北海道東部・阿寒国立公園にある湖・オンネトー湖のキャンプ場で行われた、「モーラナイフアドベンチャー in Japan」。
自然と向き合いながら、アウトドアのスキルも身につくこのイベントの模様を何回かに分けてお届けしています。今週は、ナイフなど最低限の道具でアウトドアで生活するためのスキル、「ブッシュクラフト」のワークショップの模様を届けします。
教えてくれたのはこのために来日した、アメリカのブッシュクラフトの達人、デイブ・カンターベリーさんです。


 ブッシュクラフトにはいろんな意味がありますが、もともとは大昔、その土地に、家もない状態で人々が住んでいた時に、そこにあるものを使って日々の生活の道具を作り、サバイバルをしていた状態がブッシュクラフトの始まりです。野営をする時、あるいはサバイバルのような状態になる時に、持っていったほうがよいものを自分で選び、持っていかなくてもいい、その場所にあるものでできることを知っておくこと、発見すること、学ぶこと、そしてそれをできるようになることがブッシュクラフトの基本です。
 アルプスの氷河で3500年前に生きていた人間が、氷の中でほとんどその時の状態のまま発見されたことがありました。彼はアイスマンと呼ばれていますが、凍って腐っていなかったんですね。彼の身体や歯や内臓を調べて、その時に彼が何を食べてどんなサバイブをしていたのかが研究によってわかってきました。それはこのブッシュクラフトの考えのとても基本的なところ。つまり、何を持っていくべきか、何をそこで使って道具にするべきかということです。アイスマンからブッシュクラフトは多くを学んでいます。アイスマンはいくつかの道具と呼ぶべきものを持っていました。まずものを切るナイフ。そして火を起こすための道具を持っていました。寒さや雨から体を守るためのもの、帽子や上着や毛で作ったズボンや靴も持っていました。また、何かを結ぶためのロープのようなものも持っていました。これらは自分の体を冷やさないためにとても必要なものです。

 私はまず3つのもの持っていきます。まずはナイフ。次に火を起こすもの。ライターがあればベスト。ライターがなければ火花を散らすファイヤースティール。この道具は濡れても大丈夫なんですね。それからレンズですね。レンズがあれば太陽光を使って火を起こすことができる。その他タープという、雨をカバーする幌にもなるし、自分が被って雨を防ぐこともできるものを持っておくべきです。いろんな使い方ができるロープも持っておいた方が良いです。1番重要なのはとても早く迅速に火をどのように起こすか。それによって料理をすることもできてお湯を作ることもできて、煙を上に登らせてエマージェンシーの印として人に知らせることもできる。まず最初に教えたいのは今ある場所に置いて火を起こすためのベーシックな道具をどのようにして見つけるかです。では、これからちょっと外を歩いてみましょう。

 ブッシュの中を歩いているときに重要なのは、自分が必要なものを探しながら歩くということです。その時に必要ではなくても後に必要になるかもしれないから、それを取っておくということです。例えば白樺の木を見つけて、それが乾燥していて皮がすぐに剥けると思ったら、剥いて少しポケットに入れておく。それが後で役に立ってきます。樺はオイルをたくさん含んでいるので火がつきやすいんです。今日のようにちょっと濡れている日でも火を起こすことができます。そういうことを覚えておくことも重要です。

 そして、起こした火をさらに大きな火にするための木を次に選びます。それはなるべくドライで指のサイズ位の木がいいです。それを選ぶときに重要なのは、生きている木ではなくて倒木、倒れている木であること。そして、音に注目してください。……ぽきっという音がする木です。じゃあ向こうに戻って火を起こしましょう。


ということで以前にも教えてもらったナイフを使った火起こしに挑戦!



火花は出るのになかなか燃えません…


やっと火がつきました!

そして、デイブさんは火の起こし方のほか、アウトドアで役立つロープの結び方や、ターブを使った雨のしのぎ方なども教えてくれました。


来週も引き続きモーラナイフアドベンチャー in Japanの模様をお届けします!

モーラナイフアドベンチャー in Japan facebookページ
https://www.facebook.com/moraknivadventureinjapan/

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Gone, Gone, Gone / Phillip Phillips
・Don't Need The Real Thing / Kandace Springs
北海道東部・阿寒国立公園にある湖・オンネトー湖のキャンプ場で行われた、「モーラナイフアドベンチャー in Japan」。北海道の自然の中に身をおき、自然と向き合いながら、アウトドアのスキルも身につくイベントの模様を先週からお届けしています。
今週はこのイベントのメインのひとつ、モーラナイフを使った木工ワークショップの模様を中心にお届けします。先生は、モーラナイフの公認アンバサダーとして来日した
スウェーデンを代表する木工作家、ヨゲ・スンクヴィストさん。

日本はもとより、台湾、タイなどからの参加者およそ50人にウッドカービングナイフという木工ナイフが配られ、ワークショップが始まりました!




