- 2015.09.27
植物はすごい!2 色の不思議
今週も引き続き植物の不思議な力について、ベストセラー『植物はすごい!』の著者で、農学者の田中修さんのインタビューをお届けします。

今回は秋がこれから深まり、紅葉が楽しみになるということで、植物の色についてのお話しです。
植物の種はだいたい黒か茶色ですね。しかしその種から育って咲いた花は綺麗な色をしています。
じつはこれにも納得の理由があるんです!
◆種と花の色の理由
種が何でほとんど茶色や黒なのかというと、種は目立ったらいけないからです。目立ったら鳥に食べられてしまいます。ですので、土の色によく似た茶色や黒なんです。
ところが花は受粉して種を作るために、蜂や蝶などの虫を呼びよせなければなりません。だから目立たないといけないんですね。ですから、赤だったり、白だったり、目立つ色の花を咲かせるんです。
植物ごとに花の色は違うし、大きさ形も違うし、香りも違うし蜜も違うんですね。それは虫たちに「私の方がすごい魅力的がある!」とアピールしてい競争してるんです。それがこの植物の花の色の違いの大きな意義です。
ですから、ありえない花の色というのは、葉っぱと同じ緑色です。葉っぱと同じ色の花を咲かせても目立たないので、緑色の花はまずありません。まったくないことはないですけども、良く見てもらったら葉っぱとは全然色が違います。
ちなみに、白い花は、実は空気の小さい泡が花弁の中にいっぱい入っているんです。例えば波しぶきは白く見えますよね。でもコップに波しぶきをとってきても、ただの水です。ビールの泡は真っ白ですが、それを集めてしばらくおくとただのビールです。白い花の花弁も一緒なんです。だから白い花を親指と人差し指でぎゅーって搾って透かして見ると、泡が出て、その部分が透明になってます。
さて、つぎは、これから紅葉のシーズンということで、イチョウの黄色と、
紅葉の赤い色。この二つの「色」のヒミツを教えて頂きました。
◆イチョウの黄色とモミジの紅葉
秋になるとイチョウが黄色くなり、モミジは赤くなりますが、このふたつは実は全然違う現象です。
イチョウの場合は、今年は色づきが良いとか、あそこのイチョウは綺麗だとか、年や場所による違いはありえません。一本一本のイチョウの木が緑から黄色に変わっていく過程は、暖かい年は遅い、早く寒くなる年は早いっていう違いはありますが、場所によって、あるいは年によって色づきがどうのこうのっていうのはないんです。
イチョウが緑の葉っぱの時に黄色い葉の色素、カロテノイドっていう色素なんですが、それは葉っぱの中にもう出来てるんです。ですからイチョウが黄色くなるっていうのは、クロロフィルという緑の色素が分解して無くなっていけば、葉っぱは自然と黄色になるんです。クロロフィルが分解して無くなっていくのは、気温が下がってくるとそれが起こる。だから寒くなってくるとイチョウは黄色くなるという現象が自然に起こります
それに対してモミジが赤くなるというのは全然違います。モミジは緑の葉っぱの時、あんな赤い色素なんか持ってません。赤い色素はアントシアニンといいますが、それは新たに作られてこなければならないんです。だから作られるための条件を満たすっていうとこが大事です。
それはどういう条件が必要かと言うと、一つは紫外線が多く当たること。二つ目は昼夜の気温差。これは、アントシアニンを作る為に温かい温度がいるし、緑の色素を消すためには夜の寒さがいるんです。そして三つ目は湿度です。乾燥すると汚くなるんです。湿度が高く保たれると、老化過程がゆっくり進むので、赤い色素を持ったまま綺麗な状態が保てる。だから紅葉の名所っていうのはこの3つの条件を大体満たしています。それは山の中腹の谷間のところですね。中腹の斜面は紫外線が多く当たります。そして太陽が当たってるから昼温かくて、夜は谷間なので冷える。そして谷間なので湿度が高い。だから紅葉の名所というと大抵山の中腹の谷間のところということになります。
この現象は1本だけ生えているところを見るとよくわかります。先端の方の、太陽の光が直接当たるところは紫外線があたっているので綺麗に紅葉します。でも木の真ん中の辺になってくると紫外線があまり当たりませんし、風が吹いても周りは冷えても、中は温度がそんなに下がらないので緑が消えないんですね。
植物の色の不思議のお話、いかがだったでしょうか。
今回お届けした内容はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・ほめられたくないワンピース / 山崎あおい
・となりのメトロ / YUKI

今回は秋がこれから深まり、紅葉が楽しみになるということで、植物の色についてのお話しです。
植物の種はだいたい黒か茶色ですね。しかしその種から育って咲いた花は綺麗な色をしています。
じつはこれにも納得の理由があるんです!
