんです。
それを昔の方は冬を生き残るために食べていた。
1000年かけて野草を野菜に変えて食べ物に変わった品種です。
なので日本中の田んぼに元々せりは生えているんですね


(三浦農園”セリ”の田んぼ)

高橋:水の音が聞こえます

三浦:この場所ってちょっと穴を掘ったり
地下を掘るとすごくたくさん水が流れている場所で、
だからこそ水をたくさん使うせりみたいな野菜が
栽培に適した場所なんです。地下90メートルくらい
井戸を掘って組み上げているんですけれども、
1年中温度が15度くらいで一定なので、
冬の時期で外気温がマイナスだとあったかい湯気が
もくもく出る田んぼになります。
そういう水の恵みでせりという野菜は出来上がっています。




三浦:作業着は、渓流釣りをする人たちが着る
胴長と呼ばれるものです。
これで田んぼの中で膝をついて泥まみれになって手で収穫します。


  

高橋:せり鍋は震災前からあったんですよね

三浦:震災前の2003年、04年くらいから
スローフードや野菜ソムリエの方と
仙台の小さなお店で始まったものですね。
家庭からではなく仙台の飲食店から始まった取り込み。
いな穂という小さいお店なんですが、
私はずっといな穂さんに育てていただいた農家で、
せり鍋の言い出しっぺの1人として。



(「せり鍋」)


(三浦農園のせり)

高橋: 仕掛け人みたいな感じですか?

三浦:そうです。
震災によって仙台にいろんな支援の方がいらっしゃるようになって、
そこで地元のものにより光が当たるようになったんですね。
それでせり鍋を仙台で食べるという応援の取り組みが
広がったのが大事なところかなと思います。
あとは仙台って、地元のものがあんまりなくて、
海外から来た牛の舌が名物になる街でもあったので、
地元のおいしい野菜、地元の旬の野菜を応援することで
この街に来る人、街に住んでいる人も、
この街が良い街だと確認し合う作業みたいなんですね。
あとは秋田のきりたんぽやだまこ鍋が名物になっていましたが
出荷する量は宮城県がずっと日本一なんですね。
ということは名取でおいしいせりを作っても食べる方は
「秋田のきりたんぽはおいしいね」と言って食べていたわけです。
そこでもやもやするものもあってでもやっぱり地元のものを
地元で食べて欲しいなというのが取り組みの
最初のきっかけにはなりましたね。あとはそもそも、
せり鍋以前はせりの根っこを食べる文化は仙台にはありませんでした。
取り組みの最初は、「草の根っこを食わせてカネとるのか三浦くん」
とずいぶん怒られましたね。食べてみると
根っこの付け根部分が実際美味しくて、ほろ苦いくて後引く甘さで。
あれをぜひ体感してほしいし、
ペアリングとかテロワールと言いますが
地元のお酒と地元の魚と肉と、食文化として
楽しんでもらえるようになったら
この街はもっとおいしいものがたくさんある豊かな街に
なれるんじゃないかなと思っています。


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高橋:名取のセリ農家・三浦さんや、仙台の飲食店など、
草の根的な取り組みとして始まったのが、仙台名物セリ鍋だったという…。

ちなみに三浦農園のすぐそばには、
mapで見ると古墳や弥生時代の集落の遺跡があるのが分かります。
本当に古くから人が暮らしていた地域。
そこで生まれ育った三浦さん。こんな想いでセリ作りをしていると言います。


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三浦:私は家でいうと7代目ですが、
この場所自体が400年前くらいからずっと
セリを作っている村なんですよ。
古文書にも、殿様が来たときにここで
セリでおもてなししたとか京都のお公家さんに
庄屋のおじさんがせりを送って喜ばれたとかいう
古文書が残っているくらいで。
良い水がたくさんあるようなところでせりをたくさん作って、
それでここは歴史的に暮らしてこられていたんですね。
そういうルーツも大事にしたかったというのもあります。
在来作物とか伝統野菜の大事なことって、
やっぱり先祖とか地域のおじいちゃんおばあちゃんから
受けつないだバトンを、いかに未来につなぐかだと思うんですよ。
だからこそ受け渡したバトンをなるべく
良い状態で次の世代をつなげたいというのが、
バトンを受け渡された側の私の今の仕事のモチベーションで、
なのでいかに少ない面積でたくさんせりを作るというのとは
ちょっと違っていて、やっぱりおいしいせりを、
400年続いたからには400年後も大丈夫な野菜を作ると考えると、
絶滅危惧種の生き物もいるしいろんな雑草も
生えていますけれどもちょうど良いバランスを保つことの方が
土や水にとっては持続可能性があるのかなと。


高橋:有機農法で無農薬でやってらっしゃる?

