木村拓哉 Flow supported by Spotify - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

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2024年06月02日Flow 第三百五回目「拓哉キャプテン × 久保田利伸」Part1

6月のマンスリーゲストは、久保田利伸さんです!
どんなトークになるのか、お楽しみに!!


木村:久保田利伸さんと言えば、1996年放送のドラマ「ロングバケーション」の主題歌「LA・LA・LA LOVE SONG」、その14年後に、同じくフジテレビ系のドラマ「月の恋人〜Moon Lovers〜」の主題歌で「LOVE RAIN〜恋の雨〜」を担当してくださいまして。
個人的には2008年のアルバム「super.modern.artistic.performance」に入ってました僕のソロ曲で「Style」っていう曲があるんですけど、大好きな曲なんで単独ライブで今バージョンをやらせていただいたりとか。
そして、つい先日発表させていただいたんですけど、僕の3枚目の『SEE YOU THERE』というアルバムに、「No Night, No Starlight」っていう超ファンキーな曲と「‘Cause I love you」っていう、ちょっとミディアム系のR&Bスローテンポバラード的なものをいただきまして。ほんとは1曲の予定だったんですけど…。

久保田:そう。「1曲似合うものを作ってくれないすか。」みたいなのがあって、「もちろん!イメージわくと思うんで。」って、お返事してから、渡したのは1曲だけど実は2〜3曲あったんだよ。そもそもあったの。ちゃんと形にはしてないけど、どうしようかな〜と思いながら。でも1曲選んでくれたんで良かった良かったと思ったんだけど、でもあったんだよ。もう1つ、こういうのがいいんじゃないかなっていうのがあったんだよ。

木村:老舗の卸みたいな(笑)。「こっち選んでくれて嬉しかったんだけど、いや〜、あるんだよ!」っていう。

久保田:ある意味とっておきくらいの感じ。

木村:(笑)。

久保田:他はアイディアだけだったんで、まずちゃんと出来上がったものを渡したんだけど。試しにディレクターに渡して、「チャンスあったら聴いてもらえませんか。悪くないっすよ。」みたいな。そしたら悪くないと思ったんだよね。

木村:だって、悪くないと思いましたもん。最初に頂いたのが「No Night, No Starlight」っていう、これ絶対盛り上がるやんっていう曲だったんですよ。「いやもう、これいただきます。ありがとうございます。」っていう、普通食べ物が「どうぞ召し上がれ!」って出てくると、色を楽しんだり盛り付けを楽しんだり、人って色々しがちだと思うんですけど、兄いからいただいたものって「いただきます!」から一口目が早いんですよね。

久保田:特に「No Night, No Starlight」はじっくり香りを楽しんで、サイドから眺めてからどうでっていうところの時間はあまり使わないで…。

木村:もう、全然いらなかったです。

久保田:まず、ドスン!って。「どう?」「どこに入ってく?」みたいなタイプの。

木村:喉が乾いてたところに出された強炭酸じゃない、一番求めてた柑橘系の…。

久保田:そう言ってもらって嬉しいんだけど、作ってる時からあんま細かい事考えないで作った。スタッフが「とにかく今の木村に似合う曲を!」って。う〜ん、どういう男か俺なりには知ってるしな。うん。で、一番やって欲しくなかったのが、こんな時代だからこれをやろうとか。本人も絶対そういう生き方してないと思うんだけど。なんか飄々と、「俺別に、この曲ガツンと歌ってますけど何か?」みたいなさ…をやってほしかったんで、よりストレートな、遊びに近いストレートファンキーになったんだよ。今時無いくらいのストレートファンキー。

木村:僕が兄いの曲を、地下鉄で移動してる最中ずっとヘッドホンで聴き込んでた時から匂ってるというか漂ってる、要は地続きのストリートな感じが、飛行機に乗って特別な場所に大移動したってわけではなく、ほんとにSubwayに乗って、前は手前の駅で降りてたけど、今回は2つ先で降りてみたっていう。そこに広がる景色っていう感じがすごい嬉しかったんですよね。

久保田:この曲は、そうだね。言ってる意味が分かる。昔からある俺の曲の作り方、色んなことやってるけど変わってない匂いと趣味みたいなのがあって。これはさ、昔から俺が持ってるものに何の工夫も加えてないんだよ。