◆種と花の色の理由
種が何でほとんど茶色や黒なのかというと、種は目立ったらいけないからです。目立ったら鳥に食べられてしまいます。ですので、土の色によく似た茶色や黒なんです。
ところが花は受粉して種を作るために、蜂や蝶などの虫を呼びよせなければなりません。だから目立たないといけないんですね。ですから、赤だったり、白だったり、目立つ色の花を咲かせるんです。
植物ごとに花の色は違うし、大きさ形も違うし、香りも違うし蜜も違うんですね。それは虫たちに「私の方がすごい魅力的がある!」とアピールしてい競争してるんです。それがこの植物の花の色の違いの大きな意義です。
ですから、ありえない花の色というのは、葉っぱと同じ緑色です。葉っぱと同じ色の花を咲かせても目立たないので、緑色の花はまずありません。まったくないことはないですけども、良く見てもらったら葉っぱとは全然色が違います。
ちなみに、白い花は、実は空気の小さい泡が花弁の中にいっぱい入っているんです。例えば波しぶきは白く見えますよね。でもコップに波しぶきをとってきても、ただの水です。ビールの泡は真っ白ですが、それを集めてしばらくおくとただのビールです。白い花の花弁も一緒なんです。だから白い花を親指と人差し指でぎゅーって搾って透かして見ると、泡が出て、その部分が透明になってます。
さて、つぎは、これから紅葉のシーズンということで、イチョウの黄色と、
紅葉の赤い色。この二つの「色」のヒミツを教えて頂きました。
◆イチョウの黄色とモミジの紅葉
秋になるとイチョウが黄色くなり、モミジは赤くなりますが、このふたつは実は全然違う現象です。
イチョウの場合は、今年は色づきが良いとか、あそこのイチョウは綺麗だとか、年や場所による違いはありえません。一本一本のイチョウの木が緑から黄色に変わっていく過程は、暖かい年は遅い、早く寒くなる年は早いっていう違いはありますが、場所によって、あるいは年によって色づきがどうのこうのっていうのはないんです。
イチョウが緑の葉っぱの時に黄色い葉の色素、カロテノイドっていう色素なんですが、それは葉っぱの中にもう出来てるんです。ですからイチョウが黄色くなるっていうのは、クロロフィルという緑の色素が分解して無くなっていけば、葉っぱは自然と黄色になるんです。クロロフィルが分解して無くなっていくのは、気温が下がってくるとそれが起こる。だから寒くなってくるとイチョウは黄色くなるという現象が自然に起こります
それに対してモミジが赤くなるというのは全然違います。モミジは緑の葉っぱの時、あんな赤い色素なんか持ってません。赤い色素はアントシアニンといいますが、それは新たに作られてこなければならないんです。だから作られるための条件を満たすっていうとこが大事です。
それはどういう条件が必要かと言うと、一つは紫外線が多く当たること。二つ目は昼夜の気温差。これは、アントシアニンを作る為に温かい温度がいるし、緑の色素を消すためには夜の寒さがいるんです。そして三つ目は湿度です。乾燥すると汚くなるんです。湿度が高く保たれると、老化過程がゆっくり進むので、赤い色素を持ったまま綺麗な状態が保てる。だから紅葉の名所っていうのはこの3つの条件を大体満たしています。それは山の中腹の谷間のところですね。中腹の斜面は紫外線が多く当たります。そして太陽が当たってるから昼温かくて、夜は谷間なので冷える。そして谷間なので湿度が高い。だから紅葉の名所というと大抵山の中腹の谷間のところということになります。
この現象は1本だけ生えているところを見るとよくわかります。先端の方の、太陽の光が直接当たるところは紫外線があたっているので綺麗に紅葉します。でも木の真ん中の辺になってくると紫外線があまり当たりませんし、風が吹いても周りは冷えても、中は温度がそんなに下がらないので緑が消えないんですね。
植物の色の不思議のお話、いかがだったでしょうか。
今回お届けした内容はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・ほめられたくないワンピース / 山崎あおい
・となりのメトロ / YUKI