三浦: そうですね。
農薬や化学肥料を使わずにオーガニックな無農薬、無化学肥料。
イトミミズが土の養分を食べてくれて、
そのふんがせりの栄養になるんですね。
イトミミズがここでも数億匹いると思うんですけど、
そのふんがせり以外の草の種を埋め込んでくれる、
冬水田んぼみたいな効果があるんです。
一言で言うと生き物の居心地が良い土を作っている。



(土がプルップル!)

三浦:だからこそちゃんと根っこを洗ってくれる料理人さんと。
1人前せり鍋は150グラムだが料理人さんは
大体15分から20分かけて洗いますので、
それをみんな2、3分で食べますんで(笑)。



(三浦農園のせり)

高橋:皆さんはどうやって洗ってるんですか?

三浦:歯ブラシです。
仙台の飲食店ではせり鍋専用の歯ブラシがあって、
歯ブラシと一緒に腱鞘炎と戦う学生バイトがたくさんおります。
だからこそ、肉や魚など熟成で美味しくなるものがありますが
野菜は収穫した途端に品質が劣化していきますからなるべく早く
良い状態で食べてもらうには、
産地の近くで食べてもらうのが一番かなと思います。




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高橋: 宮城県名取市のセリ農家・三浦隆弘さんのお仕事の現場からの
リポートでした。来週も、この続きをお届けします!


【今週の番組内でのオンエア曲】
・If Ever/ Paula Fuga, Jack Johnson & Ben Harper
・BLUE SOULS_A_o, ROTH BART BARON & アイナ・ジ・エンド

高橋:宮城県東松島の森をめぐりながら、
東北沿岸部に根付く植物とはどんなものかを探る企画。
今回も、さらにマニアックな、ディープな世界をお届けします。
植物に異常な愛情を見せる東京農業大学・西野文貴さん、
私たちを東松島の道路から外れたところにある、うっそうとした茂みの奥へ
連れていき…ある植物を目の前に、おもむろに何かをバッグから取りだしました。
その何かとは・・・?




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高橋:シロダモの葉っぱをこのまま入れるんです

西野:今日は植物の匂いをちょっと抽出してみたいな
と思うんですけど、これは結構冬にオススメで、
一番良いのはクスノキとか結構匂いの強いやつがいいんですが、
今日は同じクスノキ科のシロダモを用意していただいて、
葉っぱをちぎって、温かいお湯が入った水筒があるので
その中に入れていきます。


高橋:お茶みたいな感じですね。


(シロダモ)

西野:植物の匂いって芳香蒸留水と言って煮だして
匂いを取ったりする方法があったりするんですが、
その取り方が水蒸気蒸留やエタノール蒸留などに
いろんな取り方があるんです。
皆さんが巷でアロマセラピー的にやっているエッセンシャルオイルでも
蒸留した後に最後に残る油みたいなものがあるんですが、
今からやるのはそれを取るわけでは無いんですが
植物の匂いをただ葉っぱをちぎって嗅ぐだけではなくて、
もう少し鮮明に!


高橋:ちぎっていても、ちょっと良い匂いがしてきた!


(シロダモの葉っぱ)

西野:熱めのお湯を入れています。
それを振って、本来手軽に家でそういうのをやってみたいとなれば、
使っていないやかんとかを水に入れて、
水の時から葉っぱを入れて弱火で少しずつ温めると
ものすごく匂いが抽出いつもなら30分すると匂いがすごく出てきます。
今日はこの時点で開けて匂ってみましょう。


高橋:…すごい匂いがする!アロマ水じゃないですか。
こんなに良い香りが。おしゃれなカフェの匂い。意識高いカフェの匂い。こうやって葉っぱに近づけても何の匂いもしないですけど


西野:ここで不思議に思いませんか。
なぜ植物は匂いを出さなきゃいけないんですか?