ヨゲ・スンクヴィストさんはスウェーデンを代表する木工作家。木でスプーンを作ったり、馬をや鳥、箱を作って、スウェーデンの伝統的な色をつけています


今回使う材料は白樺です。切ったばかりの新鮮な気を使います。


刃先はひげがそれるほど鋭いですが、置くだけでは何も切れません。だけど、スライスすると切れます。だから、スライスするアクションを必ず入れるようにしてください。これは斧にもナイフにも共通するルールです。


ヨゲさんの講義を受けて、さっそくバターナイフ作りに挑戦。まずは丸太を割るところからスタート!


さらに細かく割っていきます。


日本では親指でナイフを押して削っていきますが、そうすると親指がすぐ痛くなってしまいます。スウェーデンの人たちは体全体を使うんですね。


この削り方は自分に向かって削るので、危ないようですが、先に手の平が体に当たるので、実は安全なんです。しかも作業台がいらないので、アウトドアで作業するときにはいいんです。


ヨゲさんに教えてもらいながら…



家に持ち帰って作業を続けてここまできました!
上は高橋万里恵作、下は番組ディレクター作。

そしてワークショップのあと、ヨゲ・スンクヴィストさんにスウェーデンの森についてお話をうかがいました。

 小さい頃から木工に適した木を求めて森の中を散歩するっていう、そんな感じでした。たとえばスプーンはカーブしていますよね。そのカーブにあった木を探して、それをそのとおりに削ることで、美しくて丈夫なスプーンができる。椅子を作るのであれば、背中をうまくサポートしてくれるカーブがあるような木を探します。そうやって木をハンティングしながら、森を歩いていました。

~ヨゲさんはたくさんの種類のナイフを使っていらっしゃいますが、いちばんのお気に入りはありますか?
これが一番好きなナイフで、25年使っています。この刃の部分はだいぶ幅が狭くなっていますが、研いで、研いで使っているからこんなに幅が狭くなってしまったんです。

これはもう3代目です。でも柄の部分はずっと同じです。柄にはスウェーデンの詩を表現した絵が書いてあります。人のような形が自分で、そこには森があって、星が出ていて、そういう美しいところに自分が住んでいる。それは宇宙にもつながっているという、そういうことを表現した詩です。私たちは自然の一部であって、自然の中で生かされている。だから、木工のために木を選ぶときにも正しい木を選んであげて、しかもその木に必ず語りかけることにしています。「あなたはスプーンになりたいかい?」って。そして「いいよ」って言ってくれたらその木をスプーンにしてあげる。そういう思いを込めた詩がここに書かれているんです。


モーラナイフアドベンチャー in Japan ヨゲ・スンクヴィストさんのワークショップの模様、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Say My Name / Odesza
・Summer Guest / Asgeir

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今週からはみなさんに、北海道の、夏の自然を一緒に感じてもらいたいと思います。
取材してきたのは、北海道東部 阿寒国立公園にあるオンネトー湖という湖で行われたモーラナイフアドベンチャー in Japanというアウトドアイベントです。

このモーラナイフ。スウェーデン生まれのアウトドアナイフです。アウトドアの様々なシーンで使えて、火起こしもできちゃう・・・というもので、以前番組でも紹介しました。
そんなモーラナイフによるアウトドアイベントが、モーラナイフアドベンチャー。
日本初開催の会場となった、このオンネトー湖は森に囲まれた周囲2.5キロの湖です。湖面はとても静かで、オンネトーブルーと呼ばれる独特の青なんです。時間帯や季節でその色を変化させるそうで、とても美しいんです。雌阿寒岳、阿寒富士の麓にあるので、お天気の良い日には2つの山が湖面にきれいに映る姿もみることができるんです。


そんなオンネトー湖のほとりから、モーラナイフアドベンチャーはスタート。
イベントを運営するアウトドアショップ「UPIアウトドア鎌倉」の寒川さんの案内で、我々参加者一行は、湖畔の森へと入っていきました・・・。