木村:(笑)。

久保田:それがいいんじゃないかなと思ってさ。色々迷ってる中でそれをやっちゃったもんだから、実はもうちょっとスイートな曲もあるんだけどなって。

木村:それが、「‘Cause I love you」っていう。これはね、普段僕はそこまで甘味系を行かないんですけど、たま〜に食べたときに「うんまっ!」そして「エロッ!」っていう、久々に食べたらこんな美味かったっけっていう。
で、食べた後に何でこんなエッチな気分になってるんだろうなっていう感じでした。

久保田:いいね。大成功だね。甘いものは作りたかったんだけど、ちょっとブルースセクシーにしたかったんだよ。だからちょうど今言った感じ。甘いもの作りたいんだけど、人間の色気みたいなやつが乗っかってくれればいいなと思って、やっぱこれも聴かせちゃおって思った時に作りかけの曲を作り足した。だからね、それが10分とか15分くらいで。

木村:えっ!?

久保田:出来ちゃった曲なんだよ。アイディア自体も10分で出来てるから。だから制作時間30分以内なんだよ、この曲。だから、ある意味、こういうふうにしたいなって想いはあるけれども、そっから先はあんまり深い事考えて無くて。こういうの歌ったら色っぽいかも。

木村:でも、人格がガラッと変わってるわけではなく、「No Night, No Starlight」に関しては、夜のとばりが下りて皆が各々の時間を過ごし始めてはいるんだけど、なんか共通のベクトルだったり趣味嗜好だったり、同じカルチャーを味わって盛り上がってきた世代、仲間が一カ所に集まった時に盛り上がっている空間。その中の主人公がしっかりいるんですけど、同じ主人公なんだけど、そういう人たちと過ごすわけではなく、一人きりで色んなことを考えて、それこそ夜のとばりが下りる前に一人ポツンと思ってる相手のことを、それこそフォトフレームの中の写真を目にした時の一人っきりの瞬間が「‘Cause I love you」のイメージかなっていう。
役は同じなんですよ。同じ人なんだけど、過ごしてる時間帯と過ごしてる空間と一緒に過ごしてる人たちが違うのかなっていう、解釈を僕はしてました。

久保田:歌にしても、レコーディングに臨むこと、いつもやってること、映画にしてもお芝居にしても物凄く真剣だよね。入り込むよね。

木村:(笑)。

久保田:そうじゃなきゃいけないと思うんだよ。一番上で引っ張っていく人っていうのはそうじゃなきゃいけないから。そこは全然、人とレベルが違うよね。

木村:いやいや。

久保田:チャラくやらない。しかも一々そんなに時間もかけない。時間かけたら色んな事できないから。その辺のイメージもしながら、分かりやすい曲を作ったの。こざかしい事じゃなくて。ストレートな2つを作ったの。

木村:(笑)。時々研ぎ澄まされた言葉をポーンって投げますけど大丈夫ですか?こざかしいとか最近あんまり。久々に聞いたなと思ったんですけど。

久保田:いやでもね、この2つっていうのが俺は、これやって良かったな、作ってよかったなって。仕上がりの歌を聴いても、すっげー心を込めて歌ってくれてるなっていうのが、これが気持ちいい話。

木村:いやいや、作ってくれる人があまりにもハードルが高いので。そのハードルを超えるには思いっきりストレッチしてから臨まないと、プチッて筋いきそうになっちゃったので。

久保田:思いっきりやってるよね。こんなに熱めに歌ってくれるんだっていう。2曲ともそうかな。「No Night, No Starlight」の方は特にそうかな。

木村:あ、ほんとですか?

久保田:うん。「‘Cause I love you」の方はそここだわるか、その歌のFlowにこだわるかみたいなのはあったね。

木村:(笑)。だって、パスがすげーパスなんですもん。

久保田:ちょっとね。ちょっと出したよ、パス。

木村:いや、すっげー回転かかってますよ。

久保田:パスっていうかね、今日きっといろんな話するでしょ。

木村:はい。

久保田:パスはね、今日言うよ。昔出されたパスで大変な思いしたってことは言うよ。それは言うけど、この曲とは関係ないから。でも色々話すんだったら言うよ。苦しかった、あのパスは俺。何のことだか覚えてないと思うけど。

木村:いや、その「言うよ、俺もらったパスの事」って言った瞬間に…。

久保田:何のことかわかる?

