木村拓哉 Flow supported by Spotify - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

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2024年06月09日Flow 第三百六回目「拓哉キャプテン × 久保田利伸」Part2

6月のマンスリーゲストは、久保田利伸さんです!
今週はどんなトークになるのか、お楽しみに!


木村:静岡出身って。

久保田:そうだよ。

木村:静岡のどちらですか?

久保田:静岡清水市。

木村:普通、サッカー行かないですか?清水だったら。

久保田:あのね、どこの小学校にもサッカークラブはある。野球部とかは小学校には無いけど、サッカークラブだけはある。

木村:ですよね。その印象がものすごい強いんですけど。

久保田:体育の授業でもサッカーは多いから、サッカーは皆それなりに上手いし。なんだけど、俺の世代は王さんが世界のホームラン王になってたから、世界のホームラン王になりたい、ああいうスターになりたいと思ったんだけど。野球人口も多くてさ。だからサッカー部より、俺の中学校は野球部の方が多かったかな。

木村:えー、それでサッカーよりも野球?

久保田:そう。親父が野球大好きだからキャッチボールやらせたがるじゃん。
親父がジェームス・ブラウンと同じ顔してるんだよ。

木村:嘘でしょ?

久保田:おんなじ顔なんだよ。ほんとなんだよ。

木村:静岡の清水市にジェームス・ブラウンがいたんですか?(笑)。

久保田:いたんだよ。その親父に「利伸、野球やるんだったら俺はいつでも応援するぞ。バッティング練習の球上げてあげるから。」って言われて高校1年まではやったけど、甲子園の出場回数むちゃ多いみたいな物凄い強い学校に入っちゃったんで、俺が一番ヘボなんだよ。周りがすごすぎて。これはやってても日陰だなと思ったの。
もう残るは、その前から将来やりたかった音楽と歌。俺、野球か歌しか考えてなかった。

木村:野球は周りの環境だったり、お父さんが大好きだったっていう理由でなんとなく想像できるんですけど、何で音楽に入ったんですか?

久保田:小っちゃい頃、車酔い、バス酔いをすごくしちゃう(子だった)のね。

木村:する人はいましたね。

久保田:極端に酔うんだよ。酔うでしょ?リズム感のいい人ってバス酔いするんだよ。

木村:俺、一回も酔ったことないです。船酔いもないです。

久保田:あれ?ほんと?じゃあ何で踊れるの?まーいっか。そういうのがあって、幼稚園の先生に「利伸くん、バスの中で歌を歌ってるとバス酔いしないよ。ずーっと歌ってれば。」って言われて、ずーっと歌ってたら、歌えば歌うだけ大ウケなんだよ。先生とか、幼稚園児とか、付き添いのお母さんとか。

木村:何を歌ったんですか?

久保田:その時の歌謡曲。ジュリーとかさ。

木村:え、幼稚園生が?

久保田:うん。姉ちゃんたちがいるからさ。ジュリーとか、あの時代の歌謡曲だよ。それを大人っぷりの歌い方で歌うわけじゃん。

木村:絶対ウケるでしょ。

久保田:人にこんなウケるんだと思って、気持ちよくなっちゃって。

木村:しかも、ご自身はバスに酔わないし。

久保田:酔わない!気が付いてみたら、着いてるんだよね。ちゃんと富士山の向こう側に行ってるんだよね。知らない間に、バスが。

木村:それ、すげーな!

久保田:そういう小っちゃい頃があったんで、歌ってると気持ちいいなと思ってるうちに中学生ぐらいになって、ラジオのスイッチを自分で入れるようになると色んな海外の音楽にドスーンって。

木村:それ、ラジオなんですか?

久保田:うん。全然ラジオ。100%ラジオ。だって、あの時代は聴けるものがラジオしかない。ラジオかレコード屋の親父かどっちかしかないから、ラジオ入れたら嬉しいじゃん。今まで自分が聴いてたジュリーじゃない音楽もワ〜って来るから。
これが今アメリカのTOP20だっていうとこで、エアロスミスが5番、スティーヴィー・ワンダーが3番、ビートルズを解散した誰が2番、スタイリスティックスが6番みたいな。そういうごちゃまぜのいい音楽がいっぱいあったから、そういうのを聴いたり真似したりみたいな。

木村:幼稚園の段階で父兄をとりこにさせる歌い方をしてた人が中学生になり、アメリカのTOP5を聴きながら真似をするって、末恐ろしい子供ですね。

久保田:俺さ、人に褒められるって事があんまりなくてさ、でも歌うと褒められるっていうのだけがあったんだよ。今思うと、あの瞬間が気持ちいいな。運動ができないわけじゃないけど、一番じゃないな。勉強をものすごいやった時も、3番とか4番とか5番くらいしかなれないな。歌だと皆すっげー喜ぶな、みたいなのがずっとあっただけなんだよ。だから歌だと自信が持てたんだ。

木村:中学生の頃ラジオを聴き、海外の音にも触れ、デビューされる前に音に触れた経験として楽器屋さんでアルバイトだったりとか。

久保田:学生やりながらのアマチュア時代っていうのは、バンドのリードボーカルはやってたよ。

木村:どんなバンドだったんですか?