モーラナイフアドベンチャーという、日本ではじめてやるイベントなんですが、実は先月、スウェーデンでは第二回目が行われて。、僕も参加しました。たとえば地図とコンパスを見て森の中を歩いたりとか、森を楽しみながらナイフを学んでいくというもので、本国は4日間だったのですが、ここ北海道では3日間です。スウェーデンからもアンバサダーといわれる、木工ナイフの達人であったり、ブッシュクラフトの神様のような人たちが、いま日本に続々といらっしゃっていて、そして今回は日本からも、北海道出身の長野修平さんという方がアンバサダーとして、アイヌの木工を教えてくれることになっています。 
会場となるキャンプ場はオンネトー湖のいちばん奥にあるんですが、今日これからはオンネトー湖の周りをトレッキングして、どんな湖なのかまず知っていただきたいと思います。そして、そこから先はいろんなテクニックを学んでください。(寒川一さん)



キャンプ場はちょうど対岸。こ30分くらいかかります!


北海道の植生はトドマツとエゾマツがほとんどなんですよね。


ところどころ朽ちた木道が


湖に大きな倒木が水に浸かっていて、オブジェみたい!


オンネトー湖の色はミルクがかったターコイズグリーンというか、翡翠みたいな色ですね。きれい!


橋を渡って到着!

まさに冒頭からアドベンチャー!
湖畔の森の道を歩きまして、オンネトー湖畔の、国営キャンプ場に到着した私たちは、この場所で、様々な体験をすることになるんですが、参加者が本当にいろんな場所から来ていてビックリ。およそ50人の参加者は、日本全国、そして台湾、タイなどアジアの方もいらっしゃいました。
さらにモーラナイフの公認アンバサダーとして、スウェーデンの木工作家の方、アメリカのアウトドアの達人、日本のネイチャークラフト作家の方も参加しました。
まずは色んな参加者の声、聞いてみました。


これはポール部分をスティールではなく木にかえちゃったんです。3本まとめてあったのは、三脚状にして、焚き火の上で鍋を下げたりするんです。
~何のお仕事をされているんですか?
木工とか革細工をやっています。東京から来ました。時々UPI鎌倉のお店でナイフの鞘を革で作るワークショップをやったりとかしてます。



~タープがあってその中にハンモックが置いてあるんですね。
これはジャングル用のハンモックで、雨が降って地面が濡れると冷えたりするんですけれども、空中で浮かせて下にマットを敷いてるんで、暖かいんです。雨で地面が悪い時には良いんですね。普通の大きいテントなんかと比べると、荷物にならないのでリュックサックでどこでも行けるんです。ハンモックで泊まるというのは結構流行ってるんですよ。



~後に大きくてかわいい丸いテントを立ててらっしゃって、手際が良いですね。しかも女性だけ!
もともと山登りをやっているので、山の中に泊まったりしてます。
~これからの三日間、大自然の中で何が1番楽しみですか?
ワークショップがすごく充実しているので、ナイフでいろんなものを作ったりとか、火を起こしたりとかもちょっと楽しみです。普段はライターを使いますが、多分このイベントはそうじゃないやり方でやると思うので、そういうのを勉強したいなと思います。


そして今回、ワークショップでいろんなことを教えてくれるアンバサダーの方々です


「デイブ・カンターベリーです、ここにこられてうれしいです。教えること、皆さんから学べることもとても喜んでいます。」


「スウェーデン北部からやってきましたヨゲ・スンクヴィストです。皆さんと一緒に明日はバターナイフを作ろうと思いますので一緒に楽しみましょう。」


そして、日本人のアンバサダー長野修平さん

「日本は刃物の種類がいっぱいあるんですけれどもモーラのウッドカービングを使うことで木工の幅がすごく広がる、魔法のようなナイフなんですね。その世界観を皆さんにぜひ伝えられたらなと思っています。私は北海道の山菜料理店に生まれて、昔から北海道の森を歩いてきました。アイヌという北海道の先住民族の流れもぜひ入れたものを、明日皆さんにウッドカービングで体験していただけたらと思っています。よろしくお願いします。」

今回の模様はポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!
来週も引き続きモーラナイフアドベンチャー in Japanの模様をお届けします!

