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福山雅治 福のラジオ

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放送後記〜チェリー清水さんの後ろの席から〜

メインストリームとアンダーグラウンド

2024/09/15 update
そろそろ文化祭のシーズンがやってきます。
音楽、特にバンド活動経験がある方の中にも、学校のステージに立ったことがある、という方、いらっしゃるのではないでしょうか?
そんなバンドキッズの親御さんからメッセージが届きました。
大阪市・みっちーさん(57歳女性)
ましゃこんにちは!いつも楽しみ聴いています。
先日、高校2年の息子の文化祭に行ってきました。

小さい頃から何かをやりたい!とか、そういうことを言ったことがなくて、習い事でも私がこれやってみたら?と勧めてなんとなくやっていたと言う感じの、あまり意欲的ではない子供でした。
ですから高校に入って「音楽をやる」といったこと、最初は想像もしませんでした。
軽音部に所属して、1年生の時は楽器ができなかったのでボーカルだったんですが。今年はギターを弾いて歌うというので、大丈夫なのかな?と思いながら見に行きました。

ライブではトリで、お客さんは満員の中、無事に歌い演奏していました。
ギターなんかやったことなくて、家で独学でコツコツやっていたみたいです。
息子の成長が見れて嬉しい時間でした。

次の日、今のギターは借り物だからギターが欲しい!と言われ、生まれた時からためていた、お年玉を使って買うことにしました。
ギターのことはわからない私はちんぷんかんぷんでしたが、時々ましゃのギターを思い出しながら興味深く見ていました。

ましゃのお母様はギターをやる息子のことをどう思っていたのでしょうか?
高校の文化祭には見に来ていましたか?
買ったギターを背負いながら歩く息子の背中は弾んで見えました。
いつか息子にましゃの曲を弾いてもらいたいです。


福山さん、高校生のころは、家でもフルボリュームでギターを弾いていたそう。

当時のギターのイメージは学校でも教えられることもなく、ちょっとはみ出している雰囲気がたまらなかったという福山さん。
一方、クラシックに対しての言葉とはいえ、気軽に楽しむことができる学校の“軽音楽部”という名前には、ちょっと違和感があるそう。
“けいおん”はかわいいと思うけど、漢字の字面での“軽音楽部”と言う名前は変えたい、と。

学校の文化祭やライブハウスというところから、音楽への興味がスタートしてカルチャーが生まれる。
これは間違いないけれど、何か体系化されているとつまらない、ということがあるんです。という福山さん。

学校のようなシステムの中にあると管理されているような気になってしまう、、、管理されていない、好きな人がやっていれば!?みたいな状況にあるロックやヒップホップ。大人が社会とつなげずに、自分たちの中でやっているという感じって結構重要な気がします。
みんなが知らないものを聴きたいとか、みんな知らないけど、これからこの音楽来るんだよね。それを知っている俺や仲間たち、みたいな感覚。

皆が知っていて体系化しているものから、ちょっとはみ出しているから昔の僕のように興味が湧く。でも、それではビジネスとしては成り立たないので持続しない。
・・・このメインストリームとアンダーグラウンドという、ふたつ要素を同時に存在させるのは難しい。
野放しの部分と、野放しじゃない部分がうまく合った仕組みができないかなあ。
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みっちーさんの息子さんの話を聞いて、自分の経験を思い出し、そして今、これからの音楽の仕組みに想いを馳せた福山さん。
「知る人ぞ知る」と「みんなが知っている」という境界を超えるとき、それぞれの中で失われるものがあるのは、音楽だけでなくアートや文学など、様々なジャンルに存在する宿命なのかもしれません。でもそれを少しでも減らすことを考えるというのは、福山さんならでは、と実感したスタッフでした。
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