木村:だいたい分かりました。そのパスを兄いに出した瞬間の俺、帰りの移動車に乗ってて、あの辺の信号を左折した時にそのパス出したなっていうのが出てきました。

久保田:俺が言ってるパスと違うぜ!たっくんのパスは何のパスの事?

木村:スタッフから「LOVE RAIN〜恋の雨〜」を兄いが作ってくれたって伺って、「今の段階の主題歌候補が来てますので、お聴きになりますか?」って言われて聴かせていただいて。それで、ショートメールでやりとりをさせて頂いて、兄いが「何かあったら何でも言ってね。」ってカジュアルな言葉をくれたんです。

久保田:言う言う。そう言うよ、俺は。

木村:その時に、もう一踏み踏んでくれてる兄いの感じがかっけーなと思って、「もうちょっとアクセルを踏み込んでもらってもいいですか?」っていう返信をさせてもらったら、ショートメールじゃなくて兄いからの電話が鳴りだして、「アクセル踏むってさ、具体的に言って。どの辺?」みたいな感じで言ってくれて。「例えば、あそこのところって、もうちょっとアクセル踏んでもらう事って可能ですか?」って言ったら、「えー、じゃー、ちょっとやってみるね。じゃーね。」って言って。

久保田:無茶ぶりだよ。ほんとに。

木村:(笑)。

久保田:しかもちょうどレコーディング中で、マジ歌いの最終日みたいな時でこんな感じかなと。でもメールでアクセルどうこうって来てるな、面白い事言ってくれるんだったら応えたいと思って。でも文章じゃ分かんないから電話したら、そのパスの出し方が口で説明っていうよりかは、歌ってたんだよ、たっくんが。

木村:嘘だ!

久保田:元は「♪タラタタ…」の所をアーとかって言ってたんだよ、電話口で。
実はあそこを俺もつまんないと思ってて。あそこでちょっと崩していいと思ってたのね。ただ、崩すのにとんでもないとこに行っちゃう方法しかないと。やっぱり曲って行きゃいいってもんじゃなくて、美味しいノートっていうのは、美味しい音って言うのはこれかこれかこれしかない。

木村:美味しいノートっていうのは、ブルーノートのノートと一緒ですか?

久保田:ブルーノート、それと同じ意味で、「アー」もいいけど「あ〜〜」も良かったりとか「あ、あー」も良かったりするけど。それの一番無茶なところ。「ああああっ!!」って。無茶すぎたから綺麗に「アー♪」って歌うんじゃなくて「あ〜ぉっ!」って歌っちゃったんだよ。
それが結果、「兄貴、それが俺の言ってることです。そういう事なんですよ。いいじゃないですか。」

木村:主題歌を書いてくださる人になんてことを言ってるんだって思ってたんですけど、でも兄いがそれを一切無視することもないし。

久保田:無視はしない。だって迷ってたんだもん。あそこはあのまんまじゃつまんないなと思ってたけど、あのパスは無茶だなと思ったの。

木村:(笑)。

久保田:でもつまんないなと思ったけど、いいか、俺のせいじゃないやと思って。たっくんのせいだ、いいやいいやと思って。
ところがさ、あれがさ、ライブでやっても見せ場なんだよ。あそこを待つんだよ。お客さんも一緒に「あ〜ぉっ!」ってやるんだよ。

木村:へー。

久保田:だから大事なんだなと思って。頭を固く、そこに留めちゃいけないなと思ったよ。

[BGM]
M.LA・LA・LA LOVE SONG/久保田利伸 with Naomi Campbell
M.LOVE RAIN 〜恋の雨〜/久保田利伸
M.Style/木村拓哉
M.No Night, No Starlight/木村拓哉
M.'Cause I love you/木村拓哉

[O.A曲]
M1.LOVE RAIN 〜恋の雨〜/久保田利伸

[後TM]
M. Yellow Summer/Kenichiro Nishihara
レーベル:IntroDuCing! / 規格品番:FAMC-091

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