モーラナイフアドベンチャー in Japan facebookページ
https://www.facebook.com/moraknivadventureinjapan/

【今週の番組内でのオンエア曲】
・GOOD TIME MUSIC / クラムボン
・Big Yellow Taxi / Joni Mitchell
国立科学博物館の人類進化学者 海部陽介さんが取り組む「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」
日本人の祖先が、おそらく、こうやって海を超えて日本へやってきたのだろう・・・
この仮説を「自ら体験」して、解き明かそうとする壮大なプロジェクトのお話。今週でラストとなります。およそ3万年前、わたしたち日本人の祖先が、大陸から日本列島へやってきたとされるルートの一つ「沖縄ルート」。
海部さんと研究チームは、可能な限り3万年前の人類と同じ条件で、このルートを実際にたどってみる、実験航海というプロジェクトを続けています。
3万年前に存在したと考えられる技術や知識でわたしたちの祖先は、どうやって日本列島へたどり着くことが出来たのか。いよいよ実験は最終段階。海部さんのチームは、台湾から与那国島を目指します。


 琉球列島に人が渡るにはいろんなルートがありますが、僕らは最後に台湾から与那国島を目指すということを挑戦したいと思っているんです。僕らはこれを本番の実験航海と呼んでいるんですけれども、それまでいろんなテストをするんですね。船を作って試して、祖先たちがどうやって海を越えてきたのか仮説を作るわけです。草の船を使うのか竹の船はうまくいくのか、そしてこれからテストを始める丸木舟ですね。これは大きな直径1メートル級の木を切り倒さないといけない。そんなことが3万年前の道具でできるのかという実験をやっておりまして、石の斧で木を切り倒すということをやりました。今度はくりぬく作業をやります。この船ができたらいよいよテストですね。丸木舟を操作するトレーニングをしなければいんです。私たちの漕手たちは3万年前の漕手チームと呼んでいますが、大体みんなプロのシーカヤックのガイドさん達を中心としたチームです。

〜3万年前の漕手と現代の漕手ではどちらが優秀なのでしょうか。
 これはわからないですけれども、この2年間やってきてなんとなく思ってることがありまして、3万年前の人たちは船が身近な生活をいつもしていたとしたら、現代人はちょっと敵わないかもしれないですね。現代のプロでも、自然をずっと相手にして、電気もない世界で生きている人たちと比べたらちょっと違うのかもしれないですよね。僕らはある意味3万年前の勉強をしているんだと思います。まだ祖先たちに追いついていない。今は便利なものがあるのでそれに頼っている。あるからそれを使っていますけど、その方が偉いのかといったらそうではないと思いますよね。
 本番に向けては、新しい活動資金が必要ですので、クラウドファウンディングで資金の募集をさせていただいております。クラウドファウンディングはいろんな工夫をたくさん設定しています。様々な特典を用意してますのでぜひ楽しんでいただければと思います。
 最初のクラウドファウンディングのあと、2年間の実験をやって、本番のイメージというのは自分できたきたと思うんです。最初は雲をつかむような話だったので、やればやるほど新しい謎が出てきたんですが、何をしなければいけないのか、課題はわかってきましたし、方向がつかめていますので、後はそれをやり切るだけだと思っています。
 やっぱり「人の力」ですよね。僕らは船が何かということなどを追求していますが、それをやる人間がどうあらねばならないかなんですね。原始的な漕船を操る技術もそうですし、精神力もそうですし、目的意識を持ってなんとしてもあそこに行くという気持ちですよね。それがないと絶対に無理ですよね。コンパスもない中でどうやって方角をわかるのか。星を見る技術、もちろん陸地も見ますし、星、太陽、月の動きも知らなければいけない。風や波とか、場合によっては鳥なんかも参考にするんです。島のそばに住んでいる種類の鳥と、遠くまで出て行く鳥の種類を理解していれば、島が近いかどうかということがわかりますよね。あとは雲とかですね、そういった自然をいかに見るか、そこから読み取る力というのに祖先たちはすごく長けていたんだと思う。そういうのも学びたいと思っています。


この、『3万年前の航海 徹底再現プロジェクト』来年の本番へ向けていま、海部さん、準備を進めておりまして、クラウドファウンディングで、資金を集めています。
目標支援額は3000万円。募集期間は9月14日まで。
資金協力した方にはいろんな特典もあるそうです。興味のある方はウェブサイトをチェックしてくださいね。
https://readyfor.jp/projects/koukai2

また、3万年前の道具で丸木舟を作る!」 実験の一般公開が、上野の国立科学博物館・正面玄関にて、
8月6日(月)まで実施中です。こちらは見学自由となっていますので、こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・打上花火 / DAOKO × 米津玄師
・Stuck On You / Meiko
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高橋万里恵
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