2010年06月08日
アウトレイジ!
さて、きょうは映画のお話。
毎朝6時から全国放送している『クロノス』が始まって
最近は少し映画を観るペースが落ちてしまいましたが、
映画館や試写室へは相変わらず通っています。
そこで、最近観たものの中から、お勧めの映画の感想をつらつらと。
6月12日(土)に、まさに対極の世界を描いた2本が同時に封切られます。
それが・・・
北野武監督『アウトレイジ』と、小泉徳宏監督『Flowers』。
一言で表現するなら、『男だらけの悪の世界』VS『女だらけの美の世界』!?
同日公開に意図があるのではと勘繰ってしまうくらいに、正反対!
『アウトレイジ』は、監督・脚本・編集が北野監督。
ヤクザの世界で生きる男たちが、義理と私欲の狭間で騙し騙され、裏切り裏切られ、
地位と名誉、あるいは自分が信じるものを求めて激しい抗争を繰り広げるお話です。
はっきり言います。
アウトレイジ、むちゃくちゃ、面白いです!!
もう、面白い以外の表現は適切でないくらいに、面白い。
カンヌ国際映画祭での上映で、
あまりの『痛みを感じさせる場面』に退出者が続出したというニュースは
記憶に新しいかもしれません。
そして、私は正直、痛い&恐い映画が苦手。
上映前、試写室の椅子で恐れ慄いていました。
・・・が。
この映画の途中では、席は立てない。立つ気になれない。
私は暴力を肯定するつもりは決してありませんが、
痛みと言うのは、バーチャルではない、リアルな命である上での
必要不可欠な要素なんだと痛感しました。
生きているから、痛い。命があるから、痛い。
確かに、そこまで描いちゃいますか北野監督!?というくらいに
ヤクザさんならではの暴力的なシーンがあったり、
少なくとも私が生きる世界(狭いですが)では考えられない残酷な表現があったり。
何度、パンフレットで顔を覆ったり、
少女マンガのように指の隙間から画面のはじっこだけを観たりしたでしょうか・・・
だけど、その場面だけを受けて席を立ってしまっては、
あまりにもったいないです。
ヤクザと言う特別な世界を描いていますが、映画の根底にあるのはやはり人の精神。
何かを切り捨てたり、逆に大切にしたり、私利私欲まみれで求めたり、失ったり・・・
結局は、実質的な(肉体的な)痛みを伴うか伴わないかだけで、
いわゆるカタギな世界のそれと何ら変わりないのかも、と気付きます。
いるいる、こんな人、自分の周りにも!そんな風に、誰もがきっと思うはず。
登場人物のみんながみんな『悪』という北野監督の設定にも、
シニカルなものを感じてしまいます。
だって、誰だって自分のことを『善』とは思ってませんよね?(あれ?私だけ?)
悪の中にみる人間の本質。そして最後の・・・驚く展開。
これまで『北野監督の作品は、自分にはちょっと難しい』と思っていた方も
無条件にエンターテイメントとして観られる作品だと、私は思います。
おまけとして書くと、過激な表現ですが、女性は見終わった後
自分だったら誰に抱かれたいか、ついつい考えてしまう映画でもあると思います。
オス剥き出しの男たち、それぞれの生き方・求めるもの、
そのうちのどれに共感して、寄り添いたいか。
ちなみに私は・・・加瀬亮さん演じる、石原。
外見ではなく(もちろん、痺れるくらいに悪役の加瀬さんはかっこいいですが)
処世に惹かれます。
そこから分析される私の性格は・・・是非アウトレイジをご覧になって
『ははーん、古賀って意外とアレだな』と、推測してみて下さい(笑)
なお、クロノスではあす6月9日(水)朝7:20くらいから、
私がガチガチに緊張しながら伺った、北野監督へのインタビューの様子を放送します!
お住まいの地域のJFN系ラジオ局(例えばエフエム大阪やエフエム福岡など)で
是非、お聞き下さい。
次回は、『Flowers』についてご報告します♪
毎朝6時から全国放送している『クロノス』が始まって
最近は少し映画を観るペースが落ちてしまいましたが、
映画館や試写室へは相変わらず通っています。
そこで、最近観たものの中から、お勧めの映画の感想をつらつらと。
6月12日(土)に、まさに対極の世界を描いた2本が同時に封切られます。
それが・・・
北野武監督『アウトレイジ』と、小泉徳宏監督『Flowers』。
一言で表現するなら、『男だらけの悪の世界』VS『女だらけの美の世界』!?
