2024年11月24日Flow 第三百三十回目「拓哉キャプテン × 竹内まりや」Part3
今月のマンスリーゲストは、竹内まりやさんです!
まりやさんとのトークセッションも今週がラスト。竹内まりやさんにとっての「人生の1曲」も伺います!
木村:リスナーからのメールに付き合ってもらってもいいですか?
竹内:はい、いいですよ。
まずは、こんなメッセージから!
【千葉県 ゆずは 14歳 女性】
少し暗い話になってしまうのですが、最近「死ぬのが怖い」と思うときが増えそのたんびに胸がギュッってなります。
少し前にお母さんのお兄ちゃんが亡くなりました。
死というのは知っていたけど、まさか身近でおこるとは思いもしませんでした、、
胸がギュッってなるたびに、自分が死んでも世界は動き続けるんだよなとか、長生きできるとも限らないよなとか、いろんなことが溢れでそうです。
私はまだ中2で、まだまだいろんな事したいし、泣いたり笑ったりしたいです。
お二人はこのようなことを思ったことはありますか?
また、この先、不安で押しつぶされそうになったらどうしたらいいですか?
竹内:これは本当に、哲学的と言うか深い質問だよね。
木村:いや〜、深いって言うか、14歳が何でそこに着目できたんだろう?
竹内:死に対する不安?
でもそれは、ある意味ね、「今が幸せ」って言うか「この幸せを失くしたくない。」っていう、その反対側の気持ちがあるから、死への不安っていうのはあるわけで。そういう「今が嬉しい」とか「楽しい」とか思わなければ、その気持ちもそうそう生まれては来ないような気がするんだよね。逆説的だけど。
あんまり安易なことを私も言いたくはないんだけど、どうなんだろうね? これはなかなか難しいよね。
木村:そうですね。ふっと思ったのは、ゆずはちゃん個人の話では全くないから。もうこの地球上の…分かんない、地球以外にもそうなのかもしれないけど、皆が持ってなきゃいけないカードだと思うし。ゆずはちゃん以外のお父さん、お母さん、学校の皆、もう皆がそれを持っているものだから、1人でギュッてなる必要は全くないし。
竹内:そうだね。それはいい言葉だな。
木村:要は、「太陽があっちから上ってきて、あっちに沈んでいくじゃん。」っていうことの、それぐらい、なんか温かくて、綺麗で。だから、すごい悲しくて、辛くて、寂しくて、冷たい、みたいな印象が、ちょっとそっちじゃなく考えてもいいのかな、っていう。
竹内:「その温かさとか、綺麗さとか、美しさを感じてみたら?」って言いたいんだよね。「皆同じだよ。」って言う。皆同じカード貰ってるから。それをいい思いで共有していくって言うか、綺麗ごとに聞こえるかもしれないけど、そういう方法しかないのかも知れないな。
木村:「不安に押し潰される」っていう質量はないから、絶対潰されないから(笑)。絶対大丈夫だから。
竹内:そう。「だったらどうしよう?」っていう思いがあるだけで、絶対そうはならないよね。
木村:うん。ゆずはのそのイメージと、その想像力が、きっとまたすごいリアルだと思うんですよ。だから「押し潰される」っていう具体的な自分をイメージしちゃうんじゃないかなと思うんですけど。
竹内:そうだね。伯父様を亡くされたばっかりだったりするから、余計そうだと思うけど。
木村:でも、「(不安を)持つな。」っていうふうには、僕は一切言えないと思うんです。「あっても全然おかしくないよ」っていう。
竹内:私はあって普通だと思うんですよね。人間だから。
木村:だから「死」っていう、さっきお話しさせてもらったカードの5枚ぐらい横にあるカードが、「不安」だよ、って言う。
そのまた3枚ぐらい捲ると、「悔しい」があったり、また何枚か捲ると、「大好き」っていうカードがあったり。
竹内:そうだね。「楽しい」とかね。
木村:うん。そのカードは皆持ってるカードだから。たまにこうやって誰かに言いたくなるっていうのは、「その人のカードってどんな絵が描いてあるんだろう?」っていう。だから、人によって絵は違うと思うんですよ。
竹内:そうだね。人の(カード)をちょっと覗きたくなったりして。
木村:「私の不安ってこんな感じなんですけど、まりやさんの不安って、どんな絵が描いてあるんですか?」っていう、何かそういうコミュニケーションにちょっと近いのかな。
竹内:それに正しい答えを与えられるかどうか分からないにしても、ここで吐露されていることでちょっと救われているのだとしたら嬉しいなって思うんだけどね。
拓哉先生の人生教室でした。
木村:いや、やめてください(笑)。
竹内:(笑)。
木村:ゆずは、これで大丈夫ですかね? また何かあったら、すぐにメールを送ってほしいなと思います。
竹内:頑張ってください。
続いてはコチラのメッセージです。
【宮城県 ヒカッチ 17歳 男性】
小学校からのファンの、高校2年生です!