高橋:フェロモン。ハーブのように昆虫をつけない?

西野:正解です。
もともと、当然いろんな説がありますが、
いろんなことがあるが、基本的には害虫に
自分の葉っぱが食べられないようにするためと言われています。
例えば桜も匂いを出します。
若い葉っぱが匂いを出したりするのが多いですよね。
何故かと言うと、もし自分が虫になったときに葉っぱ食べるとなったら
硬い葉っぱと柔らかい葉っぱはどちらがいいかというと
柔らかい葉っぱがいいですよね。
だから若くて柔らかい葉っぱの方が匂いをたくさん出すと言うのも
結構あったりしますが、絶対ではないです。
そういうことが言われていたりします。


高橋:こんなにいい匂いがするんですね

西野:僕らにとっては良いですが
虫たちにとってはこれは食えないなと諦めるんですね。
これも自然の奥ゆかしい生存戦略、
生きるためのそれぞれの知恵というのが
今日ちょっとでも垣間見えたらいいなと。


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高橋:お茶を炒れるように熱湯でシロダモの葉っぱのニオイを抽出する。
初めての経験でした。途中に茶番劇もありましたが、
植物が葉っぱの中に秘めている、生存のためのスゴイ能力を本当に垣間見た感じ。
そして西野さんの植物に対する異常な愛情の一端も垣間見られました。


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西野:今日はちょっと、カメラとiPadを駆使して、
ちょうどシロダモが目の前にあるんですけど、
これは白だもの冬芽といってこれから葉っぱを出す前の準備段階、
小さな芽なんですよね



(シロダモの新芽)

高橋:つぼみに見えますね。

西野:大きさ的には小指よりちょっと長くて、
箸の先みたいな感じに見えると思うんですが、
葉っぱって自分がもし赤ちゃんだとしたらいきなりこんなに
雨風にさらされたら厳しいですよね。
なので実は葉っぱには芽鱗という葉っぱを守るための防御があって、
それを写真を撮ってiPadに移して拡大してみます


高橋:何かたけのこみたいな

西野:めちゃめちゃ毛が。
実はシロダモって僕はお気に入りの新芽や冬芽のランキング3に
入るくらいです。




(シロダモの新芽)

高橋:うん。いろいろ気になりますが、、、

西野:何がポイントって、いま画面にも出ている毛が
めちゃめちゃ多いので、この時点でちょっと触ると
今日はちょっと寒いからわかりにくいですが
ふかふかしているんです。
これをぜひ今年の春、シロダモの葉っぱが出てくるときに
このふかふかのまんま出てくるんですよ。
若いときの葉っぱが毛むくじゃらのままなんですね。
これが新芽のときの葉っぱは、何ヶ月かしかないので
ぜひもしシロダモに興味がある方は新芽を今年は見て触っていただいたら、
高級毛布みたいな



高橋:今もモフモフですがこのままくるんですね

西野:僕はシロダモの若い葉っぱの新芽で
布団を作りたいくらい。


高橋:注意して見てなかったから、そんな毛が生えているとは想像つかない

西野:今年は注目して、この1年楽しんでいただけたらと思います。

高橋:植樹で植えてますしね

西野:今年はちょっと植樹でもそういうのを
見ながら一緒にやっていくのもいいかもしれないですね


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【今週の番組内でのオンエア曲】
・瞳に映らない / indigo la End
・ハレルヤ / セカイイチとFoZZtone


高橋:東京農業大学の林学博士、西野文貴さんと共に、
いつも植樹しているその土地本来の樹=“潜在自然植生”が実際にどんなところに
生えているのか、宮城県東松島市の森でフィールドワークしてきました・・・
そして今回は、鎮守の森のプロジェクトでは植樹しない樹、「松」にスポットをあててお送りします。

東北沿岸部には、元々どんな植物が根付いていて、
東日本大震災からまる11年が経った現在、どうなっているのか。
またそこからさらに年月が経った最終的な森…専門用語で「極相林」は
どんな姿になるのか。
11年前の津波では、海岸の松が数多く流されてしまったことが知られていますが、
実はこの松にも、この地域の自然の中では役割がありました。


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西野:せっかく現場に来たので、
いつも植えている植物の他の針葉樹・松!