同日公開に意図があるのではと勘繰ってしまうくらいに、正反対!
『アウトレイジ』は、監督・脚本・編集が北野監督。
ヤクザの世界で生きる男たちが、義理と私欲の狭間で騙し騙され、裏切り裏切られ、
地位と名誉、あるいは自分が信じるものを求めて激しい抗争を繰り広げるお話です。
はっきり言います。
アウトレイジ、むちゃくちゃ、面白いです!!
もう、面白い以外の表現は適切でないくらいに、面白い。
カンヌ国際映画祭での上映で、
あまりの『痛みを感じさせる場面』に退出者が続出したというニュースは
記憶に新しいかもしれません。
そして、私は正直、痛い&恐い映画が苦手。
上映前、試写室の椅子で恐れ慄いていました。
・・・が。
この映画の途中では、席は立てない。立つ気になれない。
私は暴力を肯定するつもりは決してありませんが、
痛みと言うのは、バーチャルではない、リアルな命である上での
必要不可欠な要素なんだと痛感しました。
生きているから、痛い。命があるから、痛い。
確かに、そこまで描いちゃいますか北野監督!?というくらいに
ヤクザさんならではの暴力的なシーンがあったり、
少なくとも私が生きる世界(狭いですが)では考えられない残酷な表現があったり。
何度、パンフレットで顔を覆ったり、
少女マンガのように指の隙間から画面のはじっこだけを観たりしたでしょうか・・・
だけど、その場面だけを受けて席を立ってしまっては、
あまりにもったいないです。
ヤクザと言う特別な世界を描いていますが、映画の根底にあるのはやはり人の精神。
何かを切り捨てたり、逆に大切にしたり、私利私欲まみれで求めたり、失ったり・・・
結局は、実質的な(肉体的な)痛みを伴うか伴わないかだけで、
いわゆるカタギな世界のそれと何ら変わりないのかも、と気付きます。
いるいる、こんな人、自分の周りにも!そんな風に、誰もがきっと思うはず。
登場人物のみんながみんな『悪』という北野監督の設定にも、
シニカルなものを感じてしまいます。
だって、誰だって自分のことを『善』とは思ってませんよね?(あれ?私だけ?)
悪の中にみる人間の本質。そして最後の・・・驚く展開。
これまで『北野監督の作品は、自分にはちょっと難しい』と思っていた方も
無条件にエンターテイメントとして観られる作品だと、私は思います。
おまけとして書くと、過激な表現ですが、女性は見終わった後
自分だったら誰に抱かれたいか、ついつい考えてしまう映画でもあると思います。
オス剥き出しの男たち、それぞれの生き方・求めるもの、
そのうちのどれに共感して、寄り添いたいか。
ちなみに私は・・・加瀬亮さん演じる、石原。
外見ではなく(もちろん、痺れるくらいに悪役の加瀬さんはかっこいいですが)
処世に惹かれます。
そこから分析される私の性格は・・・是非アウトレイジをご覧になって
『ははーん、古賀って意外とアレだな』と、推測してみて下さい(笑)
なお、クロノスではあす6月9日(水)朝7:20くらいから、
私がガチガチに緊張しながら伺った、北野監督へのインタビューの様子を放送します!
お住まいの地域のJFN系ラジオ局(例えばエフエム大阪やエフエム福岡など)で
是非、お聞き下さい。
次回は、『Flowers』についてご報告します♪
投稿者: 古賀涼子
コメント
「観よう!観たい!観なきゃっ!」
って思わせるプレビュー書いちゃったら、おすぎはじめ(はじめ・・・か?)映画評論家達が「商売あがったりだ!!」って怒りますよ!!(笑)
北野監督の奥さんはお寺の娘だし、最近正月特番でも神仏からみの番組に出てたりと・・・世界のたけしが神仏への畏敬の念を作品に投影することがあるのかないのか・・・今回の「アウトレイジ」がそうであるかは別として、興味深いところでもあります。
「アウトレイジ」・・・古賀さんがどんな男にセックスアピール感じるのか・・・それを推測するのも楽しみの一つですね☆
(^皿^)ぷぷぷっ!
それも、何ら知識の無いリスナーにどのように伝えるか
いままで、何の気なく聞いておりました。
個人的には美女6人の方が癒される感がありますが、バイオレンスもので日頃の鬱憤をぶっ飛ばすのもイイかも…