- 2017.11.30
モーラナイフアドベンチャー in Japan4
北海道東部・阿寒国立公園にある湖・オンネトー湖のキャンプ場で行われた、「モーラナイフアドベンチャー in Japan」。自然と向き合いながら、アウトドアのスキルも身につくこのイベントの模様を何回かに分けてお届けしています。
いよいよイベントも終盤に入りました。きょうは、スウェーデンのモーラナイフと、北海道の先住民族の文化を融合させるという、とっても興味深いワークショップの模様です。
講師はモーラナイフ公認の、日本と台湾のアンバサダー、長野修平さん。ネイチャークラフト作家で、アウトドア料理人という肩書もお持ちの、やはりアウトドアの達人です!

いよいよ今日最後のプログラムになります。モーラナイフの国、スウェーデンはサーミ人という先住民族がいますが、僕は日本人なんですけれども、ぜひアイヌをテーマに入れてほしいということでした。僕は北海道 苫小牧の山菜料理家に生まれました。幼稚園に入る前から山に入って山菜をとっていて、そこでいろんなもの拾って遊んだりもしていたんですけれども、隣町が二風谷というアイヌの街でした。(アイヌ文化と繋がりの深い)白老も隣です。ですので、アイヌのいろんなものを感じながら生活してきたんですが、最近になって、白老のアイヌ民族博物館が実はオリンピックの年に向けて国立化することになりました。まさにそういうタイミングで、アイヌをテーマにワークショップをすることになったわけです。
今回作るのは、アイヌに伝わるメノコイタというカッティングボード(まな板)です。片側が彫ってあって、サーモンをさばくと中からいくらが出てきた、ここにためまるんです。今回はそれを僕らのサイズに合わせてつくります。たとえば、ここにソーセージがあったら、切りながら、ここでタレをつけて食べる。そんなこともしてもらいたいと思います。


完成見本のカッティングボードの持ちての部分を見てください。特徴的な形をしていますね。アイヌの人の墓碑はエンジュという、100年たったら土に帰る丈夫な木です。直径10センチ位の丸太をただ突き立てたのが墓碑なんですけども、女性はドーナツ状の穴が上に削ってあります。男性は矢尻が削ってあります。女性のドーナッツ型の穴は針の穴をイメージしています。女性は針でアイヌ文様をつくりますね。冬の厳しさをしのぐ衣類も針で作ります。ですので針は女性の象徴なんです。男性は刃物で、狩りして家族の糧にします。もしくは隣の部族と刃物で戦って家族を守る。また、刃物で生活の道具を作り、アイヌ文様を彫刻しています。だから男性の象徴は刃物なんです。それが墓碑にも刻まれているわけですね。名前は全然書いていないんです。それを組み合わせたのが、この持ち手の部分になります。


ではさっそく板を切るところからスタート!


先生に教わりながら…

持ち手に穴を開けます。

ウッドカービングナイフという道具を使って削っていきます…

先生はやっぱりうまいですね。
最後に、モーラナイフアンバサダー 長野修平さんに、アイヌ民族と森の関係についてお話を伺いました。

森っていうのはいろんなものを与えてくれるものなので、どんどん捕りに行きます。動物も彼らは獲っていました。でも、親子熊がいたら子熊は自分の古潭でしばらく飼って育てるんですね。僕は山菜料理屋の出身なのですが、山菜を採るときは、また来年、その次の年も必ず同じかそれ以上の量を採れるようにするんです。採れるだけ採るのではなく、育成を考えるんですね。アイヌ民族にとって、森は”守ろう”とかじゃなくて、自分たちが生きるために必要なものなんです。それがなければ自分たちが生きていけない。そういう意味で彼らは自然のことや森のことをカムイと呼んで崇めてきました。
よく、先住民族の人たちが言うのは、ものを教えるとき、教わった人にはそこで授かった知恵を次の世代に義務と責任が生じるんです。このワークショップに来ている人もそうです。カービングナイフで削るのも、次は誰かに伝える義務がすべての人に生じています。それが知恵の伝達ということなんです。そして、昔からある普通のメノコイタを作るのではなくて、現代風にアレンジするのが本来の知恵のあり方なんだと思うんです。知恵をそのまま伝えるのは、博物館にしまったもの。今の暮らしで何の実用もないものを、そのまま伝えてもしょうがなくて、雑貨だったり、おしゃれな食卓を作るのにも、アイヌの知恵を活かすことができるんですね。
今日参加されたみなさんは、僕が伝えたものさらにアレンジして次の世代、またその次の世代にも伝えてくれると思います。それがアイヌがいたことのありがたみということになってくるのかなと思うんですね。




今回のお話、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください。
また、番組内でご紹介しているKapiw & Apappoさん、気になった方はぜひこちらのサイトをチェックしてみてください。
https://kapiw.jimdo.com/kapiw-apappo/
番組でかかっていた曲が入ったCDも購入することができます。

『PAYKAR』Kapiw&Apappo
来週も引き続きモーラナイフアドベンチャー in Japanの模様をお届けします!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・プライベート サーファー / UA
・ORORO PINNE / Kapiw & Apappo
いよいよイベントも終盤に入りました。きょうは、スウェーデンのモーラナイフと、北海道の先住民族の文化を融合させるという、とっても興味深いワークショップの模様です。
講師はモーラナイフ公認の、日本と台湾のアンバサダー、長野修平さん。ネイチャークラフト作家で、アウトドア料理人という肩書もお持ちの、やはりアウトドアの達人です!