高橋:震災後に植樹をしてきて松は海岸線に植えられるが根っこが張らない津波で流される印象があって、植えるなという誤解をしているということでしょうか?

西野:なんでもバランス。
自生地を観るツアーなので、クロマツの自生もみよう。
いままでのイメージがどう変わるか。
いまクロマツの自生地、野蒜海岸の海岸沿い。
海岸から距離として150mくらいの岩場に来ているが
ちょうど目の前にクロマツが。クロマツは土壌が薄い、
栄養があまりないところ、潮風がいっぱい吹くところに多いが、
そのとなりにヒサカキが。植樹で植える木。
つまりクロマツは完全に悪ではない。
ヒサカキやイヌツゲ、ヤブコウジなどとクロマツは
一緒にいて生きてくる。


高橋:そう考えて8つを見つけられるとハッピーになりますね。高さは1メートルもないですね

西野:「極相林」という大人の森になると
クロマツは出てこないが、森のスタートでは風が強く
土壌が薄くクロマツのチカラも借りないといけないというのは
あるかなと個人的にも思っています。
鎮守の森のプロジェクトでも海岸のすごい風の強いところでは
クロマツの力を借りることもあります。


高橋:いまはクロマツが必要?

西野:クロマツは風に強いので海岸に防風林として
植えられたもの。でもこれから先クロマツだけでよいのかというと、
東日本大震災の経験を経て、
鎮守の森が津波の中でも残ったことを踏まえると、
これからはクロマツのチカラだけでなく
潜在自然植生のちからも借りて災害に備えようと思っていますね。


高橋:でも本当はこのクロマツは地球でどこが居心地がいいのでしょうか?

西野:難しい質問ですね。
オオバコって人が歩いているところに生える植物。
人が踏まれるのが好きなわけではない。
人に踏まれても耐えられるからそこで子孫繁栄ができる。
クロマツも本来は土壌がふかふかのところに行きたいが、
そこは先にタブノキなど違う広葉樹が入ってきてしまうので入れない。
でもタブノキは土壌が薄い、栄養がないと入れない。
じゃあ自分が入れる、耐えられるということで
適応できるということで存在する。
そういう意味ではタブノキのもっと最前線の海岸よりは
塩が強すぎるところはクロマツは耐えられて、
ニッチ・分布を占めているというイメージかも。
クロマツも研究でわかってきているけど、
土壌がたくさんあれば根っこもたくさんおろせることが
少しずつ分かってきています。
林野庁が海岸に新たにクロマツを植えるところは、
地中の水があまり来ないように土壌の厚さを厚くして
根っこがいっぱい生えるように対策をしながら震災後は植樹しています。


高橋:どんなふうに育つんですか?

西野:実験的でもあり前よりバージョンアップして
次の震災津波に備えることをしているんじゃないか。


高橋:遠くに大きな松が?

西野:あの上は土壌が薄く雨が降ると
栄養がだだ漏れする。土地は質素。
そういう場所の極相は土地的極相林と呼び、
もしかするとタブノキではなくクロマツが極相になる場合もある。
でも、いま僕らがいる海岸からちょっと離れた
平地はすすきが生えている。
本来はここもクロマツは制したい陣地取りたいが入れない。
すすきが先に入りやすいという生存戦略に負けてしまった、
というか「譲った」。そういうことで自然はパズルで成りたっている。
そこでややこしいのが外来種、これがニッチに入ってくる。
セイタカアワダチソウはニッチを早く取れる。
ちょっと空き地が出るとすぐ陣地を
取って入ることができるのが特徴ですね。




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高橋:来週は、東松島の森から、アロマの香りが!?
西野さんに教わる、葉っぱを使った「植物の香りの抽出方」についてお伝えします。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・Starstruck (SIRUP Remix)/Years & Years, SIRUP
・ここにしか咲かない花/コブクロ

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