久保田:ファンクバンドだね。オリジナルで作ったりもしたけども、ゲロゲロのアメリカのファンクバンドのコピーみたいな事をして。ただ、金が無いから、どこで大きい音を出そうっていうのがあって。今思い出したけど、「久保田くんのバンド頑張んなよ、上手くいくよ。」って、楽器屋のおじさんが楽器屋のスタジオを営業時間が終わった8時からタダで貸してくれたんだよ。ありがたいよね。
俺、実際にそこの楽器屋でバイトしてたんだよ。楽器屋のバイトっていうと普通さ、カッコいいギターを売ったりとか、このドラムはこうってやったりするんだけど、俺の楽器屋のバイトは、楽器屋の裏でパートのおばさんと一緒に譜面台を組み立ててたの。暗〜いところで。楽器は触ってないの。

木村:(笑)。

久保田:よく遅刻したけどOKにしてもらったし、リハーサルスタジオもタダで貸してくれたし。ほんとに世話になってるんだよ、あの楽器屋さんは。

木村:さっきスタッフから聞いてドビックリしたんですけど、大学時代にもう作家デビューしてるんですね。

久保田:うん、そうだね。そういう事になる。

木村:実際マイクに向かって歌うっていう事もご自身ではやってらっしゃったと思うんですけど、ビックリしたのが田原俊彦さんだったり、中山美穂さんだったり、小泉今日子さんだったり、鈴木雅之さんだったり、荻野目洋子さんだったり、とんねるずだったり、バブルガムブラザーズさんだったりに、20代前半の久保田利伸さんが「こういう曲ありますけど」って、皆さんがそれを表現されてたっていう。
田原俊彦さんの「It's BAD」ってあったじゃないですか。

久保田:あったじゃないですか。

木村:「Ba Ba Ba Ba」って。

久保田:それだ、それだ。

木村:それ、この人が書いてるんですよ。

久保田:そうなんだよ。この1〜2年間っていうのは、こういう事に集中した時なんだけど。この時、俺のデビューは決まってたの。人によるけど、デビューが決まりましたって言っても、その半年、1年以内になかなかボッコーンとデビューは出来ないわけじゃない。
でもアマチュアにしてみれば、「半年待ってるんですけど、まだですか?あと1年半後にどうこうですか?もう、俺辞めます」って言ってさ。今から考えれば、そんな22歳23歳の1年なんか何でもないんだけど、その時一緒に仕事していた事務所の人が「分かった分かった。久保田くん、その間に曲作りの勉強もできるから。うちの事務所は作家の部門もあるので、玉置さんの曲とか持ってく時に久保田くんの曲も一緒に持ってくよ。ちょっとイメージで作ってみ。」みたいな事をしてた1〜2年間なんだよ。
で、実際に持っていってくれて、俺って自分で歌うじゃない。そのデモテープを聴いて「なんか面白い歌を歌う子だね〜。上手いね。ノリがいいね。」みたいな感じで話が広がっていった1〜2年間。

木村:えー!!

久保田:その辺がウケるもんだから、真面目な綺麗な曲っていうよりも「It's BAD」みたいな。そういうのがよりウケたね。

木村:聴いてみたいなー!

久保田:俺が歌う「It's BAD」ってのあるんだよね。

木村:あるんですか?

久保田:あるんだよ。「It's BAD」が出た年、俺はまだデビューしてないわけじゃない。「まだデビュー出来ないですか?」って俺が言うもんだから、事務所が「分かった分かった。曲も書けてるけど、今まで作った曲とか、去年世界で売れた“We Are the World”っていう曲とか、スティーヴィー・ワンダーとか、そういうのを好きに遊びながらデモテープ作っていいよ。うちのスタジオも全部タダで使っていいから。」って。
そこで、遊びのデモテープ作ったんだよ。1人で歌う「We Are the World」とか。

木村:嘘でしょ?

久保田:ほんとにほんとに。1人で全員歌うのとか、あとちょっとファンキーな曲のカバーとか。その中に「田原さんの“It's BAD”を久保田くんバージョンで録ろうよ。」って言うのがあって。俺はここ30年くらい聴いてないけど、世の中にあるんだよ。

木村:俗にその世界では、すごいぞテープっていうものが存在してるらしいですけど。

久保田:それそれ。すんごいぞテープって俺がつけた名前じゃないからね。そんな感の悪い名前つけないよ。

木村:(笑)。

久保田:これに洋楽カバーとか、その中に「It's BAD」も入ってた気がする。

木村:僕が、それこそ地下鉄に乗ってる時に聴いてたナンバーが、まさに「TIMEシャワーに射たれて」だったり、「流星のサドル」だったり、「Cry On Your Smile」だったり、「You were mine」だったり。もうほんとに、すごいぞテープ並みに俺は聴いてたんですけど。

久保田:「Oh, What A Night!」も好きだって言ってたの、俺は覚えてる。

木村:はい。

久保田:むかーし、好きだって言ってたね。

[O.A曲]
M1.Oh, What A Night!/久保田利伸

[後TM]
M. Yellow Summer/Kenichiro Nishihara 
レーベル:IntroDuCing! / 規格品番:FAMC-091

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