- 2018.06.24
川上洋一さんに聞く、東京のいきものたち1
今日は、ぜひお子さんをお持ちのママ、パパにも聞いてほしい、東京の「いきもの」をめぐるお話です。
スタジオにお越し頂くのは、自然科学を専門にしたイラストレーター、ライターとして活躍されている、川上洋一さんです。日本昆虫協会の理事や里山保全活動にも長年かかわられていらっしゃって、TV番組「鉄腕ダッシュ」の新宿の生きものを探す企画でもおなじみです。「東京いきもの散歩――江戸から受け継ぐ自然を探しに」という本を出されたばかりの川上さんに、いっぱい、子どもも大好きな「いきもの」のお話伺います!

~「東京いきもの散歩――江戸から受け継ぐ自然を探しに」のなかには新宿界隈の生きものに関することがたくさん紹介されていまして、気になったのがタヌキでした。このスタジオの近く、半蔵門の周りでもスタッフがタヌキを見たって言うんですが、東京ってタヌキなんかいるんですか?
そういうのを専門に調べている人の話だと、1000頭くらいいるんじゃないかっていわれていますね。神田川の北側ってずっと緑地帯が続いているんですが、そこらへんではよく見かけます。それから一時、明治神宮とか、新宿御苑にも住み着いていたっていう話は聞いていますね。新宿はけっこう緑地が線状に続いているんで、それに沿って移動していたり、そこを住処にしていたりするみたいなんですよ。


撮影:坂本和子
~それが川上さんの本のなかに出てくる、タヌキロードというものですか?
そうですね。まあ移動しているというか、拠点ごとにそこに住み着いているんですけれど、その緑地の間を行き来して、たとえば縄張りが変化したりとかもします。タヌキって溜め糞といって、トイレの場所が決まっているんです。そこに暮らしている家族がみんなそこでするし、近くに住んでいる他のグループもそれを利用しているんですよね。そうすると、そこで情報交換ができるんですよ。他のグループと出くわさないように、仲良く暮らそうというような意識が両方にはたらくんですね。
~先程お話に出てきましたが、新宿御苑とか明治神宮がタヌキの住処になっていたときもあるんですね?
そうなんですね。新宿御苑や明治神宮は、元は大名屋敷だった場所ですが、その周りに雑木林とか農村が結構あったんです。そういう環境が、明治、大正、昭和とずっと受け継がれてくる間に、どんどん宅地化が進みますよね。そうすると周りにいたタヌキが逃げ込んでくるんです。だから、そういうところが住処になっているんですね。
じつは江戸の7割は大名屋敷だったんですよ。ただ、江戸っていうのは、1599年に徳川家康がやってきて、はじめて都市として歩み始めたんです。それまでは本当に、海辺の漁村みたいな寒村だったんですよね。このスタジオのある半蔵門、ここは高台なんですけれども、ここは東京湾に突き出た岬だったんです。その前は浅い海で、葦とか、そういうのが生えている湿地帯みたいになっていたんですね。それを埋め立てて、どんどん開発を進めるために職人が地方から集まってきた。その人たちが下町の方に住んでいたんですけれども、下町というのは全体の2割に満たないような場所で、ギュウギュウ詰めに人が住んでいたんですね。
一方、大名屋敷は外交にも使うので、たとえば将軍が来たり、幕府の偉い人が来たりすると、接待するじゃないですか。そのためにきれいな庭や建物が造ってあるんですね。それを明治になってから買い取ったり、受け継いだりした人が、庭園を壊すのがもったいないから、うちの庭として使いましょうということで、そのまま受け継がれて、いまは公園になったり、大学のキャンパスになったりとか、結婚式場の施設になったりしています。そういうような形で姿を変えて残っているんです。

明治神宮の森
~そうなんですね。タヌキのお話をいろいろ伺ってきたんですが、タヌキが暮らしていける森というのは、生態系も豊かだったりとか、いわゆる整った森なんですか?
タヌキって雑食なので、なんでも食べるんです。ただドングリとかは食べないんですね。銀杏なんかは大好きですし、エノキとかムクノキの非常に小さい木の実とか、そういう実をこまめに食べるんです。あと昆虫もよく食べるので、夏はセミなんかよく食べていると思いますよ。都内って意外とセミが多いんですよ。おそらく、世界の都市の中でも、こんなに昆虫が夏にわーわー鳴いている都市って無いと思うんですけど、それは結構よく食べているんですよね。
~私もよく小さい頃セミ取りしましたが、なかなか難しいじゃないですか。どうやってとってるんですか?
やっぱり地面から出てくる瞬間があるじゃないですか。おそらくそういう場所をタヌキも知っていて、出てくるやつを端から食べていったりとか、夜はセミは寝ているじゃないですか。で、低いところにいるやつなんかは飛びついて食べたりとかしてますね。
~じゃあ、本当にいろんなものを食べるという意味では、すごくタヌキってタフですね。
そうなんです。だから都内でも生きていけるのは、そういう雑食性の習性がすごくプラスに働いていると思いますね。
川上洋一さんのお話いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします!