いよいよ今日最後のプログラムになります。モーラナイフの国、スウェーデンはサーミ人という先住民族がいますが、僕は日本人なんですけれども、ぜひアイヌをテーマに入れてほしいということでした。僕は北海道 苫小牧の山菜料理家に生まれました。幼稚園に入る前から山に入って山菜をとっていて、そこでいろんなもの拾って遊んだりもしていたんですけれども、隣町が二風谷というアイヌの街でした。(アイヌ文化と繋がりの深い)白老も隣です。ですので、アイヌのいろんなものを感じながら生活してきたんですが、最近になって、白老のアイヌ民族博物館が実はオリンピックの年に向けて国立化することになりました。まさにそういうタイミングで、アイヌをテーマにワークショップをすることになったわけです。
今回作るのは、アイヌに伝わるメノコイタというカッティングボード(まな板)です。片側が彫ってあって、サーモンをさばくと中からいくらが出てきた、ここにためまるんです。今回はそれを僕らのサイズに合わせてつくります。たとえば、ここにソーセージがあったら、切りながら、ここでタレをつけて食べる。そんなこともしてもらいたいと思います。


完成見本のカッティングボードの持ちての部分を見てください。特徴的な形をしていますね。アイヌの人の墓碑はエンジュという、100年たったら土に帰る丈夫な木です。直径10センチ位の丸太をただ突き立てたのが墓碑なんですけども、女性はドーナツ状の穴が上に削ってあります。男性は矢尻が削ってあります。女性のドーナッツ型の穴は針の穴をイメージしています。女性は針でアイヌ文様をつくりますね。冬の厳しさをしのぐ衣類も針で作ります。ですので針は女性の象徴なんです。男性は刃物で、狩りして家族の糧にします。もしくは隣の部族と刃物で戦って家族を守る。また、刃物で生活の道具を作り、アイヌ文様を彫刻しています。だから男性の象徴は刃物なんです。それが墓碑にも刻まれているわけですね。名前は全然書いていないんです。それを組み合わせたのが、この持ち手の部分になります。


ではさっそく板を切るところからスタート!


先生に教わりながら…

持ち手に穴を開けます。

ウッドカービングナイフという道具を使って削っていきます…

先生はやっぱりうまいですね。
最後に、モーラナイフアンバサダー 長野修平さんに、アイヌ民族と森の関係についてお話を伺いました。

森っていうのはいろんなものを与えてくれるものなので、どんどん捕りに行きます。動物も彼らは獲っていました。でも、親子熊がいたら子熊は自分の古潭でしばらく飼って育てるんですね。僕は山菜料理屋の出身なのですが、山菜を採るときは、また来年、その次の年も必ず同じかそれ以上の量を採れるようにするんです。採れるだけ採るのではなく、育成を考えるんですね。アイヌ民族にとって、森は”守ろう”とかじゃなくて、自分たちが生きるために必要なものなんです。それがなければ自分たちが生きていけない。そういう意味で彼らは自然のことや森のことをカムイと呼んで崇めてきました。
よく、先住民族の人たちが言うのは、ものを教えるとき、教わった人にはそこで授かった知恵を次の世代に義務と責任が生じるんです。このワークショップに来ている人もそうです。カービングナイフで削るのも、次は誰かに伝える義務がすべての人に生じています。それが知恵の伝達ということなんです。そして、昔からある普通のメノコイタを作るのではなくて、現代風にアレンジするのが本来の知恵のあり方なんだと思うんです。知恵をそのまま伝えるのは、博物館にしまったもの。今の暮らしで何の実用もないものを、そのまま伝えてもしょうがなくて、雑貨だったり、おしゃれな食卓を作るのにも、アイヌの知恵を活かすことができるんですね。
今日参加されたみなさんは、僕が伝えたものさらにアレンジして次の世代、またその次の世代にも伝えてくれると思います。それがアイヌがいたことのありがたみということになってくるのかなと思うんですね。




今回のお話、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください。
また、番組内でご紹介しているKapiw & Apappoさん、気になった方はぜひこちらのサイトをチェックしてみてください。
https://kapiw.jimdo.com/kapiw-apappo/
番組でかかっていた曲が入ったCDも購入することができます。

『PAYKAR』Kapiw&Apappo
来週も引き続きモーラナイフアドベンチャー in Japanの模様をお届けします!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・プライベート サーファー / UA
・ORORO PINNE / Kapiw & Apappo