ボクは、小さな頃から音楽活動をしていて、バンドではドラムを担当しています。
バンドメンバーは、全員が作詞作曲をこなす事ができ、曲によってはメンバーそれぞれの音楽の価値観の違いにより、ものすごいぶつかり合いになることがあります。
こういった時、どのようにして一つの作品を完成するまでに持っていきますか?
最高のアイデアをお教えください!
木村:それこそ、お話に上がってた、まりやさんの曲をやってる時の達郎さん。
竹内:アレンジャー、プロデューサーね。…との、意見の違いみたいなこと?
木村:それは、あったりするんですか?
竹内:あったりはするんですけれども、「私のプロジェクトだ」っていう部分においては、彼は私の意見を尊重してくれるんですよ。
自分のアルバムとかだと自分自身で答えを出せるけど、私の部分に関して、「A案とB案とどっちがいいか?」っていうことで、達郎が「B案がいい。」と思っても私が「やっぱりA案がいい。」と言えば、そちらに譲歩してくれるので。
木村:へぇ〜。
竹内:そうしないと私の音楽にならないから。やっぱり、達郎の音楽になってもまた意味がないので、だから出来るだけ私の意見を尊重してくれるけれども。
でも、バンドの場合は、もっと大人数で皆で答えを出していかなきゃいけないわけじゃない?
木村:どうなんだろう? どれぐらいのバンドなんですかね? ヒカッチはドラムやってるって書いてあるんですけど。
竹内:ドラムとか、ベースとか、ギターとか、キーボードがいるかもしれないけども。
でも、100%価値観とか音楽感が合うっていうことはまずないだろうから、どこかで妥協するなり、譲歩するなりして、あとはそこの皆の妥協点を見つけていくってことをやらないと。バンドは「俺が、俺が。」だけでは多分成立はしないよね。すぐ解散になっちゃうんだから。
そこだよね。そこの思いやりをどのぐらい皆に対して出して、あと音楽的な価値感を下げないでそれを到達させるか、っていうのをディスカッションしたり、実際に音を出して答えを出していくしかないかな? って思いますけど。
木村:なるほど。
竹内:どうですか? 拓哉先生はどのように?
木村:僕が今ライブやらせて頂いている環境・状況には、僕は感謝しかないので。
竹内:それに対して、「もっとこうやってよ。」みたいな不満があった場合は、どうするんですか? ちゃんと言うんですか?
木村:言う。それは言います。
言いますけど、でもそれは僕からのただの1アイディアなので。だから、それを相手がどう受け取ってくれるかは、ご本人にお任せすると言うか。
竹内:「何が何でも、こうでなきゃいけない。」ってことではなく、「こういうのはどうですか?」っていうことよね?