「東京いきもの散歩――江戸から受け継ぐ自然を探しに」川上洋一(早川書房)
【今週の番組内でのオンエア曲】
・I'm the One - feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne / DJ KHALED
・Go Do / Jonsi
スタジオにお越し頂くのは、自然科学を専門にしたイラストレーター、ライターとして活躍されている、川上洋一さんです。日本昆虫協会の理事や里山保全活動にも長年かかわられていらっしゃって、TV番組「鉄腕ダッシュ」の新宿の生きものを探す企画でもおなじみです。「東京いきもの散歩――江戸から受け継ぐ自然を探しに」という本を出されたばかりの川上さんに、いっぱい、子どもも大好きな「いきもの」のお話伺います!

~「東京いきもの散歩――江戸から受け継ぐ自然を探しに」のなかには新宿界隈の生きものに関することがたくさん紹介されていまして、気になったのがタヌキでした。このスタジオの近く、半蔵門の周りでもスタッフがタヌキを見たって言うんですが、東京ってタヌキなんかいるんですか?
そういうのを専門に調べている人の話だと、1000頭くらいいるんじゃないかっていわれていますね。神田川の北側ってずっと緑地帯が続いているんですが、そこらへんではよく見かけます。それから一時、明治神宮とか、新宿御苑にも住み着いていたっていう話は聞いていますね。新宿はけっこう緑地が線状に続いているんで、それに沿って移動していたり、そこを住処にしていたりするみたいなんですよ。


撮影:坂本和子
~それが川上さんの本のなかに出てくる、タヌキロードというものですか?
そうですね。まあ移動しているというか、拠点ごとにそこに住み着いているんですけれど、その緑地の間を行き来して、たとえば縄張りが変化したりとかもします。タヌキって溜め糞といって、トイレの場所が決まっているんです。そこに暮らしている家族がみんなそこでするし、近くに住んでいる他のグループもそれを利用しているんですよね。そうすると、そこで情報交換ができるんですよ。他のグループと出くわさないように、仲良く暮らそうというような意識が両方にはたらくんですね。
~先程お話に出てきましたが、新宿御苑とか明治神宮がタヌキの住処になっていたときもあるんですね?
そうなんですね。新宿御苑や明治神宮は、元は大名屋敷だった場所ですが、その周りに雑木林とか農村が結構あったんです。そういう環境が、明治、大正、昭和とずっと受け継がれてくる間に、どんどん宅地化が進みますよね。そうすると周りにいたタヌキが逃げ込んでくるんです。だから、そういうところが住処になっているんですね。
じつは江戸の7割は大名屋敷だったんですよ。ただ、江戸っていうのは、1599年に徳川家康がやってきて、はじめて都市として歩み始めたんです。それまでは本当に、海辺の漁村みたいな寒村だったんですよね。このスタジオのある半蔵門、ここは高台なんですけれども、ここは東京湾に突き出た岬だったんです。その前は浅い海で、葦とか、そういうのが生えている湿地帯みたいになっていたんですね。それを埋め立てて、どんどん開発を進めるために職人が地方から集まってきた。その人たちが下町の方に住んでいたんですけれども、下町というのは全体の2割に満たないような場所で、ギュウギュウ詰めに人が住んでいたんですね。
一方、大名屋敷は外交にも使うので、たとえば将軍が来たり、幕府の偉い人が来たりすると、接待するじゃないですか。そのためにきれいな庭や建物が造ってあるんですね。それを明治になってから買い取ったり、受け継いだりした人が、庭園を壊すのがもったいないから、うちの庭として使いましょうということで、そのまま受け継がれて、いまは公園になったり、大学のキャンパスになったりとか、結婚式場の施設になったりしています。そういうような形で姿を変えて残っているんです。

明治神宮の森
~そうなんですね。タヌキのお話をいろいろ伺ってきたんですが、タヌキが暮らしていける森というのは、生態系も豊かだったりとか、いわゆる整った森なんですか?
タヌキって雑食なので、なんでも食べるんです。ただドングリとかは食べないんですね。銀杏なんかは大好きですし、エノキとかムクノキの非常に小さい木の実とか、そういう実をこまめに食べるんです。あと昆虫もよく食べるので、夏はセミなんかよく食べていると思いますよ。都内って意外とセミが多いんですよ。おそらく、世界の都市の中でも、こんなに昆虫が夏にわーわー鳴いている都市って無いと思うんですけど、それは結構よく食べているんですよね。
~私もよく小さい頃セミ取りしましたが、なかなか難しいじゃないですか。どうやってとってるんですか?
やっぱり地面から出てくる瞬間があるじゃないですか。おそらくそういう場所をタヌキも知っていて、出てくるやつを端から食べていったりとか、夜はセミは寝ているじゃないですか。で、低いところにいるやつなんかは飛びついて食べたりとかしてますね。
~じゃあ、本当にいろんなものを食べるという意味では、すごくタヌキってタフですね。
そうなんです。だから都内でも生きていけるのは、そういう雑食性の習性がすごくプラスに働いていると思いますね。
川上洋一さんのお話いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします!

「東京いきもの散歩――江戸から受け継ぐ自然を探しに」川上洋一(早川書房)
【今週の番組内でのオンエア曲】
・I'm the One - feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne / DJ KHALED
・Go Do / Jonsi