Vol.3「駄菓子問屋」東京・日暮里
子どものとき食べたお菓子っていうのは、大人になっても懐かしくて来るの。みなさんね。」
と語るのは、東京都荒川区・日暮里にある駄菓子問屋「大屋商店」を営む大屋律子さん。
![駄菓子問屋 駄菓子問屋](https://www.tfm.co.jp/cms/media/527/20160319-ph_miraizukan.jpg)
この地域にはかつて「日暮里駄菓子屋横丁」と呼ばれた駄菓子問屋街がありました。
1950年代から1970年代ごろの最盛期には160軒もの問屋が軒を連ね、
子供たちの憩いの場として栄えたエリアでしたが、
平成になって、駅前の再開発や店の経営者の高齢化により次々と閉店。
現在、残っているのはたった1軒のみになりました。それが「大屋商店」。
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大屋商店の歴史はおよそ68年。
日暮里に唯一残る老舗駄菓子問屋ということで、昔を懐かしむ大人や子供連れ、
駄菓子屋を営む同業者、夏祭りの仕入れなど、全国からいろんな人がこの店を訪れます。
昔は銭湯もたくさんあって、いろんな人の輪があった。
それがビルの立ち並んだ現在ではお年寄りも少なくなり、コミュニケーションの場がなくなってしまった。だから元気でいられる間は、自分の健康のためにも店に立ち続けたい。
そんな気持ちを持ち続ける大屋さんは、今でもお店の駄菓子はひととおり全部食べるんだそうです。
「そうでないと人におすすめできないでしょ。
今、一番のおススメは、あんこ玉、麩菓子、きなことか。昔ながらの。
おじいちゃんおばあちゃん来ると、こうやって、お孫さんに買ってあげるでしょ。
それがまた楽しみなんでしょうかね。」
駄菓子一筋で半世紀。
おじいちゃんおばあちゃんと、子供や孫をつなぐ、町の駄菓子屋さん。
まわりの景色が変わっても、そこに生まれる笑顔の輪は変わることなく未来へとつなげていきたいですよね。
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