木村:そうです。
竹内:分かる。根源的に、もしその人達の相性が合わなくて、音楽感も合わなければ、バンドを組んでないと思うんで。何かしら価値観が合うからやってるから、どっかで妥協点は見つけられると思うんですね。
木村:そうですね。だから、アイディアが最高かどうかも分かんないけど…。
竹内:トライ・アンド・エラーで、何でもかんでもやってみたらどう? 「この人のアイディア」、「この人のアイディア」、「この人のアイディア」ってやってみて、どれが一番いいか、みたいな。
木村:そうね。でもそれをやろうっていうふうになった場合、多分「アイディアを出す」っていうことの責任に気づくと思う。
竹内:そうね。言ったからには、のね。
木村:「OK。じゃあお前のアイディアを1回全員でやってみようぜ。」って言って、自分のアイディアに皆が向き合うっていうことになると、多分そのアイディアを皆にパスすること自体に責任が生まれると思うんで、1つアリかもしれないですね。だから、適当なアイディアが無くなると思うし。
竹内:うん、そうだね。突き詰めていかないとね。
木村:あと、今自分もライブやらせて貰ってて皆に思うことは、上手いベース、ギター、ドラムも、全部名前を言うだけで震え上がるような方達っていっぱいいるじゃないですか。いっぱいいるけど、やっぱり「今この人と一緒に客席に向かって、一緒に何かやってることが、すごく嬉しくて、ありがたいことだ。」っていうふうに思えるから、僕は今のメンバーと一緒にやってると思うんですよ。
だからヒカッチも、どこかバンドメンバー1人1人に対して、良いところ、悪いところ…要は、突っ込みどころ。「悪いところ」って言っちゃうと、ウィークポイントに目が行きがちだけど、「ツッコミどころ」ってあるじゃないですか。カジュアルな部分かも知れない。すごく素敵な部分と、ツッコミどころっていうのを、ちゃんとしっかり持っておくと、ぶつかっても、そのぶつかりは無駄にならないと思うし、いいのかな? っていうふうに思います。
竹内:あとね、テクニック的なこととか、その人の音楽的な能力とは別に、「最終的にその人の人間性を良いと思うか?」っていうこともすごく重要なんだよね。バンドとかでやる場合に。
もちろんテクニックはあった方がいいんですよ? だけど、やっぱり「その人の人間的な部分を、最終的に受け入れられるかどうか。」、みたいなものも、割と大きかったりすると思うんですよね。集団でやる場合は。
木村:いや〜…。説得力がありすぎるぜ。
竹内:Flowでさ、こんな人生相談をやると思わなかった(笑)。ごめんなさいね(笑)。
木村:(笑)。でも、ヒカッチが担当してるのはドラムらしいので。大切なリズムですからね(笑)。
竹内:そうだよね。ドラムは肝だからね。頑張って欲しいですね。良い作品ができるといいですね。
木村:そうですね。楽しみにさせて頂くので、色んな音楽を作ってみてほしいと思います。
竹内:はい。
木村:今月のマンスリーゲストは、竹内まりやさんをお迎えさせて頂きました!
ここでもう一度お知らせしますが、10年ぶり、12枚目のオリジナル・アルバム『Precious Days』が発売中! そして、来年2025年4月から、11年ぶりの全国アリーナツアーが決定しておりますので。
竹内:感謝してます。頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。
木村:今現在のまりやさんの中に掲げる夢…って言ったら大げさですけど、「掲げようかな?」と思ってるものは…。
竹内:基本的には、末永く元気でいて、音楽を続けるってことが基本なんですけど、それが「一生何か音楽に関わってたい。」っていうことと…。
個人的には、「色んな人とコラボやったら面白いかな?」って思ってて。畑の違う人とかもそうですし、年代を問わず、すごく上の人とか、下の人とかと、何か音楽的なコラボをやって、ミニアルバムを作るとか、そんなようなことは面白そうだなって今考えています。
木村:なるほど。さあ、どんな方とのコラボが聴けるんでしょうか?
竹内:楽しみにしてください(笑)。
木村:この番組は、毎回ゲストの方に「人生の1曲」っていうものをお伺いしてるんですけど、まりやさんにとっての「人生の1曲」って 何になりますか?
竹内:これは中々難しかったんですけど、「私が最終的にミュージシャンになった一番最初のきっかけは、多分これだろう。」と自分で思ってるのは…。
小学校の時にビートルズというバンドに出会って、そこでカルチャーショックを受けて。これは一番最初にビートルズと出会った時の曲なので、これをリクエストしたいかな、と思います。「A Hard Day's Night」って言うんですけど。
木村:おお! しかも、その曲なんですね。
竹内:それなんです。チョコレートのCMでそれがテレビからバーっと流れてきて、「何、これ?」って言ったら、4人組が「It’s been a hard day's night」って歌ってるのを見て、何か今までにないショックを受けて。田舎の小学生だった私は、そこからビートルズを掛けるようになったので、それを聴いてなければ、今絶対にミュージシャンになってないな、っていう、そういう原点の楽曲です。
木村:へ〜。しかも、それCMで知ったんですね。何か音源でスピーカーから聴いたっていうことではなかったんですね。
竹内:そうじゃなくて。チョコレートのCMで出てきた時に、ロン毛の4人組の(笑)、格好も素敵だったし、そこからもう漁るようにレコードを買ってったんだけど。カルチャーショックでしたね(笑)。原点です。
木村:ありがとうございます。
[OA曲]
M.A Hard Day's Night/The Beatles
[後TM]
M.“10月の恋人たち(Lovers in October)”/木村拓哉